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孤立性上腸間膜動脈解離/平穏な1日

以前も書きましたが、私は鑑別診断を考えるときV dot cinema SPという頭文字で考えるようにしています。(一般的に医学教育ではVINDICATE ! !!P何かが使われていると思いますが)で、最初のVはVascularのVですね。で、腹痛なんか見たときは、消化管のみ原因と考えるのではなく、大動脈瘤とか虚血性腸炎とか血栓とか考えるわけです。で、孤立性上腸間膜動脈解離という稀な疾患もVにはいるわけですね。↓のような論文がありました。

孤立性上腸間膜動脈解離21 例の治療経験

脈管学 Vol. 55(2015) No. 11

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jca/55/11/55_15-00027/_pdf

【要旨】 症例は27 歳女性,誘因もなく右前腕の腫瘤を自覚したため受診した。右前腕近位に可動性良好で境界明瞭な鶏卵大の拍動性腫瘤を認めた。超音波検査では上腕動脈周囲に低-等エコーを示し一部上腕動脈内へ突出する腫瘤像を認めた。上腕動脈原発の腫瘍と診断し右上腕動脈部分切除,大伏在静脈置換術施行された。病理組織学的検査では類上皮血管腫という診断であった。術後3 年でグラフトは良好に開存しており再発もなく経過している。

・もう一つ↓ 

腹部内臓動脈解離―とくに孤立性上腸間膜動脈解離の治療戦略

日血外会誌 2013;22:695–701

 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsvs/22/4/22_12-00064/_pdf

【抄録】 【目的】大動脈解離を伴わない孤立性の腹部内臓動脈解離(VAD)は極めてまれで,そのほとんどが上腸間膜動脈(SMA)に生じ,病態は不明のことが多く治療法は確立されていない.そこで教室で経験したVADについて後ろ向きに検討した.【対象と方法】2005 年から経験したVAD について,その形態と治療法と成績に
ついて検討した.【対象と方法】年齢は41~78(平均56.7)歳,男女比は12:2.全例SMA 解離で,1 例は脾動脈にも解離を認めた.Sakamoto らに準じた分類では,type VI の例に,急性期に腸管虚血を疑いステント挿入,血栓摘除兼内膜切除術を各1 例に施行した.またtype II の1 例で,発症3 カ月後瘤拡大のため瘤切除を施行した.他の11 例では,保存的に治療し症状は改善した.遠隔期にSMA の径の拡大はみられず,解離の距離は38.0±15.1 mm から20.7±15.7 mm と有意に縮小した(p<0.001).形態上,SMA の解離腔および血栓の縮小に伴い,type II,type IV が多くなっていた.最長6 年10 カ月の追跡期間で,全例生存しており合併症は認められていない.【結語】内臓動脈解離のほとんどはSMA 解離例であり,多くは保存的に治療可能であるが,病態によって侵襲的な治療を選択すべきである.造影CT は診断に有用であり,発症後は定期のフォローアップが重要で
ある.(日血外会誌2013;22:695–701)

・緊急で造影CTがとれる施設なら比較的診断は容易(かな???)でしょうが、私が勤める病院のように夜間は検査技師も放射線技師もいないような中小病院ではなかなか診断が困難ではないでしょうか?

 以下ごく短く日記

・今日は5時41分に起きて、朝勉。そして出勤です。午前中は外来。あまり大きな事無く無事に終了。午後はワクチン接種の当番でしたが、もう山は過ぎたのか、患者さんは来られませんでした。なので、午後はデスクワーク。帰宅は19時半頃。まず、夕食。そして、勉強。英語を読むとすぐ眠くなるので、眠くなった時点で入浴。で、ノンアル飲みながら、このブログを書いております。もうちょっとだけ勉強して23時までにはねます。



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