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「助けられ大賞」

私は、遠い昔?倉敷市の小さい病院で12年間院長をしたことがありますが、その時のひそかな?目標として、自分の病院の診療圏内では介護殺人・介護心中を起こさせないということでした。職員さんには地域で困っている人、SOSには敏感になりましょう、SOSを発信できない人もいるので、こちらから「受信」にいきましょうというような話をしておりました。介護心中のニュースを聞くたびに、その方たちはだれにも相談できなかったのかと胸が苦しくなります。でも、S0Sを発するのも勇気がいるものです。いつの間にか何でもかんでも「自己責任」と言われるような風潮になっているから。

・社会疫学を勉強していると必ずでてくるソーシャル・キャピタル、日本語では社会関係資本ですが、その概念をしっかり勉強しておこうと↓の本を読んでみました。


ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)

ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)

  • 作者: 稲葉 陽二
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/11/24
  • メディア: 新書

・いろいろ勉強になり、いろいろ思うところもあるのですが、p99に「助けられ大賞」という言葉が出てきました。長野県須坂市の社会関係資本に関する取り組みとして毎年「助け合い起しによるまちづくり推進大会」というのが行われているそうです。その中で、人に助けを求めること自体が勇気を要することであるという認識から、助けた人だけではなく、助けられた人も表彰しているそうです。それが「助けられ大賞」。他人に助けを求めるという情報発信で住民間のネットワークが形成・強化されるとのこと。へーっと大リーグボール1号のような逆転の発想に驚かされました。(どれだけの人が、大リーグボールがわかるか?)SOSを発信することで、似たような状況の方のためにもなるということで、恥ずかしがらず、勇気をもってSOSを発信すること・・・ただ、SOSを発信しても受信したものが、その人たちを傷つけたり、ネグレクトするような風土ではだめですよね。「助けられ大賞」をつくるためには、その土台となる地域の風土、文化、考え方といったものをきちんと整えないとね...


以下超短小日記

・本日は6時に起きて上記の本を読み上げて、大学へ。午前中は疫学の勉強、午後は病院にもどって書類作成、レントゲン読影、そして夜間診療。どうしても、夜間診療がしんどい。本当に年だなと思います。19時半過ぎに帰宅して、入浴、夕食、そしてこのブログを書いています。これから「孤独のグルメ」をみて、寝ます。

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