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じん肺の定義/さすがに外来5時間は疲れるぞ

・職業性呼吸器疾患の古典的かつ典型的な疾患はなんといっても塵肺(じんぱい)でしょう。現在その定義がどうなっているのか改めて調べてみました。

まずは、『医学書院医学大辞典第2版』から↓


塵肺 ジンパイ pneumoconiosis


粉塵を吸入することによって起こる肺の線維増殖性変化を主体とする疾患。吸入する粉塵の種類により,珪肺(鉱山,窯業,鋳物など),アスベスト肺(石綿加工など),黒鉛肺(鉛筆製造,電極製造など),スズ肺(エナメル,歯科用セラミックスなど),染土肺(い草染土),タルク肺(滑石粉砕,塗料,ゴムなど),炭鉱夫肺(石炭鉱山),鉄肺(鉄溶接工など),アルミニウム肺(アルミニウム製造),硫化鉱肺(硫化鉱山,硫安工場)などの病名がある。粉塵の種類により胸部X線写真や病態に幅があるが,一般に進行すれば,線維化病変による呼吸不全あるいは肺性心に至り,さらに肺結核などの合併,悪性腫瘍の合併,続発性気胸などが生命予後に影響する。塵肺に対する根本的な治療はなく,去痰薬や気管支拡張薬を対症的に投与する。進行すれば酸素療法や心不全のコントロールを行う。じん肺法では,臨床所見,胸部X線写真所見,呼吸機能検査所見から管理区分が定められており,進行例では労働者災害補償保険法による補償が行われる。

・ここで注意したいのは、じん肺はいろんな粉塵暴露によっておこる各種疾患の総称であり、一つの疾患ではないということ。ときどき、じん肺=珪肺と誤解されているので念のため。

・もう一つ注意したいのは、各種疾患と上で書きましたが、労働者は一種類だけの粉塵を吸っているわけではないことが多いので、純粋にじん肺を**肺と診断するのは難しいということです。なので私はあえて診断名は塵肺とすることが多いです。


・じん肺法の定義を見てみましょう↓


第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 じん肺 粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。

二 合併症 じん肺と合併した肺結核その他のじん肺の進展経過に応じてじん肺と密接な関係があると認められる疾病をいう。

*じん肺法全体は↓でよむことができます。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74164000&dataType=0&pageNo=1

・あとILOの定義をみてみましょう↓

Pneumoconioses: Definition

A new definition of pneumoconioses was adopted at the Fourth International Conference on Pneumoconiosis, Bucharest, 1971: “Pneumoconiosis is the accumulation of dust in the lungs and the tissue reactions to its presence. For the purpose of this definition, ‘dust’ is meant to be an aerosol composed of solid inanimate particles.”
・あんまり日本の教科書には書かれていないようですが、↑で引用したサイトの中では、non-collagenous pneumoconiosisとCollagenous pneumoconiosisというような分類をいていますね。
以下少々日記
・本日1/19(土)は、6時に目が覚めたのですが布団から出たのは6時半でした。で、朝食摂って水島へ。9時から14時まで一般外来をしておりました。今までは13時には終わっていましたが、いつもより1時間長い。さすがに5時間も外来すると疲れます。で、お昼はいつもの古狸庵といううどん屋さんで、かき揚げ天ぷらうどん。その後15時前から18時前まで情報管理室というところに引きこもって自分の研究データの整理。で、帰宅は18時半過ぎ。お風呂入って夕食。その後ちょっと勉強してこのブログを書いております。さすがに疲れておりまして、これから寝床にはいって本を読みながら寝ようと思います。
・明日は気力があれば病院へちょっと寄ろうと思います。そして、午後からは久々のソバ打ちクラブへ。夕食は回転寿司を食べに行くかも。

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