SSブログ

外来の診療で大切なこと、コツ、私がやっていること/あまりにも衝撃

・私がメインで勤めている病院へ、たまーーーーに研修医が「地域医療研修」ということで2ヶ月間こられます。そこで、私は4つばかり=外来の仕方、論文の読み方、胸部レントゲン読影、呼吸管理について講義をしてきました。明日も講義の予定ですが、そのレジュメをアップします。読まれた皆様で何かご意見、ご批判、感想があれば教えてください。


外来の診療で大切なこと、コツ、私がやっていること ver.1.1


1.心得

・患者さんは、要望と不安をもってくる

  要望がはっきりしないこともある・・・診療の中で明確にする

  「主訴」と真の受診動機は異なることがある

  →最後に二つの門をあける:注文と質問・・・ドアノブ・コメントを避ける

・誠実に・・・この対応は果たして誠実か?と自問する

・患者さんの受診目的と医師の診療の目的が食い違うことがある

  目標の明確化・共有                         

・情報格差があるのが当たり前だが...

  本やWebsiteでよく調べられている人もいる

  中には、医師をテストしている人もいる

・録音されているつもりで話す

・こちらは、そういうつもりはなくても、「お医者様」:話ずらい・訊きづらい

   ユーモアを持って。バリアーをできるだけ低くする。ノン・バーバルな雰囲気も大切。

2.診療の最初                                   

・立って挨拶、視線をあわせる

・笑顔・・・口角をあげる練習、鏡を見る

・ピー子に挨拶しない。ピー子とばかりはなさない

・最初、患者さんの

 

話を途中で遮らない

3.診断

・患者さんの訴えは、その通り書く・・・患者さんの「健康問題物語」(患者側の解釈モデル)を知る

・よく3Ccommon, critical, curable)といわれるが...

 私は、CCOもしくはCCEとしてほしい O: occupational E: Environmental

 最近の流れではEがよいかも。SDH: Social Determinants of Healthが重視されてきている。

・最初にcriticalな疾患を考え、除外しておくと後の診療が楽

・鑑別診断は、必ず挙げる。その癖をつける。絶対決め打ちしない。それがたとえ風邪だとしても。

・よく使われるのがVINDICATE!!!P

VVascular:血管系、IInfection:感染症、NNeoplasm:新生物(良性、悪性)、

DDegeneration:変性疾患、IIntoxication:薬物・毒物中毒、CCongenital:先天性、

AAutoimmune:自己免疫/膠原病、TTrauma:外傷、EEndocrineMetabolic:内分泌代謝系、IIatrogenic:医原性、IInheritance:遺伝性、IIdiopathic:特発性(原因不明)、PPsychogenic:精神・心因性

・わたしは、MEDIC TO VAN, 最近では V DOT CINEMA SPとしています。

 VINDICATEでは、Occupational, Environmentalがない

 SSystemicで、全身性疾患の部分症ではないかと考える

・鑑別診断のみでなく合併症も考える。

・見通しや今後起こることを患者さんに伝えておく。(特にどれくらいで症状が改善するか)薬の副作用も。あらかじめ言っておくのと言わないのは雲泥の差。

4.検査

・定期検査はあらかじめ「次、採血しましょうね」とお知らせしておく

・検査の費用も説明できればベター

・検査するとき、その検査結果で自分の行動が変わるかどうか考える

・データは必ず確認する。データがでるのが後日の場合、メモや電カルの活用

・必要なデータは、自分から聞きに行く

・検体の間違い、人間違い、記載間違い等あることに気を付ける

・慢性疾患は、あらかじめ計画を立てておく。全身管理を心掛ける。

5.その他

・必要な能力:コミュニケーション アサーション

・自分一人で外来をしているわけではない。看護師、事務等スタッフに感謝。

・古いPから新しいPPaternalismからPartnership

・のど自慢的職業表現はNG

・身(メンタルも)を守ることも大事(・ごく一部だが、ひどい人もいる)

【参考文献】

・『研修医になったら必ず読んでください。〜診療の基本と必須手技、臨床的思考法からプレゼン術まで』  2014/2/25

岸本 暢将 (), 岡田 正人 (), 徳田 安春 ()

・『白衣のポケットの中―医師のプロフェッショナリズムを考える  2009/4/1

宮崎 仁 (), 尾藤 誠司 (), 大生 定義 ()

・患者は何でも知っている (EBMライブラリー) – 2004/7/23

J.A.ミュア・グレイ (), 斉尾 武郎 (翻訳), 丁 元鎮 栗原 千絵子 平田 智子

・『新・医者にかかる10箇条 あなたが“いのちの主人公・からだの責任者”』

ささえあい医療人権センター COML

 

以下日記

・先ほどインターネットのニュースで中村哲先生が亡くなられたことをしりました。とっても、衝撃を受けました。何冊か中村先生の本は読んだし、私の住む浅口市にも講演にきてくださりました。中村先生こそ「上医」であり、社会疫学の言葉で言えば「上流」をみている医師だと思っていました。

・自分のことは本日は今日はこの事件のみ記しておきます。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。