SSブログ

アカラシアで呼吸困難/半端ない全身倦怠感、でも食欲は大あり

アカラシアとは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


アカラシア achalasia
[同義語]噴門無弛緩症,噴門痙攣症,食道アカラシア esophageal achalasia,巨大食道症 megaesophagus

食道噴門部壁内アウエルバッハ神経叢の減少による括約筋の弛緩不全と,異常拡張により通過障害を来す機能的疾患。発症は稀で男女ほぼ同頻度,年齢は20~50歳代である。嚥下障害,逆流,悪心,嘔吐,前胸部痛,体重減少,誤嚥(呼吸器症状)などの症状を呈し慢性に進行する。紡錘型,フラスコ型,S状型の3型があり,拡張度で最大横径3.5cm(Ⅰ度),3.5~6.0cm(Ⅱ度),6.0cm以上(Ⅲ度)に区分される。診断は,食道内圧で噴門陰性波消失,嚥下時に陽性波消失,メコリール試験で食道静止圧上昇などによる。治療は,ニフェジピンの内服,バルーン拡張術,ヘラー法(Heller method:粘膜外筋切開法),ウェンデル法(Wendel method:下部食道・噴門部全層切開縫合法),ジラール変法(Girard method:噴門形成法)による手術など。


・上の説明では、症状として呼吸困難は載っておりませんが、拡張した食道によって気管が圧排されて呼吸困難、低酸素血症がおこることがあるみたいです。↓のようなレポートがありました。


Neck Swelling Caused by Achalasia
Intern Med 59: 745, 2020
Yoichi Hosino, et al.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/59/5/59_3674-19/_article/-char/ja
・頸部が腫れているときは、アカラシアも鑑別診断にいれないといけませんね。
・↓のような日本語文献もあります
アカラシアによる気道閉塞:症例報告と文献レビュー
畠山 淳司、他。
日救急医会誌. 2010; 21: 377-82
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/21/7/21_7_377/_article/-char/ja
【抄録】
アカラシアに伴う巨大食道により,気道閉塞を来した症例を報告する。77歳の女性が,突然の呼吸困難のため当院に救急搬送された。入室時の意識はGlasgow coma scaleでE3V1M4,吸気時喘鳴と奇異性の努力呼吸を認めた。肺胞呼吸音はほとんど聴取できなかった。血液ガス分析で,著明な呼吸性アシドーシス(pH 6.96,PaCO2 150mmHg)を認めた。上気道閉塞を疑い緊急喉頭内視鏡を施行したが,声門部までの気道に異常はなかった。胸部CTで最大径82mmと拡張した食道が,胸骨切痕周囲の気管を圧排閉塞していた。緊急気管挿管により,呼吸促迫と意識障害は速やかに改善した。過去の文献をレビューしたところ,37例のアカラシアによる気道閉塞症例を渉猟し得たが,本症例を含めそのほとんどが高齢女性であった。一般にアカラシアには,好発年齢や性差を認めないためその原因を考察したが,説明できる因子を指摘できなかった。急性呼吸困難を呈する症例の鑑別診断として,とくに高齢の女性ではアカラシアによる気道閉塞も念頭に置く必要がある
・食道は気管より柔らかいから、気管を圧迫しないと思っておりましたが、そういうことでも無いんですね。勉強になりました。
以下日記。
・本日3/4(水)は6時半起床。5時半におきて、ちょっとゆっくり勉強をしたいと思っているのですが、体がだるくてなかなか起きられません。身支度、朝食摂って一瞬だけ勉強して出勤。病棟よって、午前外来。お一人入院。午後から回診とカンファレンス。夜間診療。その後ちょっと病棟よって帰宅は19時52分。お風呂入って、夕食。録画の『激レアさんをつれてきた』を観ておりました。今日観たのは、「普通の主婦だったのに、単なるヒモを売るだけで年商7億円を叩き出す億万長者の社長になっちゃった人」というもの。人もそうだけど、クラフトバンドにもドラマがあるのねと思ってしまいました。
cf. 出演者が代表理事をしている協会↓
クラフトバンドエコロジー協会
https://www.kbea.jp/
・その後は、論文の統計処理をちょっとだけして、このブログを書いております。これから歯磨きしてねます。明日は自分の健診なので朝食は抜き。胃カメラはこの前したのでしなくてよいのでとっても気が楽です。

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。