SSブログ

マムシ咬傷/コロナの勉強はしないといけないし診療報酬の勉強もしないといけないし...

・マムシ咬傷は、作業関連疾患でもあると思うので、このブログで取り上げるのも適切と考えます。(って、特に何も制限無く色んな病気紹介していますが)

・昔は1、2年に一人くらいはマムシ咬傷に人が受診されていたと思いますが、最近はトンとみておりません。それは、すぐ大きな病院へ行ってもらうようにしているからでしょう。それにしても、ずっと昔からマムシ咬傷にたいする標準的な治療ってなんだろうとおもっておりましたが、↓の論文を読むと、そのようなものは無いいうことでした。



マムシ咬傷67例の検討
吉峯宗大、他
  日本農村医学会雑誌 68巻(2019)4号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm/68/4/68_468/_article/-char/ja
【抄録】

 マムシ咬傷の治療に関するガイドラインは存在せず,臨床現場においては治療方針に迷うことが少なくないと推測される。そこで,当院で2007年から2016年までの10年間に経験した67例を用いて治療内容や予後について検討した。男女比は35:32,年齢は16歳から86歳(平均68歳)で,60歳以上が79%を占めていた。受傷時期は7月から9月に56例(84%)が集中し,受傷場所は田畑が28例,自宅が26例と多く,受傷部位は全て四肢であった。49例にマムシの目撃があり,目撃のない症例では臨床症状から診断した。受傷直後から著明な血小板減少を呈し重症化した「血小板減少型」の1例を除いた66例について検討した。全例に入院加療が行なわれ,平均入院日数は6.8日であった。腫脹範囲が大きい症例ほど入院日数が有意に長かった。3例が腎機能障害を合併し,そのうち1例が死亡した。腫脹がピ―クに達するのは平均21.8時間後,CPK値が最大となるのは平均2.6日目であり,初診時に軽症であっても数日間の経過観察は必要であると考えられた。マムシ抗毒素は28例に投与されたが,投与の有無では入院日数に差を認めなかった。しかし,より重症の症例にマムシ抗毒素が投与されていること,腎機能障害を合併した3例の中,死亡した1例を含む2例にはマムシ抗毒素が投与されていなかったことから,重症例にはマムシ抗毒素の投与が必要であると考えている。また当院で経験した非常に稀な「血小板減少型」の1例についても報告する。

・ここで大事なことは(これは、昔から知っていたのですが)、最初はたいしたことないように見えても、急激にひどくなっていくことがあるので、原則入院が望ましいということです。ただ、患者さんは、あまり入院には乗り気にはならないと思いますが。あと、大分昔は「乱切」しておりましたが、それはしなくてもよい(しない方が良い)ということですね。

・最初に書きましたように、マムシ咬傷にたいする明確なガイドラインはありません。今日の治療指針2019年版をちょっと引用してみますと↓

ヘビ咬傷(マムシ,ハブ)

A)初期診療
 気道,呼吸,循環動態の確認を行う.咬傷部の吸引,切開,緊縛,冷却は毒素の排出効果,吸収抑制効果が低く,組織損傷の危険性があるので行わない.咬傷部はやさしく洗浄しガーゼを当て,腫脹の広がりと周径を経時的に測定する.局所所見が乏しいにもかかわらず血小板減少や血液凝固能異常を示す症例があるので,受傷後24時間までは血液検査,尿検査を含め厳重な経過観察が必要である.
(B)抗毒素の投与
 抗毒素の適応に統一された見解はない.咬傷部近位へ持続進展する腫脹と頭痛やめまい,嘔吐,複視などの全身症状,ヘマトクリット値や血小板数の低下など明らかな異常検査所見が認められた場合には抗毒素の投与を行う.抗毒素の効果は受傷後6時間以内とされ,遅くとも48時間以内に投与する.また,抗毒素は十分にアレルギー反応への対策を行ってから使用する.

・ところが同じ本の別の項では↓

マムシ咬症

主症状 一対の牙痕,発赤,疼痛,腫脹.壊死に進まなければ,自然に治癒する.DIC,腎不全.
治 療 軽く緊縛して安静保持,小切開,局所吸引,抗毒素血清6,000単位静注,腫脹が増強すれば1時間後3,000-6,000単位静注.破傷風トキソイド投与.腫脹がきわめて高度なら減張切開,対症治療.マムシ咬傷に対するセファランチンの使用(1回1-10 mg,1日1回静注)に関しては賛否意見が分かれる.重症化が予想される場合は,マムシ抗血清を使用することが望ましい,とされる.

・↑では、かるく緊縛とか、小切開とか書かれております。同じ本でも統一した「見解」がないことがうかがえますね。

・私は田舎に住んでおり、よく草刈りをするのでいつマムシにかまれるかもしれないので、人ごとではありません。自分が治療される場合、マムシ抗血清をつかってもらうかどうかは、きっと悩むでしょうね。

 

以下短小日記

・本日3/5(金)は、6時32分起床(アラームかけ忘れ)。朝食摂って朝勉せず出勤。病棟よってから午前外来。午後回診、レントゲン読影、夕方診療報酬改定にかんするビデオを50分くらい観る。その後健診判定等事務作業して18時16分帰宅。お風呂入って夕食。その後勉強(E-Valueについて)、そしてこのブログを書いております。これから歯磨きしてさっさとねます。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。