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治りにくいしゃっくりに二酸化炭素/草抜きできず

若手医師の頃は、吃逆(しゃっくり)というのは、あまり重要な問題と考えていませんでしたが、それがかなり大変だと言うことは経験を重ねてわかってきまして、かつ最近もその対処に苦労いたしました。柿蔕湯(していとう)がとっても良く効くのは経験しておりますが、飲めない人が困ります。で、下の様な治療法があったんですね。(この患者さんもしゃっくりのためとってもQOLが低下していたのですね)


高濃度酸素を使ったCO2蓄積法による難治性吃逆の1治療例
蒔本好史,大渕俊朗,岩﨑昭憲
日本呼吸器外科学会雑誌 34号(2020)2号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacsurg/34/2/34_126/_article/-char/ja
【抄録 】

 

我々は急性高炭酸血症により吃逆が停止する際の具体的生理条件を発見し報告した.その条件を短時間で誘導する装置を開発.難治性吃逆症例で奏功したので報告する.症例は難治性吃逆の40代女性.2年前,腹部膨満を主訴に近医を受診.吃逆による呑気症と診断された.柿蔕湯やメトクロプラミドを処方されたが改善しなかった.吃逆が原因で1年前から引きこもりとなり,向精神薬や消泡薬を内服中.各種内服薬以外に様々な民間療法(飲水,息止め,両耳に指を強く押し込むなど)も試したがいずれも奏功しなかった.当科に直接依頼があり,同意を得た後,90%酸素と10%炭酸ガスから成る混合ガスの吸入を行ったところ,吃逆は5分余で停止した.吃逆は血中炭酸ガス分圧の急速な上昇により停止することが確認された.

・ちょちょっとネットで調べてみたら混合ガスをつくってくれる業者さんが見つかりました。特注ではなく、簡単に上記の方法がつかえる器具が販売されると患者さんには福音ですね。とりあえず、過換気症候群で昔よくやられていた(今も?・・・危険ですからやめましょうね)「紙袋呼吸」で酸素を吸いながら自分の呼気を再呼吸という方法はどうなでしょうかね?
cf. 上の論文の引用文献のひとつ
CO2 retention: The key to stopping hiccups
Clin Respir J. 2018;12:2340–2345
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/crj.12910
cf.(その2)関連した文献
難治性吃逆を示した症例の治療経験ならびに麻酔経験
日本臨床麻酔学会誌 12巻(1992)7号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca1981/12/7/12_7_796/_article/-char/ja/
以下超短日記
・本日5/15(金)は、5時10分起床。朝勉して出勤。病棟よってから午前外来。午後からは病棟回診と事務作業。帰宅は18時過ぎ。雨が降っていたので草抜きはせず。入浴、夕食。そしてこのブログを書いております。この後もうちょっと勉強してから早く寝ます。

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