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腹部コンパートメント症候群/明日からの禁酒に備えて飲む

コンパートメント症候群と言ったら、私「筋」のイメージしかありませんでした。(何か以前も同じようなこと書いたような・・・デジャヴ?)『医学書院医学大辞典第2版』ではコンパートメント症候群→筋区画症候群となっておりました。


筋区画症候群 compartment syndrome
[同義語]コンパートメント症候群,区画症候群

四肢や体幹の筋膜(他に骨間膜,骨)に囲まれた区画(隔室)内の内圧が上昇して微小循環障害が生じ,その結果筋区画内に存在している筋肉や神経が障害され,最終的には壊死に至る病態の総称。筋区画内圧上昇の原因には,筋区画容積の縮小(きつい縫縮や包帯,ギプス固定)と区画内容の増加(出血,過激な運動や挫傷,長時間の阻血後再灌流などによる毛細血管透過性の亢進)がある。臨床症状は,障害筋区画の堪え難い疼痛と同部の腫脹や圧痛である。他動的に筋区画の筋肉を伸張すると疼痛が増強する。感覚障害や運動障害は,障害の程度によってさまざまである。筋区画症候群は,末梢の動脈の拍動は保たれていても発生することに留意すべきである。診断の確定には,筋区画内圧の測定を行う。圧は10mmHg以下が正常で,30~40mmHg以上の場合は異常とされる。治療は筋膜切開術による筋区画内圧の解放である



・で、コンパートメント症候群といったら腹部にも起こりますというのが、本日のお題ですが、その前に『医学書院医学大辞典第2版』の説明↓


腹部コンパートメント症候群 abdominal compartment syndrome;ACS
[同義語]腹部区画症候群

さまざまな原因で腹腔内圧が上昇し,下大静脈圧排による胸腔内への静脈還流の減少,横隔膜挙上による胸腔内圧上昇等で,臓器血流障害や心拍出量が急激に減少しショックを来したりする病態。気道内圧上昇,尿量減少,呼吸不全,脳圧上昇,意識障害等の症状を呈する。腹腔内圧上昇は大量腹水,腹腔内出血,腸管浮腫等の他にダメージ・コントロール時の腹腔内ガーゼパッキングや腹部Ⅲ度熱傷による腹壁伸展不良によるもの等が原因となる。腹腔内圧は膀胱内圧を測定し代用する。一般に25cmH2Oを超えるとACSを来しやすい。治療は腹腔内貯留液のドレナージ,減圧のための開腹手術,パッキングの除去,腹壁開放や減張切開等を行う。


・もう一つ『今日の救急治療指針第2版』の多発外傷の項に↓のような記載がありました。


D.腹部コンパートメント症候群(abdominal compartment syndrome:ACS)
①多発外傷患者では大量輸液,大量輸血,さらにはDCSでガーゼパッキングなどが行われた結果,ACSを合併することがある.
②World Society of Abdominal Compartment Syndrome(WSACS)の定義によると,ACSとは腹腔内臓器の体積の急激な上昇もしくは後腹膜容積の増加に伴い,腹腔内高血圧(intra-abdominal hypertension:IAH)により,腹腔内圧(intra-abdominal pressure:IAP)が20mmHg以上を持続し,新しい臓器障害が生じる病態とされる.障害される臓器は,呼吸器系,心血管,腎,消化器,中枢神経に及ぶ.これらは開腹などの減圧処置で改善するが,処置が行われなければ致命的となる.ただし,IAPの上昇がみられない患者にもACSが起こることがあり,ACSはIAHに起因する新たな臓器障害をきたしたものと理解して臨床上対応するのが現実的である.
③平均動脈圧と腹腔内圧の差で表現される腹部灌流圧(abdominal perfusion pressure:APP)が腹腔内臓器血流の指標と考えられており,50mmHgを基準に予後予測因子とされる.
④ACSの対応策として,減張縫合やsilo closure,vacuum packing closureなどのopen abdominal managementがある.



・下のようなレポートがありました。

 
脾動脈瘤破裂への動脈塞栓術後に生じた腹部コンパートメント症候群に対して減圧開腹術を施行し救命し得た1例
日本腹部救急医学会雑誌 39巻(2019)4号
小松優、他。



【抄録】

近年,動脈瘤破裂に対してIVRによる治療が積極的に行われているが,その致命的な合併症として腹部コンパートメント症候群(以下,ACS)が指摘されている。今回,脾動脈瘤破裂に対する動脈塞栓術後に生じたACSに対して減圧開腹術を施行した1例を経験した。49歳の男性が腹部膨満を主訴に受診し,CTで脾動脈瘤破裂と診断した。IVRでのコイル塞栓で止血し得たが,術直前からの出血性ショックに大量輸血を要した。塞栓での止血の12時間後から呼吸促迫と腹部緊満とを認め,膀胱内圧測定などからACSと診断した。緊急減圧開腹術で3,700gの血腫を除去し,一期的に閉腹した。術後早期から呼吸状態の改善を認め,腹腔内圧の再上昇を認めなかった。術後第29病日に独歩退院した。腹部動脈瘤破裂症例では,非手術治療後でもACSの発症があり得ることに留意し,ACSを発症した際には躊躇せずに減圧開腹術を施行すべきである。

・呼吸器疾患の患者さんを多く診ている私も、呼吸状態が悪くなる原因としてこのような疾患があることを覚えておかないといけませんね。(多分、すぐ忘れるけど・・・なので、反復して勉強、文書にして残すことが大切)

 

以下日記

・本日8/30(日)は、6時前に起床。朝勉して、朝食摂ってあとはひたすら勉強と掃除でした。18時過ぎて市役所に資源ゴミ出してCOOPに発泡トレイだすのと買い物して帰宅。お風呂入って夕食、アルコール摂取でした。夕食時に録画の「激レアさんをつれてきた」をみましたが、郷ひろみがでておりました。そのストイックぶりがネタでしたが、一口30カミというのをずっと続けている、部屋に30というはりがみ、携帯電話の待ち受けも30としていると。確かに、30回噛もうとしてもすぐ忘れるので、そういう張り紙をしているとわすれないですな。見習おう。

・現在ビールの後テキーラを飲んでおります。飲むのは今日を最後にして数日間の禁酒期間に入ります。だれも誘惑しないでください。(← おらんわーっ!)


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