SSブログ

呼吸器症状のあるツツガムシ病/宿直「あけ」眠い

ツツガムシは「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや。」で有名ですね。わたしは、「日出処の天子』といえば、山岸涼子を思い出しますが、それはさておき、恙ないからツツガムシと名付けられたもの(ツツガムシから恙ないという言葉ができたという説がありますが、どうもそれは「因果の逆転」みたいですね)だそうです。昔ブログで知り合ったアメリカで働いている日本人のDr.がツツガムシ病の病原体の発音には自信があるとかいてありますが、そりゃ、そーやろな。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


ツツガムシ病 [英]trombiculiasis

ヒトがツツガムシの幼虫に吸着され,Orientia tsutsugamushiに感染することで発症する。東北地方の河川の流域で風土病として古くから知られていたが(古典型),第二次大戦後,日本各地でも発生が明らかにされた(新型)。古典型はアカツツガムシによって,また新型はフトゲツツガムシとタテツツガムシによって媒介される。最近の患者のほとんどは新型で,古典型に比べて軽症である。症状はほぼ同様であり,高熱,発疹,および特有の刺し口が特徴的である。5~14日の潜伏期の後,悪寒を伴う38~40℃の稽留熱を認め,さらに発疹が出現し体幹から顔面,四肢に拡大する。刺し口の部位の所属リンパ節や全身リンパ節の腫脹を認め,軽度の肝・脾腫を伴うこともある。重症例ではDIC(播種性血管内凝固症候群)や肺炎,髄膜炎,心筋炎などの合併症がみられる。通常は血清学的診断が行われる。治療にはテトラサイクリン系薬が著効を示す。=恙虫病。


↑の説明では、外国語がtrombiculiasisとなっていますが、tsutusugamushi diseaseとかscrub typhusとかとも言うみたいですね。今日の『治療指針2019』の説明は↓


1.つつが虫病
・つつが虫病はOrientia tsutsugamushi(以下Ot)を有するツツガムシの幼虫に刺されることで生じる全身性の疾患である.Otを有するツツガムシの幼虫がヒトに吸着し,口吻からOtが注入されたときに感染が成立し,Otが増殖し発赤,潰瘍,痂皮を形成する.Otは血管内膜の炎症をきたし,全身性のリンパ節腫脹を伴う.
・感染から発症までの潜伏期は7〜14日で全身倦怠,食欲不振,頭痛,関節痛などの感冒様の非特異的症状と発熱(38〜40℃),その後体幹,四肢に発疹(不定型紅斑)が出現する.
・疫学的情報である発症「時期」と,感染が示唆される「場所」(野外活動歴)が診断の契機となる.西日本から南東北にかけての本州の広い範囲で秋に,九州南部などでは越冬し春先にもみられるタテツツガムシ媒介性のIrie/Kawasaki,Hirano/Kuroki(以下それぞれKawasaki,Kuroki)型と,東北地方の春先から夏にかけてみられるフトゲツツガムシ媒介性とされるKarp型が代表的な血清型であるが,秋田県雄物川流域に夏季を中心にみられる「古典型」アカツツガムシ媒介性Kato型,さらに媒介ツツガムシ種が未確認のShimokoshi型の報告もある.
・全身疾患であるために臨床像は多彩で,各臓器系統が侵され種々の合併症をきたしうる.発熱,発疹,痂皮という3つの主要症状と,全身倦怠感,頭痛,リンパ節腫脹,比較的徐脈,血小板減少症,肝機能障害,末梢血異型リンパ球陽性の7つの周辺症状,所見から積極的に疑う.痂皮は陰部,腋窩など衣服や下着に覆われた場所や,頭皮,耳孔,臍などにあり容易に見逃される.また痂皮が剥離した跡の潰瘍など,一見非特異的に見える皮膚所見に注意し,生検して遺伝子検査に供する

・↑の説明をみるとあまり呼吸器症状は書かれていませんね。肺炎も起こるみたいですが、希なようです。で、そのまれなcase reportが↓


Scrub Typhus with Respiratory Symptoms
Maho Tatuchi, et al.
Intern Med 59: 2339-2340, 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/59/18/59_4268-19/_article/-char/ja
診断は屋外活動の聴取でしょうね。その他ダニ媒介感染症については注意喚起がなされております↓
ダニが媒介する感染症に注意しましょう
https://www.pref.okayama.jp/page/308929.html
ダニ媒介感染症
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html
・2018年の厚労省のポスター素敵、私(=おやじ)好み。
以下日記
・昨日9/14(月)は、5時半起床。朝勉して、朝食は自分の打った蕎麦。午前中は大学院の因果推論の勉強会をZOOMで。今回DAG:directed acyclic graphのunfaithfulnessという言葉が「定着」しました。午後から出勤し、回診、夜間診療、宿直でした。夜間診療最後の方で、ちょっと大変な患者さんとそれに重なって救急搬入がありちょっとしんどかったですが、真夜中には起こされずよかったです。
・本日9/15(火)は、6時30分起床。シャワー浴びて朝食摂って病棟回診。そして、午前外来。本来嘱託契約では仕事は午前のみです。しかし外来患者さんへの対応が長引いて結局15時頃まで。ダッシュで病院出て、郵便局よって帰宅です。なんとか16時からの大学院のCAに間に合いました。で、17時過ぎまでZOOMでCA。その後一服後、『NDB・DPCデータベース研究人材育成Webina』一コマ視聴。そして、入浴、夕食。アルコールをいただきました。本来アルコールは週2,3回と決めているのですが、あまりにも冷蔵庫の中がいっぱいになったので、当面「在庫一掃セール」、冷蔵庫の中のビールがなくなるまでは、新しいビールは買わないつもりです。(こう宣言すると、ウォッカは買っても良いことになります)録画の『月曜から夜ふかし』と『チコちゃんに叱られる』をみてこのブログを書いております。さすがに眠い。これから歯磨きして寝ます。

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。