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あけてビックリ膀胱ヘルニア/禁酒DAY2

膀胱ヘルニアとは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


膀胱ヘルニア vesical hernia

骨盤腔から膀胱が脱出すること。尿道上裂で恥骨が離開している症例で下腹部のヘルニアの一部として認められる。


・メッチャあっさりしているので『ステッドマン医学大辞典改定第6版』の説明もどうぞ↓(これもあっさりしていますが)


vesicle hernia

膀胱ヘルニア(腹壁を通って膀胱の一部が突出する、あるいは鼠径管や陰嚢内へ突出すること)


・で、↓のようなレポートがありました。術者はビックリ仰天だったのではないでしょうか。


術前診断困難であった大腿輪に嵌頓した膀胱ヘルニアの1例

日本腹部救急医学会雑誌 40(3):521~524,2020

和田賢哉、他。



【抄録】症例は64歳女性。以前より右鼠径部の膨隆を自覚していた。今回,還納困難となり近医を受診し,右鼠径ヘルニア嵌頓の疑いで当院へ紹介となった。来院時は右鼠径部に弾性軟,無痛性の腫瘤を認め,還納は困難であった。血液検査では明らかな異常所見は認めなかった。CT・エコー検査で右鼠径ヘルニア嵌頓と診断し,緊急手術を施行した。手術所見では鼠径ヘルニアは認めず,大腿輪からヘルニア囊が嵌頓していた。腸管を検索する目的でヘルニア囊と思われる部分を切開すると,膀胱カテーテルを認めた。結果的には膀胱を切開したことになり,その時点で大腿輪をヘルニア門とした膀胱ヘルニアと診断した。膀胱を修復後,McVay法で後壁を補強して手術を終了した。術後7日目には膀胱造影を施行し,膀胱カテーテルを抜去した。術後10日目に自宅退院となった。鼠径部ヘルニア診療の際には膀胱ヘルニアを念頭に置いた画像診断,術中判断が重要と考えられた。
・この教訓は、そけい部のヘルニアは腸管ばかりではないということですね。↑はかなり珍しい大腿ヘルニアでしたが、↓はそれよりは頻度が多い鼠径ヘルニアのレポート。
術前CTで診断した鼠径部膀胱ヘルニアの 3 例
岡内博、他。
日臨外会誌 77( 7 ),1854―1858,2016
【抄録】
術前CTで診断しDirect Kugel法で治療した鼠径部膀胱ヘルニアの3例を報告する.症例1:74歳,男性.左鼠径部~陰嚢にかけて4×6cmの圧痛のない用手還納不可の膨隆を認めた.CTで膀胱ヘルニア嵌頓と診断,緊急手術で内鼠径輪より滑脱する手掌大の膀胱壁が確認された.症例2:74歳,男性.右鼠径部に無痛性の径4cmの膨隆を認め,CTで膀胱ヘルニアと診断した.待機手術で内鼠径輪より滑脱した膀胱壁が確認された.症例3:75歳,男性.両側鼠径ヘルニアで紹介受診.両鼠径部に数cmの無痛性の腫脹を触れた.CTで右は膀胱ヘルニアと診断.待機手術で内鼠径輪に母指頭大の膀胱が滑脱するのが確認できた.また,内鼠径ヘルニアも併存していた.膀胱ヘルニアは術中膀胱損傷の恐れがあり術前診断が重要である.本症例はいずれも腹部単純CTで診断しえた.特に,症例3は内外併存型への膀胱脱出という稀な症例であった。
・ヘルニアの内容は腸管とはかぎらないと肝に銘じておかないといけませんね。
以下日記
・本日10/8(水)は、6時22分と遅い起床。(「おかしいなあ、飲んでないのに」という心の声)ちょっとだけ本読んで水島へ。午前中は産業医学科外来。予約数がすくなく事務作業ができました。かえり8番ラーメンによって野菜担々麺の昼食。玉島に戻り回診と会議二つ。帰宅は18時半前。入浴、夕食。そして勉強してこのブログをかいております。これから、来週火曜日のcritical appraisalでつかわれる文献を読んで寝ようと思います。
・本日禁酒2日目。「すこーしもつらくないわ」(Let it goの節で)・・・ウソ。

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