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職業関連クルーズトリパノソーマ曝露とCDC/タコときんぴらで腹痛

シャーガス病(シャガールではない)という疾患があります。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


シャーガス病

[英]Chagas disease
[同義語]アメリカ・トリパノソーマ症 American trypanosomiasis,スキゾトリパノソーマ症 schizotrypanosomiasis,ブラジル・トリパノソーマ症 Brazilian trypanosomiasis,シャーガス-クルーズ病 Chagas-Cruz disease

クルーズ・トリパノソーマの感染によって引き起こされる感染症。シャーガス(Carlos Chagas,1879-1934,医師,ブラジル)によって最初の人体例が発見された(1909)。中南米に広く分布する。原虫侵入部の腫脹と領域リンパ節の腫脹を伴う初期症状,特に眼結膜からの侵入によるロマニャ徴候は特徴的である。多くは発熱を伴う。原虫は全身に移行し,ことに筋組織に好んで寄生する。乳幼児では重症化し心筋炎,脳炎など致死的合併症を起こすことがある。ただしこの急性期においてシャーガス病の診断が下されるのは全感染者の1~2%にすぎず,大多数はそれと気づかずに慢性期に移行する。10~20年の無症状期をおいて感染者(抗体陽性者)の半数以上が心症状(典型的には拡張型心筋症に似る)または消化器症状(巨大食道,巨大結腸に代表される)を呈する。診断は急性期では血液中の原虫の検出と免疫学的診断法の併用,慢性期では典型的症状と免疫学的診断法を組み合わせることによる。PCR法の発達で慢性期においてもほとんどの患者血液に原虫特異DNAが検出されることがわかってきた。


・一般向けのわかりやすい説明は↓


社会問題でもある顧みられない熱帯病と三大感染症について

シャーガス病




・ちょっと専門的には↓


FORTHのページ


シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)について(ファクトシート)




・で、今日の標題のようなレポートがありました


LETTERS TO THE EDITOR
Work-Related Trypanosoma cruzi Exposures

Budnick, Lawrence D. MD, MPH; Bocco, Bryan W. APN; Montgomery, Susan P. DVM, MPH

Journal of Occupational and Environmental Medicine: Oct 2019 Vol. 61 Issue 10 p e429-e431
・トリパノソーマの研究をしていて針刺し事故をおこしてしまった事例2件のレポートです。我々がよく(?)遭遇する医療従事者の肝炎に感染している患者さんの血液の曝露のように定期的にfollowされていましたが、自分がこんなまれな(?)感染源への曝露ってどのようにfollowしたらよいのか悩んでしまいますね。過去感染ではないですが中毒なんかで困ったときは色んな人脈を使ってなんとか処理しておりました。↑のletterでは最期にCDCの担当部署の連絡先が載っていました。ああ、アメリカならCDCに相談すれば良いんだと思いました。日本でもそういう所欲しいなと思ったら、そういえば日本版CDCを作るべきだと言ったような話があったなあと思い出しました。その一つ↓



論壇
COVID-19後の公衆衛生対応の強化に向けて:米国CDCの概説と日本版CDC構想への論点整理
杉山雄大、他。
日本公衆衛生雑誌 67巻(2020)9号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/67/9/67_20-069/_article/-char/ja
抄録

 

目的 米国CDCについて概説し,今般のCOVID-19拡大とその対応を受けて今後日本版CDCを構想する際に検討するべき論点について提案する。

方法 筆者らがCDCを訪問した際のインタビュー,ウェブサイト等からの情報をもとに,CDCについて概説した。その上で,日本版CDCに関する既存の見解や本邦の現状,COVID-19対応の教訓を踏まえて日本版CDCを構想する上で検討するべき論点を整理した。

結果・結論 CDCは「健康,安全,セキュリティの脅威から米国を守る」ことをミッションとする,公衆衛生の主導的立場にある米国連邦政府機関である。実地疫学,緊急準備と対応,サーベイランス・統計調査,検査方法・調査方法の開発,情報発信,人材育成,検疫,予算配分などを行っており,COVID-19にも様々な対応をしている。日本版CDCを構想する際には,対象とする疾患や課題のスコープ,組織体制,ミッション,科学的中立性の担保,人材育成のあり方などについて議論する必要がある。

・ダークサイドも考えないといけないという意見↓


暴走しかねない日本版CDC設立には冷静な議論が必要





・いろいろ難しいものですね。

・それはさておき、針刺し事故というのは医療従事者だけではなく、研究者にも起こりえるということを認識しておかないといけないとうのが、本日の教訓です。



以下日記

・本日4/20(火)は、6時半と遅く起きました。一瞬のみ朝勉して出勤。病棟よって午前外来。午後患者さんのご家族と面談と回診。15時に病院出て帰宅。16時から17時過ぎまでZOOMで大学院のcritical appraisal。そのごお風呂入って18時から40分くらいZOOMで会議。そして、夕食。その後このブログ書いております。夕食の酢蛸+タコの刺身ときんぴらゴボウ食べすぎて、現在お腹が痛く苦しんでおります。

・あと、ちょっと内科学会のアーカイブ観て、根性残っていたらビジネス英語聴いてから寝ます。

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