NEJMの珪肺のレポートにちょっと疑問
・ここ1,2ヶ月忙しいのと疲れているのでNEJMの目次をみるのもほとんどできていなかったのですが、本日久々にNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEをみていたら、↓の様なレポートがありました。
Chronic Silicosis
Shan Kai Ing, Sze Shyang Kho
N Engl J Med. 2024 May 16;390(19):e46. doi: 10.1056/NEJMicm2312247. Epub 2024 May 11.
胃腸炎で入院した患者さんがたまたま胸部異常陰影があり(呼吸器症状は無し)気管支鏡でBAL、生検をして珪肺と診断したというもの。NEJMにこうした職業性疾患が載ることは喜ばしいことなのですが、ひとつ疑問が。職歴と画像で珪肺と診断できると思います。気管支鏡までしないといけなかったのかな?手元のハリソンみましたが、はっきりしたことかいてないのでUpToDateみたら↓のように書いていました(他にも似たような記述あり)
In general, the diagnosis of chronic silicosis is a clinical diagnosis; lung biopsy to obtain a histopathologic diagnosis is reserved for situations when a confident clinical diagnosis cannot be made.
また、CURRENT Diagnosis & Treatment: Occupational & Environmental Medicineの珪肺のところにも、珪肺の診断は通常レントゲンでなされると書かれています。また、PARKES' Occupational Lung Disorders Forth EditionにもSILICOSISの項の最初に以下の様にかかれています。
The diagnosis of silicosis is based on a history of sufficient exposure, imaging findings consistent with silicosis and symptoms and signs and laboratory tests that are suggestive that another disease is not more likely. Histology is rarely required, but may be necessary in order to avoid missing a treatable condition.
・気管支鏡をすることに100%反対するわけではありませんが、少なくとも呈示された情報からは、気管支鏡まではしなくてよかったと思いました。逆に(日本語変?)、気管支鏡が必要だった理由をレポートに書くべきだったと思います。
・今日はここまで書いて疲れたので、日記はありません。
2024-07-03 22:29
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