若者の大腿骨頸部疲労骨折/レントゲン読影講義(入門編)
胸部単純(平面)レントゲンの読み方(入門編) ver.1.2
1. 獲得目標
① 異常を発見できる
② 適切な表現で異常(or 異常なし)を伝えられる
2.異常とは
①本来見えるべきものが見えていない・・・レントゲン解剖が重要
②本来見えないものが見えている
3.読影の注意
・目についた異常のみに目を奪われず、ルーチーンに全てを見る
・・・目についた異常影は一番最後にみる
4.具体的な読影方法
①名前、性別、年齢、撮影日時の確認
②撮影体位と正面性の確認
③軟部陰影
④骨陰影
⑤胸膜、横隔膜(肺の輪郭)、横隔膜下
⑥心、大血管
⑦気管・気管支
⑧肺血管
⑨肺野
⑩見落としやすいところをもう一度
(モニターで見るときは、ポジネガ反転と虫メガネの使用)
⑪全体を遠くから見る
⑫以前のフィルムと比較する cf. 「入院時の写真しか見てない症候群」
比較三原則:同じ人、同じ体位、古いものと新しいもの
*見逃しそうなところ
肺尖部
胸鎖関節周辺
気管分岐部
肺門部
心陰影の裏
横隔膜下
5.気を付けておきたいこと
・病変の場はどこか、どのような病理学的変化が起こっているか考える
・なんでもかんでもCT撮ればよいわけではないし、CT撮れない状況もある
・観察者内変動、観察者間変動がある
6.言葉
①場所の表現
・肺尖部、上肺野、中肺野、下肺野、肺門部
・縦郭側、肋骨横隔膜角、胸膜直下
*上葉、中葉、下葉は意識して読影すればよいと思うが、無理に使わなくてよいと私は思う。(あくまで読影初心者の場合)
ちなみに、上葉=上肺野、中葉=中肺野、下葉=下肺野ではない。
慣れてきたら肺葉、肺区域を読影しましょう。
②陰影の表現
・結節影、円形陰影
・浸潤影、air bronchogram
・粒状影、網状影、線状影、すりガラス陰影、不整型陰影
・索状影、不正形陰影
・濃度上昇、透過性亢進
・tramline 気管支拡張
・胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)
・過膨張、容積減少
・含気量低下、含気量上昇
・気管・縦隔シフト
・シルエットサイン
・pericardial fat pad
7.報告
・所見を述べてから、診断名をいう