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インフルエンザの鑑別診断/3世代の会

臨床医学と産業医学の乖離があるという問題意識のもとにこのブログを書いておりますが、標題のごとくインフルエンザの診療に関しても、そのことを感じます。手元にあります朝倉の内科学第11版やHARRISON'S PIRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE 19th Edition、UpToDateをみても、鑑別診断の項は、他の感染症の事しか書いておりません。私は、絶対金属熱も鑑別診断に入れてほしいと思うものであります。『医学書院医学大辞典第2版』の解説↓


金属フューム熱

キンゾクフュームネツ

[英]metal-fume fever

[同義語]金属熱,鋳造熱 foundry-man fever



金属の小粒子を吸入することにより生じる急性発熱性疾患であり,酸化亜鉛,銅,カドミウム,鉄,マグネシウム,マンガンなど種々の金属酸化物に曝露することにより生じる。発症機序は不明であり,サイトカインを介したものが考えられている。症状は曝露4~8時間後に生じ,発熱,倦怠感,筋肉痛,頭痛を起こし,白血球数は上昇する。通常,24~36時間以内に症状は自然軽快する。緊急的処置としては酸素を投与し,喘鳴が聴取されれば気管支拡張薬を投与する。


亜鉛熱

アエンネツ

[英]zinc-fume fever



酸化亜鉛のヒュームを吸入後4~12時間で咽頭乾燥,全身倦怠,筋肉痛,悪寒戦慄を伴う発熱を示し,24~48時間で解熱,回復する一過性のインフルエンザ様の病態のこと。白血球増加がみられる。銅,鉄など他の金属ヒュームの吸入でもみられる。休み明けの月曜日にみられやすい。


・特に亜鉛熱はインフルエンザと非常に似たような症状となります。上記のように、特に何もせずに1,2日で解熱します。ただ、中途半端な知識で金属熱がすぐ解熱すると思ってもらってはいけません。他の金属(ex. カドミウム)では、簡単には解熱しません。そもそも、金属ヒュームをすってしまう状況というのは溶接です。溶接する金属が亜鉛のみ含有していればよいですが、カドミウムのようなものを含有していると要注意です。何はともあれ、冬の時期に高熱で受診された患者さんを単純にインフルエンザ、感染症と考えてはいけません。ちゃんと職歴を聴きましょう、ほとんどの内科の教科書にはそのようなこと書いてないと思いますが...



以下日記

・昨日1/13(土)は、午前中城北診療所で外来。午後から水島へ行って3時間ばかり自分の研究のためのデータ入力。そして、19時から22時まで、美観地区近くの居酒屋?で、私のファンの集い(と、幹事さんが言っていた)・・・水島の私の産業医学科外来についてくださっている看護師さん+αの5名の女性たちとお食事会です。集まった人間が私を含む60代前後名、40代(と思う)2名、20~30代(と思う)2名と3世代でした。なので、私が言うことがなかなか通じない。ex. サミー・デイビス・ジュニアが分からない、大阪万博分からない、所得倍増計画わからない...でも、いいんです。おっさんに付き合ってくれてありがとう。

・本日1/14(日)は、午前中水島へ行って自分の研究活動。お昼は3km弱ウォーキングをして、古狸庵で昼食。そして帰宅。家では、来週の講義の準備をしながら庭の枯れ葉を拾ったり、自分の部屋の片づけをしたり。そして、夕食は、なんと贅沢なカレー鍋。何が贅沢と言うと現在高値のキャベツを入れたから。昨日は、あまり飲まなかったことをエクスキューズにビールとウイスキーを飲んで、このブログを書いております。現時点では「知多」を飲んでおります。これを書き終えたら、歯磨きして寝ます。(現在お布団は布団乾燥機をかけております)明日は、ちゃんと早起きして、朝勉して大学院へ。午後は病院で外来です。確か予約患者数は少なかったと思います。楽しく外来できるかな?

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