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あってみたいスーパーマンのような「かかりつけ医」/粛々と仕事

・昨日過去を振り返りましたが、今日はその肉付けと言うか補足。

・1/16(火)は1日大学で勉強しましたが、午後から元内閣官房社会保障改革担当室長、元厚生労働省老健局長の宮島俊彦客員教授の講義がありました。いろいろお話が聴けて面白かったのですが、その中で『医療提供体制のあり方 日本医師会・四病院団体協議会合同提言(2013)』の紹介がありました。それが↓




その中で述べられている「かかりつけ医」の定義が講義でスライドにされていました。それが↓(上の文書の中にあります)


なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。


・ホンマに、こんなお医者さんがいたらあってみたいというのが私の感想です。(講義の最後の質疑応答、ディスカッションで私は実際こう言いました)医師会の方々に失礼ですが(と、私も医師会にはいっておりますので、正確には医師会の上層部の方々)本気でこのような医者がいる、このような医者が育てられると考えられているのでしょうか?この定義にツッコミたいところは、いろいろありますが、二つだけ。「最新の医療情報を熟知して」とありますが、そんなの不可能だと思うのであります。医学は日進月歩どころか「秒進分歩」です、それも、遺伝の問題、アレルギーの問題、癌の問題、感染症の問題。これら最新の以上情報を熟知するのは現実的に不可能だと思います。あと、「地域医療、保健、福祉を担う」というのも一人では無理だと思います。書くなら、「地域医療、保健、福祉を担う人々と協力できる能力を有する医師」というのはどうでしょう?

・最初の「最新の医療情報」とありますが、このブログの観点から批判させていただくと、アスベストの知識をもっておらっしゃるDr.がどれだけおらえるか。また、職業病をしっておられるDr.がどれだけおられるか?クボタショックで明らかになった、石綿関連疾患が他疾患と「誤診」されていた状況が日本全国にあったということは、最新の医療情報を熟知している「かかりつけ医」がいなかったということでしょう。

・(ちょっとトーンを変えて)上記『医療供給体制のあり方』の中に「かかりつけ医機能」についてかかれています↓


・かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、 適切な診療及び保健指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。

・かかりつけ医は、自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互に協力して休日や夜間も患者に対応できる体制を構築する。

・かかりつけ医は、日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、 地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。ま た、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。

・患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供 を行う。


・私は、これについては「かかりつけ医の定義」より具体的で妥当なことをかいているなと思います。定義だけみると、そんなん無理と思ってしまいますけどね。でもあえて、労働衛生の観点から言わせていただきますと、「患者の生活背景」の中には当然仕事・労働の在り方もはいると思いますが、先ほどのアスベストの例からも、その職業の把握が弱いと思います。また、産業保健という言葉もでていますが、それにきちんとかかわっていたなら、あんなにアスベストの被害がいろんなところから出るわけはないでしょう。クボタショックの時、私は思いました:いったい、産業医は何をしていたのだと。(「かかりつけ医」とは違いますが、かかりつけ医はその機能ももっているという上記文書の趣旨なので)


・かかりつけ医って、まずは患者さんの相談窓口であり、その問題を明らかにして、必要な社会資源の利用、紹介や専門家と協力して問題を解決するコーディネーターのようなひとではないでしょうか?



以下ちょっとだけ日記

・本日は5時半起床。朝勉して、大学へ:生存時間解析の学習会。午後から病院で外来。今日は予約数が少ないと思って、いろいろ診察以外の仕事ができると期待して出勤したら、予約が少ないのは来週の話で、今日はそれなりに予約あり。(と、言っても少ない方)粛々と外来をこなし、空き時間に書類とレントゲン読影をおこないました。で、帰宅は19時30分。お風呂入って、「孤独のグルメ」の録画を見ながら夕食。そして、このブログを書いております。もう、これから寝床に行って落語を聞きながら寝ます。

・明日は1日大学で勉強。







・cf.日本医師会の「かかりつけ医に関するのサイト↓





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