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片側の耳介軟骨炎/ホンマに体力がありまへん

・先日左耳介が発赤・腫脹した患者さんがこられました。とりあえず耳鼻科にいっていただくことにしました。(その結果は「未」)耳介軟骨炎かなっ?と思ってちょっと調べてみました。『今日の診療のプレミアムWeb版』で耳介軟骨炎といれてもヒットせず、「再発性多発軟骨炎(RP)」の中に含まれていました。↓が『今日の治療指針2017年』の抜粋


全身の軟骨組織に炎症をきたす原因不明の疾患である。
・耳介、鼻、咽喉頭、気道に好発し、再発を繰り返しやすい。
・初発時および全経過を通しての症状として耳介軟骨炎が最多であり、耳介の発赤、腫脹、疼痛を認める。


・診断にはMcAdamsの診断基準が汎用されており、①両側耳介軟骨炎、②非びらん性、血性反応陰性の多発性関節炎、③鼻軟骨炎、④眼炎症(結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、ブドウ膜炎)、⑤気道軟骨炎(咽頭あるいは気管軟骨)、⑥蝸牛あるいは前庭機能障害(感音性難聴、耳鳴、またはめまい)の6項目中、3項目以上満たせばRPと診断する。


と説明があります。両側の耳介軟骨炎がRPの診断基準の一つですが、じゃあ、片側だけだったら?と思って調べてみますと↓のような論文がありました。


耳介軟骨炎を主徴とした本邦の再発性多発軟骨炎症例の文献的

 耳鼻と臨床 (0447-7227)59巻1号 Page10-16(2013.01)
Abstract:再発性多発軟骨炎(PR)の初発症状は耳介軟骨炎による耳介の発赤、腫脹が多い。耳介軟骨炎は両側性に突発性発症すると考えられている。しかし、今回、左耳介軟骨炎で発症した82歳、男性のPR例を経験した。そこで、耳介軟骨炎が片側発症する症例が多いのか、両側同時に発症する症例が多いのかを本邦の耳介軟骨炎を主徴としたPR40例から文献的に検討した。片側発症例は40例中32例(80%)で、両側発症例は40例中8例(20%)であった。片側から両側となった症例は片側発症32例中21例(65.6%)で、最終的に両側例は40例中29例(72.5%)であった。片側のままの症例は40例中11例(27.5%)であった。片側発症例が多く、片側のままの症例も認めた。さらに、PRの耳介軟骨炎の炎症は耳垂には波及しないので、従来の診断基準にある両側耳介軟骨炎の項目を耳垂に炎症が波及しない耳介軟骨炎に修正することを提案した。
・ということで、最初は片側でも経過をおっていくと両側性になることが多いようですので、要注意。杓子定規に診断基準のあてはめで、診断を除外せず患者さんに時間経過の中で診断が確定することもありますとご説明しないといけませんね。
・ところで、私はもともと耳介軟骨炎は耳垂には炎症が起こらないと思っていたのですが、耳介軟骨炎という疾患概念は耳垂も含んでいたんでしょうかね?
以下日記
・昨日2/5(月)は午前中大学、午後から病院で外来。患者さんが少なかったので胸部レントゲンのダブルチェックをしようと思ったら電子カルテのシステムがおかしくなって画像が見られなくなり途中で断念。なかなか思うように仕事がすすみません。帰宅は19時半過ぎ。お風呂入って夕食摂って、勉強しようとしたのですが、睡魔がおそってきてできず・・・最近腰は痛いわ、膝は痛いわ、そして仕事からかえったら勉強する気力がないか、もしくはその気になってもすぐ睡魔が襲ってくる。やっぱり、今の働き方にもんだあるかな?2月3月はめっちゃ忙しいのですが、4月から何とかならないかしら...
・本日2/6(火)は自然と5時半前に目が覚めました。本来なら1日大学で勉強なのですが、あまりにも事務的な仕事がたまってしまい午前中はお休み。せっせと事務的な作業をしました。おかげである程度はできて精神的なストレスがすこしへりました。そして14時前に家を出て大学へ。今日はエピトレといって疫学の演習とcritical appraisalのみ出席。帰宅は19時半でした。そして、風呂入って食事とって...これから土曜日の大学の講義の準備をします。今度の講義が最後。これがおわると精神的な負担感がまた減ります。さて、今日は何時まで睡魔が襲わずにやれるかな。
・明日は、私が一番嫌いな水曜日。午前外来、午後カンファレンス、夜間診療です。インフルエンザの患者さんは少しは減っているのかな?

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