波乗りする人の非外傷性脊髄損傷/ゲロがでそうな夜間診療
Surfer’s Myelopathy
Thompson, Todd P., MD; Pearce, James, MD; Chang, Gonzolo; Madamba, Joseph
Abstract
STUDY DESIGN:
The authors reviewed a series of nontraumatic spinal cord injuries associated with surfing lessons.
OBJECTIVES:
To characterize a unique syndrome of paraplegia/paraparesis to improve clinical recognition, treatment, and prevention.
SUMMARY OF BACKGROUND DATA:
Surfer's myelopathy is a previously unreported nontraumatic spinal cord injury that affects inexperienced surfers. Nine patients with paraparesis/paraplegia were evaluated and treated after nontraumatic surfing events.
METHODS:
An office-based registry tracked patients with surfer's myelopathy between July 2001 and December 2002. A retrospective review of hospital records searched for additional patients. Nine cases of surfer's myelopathy are retrospectively analyzed to characterize the incidence, risk factors, and outcome. The literature related to surfing injuries is reviewed. RESULTS.: Nine patients were detected with surfer's myelopathy between June 1998 and January 2003. The average age was 25 years. Most patients presented with back pain, paraparesis, and urinary retention. Other presenting symptoms included paraplegia, hypesthesia/hypalgesia, and hyperesthesia. At the time of discharge, three patients had a complete recovery and four patients had mild weakness without sensory deficits. Three in this group had residual urinary retention. One patient remained paraplegic. All patients had abnormal signal change in the lower thoracic spinal cord by magnetic resonance imaging.
CONCLUSION:
Surfer's myelopathy is a nontraumatic paraparesis/paraplegia that affects first-time surfers. Although most patients have a complete or near-complete recovery, complete paraplegia has occurred.
・で、日本語の論文↓
ステロイドパルス療法が著効したSurfer's myelopathyの1例
整形外科と災害外科 67巻(2018)4号
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/67/4/67_826/_article/-char/ja
【抄録】サーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認め,その後急速な下肢の脱力及び膀胱直腸障害を生じた症例を経験した.症例は23歳女性.2017年7月にサーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認めた.その後,急速な下肢脱力を認め,立位不可能となり近医受診.急速に進行する不全対麻痺にて直ちに当院紹介となった.初診時,両下肢の感覚異常,筋力低下及び完全尿閉を認めた.画像検査では,MRI T2強調像とSTIRにてTh10~L1の脊髄内に左右対称性に高信号を認め,脊髄の軽度腫大を認めた.理学所見および画像所見からsurfer's myelopathyと診断し,受傷翌日からステロイドパルス療法3日間(1 g×3 day)施行した.パルス療法開始翌日から筋力の回復を認め,6日目には自尿も可能となり,11日目に退院となった.Surfer's myelopathyは画像所見に乏しく,治療法は確立されておらず,文献的考察を含め考察する.
・もう一つ↓
Surfer’s myelopathyの小児例
脳と発達 48巻(2016)1号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/48/1/48_41/_article/-char/ja/
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診断に時間を要したSurfer's Myelopathyの1例(原著論文/症例報告)
日本でも起こりうるペラグラ/防災訓練でした
[英]pellagra
ニコチン酸またはその前駆物質であるトリプトファンの欠乏症で,これにビタミンB群の欠乏を合併するとされる。露光部に生じる熱傷様紅斑などの皮膚症状,下痢を主とする消化器症状,認知症や末梢神経障害などの精神神経障害を三主徴とする。頸部・前胸部の首飾り様の紅褐色斑は本症に特徴的とされる(カザールの首飾り)。先進国ではアルコール依存症やINAH,5-FUなどの薬剤によることが多い。かつてはとうもろこしを主食とする米国南部の黒人に多くみられた。
80歳女.初診の1~2年前より逆流性食道炎による胸焼け症状のため摂食不良が続き,約10kgの体重が減少した.鶏肉以外の肉類や乳製品を摂取しない偏食もあった.数か月前から全身倦怠感とふらつき,下痢が出現.1ヶ月前より両手背紅斑を認め,近医でステロイド外用を行うも軽快しなかった.当科初診時,両手背に境界明瞭な赤褐色斑があり,鱗屑,痂皮,びらんを伴っていた.血中ニコチン酸は正常下限値であったが,病歴・症状よりペラグラと診断した.ニコチン酸アミド内服を開始したところ,約10日で皮疹は略治し,その他の症状も数日で軽快した.ペラグラの3主徴のうち,精神・神経症状,消化器症状は特異性に乏しく,ペラグラの診断には皮膚所見が極めて重要であった.栄養を十分に摂取できる現在,ペラグラは非常に稀な疾患であるが,アルコール多飲や摂食不良,消化管切除術の既往などがある患者が,露光部や摩擦部に左右対称性の赤褐色斑を呈した場合には鑑別疾患の一つにペラグラを挙げる必要がある.また,ペラグラの患者では他のビタミンや亜鉛等の欠乏を合併した低栄養状態であることが多く,原因検索を行った上で全体的な栄養状態を把握し,食生活の改善とニコチン酸に加え,総合的に蛋白,亜鉛,ビタミンなどを補充することも重要である.
・大切なことは、抄録にかいている通りだと思いますが、本文に書かれている「栄養を十分に摂取できる現在でも過度なダイエットや摂食障害,慢 性アルコール中毒,独居高齢者における食事摂取量低下や偏食などでは,栄養障害をきたす可能性は高い」ということは、認識しておかないといけませんね。
・もう一つ短報↓
胃切除後に生じた非アルコール性ペラグラの1例
臨床神経学 48巻(2008)3号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/clinicalneurol/48/3/48_3_202/_article/-char/ja
・これまた、この抄録の最後のことは、頭においておかないといけませんね。
以下短小日記
・本日11/12(日)は7時には起きようと思っていたのですが、8時前起床。8時から地域のPTAの廃品回収があるので、あわてて缶や雑紙を家の外に出しました。(私は、回収するわけではありません)その後午前中は、勉強。13時15分から15時まで地域の防災訓練でした。13時15分に南海トラフ地震発生ということで、避難訓練。避難場所に集まって私一人ヘルメットをかぶっておりました。その後消化器訓練、減災のDVD視聴、簡単な講話ということで終了。こういう訓練も大事ですね。自分のところの話ですが、避難用のかばんは二つ玄関においておりますが、ヘルメットは一つだけなので、配偶者用のヘルメットも買っておかないといけないと気がつきました。また、地域のことでは、杖を突いて参加された方がおられましたが、緊急時は車いすがいるのではと思いました。車いすを自宅においておくか、地域のどこかにおいておくか?他のところではどうされているのでしょうね?
・避難訓練後はひたすら勉強とちょっとした片づけです。で、本日はalcoholはのまず、これから寝に行きます。明日は、午前大学、午後から仕事です。
SSP: 過敏性肺炎の病態と治療の最前線/施設の方々と勉強会
過敏性肺炎とは,感受性のある個体において特定の抗原(動物由来蛋白(鳥など),真菌/細菌,あるいは無機物(イソシアネートなど))が肺局所で反応して免疫学的機序で発症する間質性肺炎である.発症に至る免疫機序は,特異抗体(III型アレルギー)と感作リンパ球(IV型アレルギー)が重要であるが,加えて原因抗原の種類・量,肺内での除去速度および内的外的要因によって免疫反応は変化する.臨床病型は急性および慢性の2つに分けられる.急性はTh1とTh17反応が主体であるが,慢性ではそれらの反応がTh2にシフトし,線維化の原因となる.診断においては,原因抗原を特定することが重要である.原因抗原は多数あるが,特に羽毛やとり糞などの鳥関連蛋白および真菌の頻度が高い.治療においては,抗原の回避を基本とし,ステロイドや免疫抑制薬によってアレルギー性炎症をコントロールし,線維化を抑制する.線維化の進んだ慢性過敏性肺炎の治療が今後の課題である.
・本来のこのブログのテーマである職業性疾患ということにおいて、過敏性肺炎は大事です。読者の皆様も↑の論文の一覧表に職業性疾患としての過敏性肺炎が載っていますので、お見知りおきを。
以下最近おなじみ短小日記
・本日11/10(土)は、午前中岡山のシネマクレールに映画を観に行きたい衝動を抑え家にこもって事務作業。お昼は玉島乙島の某回転寿司屋さんへ。何故そこに行ったかというとパートのNeDr.がそこの本マグロと裏メニューのハマチのズリが非常に良い(回らないお寿司屋さんに匹敵し、コスパが非常に良い)と強く、強く強調されるので、行ってみました。で、私がバカ舌なのでしょうが、まあそれなりにうまいですが、彼が力をこめて推奨したにしては、いかがなものかと...ただし、好みは人それぞれなので、私の舌にはあわなかったということで。(ズリは、それなりにおいしいと思いました)食費はおやすくつきました。
・14時から16時は「第一回玉島協同病院医療講話」という学習会へ。今回のテーマは、「在宅介護施設での看取りに向けて~住み慣れた施設で安らかな最期を支援する~」というテーマでした。誰からも誘われたわけではないのですが、管理会議報告にこういう催しがあると書かれていたので、自主的に参加してきました。参加者は当院外来Ns.、当院医師、介護施設職員等でした。内容は、玉島協同病院の往診および訪問看護の看取りの事例紹介、その後グループ討議でした。私は、一参加者として末席に座っておはなしをただ拝聴するつもりでい行ったのに、発言を求められたりスモールグループで討議したり。ちょっと、「つもり」が違いましたが、まあ、顔の見える関係づくりの第一歩でよかったかな。
・16時半ころ帰宅して、あとはひたすら事務作業と掃除。(明日小学校のPTAの廃品回収があるので、その準備)先ほどお風呂入ってノンアルピール飲んでいます。もうちょっとしてご飯が炊けたら夕食です。今日こそ、早く寝るぞっ!
SSP:食物アレルギーの診療の手引き2017/弁当で医者を釣るという発想
鉛中毒でみられるバートン線/大谷の人たちと交流
Burton’s Line from Chronic Lead Intoxication
診断まで1年近くかかったリウマチ性多発筋痛症/12時間労働はつかれます
リウマチセイタハツキンツウショウ
[ラ]polymyalgia rheumatica;PMR
[略語]PMR
メッチャびっくり、0次予防には二つある/CAは良いよ(客室乗務員のことではない)
Have You Heard of "Primordial Prevention"?
SSP:許容濃度等の勧告(2018年度)
飛行機乗って気脳症/「明日アルの気」
キトウショウ
[英]pneumocephalus
[同義語]気脳症,頭蓋内気腫 pneumocranium
A 38-year-old man complained of headache and nausea after traveling by aeroplane. On physical examination, high fever and nuchal rigidity were found. Computed tomography showed pneumocephalus. Magnetic resonance imaging showed sphenoid sinusitis. Cerebrospinal fluid examination revealed purulent meningitis. The patient was medically treated using antibiotic agents. The pneumocephalus disappeared and the purulent meningitis was resolved. We suggest that the barotrauma resulted in the pneumocephalus and purulent meningitis. Barotrauma is a potential cause of pneumocephalus, especially if the patient has parasinusitis.
・本文の抜粋(原因について):気脳症の原因 は頭部外傷によるものが約70%と最も多く,その他には脳神経外科 手術 後,先天性頭蓋欠損,腫瘍による頭蓋骨の浸 食,ガス産生菌感染などの報告がある。ガス産生菌によるものを除けば,気脳症は頭蓋内外の交通を意味する。頭蓋内外の交通の因として,気圧外傷という概念が報告されている。 繰り返す急激な気圧変化が 原因となった例として,スキューバーダイビング時のバルサルバ 法や高度1,800m(低い高度)以下で操縦訓練をしたアマチュアパ イ ロットの気脳症が報告されている
・海外旅行から帰ってきた人が頭痛を訴えて来院された場合、感染症ばかり疑うのではなく、このような疾患も鑑別診断にあげないといけませんね。また、産業医学の観点からも、気圧変化を受ける職業があるので、記憶していないといけない疾患だと思います。
以下短い日記
・本日11/4(日)は7時起床。朝勉して、朝食摂って午前中はほぼ勉強と資料の整理。13時から15時半までソバ打ちクラブ。今日もうまくいかず、先生に手伝ってもらいました。かえってしばらく勉強。19時から20時まで地域の定例会。そこで、私のすむ地域でも老若男女をとわず集まって交流しましょうと年に3回サロンを開くことになりました。私も、可能なかぎりサロンに参加しようと思うのですが、第1回が今月末でカラオケをすると。歌を歌うことで一気に敷居が上がってしまいましたが、その敷居を飛び越えて参加しましょう。さあ、これからできるだけカラオケボックスに通って、練習じゃーっ!(大嘘)
・最近飲みすぎていたので、今日は飲むのをやめました。明日はアルコールをやめよう、明日はやめようという気持ちを称して「明日アルの気」といいます。
・で、このブログをかいていると22時30分になりしまったと思い居間へ。外来師長さんが、『今日から俺は!』という番組がおもしろいから観てみてくださいと教えてくれたので、素直な私はお言葉に従うことに。今日は、もう寝たいので録画しようとおもったが、ジェンジェンうまくいかない。よくみるとすでに「予約」になっている。えー、おれいつのまにしたの?と自分が怖くなりましたが、配偶者にきいてみると、「面白かったから、とってるよ」と言われてしまいました。配偶者、おそるべし。
・ということで、おなすびなさい。