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波乗りする人の非外傷性脊髄損傷/ゲロがでそうな夜間診療

標題に変な日本語を書きましたが、surfer's myelopathyを訳してみたものです。サーフィンを職業としている人がいるし、趣味の活動で病気になることもこのブログで取り上げて言いますので、今回このお題となりました。

・surfer's myelopathyとは↓(2004年の最初の報告です)


Surfer’s Myelopathy

Thompson, Todd P., MD; Pearce, James, MD; Chang, Gonzolo; Madamba, Joseph

Spine:August 15, 2004 Volume 29 Issue 16

Abstract

STUDY DESIGN:

The authors reviewed a series of nontraumatic spinal cord injuries associated with surfing lessons.

OBJECTIVES:

To characterize a unique syndrome of paraplegia/paraparesis to improve clinical recognition, treatment, and prevention.

SUMMARY OF BACKGROUND DATA:

Surfer's myelopathy is a previously unreported nontraumatic spinal cord injury that affects inexperienced surfers. Nine patients with paraparesis/paraplegia were evaluated and treated after nontraumatic surfing events.

METHODS:

An office-based registry tracked patients with surfer's myelopathy between July 2001 and December 2002. A retrospective review of hospital records searched for additional patients. Nine cases of surfer's myelopathy are retrospectively analyzed to characterize the incidence, risk factors, and outcome. The literature related to surfing injuries is reviewed. RESULTS.: Nine patients were detected with surfer's myelopathy between June 1998 and January 2003. The average age was 25 years. Most patients presented with back pain, paraparesis, and urinary retention. Other presenting symptoms included paraplegia, hypesthesia/hypalgesia, and hyperesthesia. At the time of discharge, three patients had a complete recovery and four patients had mild weakness without sensory deficits. Three in this group had residual urinary retention. One patient remained paraplegic. All patients had abnormal signal change in the lower thoracic spinal cord by magnetic resonance imaging.

CONCLUSION:

Surfer's myelopathy is a nontraumatic paraparesis/paraplegia that affects first-time surfers. Although most patients have a complete or near-complete recovery, complete paraplegia has occurred.

・で、日本語の論文↓

ステロイドパルス療法が著効したSurfer's myelopathyの1例

整形外科と災害外科 67巻(2018)4号

?

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/67/4/67_826/_article/-char/ja

【抄録】サーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認め,その後急速な下肢の脱力及び膀胱直腸障害を生じた症例を経験した.症例は23歳女性.2017年7月にサーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認めた.その後,急速な下肢脱力を認め,立位不可能となり近医受診.急速に進行する不全対麻痺にて直ちに当院紹介となった.初診時,両下肢の感覚異常,筋力低下及び完全尿閉を認めた.画像検査では,MRI T2強調像とSTIRにてTh10~L1の脊髄内に左右対称性に高信号を認め,脊髄の軽度腫大を認めた.理学所見および画像所見からsurfer's myelopathyと診断し,受傷翌日からステロイドパルス療法3日間(1 g×3 day)施行した.パルス療法開始翌日から筋力の回復を認め,6日目には自尿も可能となり,11日目に退院となった.Surfer's myelopathyは画像所見に乏しく,治療法は確立されておらず,文献的考察を含め考察する.

・もう一つ↓

Surfer’s myelopathyの小児例

脳と発達 48巻(2016)1号

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/48/1/48_41/_article/-char/ja/

?

【抄録】症例は15歳女児. 予防接種歴や先行感染の既往はなかった. サーフィン初級者で, 発症当日サーフィンの授業中に背部痛が出現し, その後急速に症状が進行した. 両下肢の脱力が出現し, 両下肢の弛緩性麻痺と知覚障害および膀胱直腸障害を認めた. 脊髄MRIにて異常信号域を認め, 脊髄梗塞による前脊髄動脈症候群と診断した. ステロイドパルス療法と免疫グロブリン大量静注療法を施行し症状は改善し, 後障害は認めなかった. 症例は急速な発症様式とMRI所見からsurfer’s myelopathy (以下SM) と診断した. SMはサーフィン初級者にみられる稀な疾患であるが, 近年報告が散見されており, その認知, 予防および早期対応が重要である.
・医中誌でSurfer's myelopathyと入れてみると32件がヒットしました。その中で診断に時間がかかったというような報告もありました↓

診断に時間を要したSurfer's Myelopathyの1例(原著論文/症例報告)

臨床整形外科 50巻8号(2015.8)
【Abstract】 症例は30歳の男性で,主訴は排尿・排便障害と走行時の両足底部の痛みとしびれであった.当院内科へ入院となり,多発性硬化症を疑われステロイドパルス療法が開始された後,当科に紹介された.胸腰椎部の単純X線像とMRI画像で異常所見を認めなかった.サーフィン初心者で,パドリングを契機に発症したことから,surfer's myelopathyと診断した.発症1年時,症状は軽快したが,走行時の足底部の違和感と軽度の膀胱直腸障害が残存した.Surfer's myelopathyの病態は不明な点が多いが,反復する脊椎過伸展と海水による冷却が,脊髄虚血を引き起こすのではないかと考える.(著者抄録)
・ということで、サーファーの皆さん気を付けてね。お医者さんは、趣味、職業を必ず聞こうね。
以下いつもの短小日記
・本日11/12(月)は、6時半起床で、朝勉はせず大学へ。午前中疫学のテキストの学習会して、午後からは病院。病院へ行ったらさっそく私がいつも外来で診ている患者さんが入院したとの報告。15時半までは病棟をみて、その後外来へ。予約外の患者さん、それもかなり手間取る人たちが結構こられて、もう大変でした。どう見ても入院が必要そうな人たちがこられ申し訳ないけど他のDr.に手伝っていただきました。そのDr.が二人、私が一人入院伝票を切って病棟は大変だったでしょうね。20時過ぎに病棟行ったら日勤の看護師がまだおられました。そういう私も夜間診療は泣きそうで、大変で、おまけに診察室は蒸し風呂のようで、豚の丸焼きか燻製の気分でした。でも、予約の患者さんたちは予約時間を過ぎても文句も言わず診察を受けていただきました。ありがたいことです。これからインフルエンザが流行りだすとこういうことが毎回あるかと思うと憂鬱になってしまいます。インフルよはやらないでくれ、インシャラーメンダブツ。帰宅は20時40分、お風呂入って夕食(お好み焼き)。お好み焼きのボリュームがすごくて、おなか一杯。そして、明日の朝もお好み焼きでしょう。
・さて、これから歯磨きして寝ます。

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日本でも起こりうるペラグラ/防災訓練でした

標題のペラグラとは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


ペラグラ
[英]pellagra
ニコチン酸またはその前駆物質であるトリプトファンの欠乏症で,これにビタミンB群の欠乏を合併するとされる。露光部に生じる熱傷様紅斑などの皮膚症状,下痢を主とする消化器症状,認知症や末梢神経障害などの精神神経障害を三主徴とする。頸部・前胸部の首飾り様の紅褐色斑は本症に特徴的とされる(カザールの首飾り)。先進国ではアルコール依存症やINAH,5-FUなどの薬剤によることが多い。かつてはとうもろこしを主食とする米国南部の黒人に多くみられた。

・私の遠い記憶では、医学部の生化学の講義で習って名前だけは憶えていますが、実際に患者さんを診たことはありません。でも、脚気と同様日本でも起こりうるということは認識しております。↓のような症例報告がありました。



ペラグラの1例

 日本臨床皮膚科医会雑誌 33巻(2016)4号





【抄録】

80歳女.初診の1~2年前より逆流性食道炎による胸焼け症状のため摂食不良が続き,約10kgの体重が減少した.鶏肉以外の肉類や乳製品を摂取しない偏食もあった.数か月前から全身倦怠感とふらつき,下痢が出現.1ヶ月前より両手背紅斑を認め,近医でステロイド外用を行うも軽快しなかった.当科初診時,両手背に境界明瞭な赤褐色斑があり,鱗屑,痂皮,びらんを伴っていた.血中ニコチン酸は正常下限値であったが,病歴・症状よりペラグラと診断した.ニコチン酸アミド内服を開始したところ,約10日で皮疹は略治し,その他の症状も数日で軽快した.ペラグラの3主徴のうち,精神・神経症状,消化器症状は特異性に乏しく,ペラグラの診断には皮膚所見が極めて重要であった.栄養を十分に摂取できる現在,ペラグラは非常に稀な疾患であるが,アルコール多飲や摂食不良,消化管切除術の既往などがある患者が,露光部や摩擦部に左右対称性の赤褐色斑を呈した場合には鑑別疾患の一つにペラグラを挙げる必要がある.また,ペラグラの患者では他のビタミンや亜鉛等の欠乏を合併した低栄養状態であることが多く,原因検索を行った上で全体的な栄養状態を把握し,食生活の改善とニコチン酸に加え,総合的に蛋白,亜鉛,ビタミンなどを補充することも重要である.

・大切なことは、抄録にかいている通りだと思いますが、本文に書かれている「栄養を十分に摂取できる現在でも過度なダイエットや摂食障害,慢 性アルコール中毒,独居高齢者における食事摂取量低下や偏食などでは,栄養障害をきたす可能性は高い」ということは、認識しておかないといけませんね。

・もう一つ短報↓

胃切除後に生じた非アルコール性ペラグラの1例

臨床神経学 48巻(2008)3号

https://www.jstage.jst.go.jp/article/clinicalneurol/48/3/48_3_202/_article/-char/ja

【抄録】
症例は67歳の男性で,飲酒歴・偏食はない.2004年9月,早期胃癌に対し,術後の栄養管理にすぐれるとされる噴門側胃切除術・空腸嚢間置再建術を受けた.2006年3月より下痢,露出部の皮疹が出現し,また,約2カ月の経過で,歩行障害・意識障害・ミオクローヌス・幻覚が出現した.皮疹・下痢・精神神経症状の三徴よりペラグラと診断し,ニコチン酸アミドと混合ビタミン薬の投与で軽快した.消化管手術後に神経症状を呈する症例では術式を問わず栄養障害を念頭におく必要がある

 

・これまた、この抄録の最後のことは、頭においておかないといけませんね。

以下短小日記

・本日11/12(日)は7時には起きようと思っていたのですが、8時前起床。8時から地域のPTAの廃品回収があるので、あわてて缶や雑紙を家の外に出しました。(私は、回収するわけではありません)その後午前中は、勉強。13時15分から15時まで地域の防災訓練でした。13時15分に南海トラフ地震発生ということで、避難訓練。避難場所に集まって私一人ヘルメットをかぶっておりました。その後消化器訓練、減災のDVD視聴、簡単な講話ということで終了。こういう訓練も大事ですね。自分のところの話ですが、避難用のかばんは二つ玄関においておりますが、ヘルメットは一つだけなので、配偶者用のヘルメットも買っておかないといけないと気がつきました。また、地域のことでは、杖を突いて参加された方がおられましたが、緊急時は車いすがいるのではと思いました。車いすを自宅においておくか、地域のどこかにおいておくか?他のところではどうされているのでしょうね?

・避難訓練後はひたすら勉強とちょっとした片づけです。で、本日はalcoholはのまず、これから寝に行きます。明日は、午前大学、午後から仕事です。

 


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SSP: 過敏性肺炎の病態と治療の最前線/施設の方々と勉強会

つい最近同僚というか上司のDr.が肺炎で入院し治癒して家に帰ったらまた発熱で入院という患者さんを経験され、そのDr.も私も過敏性肺炎ではないかと疑い他院へ精査入院してもらったらやっぱりそうだったということがありました。で、復習↓


過敏性肺炎の病態と治療の最前線




【抄録】

 

過敏性肺炎とは,感受性のある個体において特定の抗原(動物由来蛋白(鳥など),真菌/細菌,あるいは無機物(イソシアネートなど))が肺局所で反応して免疫学的機序で発症する間質性肺炎である.発症に至る免疫機序は,特異抗体(III型アレルギー)と感作リンパ球(IV型アレルギー)が重要であるが,加えて原因抗原の種類・量,肺内での除去速度および内的外的要因によって免疫反応は変化する.臨床病型は急性および慢性の2つに分けられる.急性はTh1とTh17反応が主体であるが,慢性ではそれらの反応がTh2にシフトし,線維化の原因となる.診断においては,原因抗原を特定することが重要である.原因抗原は多数あるが,特に羽毛やとり糞などの鳥関連蛋白および真菌の頻度が高い.治療においては,抗原の回避を基本とし,ステロイドや免疫抑制薬によってアレルギー性炎症をコントロールし,線維化を抑制する.線維化の進んだ慢性過敏性肺炎の治療が今後の課題である.

・本来のこのブログのテーマである職業性疾患ということにおいて、過敏性肺炎は大事です。読者の皆様も↑の論文の一覧表に職業性疾患としての過敏性肺炎が載っていますので、お見知りおきを。

以下最近おなじみ短小日記

・本日11/10(土)は、午前中岡山のシネマクレールに映画を観に行きたい衝動を抑え家にこもって事務作業。お昼は玉島乙島の某回転寿司屋さんへ。何故そこに行ったかというとパートのNeDr.がそこの本マグロと裏メニューのハマチのズリが非常に良い(回らないお寿司屋さんに匹敵し、コスパが非常に良い)と強く、強く強調されるので、行ってみました。で、私がバカ舌なのでしょうが、まあそれなりにうまいですが、彼が力をこめて推奨したにしては、いかがなものかと...ただし、好みは人それぞれなので、私の舌にはあわなかったということで。(ズリは、それなりにおいしいと思いました)食費はおやすくつきました。

・14時から16時は「第一回玉島協同病院医療講話」という学習会へ。今回のテーマは、「在宅介護施設での看取りに向けて~住み慣れた施設で安らかな最期を支援する~」というテーマでした。誰からも誘われたわけではないのですが、管理会議報告にこういう催しがあると書かれていたので、自主的に参加してきました。参加者は当院外来Ns.、当院医師、介護施設職員等でした。内容は、玉島協同病院の往診および訪問看護の看取りの事例紹介、その後グループ討議でした。私は、一参加者として末席に座っておはなしをただ拝聴するつもりでい行ったのに、発言を求められたりスモールグループで討議したり。ちょっと、「つもり」が違いましたが、まあ、顔の見える関係づくりの第一歩でよかったかな。

・16時半ころ帰宅して、あとはひたすら事務作業と掃除。(明日小学校のPTAの廃品回収があるので、その準備)先ほどお風呂入ってノンアルピール飲んでいます。もうちょっとしてご飯が炊けたら夕食です。今日こそ、早く寝るぞっ!


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SSP:食物アレルギーの診療の手引き2017/弁当で医者を釣るという発想

食物アレルギー研究会というものがあって、そちらのWEBSITEで標記「てびき」が公開されていました(1年前だけど)。シェアします↓ (「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017」というのも見ることができます。)





・多分知らないDr.も結構いると思いますので一言。私が若かりし頃(30年くらい前)と「常識」が反転しています。現在アレルギー予防のための食物の除去(妊娠中、授乳中)は推奨されていません。(と、書くと誤解を呼びそうですので、かならずこの手引きをお読みくださいね。)特に鶏卵とピーナツは要注意(昔と違うという意味で)



以下日記

・昨日11/8(木)の日記に書くのを忘れたことがありました。私は二週間に1回のみ産業医学科外来で水島へ行きます。外来が終わって医局の方へ行くとMRさんがいっぱい入り口に並んでいます。(医局へ通じる廊下には、「関係者以外立ち入り禁止」というような表示がたてられていますが、MRさんって、関係者だったのかといつも不思議に思います)まあ、その方達の態度は置いておきましょう。私に声をかけてくるMRさんは、ほとんどいませんが、呼吸器系の薬品を扱っている会社のMRさんは声をかけきます。で、昨日外資系の大企業のMRさんが、「先生、来年勉強会でお弁当が配られなくなることをご存知ですか?それまでにヌーカラの勉強会をしてもらえませんか」と声をかけてきました。そのMRさん、まだ若いのですが、何を考えとんじゃというのが私の感想。とても不快になりました。私はもともとno free lunch policyで、水島で弁当食べながらの医局の薬の「勉強会」を横目にみながら、私の愛する「古狸庵」に昼食を取りに行っておりました。まあ、それはさておき、弁当で医者をつるそのさもしい根性。まあ、弁当がないと薬の勉強会に医者があつまらないという水島のでなく、日本の医療界の実態があるのでしょうが、どんな医者でも弁当につられて勉強会をすると思うなよっ!(弁当で釣れる医者だと私をみなしているということですよね)その時勉強会は弁当のあるなしではなく、必要なら頼みますと答えておきましたが、あとからムラムラ腹が立ってきました。で、今はちょっとクールになって、そのMRさんの行く末を心配しております。弁当で医者が釣れるというさもしい発想しか持てない、それが当たり前だと思っている(?)、そういう人に未来があるのかな???


cf. no free lunch


*上のサイトは見ることができますが、なぜかhomepageをみようとしてもnot foundとなります。どうも、更新がされていないような...


NO FREE LUNCH UK




・さて、本来の日記に。

本日11/9(金)は、やっぱり早起きできず。いつもおこなうfacebookの朝のご挨拶も忘れておりました。午前中は外来ですが、最初はサクサク予約時間通り進んでおりました。ところが、途中予約外の方々がこられて、一段落したのが14時前。14時から産業医面談をしてそれから昼食。ところが、あったと思っていた昼食用のカップ麺がない。14時になると病院の売店が閉まるのですが、医局事務さんが電話をしてくれてシャッターを完全に閉めずに半分まで。産業医面談後走って売店に行ってカップ麺購入。それを食べて、休憩もする間もなくあ外来、病棟。でも、18時には仕事を終えることができて、18時半ころ帰宅。お風呂入って、夕食(鳥すき)。で、久々(先週土曜日以来)にアルコールを摂取して、このブログを書いております。これから事務的な作業をして早く寝たいと思います。(と、いつも言いながら早くならない)

・明日は一応午前中free、午後から勉強会です。ああ、映画が観たい、飲みに行きたい。

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鉛中毒でみられるバートン線/大谷の人たちと交流

過去多分何回か書きましたが、鉛中毒の時歯茎に特徴的な変化がみられることがあります。今週のNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEにその写真がありました。

Burton’s Line from Chronic Lead Intoxication

・『ステッドマン医学大辞典改定第6版』では「バートン線(鉛中毒でできる歯肉の自由縁の青い線)と説明されています。
・この症例で勉強してほしいことはほかには、腹痛、便秘の原因に鉛中毒があるということです。
・あと、良い子の皆さんは関係ないでしょうが、非合法の薬物が売られる場合その重量を増すために鉛を混ぜて売る、ふてえ輩がおるということを知っておきましょう。
cf. 鉛についての参考のサイト↓
「鉛に関する基礎的知識」
file:///C:/Users/MICHIB~1/AppData/Local/Temp/risk200319_tokyo_kouensiryou2.pdf
(皆さんでこのPDFがみれるかどうか不明。見れないときは、標題を検索エンジンにいれれば、みれるはず)
以下やはり超短小日記
・本日11/8(木)は、5時39分におきたとおもったら6時39分でした。当然朝勉はせず、水島へ出勤。午前中産業医学科外来。午後もその関係の書類をかいて、14時半ごろ玉島協同病院へ。病棟回診と事務的な作業をしていったん帰宅。19時半から「たまり場カフェ」(仮称)という浅口市をすこしでもいけてる自治体にしようとする人たちの集まりの会議。今回先月懇親会をした金光町大谷地区をもりあげようと活動されている方々と合同会議でした。ほんのちょっとずつご縁が広がっているのを感じます。
・21時半前に帰宅し入浴。そしてノンアルコールビールをのみながらこのブログを書いております。つまみは茎わかめ=なんぼでもいけちゃって、やばいです。で、そろそろベッドに行くと思います。明日はもうちょっと早く起きたいと思うのであります。

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診断まで1年近くかかったリウマチ性多発筋痛症/12時間労働はつかれます

標題にある「リウマチ性多発筋痛症」とは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


リウマチ性多発筋痛症
リウマチセイタハツキンツウショウ
[ラ]polymyalgia rheumatica;PMR
[略語]PMR


高齢者における代表的リウマチ性疾患。頸部,肩および上腕部,腰部の疼痛とこわばりが特徴で,筋病変はなく滑膜炎が主な病態である。巨細胞動脈炎と高頻度に合併する。50歳以上の年齢層において0.1%弱の患者が存在。前記部位の対称性こわばりと圧痛は起床時に顕著である。赤沈値亢進とCRP高値を認めるが,リウマトイド因子,抗核抗体などの免疫異常所見は存在しない。関節リウマチとの鑑別が必要。少量のステロイド薬が有効で,生命予後は良好である。


・で、私のイメージは比較的早く診断がついて、ステロイドで症状は速やかに改善するというものですが、結構診断までに長くかかることもあるのですね。↓のような症例報告がありました。


ペインクリニック外来受診をきっかけにリウマチ性多発筋痛症(PMR)が判明した1症例


日本ペインクリニック学会誌 25巻(2018)2号




・この患者さん、診断がつくまで1年近くかかっており、こういうこともあるねのと思った次第。こころしないと。



以下極短小日記

・本日11/7(水)は、6時半におきて普通に身支度、朝食摂って出勤。午前外来、午後病院創設40年の記念写真や転院されてきた患者さんの対応、病棟カンファレンス。そして、夜間診療。朝8時から20時まで病院にいて疲れました。20時25分ころ帰宅して、入浴、夕食。そして、録画の「激レアさんをつれてきた」を観ました。この番組、大学院の後輩の女性から面白いからぜひ見てくださいとだいぶん前から言われていたのですが、最近録画するようになりました。結構面白かったですね。

・その後このブログを書いております。これから、布団に入って本を読みながら寝ます。明日はもう少し早起きして朝勉しないと。幸い、今日もアルコールは飲まずに過ごせました。



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メッチャびっくり、0次予防には二つある/CAは良いよ(客室乗務員のことではない)

・私が若かりし頃は、疾病の予防には、1次予防、2次予防、3次予防があると習いました。最近「0次予防」という言葉がでてきています。私の理解は、超簡単にいうなら「疾病になりにくい街づくり・社会づくり」と思っておりました。で、あの超有名な千葉大の近藤克則教授もそういわれていると思います↓


健康の社会的決定要因と「ゼロ次予防」


医療と社会 27巻4号




・ところが検索エンジンに0次予防といれてみるとまったく趣旨の違う(と私にはおもえる)サイトがでてきます↓




ここでは、「体質を知ってとりく健康づくり」となっています。本当に、全然違うとわたしは思うのですが...


・近藤教授のいう0次予防はWHOのprimordial preventionの訳だと思うのですが、ジーニアス英和辞典には、primordialは、「根源的な、根本的な」という意味が書かれていました。Oxford Advanced Learner's Dictionaryには、シンプルにvery basicと書かれていました。ということは、一番基本的な予防法ということですね。

・本日の段階では、WHOのこの言葉をだしてきた文書がみつかっていないので、またみつけたらブログに書きますね。



cf. ↓のような文章もありました

Have You Heard of "Primordial Prevention"?





以下超絶短小日記

・本日11/6(火)は、6時半起床。朝勉はできず、出勤です。午前外来。11時半には終われるように予約を取っているのですが、結局13時。その後病院でて、農協や公民館をまわって大学へ。中途半端に大学についたので、自習して、17時から18時のcritical appraisal(CA)のみ参加。やっぱ、勉強なりますわ。(本日は、crossover study)で、帰宅は19時30分くらい。お風呂入って、夕食。で、ブログ書いております。これからちょっとだけ事務作業して、寝ます。明日は1週間で一番嫌いな水曜日。(「日曜日はだめよ」、ではなくて「水曜日はいやよ」ですね・・・最初の「日曜日はだめよ」って、分る人が何人いるやら)


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SSP:許容濃度等の勧告(2018年度)

日本産業衛生学会が、標記のような「許容濃度等の勧告」を毎年公表しています。2018年度も公表されています↓




・大切なのは、許容濃度の考え方です。上記勧告の最初の部分を張り付けておきます↓


1.  許容濃度等は,労働衛生についての十分な知識と経験をもった人々が利用すべきものである.

2.  許容濃度等は,許容濃度等を設定するに当たって考慮された曝露時間,労働強度を越えている場合には 適用できない.  

3.  許容濃度等は,産業における経験,人および動物についての実験的研究から得られた多様な知見に基礎をおいており,許容濃度等の設定に用いられた情報の量と質は必ずしも同等のものではない.  

4.  許容濃度等を決定する場合に考慮された生体影響の種類は物質等によって異なり,ある種のものでは,明瞭な健康障害に,また他のものでは,不快,刺激, 中枢神経抑制などの生体影響に根拠が求められている.従って,許容濃度等の数値は,単純に,毒性の強さの相対的比較の尺度として用いてはならない.  

5.  人の有害物質等への感受性は個人毎に異なるので, 許容濃度等以下の曝露であっても,不快,既存の健 康異常の悪化,あるいは職業病の発生を防止できな い場合がありうる.  

6.  許容濃度等は,安全と危険の明らかな境界を示したものと考えてはならない.従って,労働者に何らかの健康異常がみられた場合に,許容濃度等を越えたことのみを理由として,その物質等による健康障害と判断してはならない.また逆に,許容濃度等を越えていないことのみを理由として,その物質等による健康障害ではないと判断してはならない. 7.  許容濃度等の数値を,労働の場以外での環境要因の許容限界値として用いてはならない.

8.  許容濃度等は,有害物質等および労働条件の健康影響に関する知識の増加,情報の蓄積,新しい物質の使用などに応じて改訂・追加されるべきである.  

9.  許容濃度等の勧告をより良いものにするために, 個々の許容濃度等に対する科学的根拠に基づいた意見が,各方面から提案されることが望ましい.

10.  許容濃度等の勧告を転載・引用する場合には,誤解・ 誤用を避けるために,「許容濃度等の性格および使用上の注意」および「化学物質の許容濃度」や「生物学的許容値」等に記述してある定義等も,同時に転載・引用することを求める.


・私は、上記5と6が大切だと思っております。



あっという間に以下日記(超短小)

・本日11/5(月)は6時過ぎに起きて、ちょっとだけ朝勉して朝蕎麦たべて大学へ。午前中は疫学の勉強、午後から病院でお仕事で回診と夜間診療で19時30分に病院を出て20時前に帰宅。お風呂入って夕食。外来師長に勧められて録画していた『今日から俺は』第3話を観ました。笑えるところもありましたが、ちょっと暴力シーンがおおくて、どうかな?と思いました。今週中に第4話を観ると思いますが、素直に笑えるから。(冒頭のみみたら笑えましたが)

・その後資料の整理。で、このブログを書いております。本日もアルコールは摂取せず。この調子で週末までいけたらよいのですが...

・これからベッドに入って読書しながら寝るでしょう。(涎で本を汚してはいけません)

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飛行機乗って気脳症/「明日アルの気」

気脳症とは、『医学書院医学大辞典第2版』の説明では↓


気頭症
キトウショウ
[英]pneumocephalus
[同義語]気脳症,頭蓋内気腫 pneumocranium


頭蓋内に空気または気体が貯留し,それによる症状が発生した状態。気体は,硬膜下,くも膜下,脳内または脳室内のいずれの部位にも貯留しうる。多くは外傷に起因し副鼻腔または乳突蜂巣に骨折を生じ,そこから空気が入り込む。硬膜やくも膜が弁のように作用して頭蓋内の気体が増大する場合に,頭痛,嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状を呈すことが多い。治療は感染予防のため抗生剤の投与を行うが,硬膜形成術などの手術を行う必要のあることが多い。


気圧外傷により気脳症を呈した1例


日救 急 医 会 誌 2003; 14: 745-7




【抄録】(本文は日本語です)

A 38-year-old man complained of headache and nausea after traveling by aeroplane. On physical examination, high fever and nuchal rigidity were found. Computed tomography showed pneumocephalus. Magnetic resonance imaging showed sphenoid sinusitis. Cerebrospinal fluid examination revealed purulent meningitis. The patient was medically treated using antibiotic agents. The pneumocephalus disappeared and the purulent meningitis was resolved. We suggest that the barotrauma resulted in the pneumocephalus and purulent meningitis. Barotrauma is a potential cause of pneumocephalus, especially if the patient has parasinusitis.

・本文の抜粋(原因について):気脳症の原因 は頭部外傷によるものが約70%と最も多く,その他には脳神経外科 手術 後,先天性頭蓋欠損,腫瘍による頭蓋骨の浸 食,ガス産生菌感染などの報告がある。ガス産生菌によるものを除けば,気脳症は頭蓋内外の交通を意味する。頭蓋内外の交通の因として,気圧外傷という概念が報告されている。 繰り返す急激な気圧変化が 原因となった例として,スキューバーダイビング時のバルサルバ 法や高度1,800m(低い高度)以下で操縦訓練をしたアマチュアパ イ ロットの気脳症が報告されている

 

・海外旅行から帰ってきた人が頭痛を訴えて来院された場合、感染症ばかり疑うのではなく、このような疾患も鑑別診断にあげないといけませんね。また、産業医学の観点からも、気圧変化を受ける職業があるので、記憶していないといけない疾患だと思います。

 

以下短い日記

・本日11/4(日)は7時起床。朝勉して、朝食摂って午前中はほぼ勉強と資料の整理。13時から15時半までソバ打ちクラブ。今日もうまくいかず、先生に手伝ってもらいました。かえってしばらく勉強。19時から20時まで地域の定例会。そこで、私のすむ地域でも老若男女をとわず集まって交流しましょうと年に3回サロンを開くことになりました。私も、可能なかぎりサロンに参加しようと思うのですが、第1回が今月末でカラオケをすると。歌を歌うことで一気に敷居が上がってしまいましたが、その敷居を飛び越えて参加しましょう。さあ、これからできるだけカラオケボックスに通って、練習じゃーっ!(大嘘)

・最近飲みすぎていたので、今日は飲むのをやめました。明日はアルコールをやめよう、明日はやめようという気持ちを称して「明日アルの気」といいます。

・で、このブログをかいていると22時30分になりしまったと思い居間へ。外来師長さんが、『今日から俺は!』という番組がおもしろいから観てみてくださいと教えてくれたので、素直な私はお言葉に従うことに。今日は、もう寝たいので録画しようとおもったが、ジェンジェンうまくいかない。よくみるとすでに「予約」になっている。えー、おれいつのまにしたの?と自分が怖くなりましたが、配偶者にきいてみると、「面白かったから、とってるよ」と言われてしまいました。配偶者、おそるべし。

・ということで、おなすびなさい。

 


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大動脈瘤破裂で肺塞栓/「ヴィーナス」の夢との遭遇

胸部大動脈瘤破裂でも大変なので、それによって肺動脈が圧迫されて肺塞栓がおこったという症例報告がありました↓


Ruptured Thoracic Aortic Aneurysm Imaging Pulmonary Embolism


Intern Med 57: 3217, 2018




・まあ、こういうこともあるねのという症例報告ですが、「症例」という客観視?した表現ではなく、実際に生活している患者さんとして診た場合、この患者さんが手術を拒否した理由、覚悟というものはどうだったんでしょうね?また、きちんと症状は緩和できていたのでしょうか?なくなった後ご家族が「良い死に方をさせてもらってありがとうございます」といわれたでしょうか?画像診断以外のほうが気になります。



あっという間に以下日記

・昨日の夕方に広島に忍ばせている「草」より、非常に情報は遅いのですが、広島県立美術館で「ブリューゲル展」があるという情報を得たので、本日配偶者と出かけてきました。車で8時過ぎに出て、ノロノロ運転、途中サービスエリアでの朝食ということで10時半ころ到着。めっちゃ人でごった返していると想像していたら、ジェンジェンそういうことなく非常にすいておりました。で、ゆっくり鑑賞。今回単眼鏡をもっていったのですが、非常に細部がよく見えておどろきました。

・昔の話ですが、最初にブリューゲルの絵を見たとき、ボスじゃないのと思ったのですが、ブリューゲルという名前で、ええ、俺の記憶間違っていると思ったのですが、ボスと間違えるのもあたりまえですね。ブリューゲルがボスの真似したわけですから。また、いろいろブリューゲルという人の絵を見て、エロー画風が違う(おどろおどろしいのときれいな花)なあと思ったこともありました。そりゃーそうで、ブリューゲルというのはその一族で、初代から子、孫、その他までいっぱい画家になったひとがいるのですから。(私、そもそも美術史なんて全然知りませんので)今になって、そういうことがわかるのですが、初心者はこんらんしますわな。で、今回の美術展がそういうことが整理されていて、分りやすかったと思います。

・それは、さておき、今回はあまりおどろおどろしい作品はなく、風俗とか静物画が主だったと思います。(配偶者が、風俗画の男性の絵を見て「股間がもっこりしている」と喜んでおりました・・・私も以前からずっと気になっているのですが、あれはなんですかね?ただのポケット、それとも男性自身?)

・その後県立美術館の所蔵作品展も観ました。なんとびっくり、ダリの「ヴィーナスの夢」がここに展示されておりました。こんな有名な絵が身近になるとは知りませんでした。(一体いくらで買ったのだろうと俗物の私はおもってしまいました)これだから、地方の美術館の常設展も馬鹿にはできません。なので、以前から時間があるときは常設展も観るようにしているのですが、絶対そうしているわけでもないので、面白い作品を見逃している場合もあったでしょうね。

・美術館のあとは、コストコへいって買い物。そこで買ったお寿司をフードコートでたべて、帰宅です。17時過ぎに家に帰りつきました。自分のつもりでは、お昼過ぎには帰宅だったのですが。まあ、よろしい。その後は、部屋にこもって資料の整理整頓。そして先ほど夕食食べて、現在アルコール飲んでおります。もうちょっと、雑用をして早めに寝ます。

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