日本でも起こりうるペラグラ/防災訓練でした
[英]pellagra
ニコチン酸またはその前駆物質であるトリプトファンの欠乏症で,これにビタミンB群の欠乏を合併するとされる。露光部に生じる熱傷様紅斑などの皮膚症状,下痢を主とする消化器症状,認知症や末梢神経障害などの精神神経障害を三主徴とする。頸部・前胸部の首飾り様の紅褐色斑は本症に特徴的とされる(カザールの首飾り)。先進国ではアルコール依存症やINAH,5-FUなどの薬剤によることが多い。かつてはとうもろこしを主食とする米国南部の黒人に多くみられた。
80歳女.初診の1~2年前より逆流性食道炎による胸焼け症状のため摂食不良が続き,約10kgの体重が減少した.鶏肉以外の肉類や乳製品を摂取しない偏食もあった.数か月前から全身倦怠感とふらつき,下痢が出現.1ヶ月前より両手背紅斑を認め,近医でステロイド外用を行うも軽快しなかった.当科初診時,両手背に境界明瞭な赤褐色斑があり,鱗屑,痂皮,びらんを伴っていた.血中ニコチン酸は正常下限値であったが,病歴・症状よりペラグラと診断した.ニコチン酸アミド内服を開始したところ,約10日で皮疹は略治し,その他の症状も数日で軽快した.ペラグラの3主徴のうち,精神・神経症状,消化器症状は特異性に乏しく,ペラグラの診断には皮膚所見が極めて重要であった.栄養を十分に摂取できる現在,ペラグラは非常に稀な疾患であるが,アルコール多飲や摂食不良,消化管切除術の既往などがある患者が,露光部や摩擦部に左右対称性の赤褐色斑を呈した場合には鑑別疾患の一つにペラグラを挙げる必要がある.また,ペラグラの患者では他のビタミンや亜鉛等の欠乏を合併した低栄養状態であることが多く,原因検索を行った上で全体的な栄養状態を把握し,食生活の改善とニコチン酸に加え,総合的に蛋白,亜鉛,ビタミンなどを補充することも重要である.
・大切なことは、抄録にかいている通りだと思いますが、本文に書かれている「栄養を十分に摂取できる現在でも過度なダイエットや摂食障害,慢 性アルコール中毒,独居高齢者における食事摂取量低下や偏食などでは,栄養障害をきたす可能性は高い」ということは、認識しておかないといけませんね。
・もう一つ短報↓
胃切除後に生じた非アルコール性ペラグラの1例
臨床神経学 48巻(2008)3号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/clinicalneurol/48/3/48_3_202/_article/-char/ja
・これまた、この抄録の最後のことは、頭においておかないといけませんね。
以下短小日記
・本日11/12(日)は7時には起きようと思っていたのですが、8時前起床。8時から地域のPTAの廃品回収があるので、あわてて缶や雑紙を家の外に出しました。(私は、回収するわけではありません)その後午前中は、勉強。13時15分から15時まで地域の防災訓練でした。13時15分に南海トラフ地震発生ということで、避難訓練。避難場所に集まって私一人ヘルメットをかぶっておりました。その後消化器訓練、減災のDVD視聴、簡単な講話ということで終了。こういう訓練も大事ですね。自分のところの話ですが、避難用のかばんは二つ玄関においておりますが、ヘルメットは一つだけなので、配偶者用のヘルメットも買っておかないといけないと気がつきました。また、地域のことでは、杖を突いて参加された方がおられましたが、緊急時は車いすがいるのではと思いました。車いすを自宅においておくか、地域のどこかにおいておくか?他のところではどうされているのでしょうね?
・避難訓練後はひたすら勉強とちょっとした片づけです。で、本日はalcoholはのまず、これから寝に行きます。明日は、午前大学、午後から仕事です。