SSブログ

肝炎と再生不良性貧血/夜診はつらいよ

毎週月曜日の午前中は、大学院で、以前も紹介しましたが↓のテキストを読んでいます。ちょっと癖があるようですが、すごく良い本だと思います。(まだ、全部読んでないけど)


Epidemiology: Beyond the Basics

Epidemiology: Beyond the Basics

  • 作者: Moyses, M.D. Szklo
  • 出版社/メーカー: Jones & Bartlett Learning
  • 発売日: 2018/05/02
  • メディア: ペーパーバック


現在この本のバイアスの所を読んでいるのですが、Temporal biasの中で、reverse causality(因果の逆転)の話が出てきます。その中の具体例としてB型肝炎ウイルスと再生不良性貧血の関係が出てきました。で、あれっ?B型肝炎ウイルスで再生不良性貧血になったけ?と、昔勉強した(はず)のことが、「新鮮に」感じられたので、改めて勉強してみました。で、まずは『医学書院医学大辞典第2版』↓


肝炎後再生不良性貧血
カンエンゴサイセイフリョウセイヒンケツ
[英]hepatitis-associated aplastic anemia


A~Eの全ての既知ウイルス以外の原因による急性肝炎発症と同時または1~3か月後に発症する。若年の男性に比較的多く重症化しやすい。CD4陽性T細胞の減少が特徴的である。多くは免疫抑制療法によって改善することから,原因となっている肝炎ウイルスまたは変性肝細胞に対して生じた免疫反応が造血幹細胞上の類似抗原を攻撃するために発症すると考えられている。


・で、↓のような論文がありました。


肝炎後再生不良性貧血の2例
肝臓 47巻6号 298―303(2006)


抄録
肝炎後再生不良性貧血の2例を経験した.症例1は35歳男性,2003年4月中旬より全身倦怠感出現し,4月20日にT-Bil 6.2mg/dl, AST 1900IU/L, ALT 3020IU/Lと肝機能異常を認めPT 68%と低下していた.A∼E型の肝炎ウイルスは陰性で各種自己抗体陰性,薬剤の関与も否定的であった.徐々に肝機能は正常化したが,同年7月14日にWBC 3000/mm3, Plt 7.4万/mm3と2系統の血球減少が出現し,7月25日に再入院となった.骨髄は低形成性を呈しCD4/CD8比は0.207と低下していた.症例2は26歳男性,2003年6月下旬より全身倦怠感出現し,7月1日にT-Bil 13.2mg/dl, AST 1748IU/L, ALT 2924IU/Lと肝機能異常を認めPT 62%と低下していた.各種ウィルスマーカーは陰性で肝炎の原因は不明であった.徐々に肝機能異常は改善したが,7月中旬より血球減少が出現した.骨髄は低形成性でありCD4/CD8比は0.335と低下していた.2症例とも免疫抑制剤等の治療により汎血球減少は改善した.若年者の原因不明の肝炎後に再生不良性貧血を合併する事があり注意が必要と思われた.


cf. 再生不良性貧血診療の参照ガイド 2018 年改訂




で、私は疑問なのですが、既知のA~Eの肝炎ウイルスは、結局再生不良性貧血と関係ないのでしょうか????



疑問を持ちつつ以下日記

・本日3/4(月)は5時半起床。朝勉して大学へ。午前中↑でお示しした教科書の勉強会。午後から病院で仕事。出勤したら新入院の患者さんが当てられていました。で、もって現在入院中の患者さんが、もう帰る帰ると...その対応をして夜間診療。18時30分に終わるはずが20時にやっと仕事完了。で、20時20分帰宅。(20分で家に帰れたのはすいていたのね)で、入浴、夕食。そして、今週末弘前である研究会の発表用パワーポイントを仕上げてe-mailで送付。そして、このブログを書いております。完全におねむの時間を通り過ぎて明日が近づいてきております。これから、オシッコして寝ます。

・明日は、午前外来、午後から大学です。

nice!(0)  コメント(0)