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SSP: 風疹でもコプリック斑はでるそうな/鼻歌と鼻ツーン

本日4月1日はエイプリルフールですが、標題に書かれていることは嘘ではありません。

・標題のコプリック斑とは、(医療者なら誰でも知っているでしょうが)『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


コプリック斑 Koplik spot


麻疹の発疹が出現する1~2日前,頬粘膜の臼歯に面する部位に認められる小さな白い斑点で,周囲に粘膜充血(紅暈)を伴う。その後,数を急速に増すが発疹期には消失する。1896年コプリック(Henry Koplik,1858-1927,小児科,米)により記載された。麻疹ウイルスによる粘膜上皮細胞感染巣。麻疹患者の90%以上に出現し早期診断に役立つ。



・で、これは麻疹に特異的と言われてきたのですが、どうもそうではないという論文が最近出版されておりました↓


The Association Between Documentation of Koplik Spots and Laboratory Diagnosis of Measles and Other Rash Diseases in a National Measles Surveillance Program in Japan


Front. Microbiol., 18 February 2019





【Abstract】Koplik spots are considered a disease-specific sign for measles, although comprehensive virological studies have not been conducted to date. In Japan, a national survey of 3023 measles and measles-suspected cases was conducted between 2009 and 2014 using polymerase chain reaction (PCR) or reverse transcription PCR (RT-PCR) to detect various rash/fever-associated viruses. Koplik spots were observed in 717 of 3023 cases (23.7%). Among these, the measles virus was detected in 202 cases (28.2%), while the rubella virus was detected in 125 cases (17.4%). Other viruses were detected in 51 cases having the spots (7.1%). In some of the cases with spots, two or three viruses, such as the rubella virus, parvovirus, and human herpesvirus type 6 were also detected. The sensitivity and specificity of Koplik spots as a diagnostic marker for measles were 48 and 80%, respectively. The results suggested that Koplik spots might appear not only in measles but also in other viral infections, such as rubella, as a clinical sign.



・風疹で17.4%の患者さんにコプリック斑があるのは驚きでした。あとで麻疹の診断は現在の日本では結構難しいということに、自分だけの悩んでいるんじゃないということに、ちょっと安心。(←している場合じゃないやろっ!)


以下日記

・本日4/1(月)は、6時起床。ちょっと教科書の朝勉後、午前中は自分の研究のための文書を作成しておりました。お昼ご飯は昨日自分がうった蕎麦。配偶者もちょっと食べて、おいしいと言ってくれました。わさびは、配偶者がすってくれましたが、結構一杯すったので、残りを小さいコップに入れて伏せておいておきました。そして午後から出勤。重症の患者さんお二人がどうなっているか心配だったのですが、二人とも落ち着いており安心。お一人は、死を覚悟されていたような感じでしたが、元気になられて明日退院。診察して病室から出るときうれしくて思わず鼻歌を歌ってあるいていました。で、看護師さんに先生鼻歌歌って病室から出てきたよと言われてしまいました。もう一人の方も、今日は楽、おなかがすいてご飯が足りないくらいといってくださり、これもハッピー。やっぱり、(あたりまえだけど)臨床医って患者さんが良くなることに幸せを感じるものです・・・最近看取ることがとっても多くなっており、うまく死んでいただけたな、そしてご家族からも「良い死に方でした」と言われるのも良いのですが、やっぱり、本来は良くなって退院してもらいたいものです。

・16時から夜間診療。結構予約外の患者さんが来られ、外来診療後入院患者さんのご家族に病状説明。帰宅は20時ちょっと前。お風呂はいって、夕食。録画の「チコちゃんに叱られる」を観ておりました。(エイプリールフールの起源やぼた餅とおはぎの違い等)今を出るとき配偶者から「お父さん、わさび匂ってみて」と、朝にすってコップに入れて伏せていたわさびを嗅いでみるとエネルギー衝撃波のようなツーーーーンッとする粘膜を刺すような臭い。涙と鼻水と咳がでました。それをみた配偶者が大笑い。最初の犠牲者が自分だったので、私も時間差で道連れにされてしまいました。

・さて、今日はもう寝ますというか、寝床に入って本を読みます↓


新装版 白い航跡(下) (講談社文庫)

新装版 白い航跡(下) (講談社文庫)

  • 作者: 吉村 昭
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/15
  • メディア: 文庫
・この上巻は数日前に読み終えたので、これから下巻です。感想は、読書メーターに書きます。
・突然まったく関係ないですが、質的研究で有名な大谷先生が本を書かれました。↓をご参照ください。
『質的研究の考え方 ー研究方法論からSCATによる分析までー』大谷 尚
http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0944-7.html

amazon の該当ページ
https://www.amazon.co.jp/質的研究の考え方―研究方法論からSCATによる分析まで―-大谷-尚/dp/4815809445
この本の「細目次」は↓( 名古屋大学出版会のページ)
http://www.unp.or.jp/944_contents

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