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じん肺の併存症/やさしい患者さん達

・じん肺の「合併症」は、「じん肺法」および「じん肺法施行規則」という法令でで定められています↓






具体的には、
一 肺結核
二 結核性胸膜炎
三 続発性気管支炎
四 続発性気管支拡張症
五 続発性気胸
六 原発性肺がん


の六つですが、これはあくまでも行政的な定めでありました、じん肺にはいろいろな疾患が合併or併存します。で、そのような併存症を調べたレポートが↓


じん肺(石綿肺を除く)と石綿肺患者が入院加療を要した併存症に関する調査

(日職災医誌,66:441─446,2018)




要旨:目的:じん肺(石綿肺を除く)や石綿肺患者の高齢化に伴い,これら疾患を背景に入院加
療を要する併存症もかわっている可能性がある.労働者健康安全機構が管理する病職歴データを
使いこれら疾患の併存症を検討した.
対象と方法:2004 年から2010 年3 月末までに全国の労災病院と関連施設を退院した患者のう
ち,確定診断2 がじん肺であった910 名(平均年齢74.1±7.8(標準偏差)歳)と石綿肺であった
247 名(73.3±8.5 歳)がどのような疾病(確定診断1)で入院したかを調査した.
結果:入院を要した併存症として,じん肺患者の23%,石綿肺患者の45% が悪性新生物であっ
た.その内訳をみると,じん肺で悪性新生物全体の73% が,石綿肺で90% が呼吸器の悪性新生
物であった.悪性新生物をのぞく呼吸器疾患では,じん肺患者で肺炎・気管支炎・誤嚥性肺炎
(45%)と気胸(29%)が多く,石綿肺患者で肺炎・気管支炎・誤嚥性肺炎(30%)と胸水(29%)
が多かった.
気胸はじん肺患者の13%,石綿肺患者の2% であった.気管支拡張症はじん肺患者の3 名
(0.3%)のみであった.肺結核は3 名,結核性胸膜炎は4 名のみであった.今回の調査対象は高齢
者が多いにもかかわらず,狭心症は17 名(じん肺13 名,石綿肺4 名),急性心筋梗塞は7 名(じ
ん肺5 名,石綿肺2 名)に過ぎなかった.
結論:じん肺と石綿肺患者で入院が必要な併存症は悪性新生物,なかでも呼吸器の悪性新生物
が多い.一方,高齢にもかかわらず虚血性心疾患は少ない.肺がん早期発見のための定期検診の
重要性があたらためて示された.

・まあ、悪性新生物がおおいのは分かります。でも、不思議なことに自己免疫性疾患がないのですが、この研究が入院患者さんを対象としているからかもしれませんね。





以下日記

本日6/14(金)は、6時過ぎに起きて、朝勉をちょっとして、朝食摂って出勤。午前外来でした。まれなことですが12時半に終了しました。ただ、外来が9時から始まる前に急患の人が外来に来て、そちらに看護師さんや検査技師の人が手をとられてデータが出ない状況が一定期間ありました。外来で結構患者さんをお待たせしたのですが、データが出なくてもお呼びして診察。ちょっと外来がバタバタしていてデータがすぐ出ませんとお話ししたら、「たいへんですね」と言ってくださいました。こちらは怒られるかなとヒヤヒヤしているのですが、そう言ってくださるとありがたい。過去何回もお昼を過ぎて外来が13時、14時に延長したときも「先生、ごはんまだでしょう。お疲れ様」とか言っていただきました。患者さんのそのような言葉が、とても励みになります。ありがたいことです。医療者は、患者さんを励ます側ですが、患者さんも医療者を励まして、良い医療をつくっていってほしいと思うものです。

・午後は回診と書類。事務作業はやってもやっても切り無し。今日は18時前まで仕事。帰宅は18時25分でした。最近仕事が終わったら疲労困憊、家に帰って勉強する気にならなりません。で、お風呂入って、その後ビール等アルコール摂取。夕食食べながら録画の「マツコの知らない世界」を観て、現在酔っ払いながらこのブログを書いております。これから、歯磨きして、さっさと寝ます。

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