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扁桃腺をとったのに扁桃腺炎/久々のCA

・私が若かりし頃(医者に成り立ての頃)、患者さんが子供の頃扁桃腺はとりましたと言われたのに口の中みたら扁桃腺炎でしたということが時々ありまして、どういうことじゃと思っておりましたが、患者さんがとったのは、口蓋扁桃ではなくアデノイド(正確には、咽頭扁桃)であったといことがちょっと勉強して分かりました。実は一般に扁桃腺と言われているのは、口蓋扁桃と言われているものですが、それ以外に咽頭扁桃、耳管扁桃、舌扁桃というものがあるのです。で、扁桃腺を子供にとったの扁桃腺炎になるのは、咽頭扁桃をとったひとが、口蓋扁桃炎になったからなのですね。


cf. 口蓋扁桃(『医学書院医学大辞典第2版』の説明)


中咽頭の両側で,前方を口蓋舌弓,後方を口蓋咽頭弓に囲まれた扁桃洞に存在するリンパ器官である。通常,その1/3が咽頭腔に突出し,他は扁桃洞粘膜下に埋没している。表面は重層扁平上皮で覆われており,多数の上皮の陥凹(陰窩)が存在し,陰窩上皮に沿って二次リンパ小節が並ぶ構造をもつ。学童期に最大となる生理的肥大が認められる。一般に扁桃腺といわれている。


・今回は、それと違って口蓋扁桃を本当にとったのに扁桃炎にはったお話↓


Lingual Tonsillitis: An Overlooked Cause of Sore Throat


Intern Med 58: 1969, 2019




この患者さんの場合、舌扁桃炎だったわけです↓


舌扁桃等は、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


舌扁桃 lingual tonsil,tonsilla lingualis
[同義語]舌濾胞 lingual follicle

舌根部に隆起する乳頭状の隆起であり,濾胞構造をもつリンパ組織である。口蓋扁桃,咽頭扁桃(アデノイド),咽頭側索,耳管扁桃とともにワルダイエル咽頭輪を形成する。表面は重層扁平上皮に覆われ,陰窩様の上皮陥凹が認められる。学童期に生理的肥大が最大となる他のワルダイエル咽頭輪リンパ組織と違って,思春期以降に最大になるとされる。

・本文中にあるように、口蓋扁桃炎のような症状なのに、口蓋扁桃が腫れていない場合、舌扁桃炎をかんがえないといけないわけですね。でも、普通のないかの診察では見えませんよね。そうなるとかなりひどい咽の痛みは、最初に耳鼻科に行ってもらった方がよいのかな???



以下日記

・本日7/8(火)は、5時11分起床。朝勉して7時半に病院到着し、早朝病棟回診。午前外来して、お昼病棟に寄って、14時過ぎに病院出てダッシュで大学へ。火曜日の午後超久々に大学院のCA(critical appraisal:論文の批判的吟味)に参加です。こんなに無理したのは土曜日の大学院の新入生の歓迎会で、本日CA担当のかわいい1年生から「ぜひきてください」と誘われたから。誘蛾灯に誘われる我のようにその言葉に操られて無理して参加。やっぱりCAはよろしおます。(今日担当の1年生はしっかり勉強されているなあと感心)月曜日の午前はとっても偉い先生に疫学の中級の教科書を教えていただいていますが、CAはそれとはちがった勉強ができます。で、今日は久々後輩達にもあえて良かった。来週も誘われなくても参加しよう、多分参加できるでしょう、参加できたらよいな...

・CA後ちょっと医学書専門店によって血液学の本を買って、歩いて岡山駅まで。途中イオン岡山へよって、たまたまドライフルーツ売っていたのをみつけて購入して帰宅。結構汗かいたのですぐ入浴、「月曜から夜ふかし」の録画観ながら夕食。で、このブログを書いております。現在非常な睡魔に襲われています。なので、もう寝ます。なんせ、明日は当直なので。

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「賢い患者」とは?/学習会は盛況

・COMLという認定NPO法人があります↓




・この組織については、結構昔から知っていて、以前の理事長である故・辻本好子さんの講演も直接聞いたこともあります。こちらがだしている「新 医者にかかる10箇条」は、結構いろんなところで引用させてもらっています↓




で、COMLが以前から「賢い患者になりましょう」ということをスローガンにしていますが、私はどうも「賢い患者」という言葉に違和感を覚えておりましたし、今ももっとよい言い回しがないかと思っているのです。で、先日↓の本を読み終えました。



賢い患者 (岩波新書)

賢い患者 (岩波新書)

  • 作者: 山口 育子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 新書
・面白くて、あっという間に読めました。その中で、COMLの賢い患者の「定義」が↓のように書かれていました。


①病気は自分の”持ち物”であると”自覚”をする。医師をはじめとする医療者から受ける説明を理解する努力をしたうえで、②自分はどんな医療を受けたいかを考える。考えた結果は黙っていては伝わらないので、③どのような医療を受けたいかを”言語化”して伝える。医療を受けると決めたら、④医療者とコミュニケーションを取りながら協働する(自分にできる努力をする)。ただし、いつ、どんな病気になるか分からないので、戸惑ったり動転したりするのは当然こと。そこで、⑤一人で悩まないこと


・全然言っていることには、異論はありません。それどころか「戸惑ったり動転したりするのは当然のこと」と書かれているのは、なるほどと思いました。しかし、どうも「賢い患者」という言葉には、この本を読んだ後でも違和感があります。何故、違和感を感じるのか私にははっきりしないのですが、ひょっとしてその言葉に「エリート意識」を感じとっているのか、じゃあ「賢くない患者」がいるのかと思って反発しているのか?・・・では、おまえならどんな言葉をつかうのか?主体的な患者、主権者としての患者・・・・ウーン、よく分かりません。

・何かケチをつけているようですが、この本は一読に値すると思います。そう思ったので、今日誕生日プレゼントに外来師長さんにブックカバーをつけて差し上げましたから。


以下日記

・本日7/8(月)は、5時半に起きて、朝勉して大学へ。午前中Epidemiology Beyond the Basicsの勉強会。いつもは細々としているのに、本日は偉い先生方がたくさん参加してくださって盛況でした。いつも、こうならよいな。

・午後からは病院へ戻って回診。肺炎の患者さんが、元気になって歩けてうれしいと言ってくださり、こちらもうれしい。臨床医の喜びは、これですよね。16時前から夜間診療。入院お一人。で、帰宅は20時45分を回っていました。かえって入浴、録画の「チコちゃんに叱られる」を観ながら夕食。そしてこのブログを書いておりますが、明日は早起きして早く病院にいって仕事を済ませ、午後からは超久々に大学に行きたいので、もう寝ます。夜中2時3時に目覚めるのではなく、5時か5時半くらいに目が覚めたら良いなぁ。

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ネマリンミオパチー/ギョウザ祭り2連チャン

・標題のネマリンミオパチーとは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


ネマリンミオパチー
ネマリンミオパチー
[英]nemaline myopathy

先天性ミオパチーの一種である。原因としては筋線維の細いフィラメントを構成するアクチン,トロポミオシン,ネブリン,トロポニン蛋白の遺伝子異常によりアクチン結合性の亢進,筋収縮の減弱,アクチンフィラメントの集積が起こり筋線維変性を来すと考えられる。本症は,新生児重症型,先天性軽症型,成人発症型の3つの型に分けられ,先天性軽症型が大半を占める。この型は,乳児期から発育の遅れ,細く痩せ型,細長い顔,骨格異常などを伴う。筋症状は非進行性の経過をとる。新生児重症型では新生児期から球麻痺や呼吸筋麻痺がみられ,多くは1年以内に死亡する。成人発症型は近位筋ときに遠位筋の脱力で発症し,緩徐ないし亜急性に進行し,やがて全身におよび4~7年の経過で死に至る。筋電図は筋原性パターンを呈するが血清CK値が上昇することは稀である。急性増悪例では,筋線維内に酸ホスファターゼ活性の増加がみられ,自己貪食過程の亢進が想定されている。筋生検ではゴモリ・トリクローム変法でネマリン小体(杆状体小体)を認める。この小体は1型線維に多く,線維は小径化している。ネマリン小体は電子顕微鏡的には筋線維内のZ(Zwischen)帯と同じ構造をしている。

・上の説明を読んでいると、結局亡くなってしまうという印象をうけますが、必ずしもそうではなさそうです。↓の様なレポートがありました。


Dropped Head in Sporadic Late-onset Nemaline Myopathy


Intern Med 58: 1967-1968, 2019


・この患者さん、メチルプレドニゾロンの投与でよくなってよかったと思います。この患者さんのように、ちゃんと治ることもあるということですね。

・私のような小さな病院で働く一般内科医にとっては、本文最後にかかれているような鑑別診断が大切だとおもいました↓


Dropped head has been reported in association with various neurological diseases, such as neuromuscular, muscular, parkinsonism and motor neuron diseases . SLONM should therefore be included in the differential diagnosis when encountering patients with dropped head syndrome.


・ちなみにdropped head syndromeとは、首下がり症候群とか頭頸部下垂症候群と訳されているようです。


・もうちょっと詳しい日本語のcase report↓


免疫治療が効果的であったsporadic late onset nemalin myopathy の2 例


臨床神経 2016;56:605-611


【要旨】 Monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)を合併した孤発性成人発症型ネマリンミオパチー(sporadic late onset nemalin myopathy; SLONM)は予後不良で自家末梢血幹細胞移植が有用とされる.我々は免疫治療(ステロイドパルス療法,血液浄化療法,免疫グロブリン大量療法)のみで症状を維持しえた2 症例を経験し,免疫療法は移植困難な場合の代替となる可能性があると考え報告した.筋生検ではType 2B 線維欠損を認めない点が先天性ネマリンミオパチーと異なっていた.

以下日記

・7/3(水)は、午前外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療。その後病院近くの八幡という焼き肉屋さんで医局懇親会(+『学習ブックレット 民医連の綱領と歴史』学習会)腹一杯食べて帰宅。

・7/4(木)は午前は水島で産業医学科外来。この日も水島コンビナートの労働者の「過重労働の面接」1件あり。まあ、お元気そうでなにより。でも、いつものように過重労働のリスクと対処法についてご説明。午後から玉島へ戻って、回診とカンファレンス。19時過ぎに病院を出て、金光町の保健センターで「たまり場カフェ」の会議。

・7/5(金)は、午前外来。午後回診。午後から有給休暇とって、岡大医学部の倫理講習会にいくつもりでしたが、諸般の事情でいけず。でも、夕方岡山へ。下石井公園へ行って18時半から21時過ぎまで、「岡山ギョウザ祭り」に参加。大学院のお友達とその娘さんら3人の若い女性と会食。その後ちょっと2次会で大衆酒場的なところでカクテル飲んで帰宅。

・7/6(土)は、ちょっとゆっくりめに起きてから大学へ。PCがおいている所に行ってSPSSをいじりました。13時から15時まで、再び「岡山ギョウザ祭り」へ。そこでは、昨日と打って変わって男3人で会食。やっぱり「青空ビール」は、いいや。その後岡山駅西口近くの某ホテルにチェックイン。ポイントがたまっていて、無料で宿泊。シャワー浴びて、おそい昼寝。その後18時から21時まで大学院の新入生歓迎会。最近火曜日に大学に行けていないので、知らない新入生もいてここで初めてお会いしました。新入生の皆様、みんな真面目ですね。(大体、私の所属する疫学・衛生学教室は、社会人院生がほとんどで、一度社会経験をし、何らかの問題意識をもって入学されているので、基本みなさん真面目です)2次会にも行って、その後はホテルで睡眠。

・本日7/7(日)は、ホテルチェックアウト後昨日同様大学へ行ってSPSSをいじっておりました。今日あらたな「技」を習得しました。(単に、日数を計算する方法)その後イオン岡山へよって、16時過ぎに帰宅です。一服後1時間強庭の草刈り。本当にボーボーになっていてマムシがでるんちゃくかと言うくらいですが、長髪をスポーツ刈りにしたくらいすっきりしました。その後入浴、夕食。当然???ビール。で、このブログを書いております。これから歯磨きしてさっさと寝ます。で、明日は早起きしてきちんと朝勉します、するだろう、したい、できればいいな...





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わが国の人工内耳手術の歴史/回るすしは食べ過ぎる・・・回転寿司飽食の法則

・熱心な私のブログの読者なら覚えておられるだろうが、先週の日曜日金光図書館にいって、館長さんから説明をうけた話があったと思います。聴覚障害や視覚障害のかたもテクノロジーの進歩で音楽や映画が楽しめるようになっていると。実際、どの程度テクノロジーが進歩しているのか分からないのですが、↓のような文献があったので読んでみました。


わが国の人工内耳手術の歴史

 

 Otology Japan 28巻(2018)5号

 



・もっともっとテクノロジーが進歩すること、そして貧富の差に関わらず、その恩恵に万人が浴することができるようになってもらいたいものです・・・と、他力本願ではなく、そういう社会にしていかないと。



以下日記(ショート)

・本日7/2(火)は6時半起床。朝勉せず(ああ、数分でもすればよかった)朝食摂って出勤。午前外来、午後病棟回診。(「本当は」大学院で勉強)一通り仕事が終わったのが16時過ぎ。帰りちょっと郵便局によって帰宅。すぐに自分の論文関係の勉強。そうこうするうち配偶者が帰ってきて「クルクルいかん?」と。回転寿司に夕食をたべにいこうということ。で、合意して金光町の「すい丸」へ。さすがに、こんではいませんでした。で、結構おなかいっぱい食べて帰宅。(すし丸の宣伝物で、土用丑の日が近いことを認識・・・私はウナギが好きだ)腹一杯で何もできないので、このブログを書いております。これから風呂入ってノンアルを飲もうと思っております。

・明日は、かなりハード。午前外来、午後C.C.2件、夜間診療。合間に病棟の回診。夜間診療後医局の懇親会(正式な名称をしらず)で、焼き肉。なんとそこで焼き肉食べながら『The Mission Statement and History」というブックレットを学習するとな。そのブックレットに焼き肉のタレや油がつかないように、なんかの紙でカバーしておこう。

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発作性運動誘発性ジスキネジア/大体22時過ぎると眠くなります

・発作性運動誘発性ジスキネジアPKDという言葉は、『医学書院医学大辞典第2版』にも『南山堂医学大辞典第19版』にも載っておりませんでしたが、発作性運動誘発性舞踏アテトーゼという言葉は、後者に載っておりました。 『今日の小児治療指針 第16版』には、以下のような記載がありました↓


発作性舞踏アテトーゼ paroxysmal choreoathetosis

●病態
・発作性ジスキネジアは,発作性運動誘発性ジスキネジア(PKD),発作性非運動誘発性ジスキネジア(PNKD),発作性労作誘発性ジスキネジア(PED)に大別される.発作性舞踏アテトーゼは,PKDとほぼ同義である.
・PKDは,突然の動作開始により誘発される数秒〜1分以内の短いジストニア,ヒョレア(舞踏病)などの不随意運動を呈する.
・PNKDは運動と無関係で,持続が10分〜1時間と長く,PEDは長い運動で誘発され,数分のジストニアを呈する.

・で、もって難病情報センターのwebsiteにもありました↓




・前置きはこれくらいにして、↓のようなレポートがありました。


受診後早期に診断に至った発作性運動誘発性ジスキネジアの1 例

 

  神戸市立病院紀要 57巻(2018)




【抄録】

発作性運動誘発性ジスキネジアは、短時間の不随意運動が急な運動によって誘発される稀な疾患である。この症例は12 歳男児で、主に運動開始時に、舞踏・アテトーゼ・ジストニアの何れか一つ、あるいは複数が連続・混在して認められた。発作は左上肢優位で、意識障害は伴わず、持続時間は1 分以内であった。発作間歇期の身体所見や検査には異常は認められず、カルバマゼピンの内服開始後は不随意運動が消失した。本症は、治療に対する反応性は良好であるが、心因反応やチックなどと間違われ、適切な治療が行われていない場合もあるため、疾患概念の理解が重要ある。

・現在、入院患者さんで原因不明の不随意運動をされている人がいます。その方は、90歳を超えている高齢者の方です。この病気ではないんだろうな....

以下日記

・本日7/1(月)は、通常なら午前中は大学へいって、疫学の中級テキスト勉強会なのですが、事情によりお休み。午前中自分の論文を書いておりました。12時過ぎに家を出て病院へ。病院でご飯食べてから回診、夜間診療。帰宅は,19時44分。いつもと違って夕食が早くできたので、まずはスパゲティーの夕食ですが、量が結構多くて、食後苦しくて動けず。なんとか消化されてから入浴、そしてこのブログを書いております。

・現在猛烈な睡魔に襲われております。これからさっさと寝ます。

 

 

 


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