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網状皮斑/二日連続勘違い

標題の網状皮斑とは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


網状皮斑(モウジョウヒハン)[ラ]livedo reticularis
[同義語]細網状皮膚 ラcutis reticularis,リベド livedo

皮膚の末梢循環障害による一症状で,紫紅色の網状の斑をみる。両側下肢に好発するが,時に上肢,体幹にもみられる。臨床症状から①大理石様皮膚,②細網状皮斑,③樹枝状皮斑の3つに分けられる。大理石様皮膚は小児や若い女性にしばしばみられ,冷たい外気に触れた際に生じ,暖めると消退する一過性の網の目状紅斑で,生理的現象といえる。細網状皮斑と樹枝状皮斑は持続性のもので,血管の器質的変化によりみられ,血管炎,膠原病,代謝性疾患,循環器疾患などの動脈壁の病変,血管の閉塞性変化などにより出現するが,基礎疾患の認められない場合もある。潰瘍を来すこともあり,全身症状との関連に注目しながら皮膚の小動脈の変化を検索する。なお,先天性にみられるものに先天性血管拡張性大理石様皮斑(ラcutis marmorata telangiectatica congenita)がある。これは網の目状紅斑と細小血管拡張があり,種々の奇形を合併する疾患である。また,抗リン脂質抗体症候群では静脈血栓症,動脈血栓症,習慣流産,血小板減などがみられ,動脈血栓による網状皮斑や皮膚潰瘍を伴う。さらに,潰瘍を伴う網状皮斑があり,血管炎や血漿蛋白異常,夏季潰瘍,リベド血管炎などの鑑別が必要である。


・で、今週のNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに↓のようなレポートがありました


Livedo Reticularis in Cold Agglutinin Disease


N Engl J Med 2019; 381:e27 Sep. 26, 2019
・で、この皮疹の原因疾患が寒冷凝集素症ということで、『医学書院医学大辞典第2版』のそれについての説明が↓
寒冷凝集素症
カンレイギョウシュウソショウ
[英]cold agglutinin disease;CAD
[同義語]寒冷赤血球凝集素症 cold-hemagglutinin disease;CHAD

寒冷凝集素の存在により,寒冷に曝露した際に血管内溶血および自発凝集が起こり,貧血,ヘモグロビン尿,レイノー現象時に壊疽などを起こす自己免疫性溶血性貧血に属する疾患。特発性と続発性とに大別され,後者の基礎疾患としてマイコプラズマ肺炎,伝染性単核球症,リンパ増殖症候群などが挙げられる。自己免疫性溶血性貧血の約20%を占め,特発性は比較的高齢者に,続発性は小児から若年成人に多い。寒冷凝集素は特発性のものではI抗原特異性を有し,多くの場合IgM抗体に属する。リンパ増殖症候群や伝染性単核球症に続発するものでは多くはi抗原特異性を有する。特発性の病因は比較的良性のB細胞性リンパ増殖症候群と考えられている。検査所見では室温での赤血球の自発凝集像が特徴的である。正球性からやや大球性貧血を呈し,網赤血球数は軽度から中等度に増加する。寒冷凝集素価は2~4℃で1024と51万2000の間で高値を示す。特発性の治療では保温が最重要である。輸血は不必要な場合が多く,血漿交換は長期的治療には不適で,脾摘も無効例が多い。予後は一部の続発性を除き寒冷曝露を避ければよい。

・まあ、いろいろ鑑別診断があって、覚え切れまへん(T_T)
以下日記
・本日9/26(木)は5時半に起きて内科学会のセルフトレーニング問題。その後玉島協同病院へ7時20分へ行って8時過ぎまで回診し、その後水島協同病院へ。午前中産業医学科外来。午後から倉敷市役所へ行って、公害健康被害認定審査会。その後玉島へダッシュでもどって仕事。
・昨日は夜間診療後患者さんのご家族と面談とおもって、外来後あわてて病棟行ったら、看護師さんに日にちが違いますよといわれ、今日も市役所からあわててかえって、「遅れてすみません、ご家族は?」と病棟で訊いたら、今日じゃありませんと・・・患者さんのご家族との面談の予定を訊かれたらいつも複数の日時を言って手帳に書くのですが、このたびはなんせ忙しかったのか、予定が決まった後に、「予備日」を消すのを忘れていた、このようなことに。で、明日3回家族との面談。明日もはやく病院へ行かないと...
・で、これから1問だけセルフトレーニング問題やって、一つだけ自分の論文にかんする文献検索してさっさと寝ます。


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