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こんな胸水の原因:胃胸腔瘻/早島いってミュシャとオルリク


呼吸器疾患の患者さんを多く診ている関係で、胸水にもときどき遭遇します。で、なかなか原因が分からないこともあります。とてもまれな原因として、標題の胃胸腔瘻も考えないといけないなと思わせてくれたレポート↓

胃胸腔瘻を形成し膿胸をきたした穿孔性胃潰瘍の1例
日本腹部救急医学会雑誌38(7):1195〜1198,2018
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/38/7/38_1195/_article/-char/ja
【抄録】

  症例は70代の男性で,頭頸部癌に対し化学療法中であった。化学療法開始10日目に胃内容排泄遅延あり経鼻胃管を留置していた。一旦軽快傾向にあったが,10日後,呼吸苦が出現し,CTにて左膿胸を認めたため,胸腔ドレナージを施行した。その2日後,ドレーンより食物残渣の流出を認めたため,緊急上部消化管内視鏡検査を施行すると,胃穹窿部を中心に多発潰瘍を認めた。造影すると胃内部から左胸腔への造影剤の流出を認めた。穿孔性胃潰瘍が胃胸腔瘻を形成し左胸腔へ穿破し膿胸をきたしたと診断し,同日緊急手術を施行した。左開胸開腹で術野を展開すると,左横隔膜に瘻孔の形成を認め,胃の潰瘍底が穿孔し胸腔内へ穿破していた。胃壁は横隔膜と強く癒着し,腹腔内の汚染は認めなかった。横隔膜と胃を剝離した後に,胃潰瘍穿孔部は縫合閉鎖し,大網で被覆した。横隔膜の瘻孔は縫合閉鎖し,左胸腔内を洗浄,ドレーンを留置し手術を終了した。

 

・上の例では、そうメチャクチャ診断は難しくは無かったでしょう。なぜなら、胸腔内へいれているチューブから食物残渣がでてきたのだから。でも、それがなかったらちょっと診断に難渋するかも。いずれにしろ、まれですが、胸腔とどこかが交通している病態も胸水の原因になるとおもっていないといけませんね。

 

以下日記

・本日2/6(木)は、「休業」中にもかかわらず「出勤」。7時半過ぎについて、書類と申し送りをかいて9時20分に病院をあとにしました。で、JRで早島まで行って、「ゆるびの舎」にいってきました↓

http://www.town.hayashima.lg.jp/yurubinoya/index.html

・これは、私の知人がこの施設は良いといっていたので、一度はみておこうと思ったからです。今日はこの中の図書館で読書をさせてもらいました。図書館と他の施設をつなぐ中間の所にはいっぱいテーブルと椅子がおいてあって、だれでもいて良いような感じでした。少なくとも3グループ以上の人がいて、お菓子食べたりお弁当食べておりました。外には子供が遊べる公園もありお母さんとお子さんで利用しやすいところだなと思いました。

・図書館に行くと、色んな本が展示されていて、先日書いたインターネット上のフィルターバブルは少しは緩和されると思いました。また、司書さんおすすめの本や新刊本が目立つようにおかれているので参考になります。

・あと、さすが早島、イグサ関係の資料が置かれていました。私は、大気汚染(イグサの先枯れ)と職業性疾患(イグサ染土じん肺)に興味があり、しっかりとした資料をみときたいと思っていたので、ラッキーでした。イグサ染土の組成が書かれている本があり、ちょっとだけ知識が増しました。資料はパラパラとみただけなので、次回は性根を入れて資料をよんでみたいと思います。

・図書館では↓を読み終えました。

生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書)

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  • 作者: 〓, 竹内
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: 新書
その後岡山県立美術館へ行って『ミュシャと日本、日本とオルリク』展をみました。ミュシャは結構観ていますがオルリクなんて初めて。最後の方に展示されていたカール・ティーマンというひとの版画がよかったな。このひとインターネットで日本語で調べても単独では上位にでてこないですね。英語でいれるとWikipediaででてきますが↓
Carl Thiemann
・その後はいったん帰宅。夕食食べて19時から21時過ぎまで「たまり場カフェ」の会議。帰宅して入浴して、アルコールは飲まずこのブログを書いております。これから歯磨きして寝ます。


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