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腹黒ではなく、胸黒?黒色食道/挫折?博論完成せず

大腸のカメラをして、時に大腸メラノーシスの方がおられます。親しい患者さんだと、あなたは、腹黒いですねと冗談を言ったりします。その後ちゃんと真面目になって、(自分が処方してなければ)下剤を使ってますかと訊いたりします。そもそも大腸メラノーシスとは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


大腸メラノーシス melanosis coli
[同義語]大腸黒皮症

大腸粘膜に色素沈着がみられ黒褐色を呈する状態。下部大腸に好発し,大腸内視鏡により診断される。アントラキノン系の緩下剤の常用で惹起される可逆性変化である。病理学的には,リポフスチン様の色素顆粒を貪食したマクロファージと炎症細胞浸潤が認められる。

・もうちょっと詳しくてわかりやすい説明が↓のブログにありました。


大腸メラノーシスとは?




・突然話変わって、私、一応呼吸器の専門ということになっています。(呼吸器学会非認定)時々胸痛の方が来られます。その場合、心筋梗塞、大動脈解離(若くても)、肺塞栓、気胸、胸部の帯状疱疹等まず鑑別診断を挙げます。そこで、わすれてならないのが食道破裂。特に特発性を忘れてはいけません。

・で、Lancetに↓のようなケースレポートがありました↓


The Lancet Vol. 395, Issue 10231, April 11, 2020

Oesophageal necrosis and pneumomediastinum: always examine x-rays assiduously
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30492-X/fulltext
・食道が壊死に陥って、破れて縦隔気腫と皮下気腫をおこしてしまったという報告です。この中でblack esophagusという言葉がありました。それが、今日のお題です。↓がそれを説明した論文です。
Turk J Gastroenterol. 2019 Nov; 30(11): 986–987.
Published online 2019 Nov 1. doi: 10.5152/tjg.2019.181019
Black esophagus
・鑑別診断が↑の論文で、 malignant melanoma, acanthosis nigricans, coal dust deposition, pseudomelanosis, and melanocytosis of the esophagusといったものが、挙げられています。「職業柄」coal dust depositionが気になるところです。
・大腸メラノーシスとちがってこの病気で冗談で「あなたは胸黒いですね」なんて、いくら親しくても言えませんね。
以下日記
・久々?のブログです。いつものように過去を振り返ります。
・4/10(金)は、午前外来、午後回診、結構書類処理して早めの帰宅。お風呂、夕食、論文作成。
・4/11(土)は、1日論文作成。しかし、2時間草刈り、草抜き。
・本日4/12(日)は、雨が降っていたので、草刈りはできず、ずーーーーっと論文作成。この(土)(日)で仕上げるつもりでしたが、残念ながらできず。自分の英語能力のなさを痛感いたします。英語の論文書いていて思うのは、日本語の論文って簡単だなあと言うこと。(実際日本の雑誌に投稿することになると、きっと、難しいとなげくでしょうが)英語の文章を書くのは産みの苦しみ。(産んだことないけど)でも、何か楽しいような気もする。まあ、いまは入院患者さんが多くないし、急性期の重症という人を担当してないから、(土)(日)に集中できるので、ちょっと余裕の発言もできるのでしょう。
・ところで、コロナのせいで、大学院の講義もズーム。使ったことないので今週末それについての勉強とセッティングをいたしました。(ウェブカメラはアマゾンで購入済み)なんとか使えそう。しかし、自分の顔を画面でうつしてみると特に髪がボッサボサ。(頭頂部は禿げてるのにね)おまけに背景が汚い。後ろには、なにか暖簾かタペストリーで隠さないと。東山魁夷やシャガールなんかを背景にするとよいかな。それとも映画かアニメのポスターか。そんなことで悩んだりして。

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神経障害性味覚障害の病態/その情報は不要です

昨日は、嗅覚障害の話題でしたが、本日は味覚障害のお話。↓のような総説がありました。


神経障害性味覚障害の病態


日耳鼻123: 118―122,2020




【抄録】臨床において味覚神経障害をまとめた報告は多くないため, 今回は受容器障害ではなく, 神経障害に焦点をあてて言及した.

 味覚を支配する末梢神経は, 舌前方2/3を鼓索神経, 舌後方1/3を舌咽神経舌枝, 軟口蓋を大錐体神経が支配している. 鼓索神経領域の味覚神経障害の機序として, 1) 顔面神経障害に伴うもの, 2) 中耳手術時などの直接損傷, 3) 舌神経断裂時の損傷, 4) 中間神経障害などが挙げられる. 鼓索神経は一般体性感覚も司る可能性があるため, 味覚のみならずしびれなどの症状にも留意する.

中枢性味覚異常は臨床上, 器質性, 機能性に分類できる. 器質性の頻度は少ないものの見逃してはならないため, 進行する神経症状やほかの神経症状が見られる例, または一側性の味覚障害例は頭部 MRI の施行を考慮する.

 また機能性異常の1例として舌痛症の特徴をもつ自発性異常味覚が挙げられる. 中枢神経系の抑制機構が脆弱になっている状態が考えられ, すなわち舌痛症に類似した病態である. いまだ確立された治療は存在しないが, 病態説明や内服加療に加えて, 症状の緩和を目的とした対応も必要であり, その一つとして当科ではカプサイシンの外用を使用している. そのほかにもマウスピース, 飴・ガム, 立効散のうがい, 口腔用ジェルなどが使用される



・嗅覚障害、味覚障害はなかなか難しい。また、耳鳴りも難治なことがおおいと、自分の経験の範囲で思うのでした。



あっというまに以下日記

・本日4/9(木)は、5時半起床。朝勉して水島へ出勤。その病院玄関のものものしさ(机のバリケードと人の盾みたいな感じ)にビックリ。(COVID-19対策)しかし、これも仕方ないか。水島では、マスクは1週間に1枚。玉島は1日1枚なので恵まれていますな。で、わたしは、捨てずに選択しているので段々たまってきております。それはさておき、午前中は産業医学科外来。予約がすくなかったので、早く玉島へ戻れました。回診して、16時から1時間弱研修医(+医局事務+診療部長)に、外来の心得・コツといった講義。大きな会議室で離れて講義です。で、その後ちょっと病棟よって18時過ぎ帰宅です。診察した患者さんも少なく、早く帰れたのになぜか疲労感あり。お風呂入って夕食です。その後、大学院でこれから使われるZ00Mについて勉強し、ウェブカメラをPCについて、ソフトをダウンロードし、ためしに会議に「参加」。ちゃんと画像が映り音も聞こえることが確認できました。それにしても背景が汚すぎる。自分の勉強部屋のデスクトップを使っているのですが、後ろが本棚。本が乱雑に立っていたり、寝ていたりするだけではなく、ビール瓶やテキーラの入ったフレスコも置いてあるし、袋吊り下げてあるし。なんかタペストリーかのれんのようなもの買ってきてズームを使うときは隠さないと。

・まったく話変わって、本日の午前中はベテラン看護師さんと産業医学科外来でしたが、あいかわらず私は頻尿。看護師さんに頻尿だけど、前立腺肥大ではなく過活動膀胱(と自己診断)なので、おしっこに時間はかかりませんと言ったら、「そんな情報はいりません」とピシャリと言われちゃいました。昨日の外来「新人」看護師さんの私の頻尿までメモしようとした態度と全然違って、おもしろかった。

・さて、これからちょっとだけ事務作業して寝ます。体がしんどいのは5時半に起きたからかな?

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嗅覚障害/そのメモは不要です

最近COVID-19との関連で、嗅覚・味覚障害が注目されているようですが、今日のテーマは直接にはコロナとは関係ありません。一般的な(と言うべきか?)嗅覚障害のお話です。ただ、これをみると嗅覚障害の原因はいっぱいあるので、すぐコロナとは言えないと言うことが理解できるでしょう。



嗅覚障害診療のコツ

  日本耳鼻咽喉科学会会報 123巻(2020)3号




・↑の論文を見ていて、ガイドラインがあることを知りました↓


嗅覚障害診療ガイドライン


日 鼻 誌 56(4),2017




このガイドラインの発刊に当たっての文章に「内容をお読みいただくと,診断についてはそれほど難しくはないことがご理解いただけます。治療に関しても,副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などによる気導性嗅覚障害では,治療法はほぼ確立されたと言えます。」と書かれています。「ほう、診断はそれほどむずかしくないんか」と思ってしまいました。

現在問題になっている新型コロナウイルス感染症の嗅覚障害は、ガイドライン上どのように位置づけられるでしょうか?



以下日記

・本日4/8(水)5時16分起床。朝勉して出勤。病棟よってそれから午前外来:患者さん少ないので早く終わりました。午後回診とカンファレンス、夜間診療でした。帰宅は20時前。お風呂入って夕食。本日はアルコール摂取無し。つかれているので勉強は無し。

・今日の午前中の外来は、病棟から外来に配属がかわった看護師さんがついてくれました。いろいろ他のスタッフの説明を受け、しっかりメモを書かれていました。今日は暇だったので私もちょっとオリエンテーション。医師によって外来診療のスタイルも違うので、私はこのようにやっていると説明。そして、自分は頻尿だから外来中1時間ごとにトイレに行くよといったら、それもメモしようとしました。そこまで、メモしなくて良いよ。

・このブログを書く前e-mailをチェックしていたら、アマゾンから明日注文の品をおとどけしますというメールがはいっていました。届け先は病院で良いのですが、何を間違ったか宛名が病院の看護部長。あわててLINEで明日荷物が届くけど、自分のものですと連絡。興味あるなら開けても良いけど、私に返してねと送ったら、「先生の注文のお品、やっぱりあれですよね」と書かれていました。「あれ」って、何を考えているのかしら。それにしてもエロビデオやオトナのおもちゃで無くて良かった。まあ、そんなん注文したこと無いけどね。



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SSP: エイジフレンドリーガイドライン/ファイバーせず

大分昔から産業衛生学会では、高齢労働者の労働安全衛生って議題になっていたような気がするのですが、最近↓のようのものが出たようです。私も対象になりますな。私を雇ってくださっている方、これから雇おうと思われている方、よろしくお願いします。



高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)


あっという間に以下日記
・昨日4/6(月)は5時39分起床。論文書いて、7時45分家をでてK中央病院へ。私の反回神経麻痺のフォローです。本日喉頭ファイバーの予定だったのですが、COVID19のせいで極力ファイバーをしない方針だそうで、今日はお話のみ。そういえば、↓をみたばかりですが、消化器に限った話ではないですな。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への消化器内視鏡診療の対応について(2020年3月30日更新)・・・日本消化器内視鏡学会のWebsite
・診察してくださった耳鼻科のDr.はマスクだけでは無く、FACE SHIELD(顔上半分ですが)をされておりました。確かに耳鼻科の診療は結構つばや鼻水は飛ぶでしょうね。私も今日の診察から極力ノドのアーーンはやめることにしようと思いました。
・本日4/7(火)は、6時半起床。朝勉せず出勤。外来前に病棟に寄って、患者さんの動脈血ガス採血と埋め込み型ポートへの穿刺。それから朝礼出て外来です。COVID-19のため長期処方をしたせいで本日の予約患者数はとても少なく外来が早く追われました。で、朝食摂って大学へ。本日は教室の新入生へのオリエンテーション。上級生というか在校生というか、そちらも最初は参加するように言われていましたが、COVIDのせいで、逆に参加しないように言われました。何しに大学へいったかというと在学証明書をとるため。それだけ発行してもらってJRのみどりの窓口で定期券を購入して帰宅です。16時1分前に家に帰って18時まで論文作成。その後お風呂入って夕食。アルコール飲みながら録画の「月曜から夜ふかし」を観ておりました。で、もう21時頃かなと思って時計を観たらまだ20時でした。これから寝るには早すぎる。で、このブログを書いております。これからちょっと調べ物をして、21時になったら布団に入れいます。それですぐ寝れるかどうかは不明ですが。

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格差とCOVID-19/マスク洗ってます

・昔「一億総中流」という言葉がはやりました。日本国民のほとんどが、自分は中流だとおもっているということです。わたしは、その言葉を聞いて、そんなアホなとおもっておりました。

医学には運動負荷試験というのがあります。安静時はとくに問題なくても、運動負荷をかけると異常がみつかることがあります。社会もそうで、一見安定しているように見えても災害がくるとその格差が目に見えてくるものだと、阪神淡路大震災の時には思ったものです。そして、東北大震災や西日本豪雨災害。一見みんな平等にみえても、負荷がかかるとその「格差」が明らかになる。つくづくそう思っていました。そして、今回のCOVID-19でもそれが、表に出てくるとおもっていましたが、まさにLANCET PUBLIC HEALTHにそのような論説がありました↓



Why inequality could spread COVID-19


Lancet Public Health 2020 Published Online April 2, 2020
https://doi.org/10.1016/
S2468-2667(20)30085-2





・この論説でわたしが、大切だとおもったのは、格差をなくす政策の思考、それとヘルスリテラシーについて。ヘルスリテラシーが劣っているヒトは、正しい情報をえることができず、正しい行動ができない→それは、その人個人の健康問題だけではなく、社会の問題(病気を広げてしまう)でもあるわけです。わたしは、地元の図書館とくんでヘルスリテラシーの講座をしようと考えておりました。ただ、昨年突然反回神経麻痺になったことと、それがやっと回復してきて講座が開けると思ったら今回のコロナの問題で、なかなか講座がひらけません。でも、おちついたら地元でヘルスリテラシーの講座をひらきたいと思います。(ヘルスリテラシー教育が格差を広げてしまうというリスクも認識はしております)

・あと、ビックリしたのは、医療従事者の感染者が全感染者の10分の1ということ。日本で医療崩壊という言葉がよく使われるようになってきましたが、そのたんびに私は「その定義はなによ?」と心の中で突っ込んでいましたが、定義もくそもなく、医療者の1割感染は、明らかに崩壊ですね。(原文は clinicians comprising more than a tenth of all COVID-19 cases in Spain and Italy.とかかれていますが、cliniciansを臨床医と訳すのが適当かどうか分からなかったので医療者と書きました)



以下日記

・本日4/5(日)は、6時過ぎ起床。少し調べ物をして出勤。9時から17時30分まで日直でした。大きなこと無く過ごせました。しかし、この時間ずっと拘束されているのはつらい。昔はそういった時間にあれもしようこれもしようと仕事を持って行っていたものですが、大概途中で中断させられてきたので、もう今日は何も仕事はもっていかず、ただ、空いている時間に書類の整理や調べ物をしておりました。

・帰宅後は、入浴、夕食:カレー。食事しながら、「チコちゃんに叱られる」を観ながら飲酒。ヴァルシュタイナー・ドゥンケルを飲んだあとテキーラをのみながらこのブログを書いております。カレー食べ過ぎてお腹苦しいし、アルコールもはいったので、もう勉強はできません。もう寝ましょうかね。

・ところで、コロナ感染症対策の地域差は激しいと思います。東京は医療機関は大変でしょうが、岡山はまだそれほどでもない(少なくとも自分の病院は)。しかし、物資が不足してきました。ちょっと前からマスクは一人1日1枚になりました。大変なところは1週間に1枚という話もきいております。いつ自分ところもそうなるか分からないので5日前から使ったマスクを自宅に持って帰って洗っております。洗ってみて思ったのは、マスクって案外丈夫なのねということでした。洗ってもそうグジャグジャにならない。で、本日で5枚たまりました。こういった作業が無駄になることを祈るばかりです。(決して洗ったマスクをネットで販売しようとはおもっておりません)

・明日は、午前中はK中央病院に自分の受診(反回神経麻痺の経過をみてもらいます)。もう、よろしいですと言ってもらえるかな?まだ、100%回復じゃ無いけど...

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へ~っ、こんな日本紅斑熱/草抜きから野菜作りに

・日本紅斑熱は、まだまだ希な疾患だとは思います。かくいう私も実際に患者さんを診たことはありません。『医学書院医学大辞典第2版』の説明は↓


日本紅斑熱 Japanese spotted fever

1984年に馬原文彦によって最初の臨床例が報告され,病原リケッチアはRickettsia japonica(リケッチア・ジャポニカ)と命名された。高熱,発疹,刺し口を三徴候とする疾患で,野外での作業時に感染する例が多い。媒介動物としてはマダニが最も有力である。西日本を中心に太平洋沿いの温暖な地域に発生する例が多い。1週間の潜伏期間の後,発熱(弛張熱),発疹(写真:大腿部の皮疹。78歳・女性),頭痛,倦怠感,悪寒を伴い発症する。ダニによる刺し口を大半の例に認める。R. japonicaを抗原として,間接免疫ペルオキシダーゼ法(IP法)や免疫蛍光法(IF法)を用いて,特異的抗体価の上昇を証明する。ワイル-フェリックス反応ではプロテウスOX2に凝集反応を示す。テトラサイクリン系抗菌薬が有効で,ニューキノロン系薬の併用も効果を示す。

・その他のサイトの説明も貼り付けときます↓


日本紅斑熱とは(国立感染症研究所のサイト)↓




厚労省のサイト↓




感染症学会のサイト↓




・で、もってちょっと非典型的な岡山県の患者さんのレポートがありました↓


有効な抗生剤の投与なく対症療法のみで治癒した日本紅斑熱の1 例
川上万里、他。

感染症学雑誌




【抄録(本文は日本語です)】


We report herein on a case of a 71-year-old female who recovered from Japanese spotted fever (JSF) without tetracycline (TC) treatment. In late September 2015, she suffered from a high fever of 38℃ and appetite loss after mountain hiking. In 2 days, she had rash over her whole body suspected to be due to viral infection. Her blood test showed thrombocytopenia, moderate inflammation, and mild liver dysfunction. She was admitted to in our hospital with intravenous drip infusions of 1.5-2.0L/day, and her general condition was improved on Day 3 of admission. Her serum IgG/IgM levels of anti-JSF were elevated from negative on Day 17 to 1:5,120/1:2,560 on Day 61, indicating the diagnosis of JSF. Our literature search found 2 cases that recovered from JSF without TC and 4 fatal cases and suggested that maintaining renal function by early admission is necessary to obtain a favorable outcome of JSF.


・発症がはやく、刺し傷が無く、テトラサイクリン使わずに治ったという事例。こんなん、どうやって診断するんよ?


・わたしゃ、診断つける自信ありませんが、なんせ、野山に行った既往があれば、鑑別診断として思い浮かべないといけないわけですね。



以下日記

・毎日なかなか記事がアップできません。いつものように過去を振り返ります。

・4/2(木)は、5時半過ぎに起きて朝勉して出勤。午前外来、午後会議、回診。帰宅は18時過ぎでした。ちょっと論文書いて入浴、夕食。TVでモニタリング(綾野剛がカメラマンになって潜入)を21時過ぎまでみてしまいました。たまーに、モニタリングみますが、「ドッキリ」より、毒が無くてよいです。(たまたま自分がみているものだけかも知れませんが)

・4/3(金)は、6時に起きて少しだけ論文書いて出勤。午前外来、午後病状説明と回診。早引きし、郵便局よって帰宅し、ひたすら論文作成。21時過ぎからプライムビデオで『アトミック・ブロンド』観ました。主演のシャーリーズ・セロン、ええわぁ・・・こんなこと書いていても数日したら忘れるけどね。

・本日はお休み、朝からずっと博士論文の執筆。途中昼食休憩に1時間、草抜きに1時間20分、あとは19時半までひたすら執筆。あとは、夕食と麦酒飲みながら、『マツコの知らない世界』の録画(おとりよせ餃子)を観ておりました。で、このブログを書いております。明日の日直に備えて、22時には寝ます。

・最近草抜き依存症になっております。何かそれに続いて、畑仕事をしたくなってきました。論文書き上げたら、本格的に野菜を作り出そうと半分、いや7割くらい本気に思っております。



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嫌気ボトルで鎌状赤血球症を診断/マスクを洗う

標題の「鎌状赤血球症」とは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


鎌状赤血球症 カマジョウセッケッキュウショウ sickle cell disease;SCD
[同義語]鎌状赤血球貧血 sickle cell anemia

典型的にはヘモグロビンSホモ接合にみられる末梢循環閉塞発作,その重積の結果としての多様な慢性臓器障害,および溶血性貧血を伴う重篤な病気である。無症状のヘモグロビンSヘテロ接合は悪性(熱帯熱)マラリアに抵抗性を示すゆえにヘモグロビンS遺伝子頻度が著しく高まり,本症の存在は熱帯アフリカでは太古より知られていた。1910年アメリカ黒人患者の血液に鎌状赤血球が見出され,この病名が生まれた。1949年ヘモグロビンSが電気泳動により分離され,病気の本体はヘモグロビンSのホモ接合であることが確定し,分子病という新しい疾病概念が提唱された。患者にとって貧血よりも血流閉塞発作のほうが何倍も苦しいので,最近は「鎌状赤血球症」の名称が一般的である。赤血球鎌状変形の機序であるヘモグロビンSの析出を予防するために,さまざまな手段が試みられつつある。常染色体劣性。

『新臨床内科学 第9版』のこの疾患の「概念」の項では↓のように説明されています。


■概念
 β鎖のN末端から6番目のグルタミン酸がバリンに変わった異常Hb(HbS)の産生による常染色体劣性遺伝性疾患である.HbSは赤血球内,特に酸素分圧の低い状態では溶解度が低下することによりゲル化tactoidし,赤血球は鎌状化sicklingする.その結果,ホモ接合homozygote(HbSS)では慢性溶血性貧血と全身の血流障害をきたす.


で、↓の様なレポートがありました


PICTURES IN CLINICAL MEDICINE
A Sickle Cell Crisis in a Blood Culture Bottle
Keisue Kmada, et al.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/59/7/59_3698-19/_article/-char/ja
・28歳男性が富士山に登って腹痛と発熱を起こしたというもの。CTで脾臓の梗塞と診断、HbA1cが2.4%と低値。ここから著者達は鎌状赤血球症を疑ったけど末梢血像は正常。で、血液を血液培養用の嫌気性菌用のボトルに入れて24時間培養して観察したところ、丸かった赤血球が見事三日月になったというもの。
・こういう診断法もさることながら、へーって、思ったのは、鎌状赤血球症って、HbA1cが低くなるのねということ。これは、この疾患以外でも異常ヘモグロビン症で起こるみたいです。例えば↓
ヘモグロビンA1c以上低値を契機に診断された異常ヘモグロビン症の2家系、4症例
医学検査 Vol.63 No.4 2014
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jamt/63/4/63_13-109/_article/-char/ja
【抄録】

異常ヘモグロビンとはグロビン鎖のアミノ酸配列異常を呈するヘモグロビンの総称である.鎌状赤血球貧血患者の研究に端を発し,Hb M-Iwateの発見により日本人においても異常ヘモグロビン症が証明された.異常ヘモグロビン症は等電点電気泳動法の応用や技術改良による検出頻度の拡大を経て,現在ではヘモグロビンA1cの測定に用いられる高速液体クロマトグラフィの異常クロマトグラムより発見される例が増えている.今回われわれは,非血縁2家系,4例の異常ヘモグロビン症を経験した.同疾患は遺伝性疾患であり人口移動の少ない地域では出現に注意する必要がある.異常クロマトグラムであってもヘモグロビンA1cが測定される場合があり,クロマトグラムのパターンに注意を要する.遺伝子解析には十分に配慮する必要があるが,不要な検査,治療を避けるためにも患者が自身の病態について理解しておくことは重要と考える.普段から臨床医とコミュニケーションを図り,適切な情報を臨床側に提供していく必要があると考えられる.

・も一つ↓

血糖コントロールの高値に対する相対的なHbA1c低値から診断に至った異常ヘモグロビンD症の1例

糖尿病59(6):401~406,2016

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/59/6/59_401/_article/-char/ja/

【抄録】
HbA1cは,多くの施設で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用いた測定が使われている.HPLC法では,糖化異常ヘモグロビンは電気的変化でカラム溶出時間がHbA1cと違ってくるため,ほとんどの異常ヘモグロビン症例は血糖コントロールに比べHbA1c低値で発見される.今回,血糖値コントロール不良にもかかわらずHPLC法で測定したHbA1c値が低値と乖離を認めたアメリカ白人ハーフの1例を経験した.遺伝子解析の結果から,βグロビンのミスセンス変異のHb D-Los Angelesと診断した.異常HbD症は,以前は日本では存在しなかった稀な疾患であったが国際化により今後日本でも増えると推測される.該当糖尿病例では,HPLC法でHbA1cが偽性低値となる異常HbDの存在を念頭に置き,血糖コントロール,グリコアルブミン値なども含めて慎重に治療方針を評価する必要がある
・日常診療では、血糖とHbA1cに解離があれば、異常ヘモグロビン症を考えないということですね。(わたしゃ今までは、急性発症の糖尿病しか頭にありませんでした)
以下日記
・すこし過去を振り返ります。
・3/28(土)は、1日論文作成と合間に草抜き。
・3/29(日)は、日直、比較的おちついており机の上の片付けができました。期限が過ぎていた某資格の更新のための書類がでてきて、サーッとちびまる子ちゃんの漫画のように縦線と汗がでました。
・3/30(月)は、午前は論文作成。午後から出勤し、回診、夜間診療。当直:これはちょっとしんどかった。
・3/31(火)は、当直「明け」で午前螺以来。14時過ぎまで病院にいて帰宅。その後夕方まで論文作成。
・本日4/1(水)は5時45分起床し、朝勉後出勤。午前外来、午後回診、カンファレンス、夜間診療。19時14分帰宅。すぐ夕食:鉄板での焼きうどん・焼きそばミックス。案の定食べ過ぎて苦しい。すぐにお風呂には入れないので、論文少し書いて、調べ物して入浴。その後現在ウイスキーをちびちび飲みながらこのブログを書いております。
・日本いや世界でマスクの不足が報じられていますが、ついに当院でも数日前から一人1日1枚、それも職責者からの配給。で、多分次は1週間に何枚かで、マスクを洗って使うことになるだろうと予想し、本日初めてマスクを洗ってみました。さて、明日はどんな感じになっているでしょうね。こんなに発達した資本主義国で、マスクが不足するなんて...

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