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Meigs症候群、メイグズかメグスかメグズか?何はともわれ胸水の鑑別診断/眠くて忙しい

・遠い昔(多分以前にも書いたことありますが)Swan-Ganzカテーテルは、スワンガンスかスワンガンズかと悩んだことがあります。わたしと同様な疑問をもったと思われる呼吸生理、呼吸管理で有名な諏訪邦夫先生が小論を書かれておりました。で、今回もそのような発音のお話。


・最近大きな病院にかかっている胸水の患者さんが診断がつかない(胸腔穿刺や胸膜生検をしたみたいです)ので知り合いに相談して私を受診されました。(何で、小さな病院の私を紹介するねんと思いましたが)で、私は、別の大きな病院で再検査(+α)をしてもらった方が良いと説得し(検査を嫌がっておられたのですが)なんとか別の大きな病院を受診していただきました。で、その結果がMeigs' syndrome. 知識を確認するための『医学書院医学大辞典第2版』をみてみると↓


メグズ症候群
メグズショウコウグン
[英]Meigs syndrome

メグズ(Joe Vincent Meigs,1892-1963,外科,米)らが,腹水と胸水を伴った卵巣線維腫の患者で,腫瘍を摘出すると腹水や胸水が速やかに消失することを報告し,それ以来,メグズ症候群として注目された。しかし,フランス学派では,1887年にドゥモン(Demons AJO)が同様の症候群を報告しているので,ドゥモン-メグズ症候群(Demons-Meigs syndrome)と呼んでいる。本症は,一見きわめて重症であるにもかかわらず,腫瘍摘出により劇的に症状が好転することが注目された症候群で,現在では線維腫のみでなく,良性腫瘍に伴う症候として用いられている。


・となっております。あれまあ、今までメイグス症候群と私はおもっていたのにメグズですか。『ステッドマン医学大辞典改定第6版』でも"migz"(ミグズ?)という発音でした。インターネットのWeblioでみるとメイグスとかメグズとかかいております。Google先生にきいてみる(翻訳)とメグスといってるようにきこえます。さらにYouTube↓を視聴するとメックスと私には聞こえます。(6分弱ですので、この病気の勉強ができます)いったに、何がホンマやねん。Meigsさんの御家族にきいてみないとわかりませな。




・発音はさておき、胸水の原因疾患としてMeigs 症候群を思い浮かべ、そしてお腹も調べないといけないと反省した次第です。


cf. 諏訪邦夫先生のサイトです↓





以下日記

・本日9/29(火)は5時4分起床。で、6時15分に家を出て6時40分着、パートの当直の先生と交代。幸い8時30分までは大きな事無く、自分の患者さんの回診ができました。そして午前外来。こちらもスムースに進行。ただ、紹介や退院、書類、呼吸器管理の相談等いろいろあって15時まえにやっと病院を出ることができました。いつも火曜日は16時から大学院のcritical appraisal(CA)をしているのですが今日は時間が早まった15時20分からでした。で10分遅刻。私の価値観では、遅刻は忌み嫌うものであります。まあ、働きながらがくせいしているわけですからしゃあないけど。

・CA(客室乗務員ではない)後、お風呂入って早めの夕食。その後明日締め切りの内科学会のセルフトレーニング問題を完成させました。あとは、ひとつ日本語の論文を読んだのみ。やるべき事は山ほどあるのですが、なんか疲れて、眠くて20時くらいから寝たかったけどなんとか今まで我慢しておりました。で、これからGo To Bedです。やることいっぱいあるので明日も早めに(と言っても今日ほどではないですが)病院へ行こうと思います。

・では、皆様、まーたアシタ。(「にんげんっていいな」の節で)



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二硫化炭素中毒/今日も勉強と草刈り・草抜き

今日の14時前に終活で書類を整理していると書きました。で、先ほど書類を見ていると1994年に宇治市で行われた第3回二硫化炭素中毒症全国シンポジウムの資料が出てました。これは、レーヨン製造に携わっていた労働者の慢性二硫化炭素中毒症の労災問題を掘り下げ、被災労働者を救済する運動の一環として行われたものです。第1回は1991年倉敷市で私が実行委員長になって行われました。

・私が医学生の頃は同級生は120名位、卒業したらほとんどの人が大学の医局に入っていました。私は少数派で市中の病院へ就職しました。何年かすると大学医局にはいった同級生達が学会で発表する姿を見たり、大学派遣のDr.達をみて、自分の選択はこれでよかったのかと悶々としていた時期がありました。その迷いが吹っ切れたのは①倉敷公害裁判②岡山喘息大学③そしてこの二硫化炭素中毒症への取り組みでした。

・クボタッショックが起こったときいかに臨床の場で職業性疾患が無視もしくは見逃されていたのか明らかになりました。二硫化炭素は慢性曝露で脳血管疾患のリスクをあげるのです。しかし、多くの臨床の教科書はそのことを書いていません。(全ての教科書をみたわけではないですけど、例えば日本循環器学会等が合同でだしている「急性冠症候群ガイドライン2018年改訂版」には二硫化炭素中毒のことは載っていないと思います・・・隅から隅まで目を皿のようにしてみたわけではないので、載っていたらすみません)。産業医学と臨床医学の乖離がずっとあるのは残念なことです。でも『医学書院医学大辞典第2版』をみてすこしすくわれました↓


二硫化炭素
ニリュウカタンソ
[英]carbon disulfide

化学式CS2。分子量76.13。比重1.2628(20℃)。微かな芳香臭をもつ無色透明の液体。揮発性,引火性があり爆発性大。体内にはほとんど経気道的に吸収される。主として呼気から,一部は皮膚および尿を経て排泄される。毒性・生体作用:急性中毒では意識喪失,昏睡など。軽症では興奮性の精神症状,頭痛,悪心・嘔吐,失調性歩行など,亜急性では精神障害,慢性では冠状動脈疾患,多発性神経炎,脳血管障害,糖尿病合併症に似た網膜症や腎症などが発症する。用途:レーヨン(人絹・スフ)およびセロファン製造,四塩化炭素・浮遊選鉱剤の原料,溶剤,ゴム用加硫促進剤,殺虫剤。許容濃度10ppm(日本産業衛生学会,1974年提案)

・で、私の野望・・・臨床医学の潮流を変える・・・きちんと職業環境までみる・・・しかし、最近SDHや社会的処方とかいうことばが臨床の場でも使われ出して環境要因にも目が向き始めましたね。そういえば今やっている内科学会のセルフトレーニング問題にアドバンスケアプラニングがでていました。SDHや社会的処方という言葉がでるまで、もう一息かも知れません。


以下日記

・本日9/27(日)は、7時起床。朝食後お勉強、おもに内科学会のセルフトレーニング問題と因果推論の論文。お昼は自分でうった蕎麦。15時ころちょっと金光町の大谷地区へ。(金光教のお膝元です)そこで、あたらしくたまり場になる家を借りることができたのでちょっと言っていました。しっかりそこを使いたかったのにコロナのせいで人があつまるのがなかなか難しいですね。ちょっとツライものがあります。ちょっとそこで久々にあったお仲間と雑談しかえりナンバでホウ酸団子や刈り払い機の燃料を買って帰宅。また、昨日同様夕方に草刈り、草抜きをいたしました。その後入浴、夕食。ノンアルコールビールをのんで、その後書類の整理。で↑でかいた資料をみつけてこのブログを書いております。で、ちょっとアルコールの誘惑に負けて、ジンを炭酸水でうすめて飲んでおります。あとちょっと書類の整理と因果推論の本を読んで、早めに寝ます。

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古い文献整理していて思ったこと

・人は何時死ぬか分かりません。なので何時死んでも良いように身の回りをきれいにしておかないといけないのですが、さっぱりです。もし今死んだら配偶者や子供達はとっても後片付けが大変でしょう。で、最近古い書類を片付け出しました。まあ、実際終活というよりも、本をおくスペースを空けるためです。

・先ほどちょっとひとかたまりの書類を整理していたら、悪性リンパ腫、特に胸壁発生の文献やクラミジア(シッタシとニューモニエ)、腸腰筋膿瘍等の医学文献といっしょに「職場の循環器しっかとその対策**経過と提言**1995年2月」(日本産業衛生学会 循環器疾患の作業関連要因検討委員会報告)や「インフォームド・コンセントを考える」(池永満。民医連医療No.255 1994年8月)、そして「いま流行の看護診断への私的な疑問」(川島みどり。看護実践の科学 1994年4月)など、色々懐かしいなと言うのが出てきました。一番最後の論文は、まだ、オヤジでもなかった頃(と思うが、年齢は若くても心はオヤジだった?)「NANDAって、ナンダ?」とオヤジギャグをいっておりました。(当然、North American Nursing Diagnosis Associationと言うことはしりながらですよえ。ちなみに今はお尻にIがついてますね)

・看護計画、看護実践、看護診断という言葉に加えて最近はラダーという言葉を良き聞きます。いったい最近の看護界って、どうなっているのでしょう?何を目指している、何がはやっている、何を問題と感じている?最大のパートナーである看護師さん達のことをあまりにも知らないなと↑の川島論文を読み返しながら思いました。私が入っている学会誌に「看護界の動向」とか「薬剤師さんは今?」とか「放射線技師の現代的役割」とか、多の職種の紹介のような記事をほとんどみることがありません。チーム医療っていうなら、お互いのことを理解しないと。学会誌もお互いの理解のために特集組んだり、小さなコラムをもうけたりしたらようのではないかと思うのでした。

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皮膚と目を見て診断できる?神経線維腫症1型/セルフトレーニング問題もおもしろい

神経線維腫症1型とは別名フォン・レックリングハウゼン病のことですね。『医学書院医学大辞典第2版』の開設が↓


フォン・レックリングハウゼン病
[英]von Recklinghausen disease
[同義語]神経線維腫症1型 neurofibromatosis type 1;NF1

[1]リッカルディ(Riccardi VM)らは神経線維腫症を8型に分類したが,この中の1型である。2型(NF2)は両側の聴神経線維腫を伴い,聴神経線維腫症と呼ばれる。多発性のカフェオレ斑と多発性の神経線維腫の合併を主症状とする疾患であり,常染色体優性遺伝形式をとるが,突然変異によるものもある。思春期から成人では,長径1.5cm以上のカフェオレ斑が6個以上存在すると確定診断に至る。そのほかの症候に,黄色腫や貧血母斑などの皮膚症状,脊柱・胸郭の変形や四肢骨の変形などの骨病変,虹彩小結節(リッシュ結節)などが挙げられるが,低率ではあるもののてんかんや精神遅滞も認められる。神経系の腫瘍として神経膠腫や褐色細胞腫などの合併頻度が高いが,骨腫瘍や白血病も合併症として挙げられる。 [2]発症頻度は4000人に1人であり,半数は新しい変異によって発症する。原因遺伝子は17番染色体の長腕(17q11.2)の350kbに存在し,ニューロフィブロミンという蛋白質をコードする。

・難病情報センターの解説が↓


神経線維腫症Ⅰ型(指定難病34)




・で、LANCETに↓のようなケースレポートがありました↓


Skin lesions indicate cause of acute gastrointestinal bleeding: neurofibromatosis type 1


Hasan Tahsin Ozsolat, et al.


THE LANCET Vol. 396, ISSUE 10255.




https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31909-7/fulltext


・今回のメッセージはカフェオレ斑と神経線維腫、目にリッシュ結節をみたら消化管にも腫瘍があるか可能性があり出血に注意ということでしょうか。


cf. リッシュ結節に関する論文


IMAGES OF LISCH NODULES ACROSS THE SPECTRUM


Nicola K Ragge, et al. Eye volume 7pages95101(1993)


https://www.nature.com/articles/eye199320.pdf?origin=ppub




cf. ↑の論文中に出てくるLegius症候群の簡単な説明↓


https://www.dermatol.or.jp/qa/qa34/s1_q11.html



・私、患者さんの目をみるのは苦手ですが、カフェオレスポットがあったら、しっかり目をみてみないといけませんね。


以下ちょっとだけ日記。

・本日9/26(土)は、6時48分起床です。夕方まで、勉強と片付けをしておりました。17時過ぎから18時半まで、超久々に庭の草抜き。もう、ボーボー。いつも思うのは、この草の生命力を私の頭にくれたらよいのに。その後お風呂入って夕食。本日はアルコールはのまず、ノンアルコールビールのみ。その後内科学会のセルフトレーニング問題をしておりました。一瞬にして分かる問題が少しだけ、ちょっと考えないといけないも問題が半分くらいでしょうか?あとはちょっと確認のため調べる、もしくは、全然分からないので調べながら問題解いていました。ちょっとしんどく、苦痛なものもありますが、やってて楽しいですね。多分時間に余裕があったからでしょう。もしこれが、いっぱい課題があるときにやっていたら泣いていたでしょうね。

・そろそろおねむになってきたので、寝床へ行きます。明日も草刈りはするぞーっ!おーっ!

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皮下気腫の治し方/お尻にファイヤー

本日は、人工呼吸管理、とくにトラブル・シューティングについて講義をいたしました。その中で皮下気腫についても講義いたしました。その知識について皆様とシェア。


まずは皮下気腫の一般論↓


MacMaster TEXTBOOK of Internal Medicine


Subcutaneous Emphysema


・で、症例報告↓
Management of extensive subcutaneous emphysema with a subcutaneous drain
Peter O’Reilly, et al.
Respirology Case Reports 2013; 1(2)
【Abstract】
We present a case of a gentleman in his 70s with extensive subcutaneous emphysema. Usually self‐limiting, subcutaneous emphysema around the thoracic inlet can rarely lead to airway and cardiovascular compromise by compression of structures in the neck. This patient presented with a large pneumothorax on a background of chronic obstructive pulmonary disease (COPD). This was initially treated with an intrapleural chest drain. However, after removal of this drain, the patient developed subcutaneous emphysema and later signs of tension pneumothorax. Further intrapleural chest drains were required. One of these chest drains produced a broncho‐subcutaneous fistula, which contributed to extensive subcutaneous emphysema. He developed symptoms of dysphonia and dysphagia. A subcutaneous drain was inserted for palliation of his symptoms and to improve his quality of life. His symptoms improved significantly after insertion of this subcutaneous drain. There are only a handful of case reports published on interventions to relieve subcutaneous emphysema.
↑のレポートの中で、色々治療法が引用されているので、ご参考にしてください。
あっというまに以下日記
・本日9/25(金)は、5時18分起床。まずは朝勉=今度の火曜日の大学院のCA:Critical Appraisalで題材にする論文を読みました↓
Association of excessive mobile phone use during pregnancy with birth weight: an adjunct study in Kumamoto of Japan Environment and Children's Study
Lu X, et al. Environ Health Prev Med. 2017.
・その後朝食摂って出勤。病棟よってから午前外来。13時半過ぎに終わったでしょうか。昼食摂って病棟回診。16時から17時過ぎまで人工呼吸学習会(若いDr.二人と看護師さん3人参加)。そして18時前に帰宅。お風呂入って、まだアルコール飲まずにこのブログを書いております。これをアップ後アルコールを飲み始めます。しかし深酒はせず内科学会のセルフトレーニング問題(締め切り9月30日でケツに火がついております)をちょっと仕様と思います。
・それでは皆様良い週末を。

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笑顔が一番/おいしいうどん屋さん

・昨日の話ですが、患者さんのご家族から感謝の手紙をいただきました。ご高齢の患者さんで、奥さんと二人暮らし。娘さんは東京におられるのですが、お父さんの調子が悪いので帰省されていました。患者さんは他の病院にかかられていましたが、脱水で当院受診。末梢の血管がとれないため皮下注で点滴を数日を来ないました。そのおかげで食事がとれるようになりました。その間娘さん、奥さんと今後のことについて色々おはなし。娘さんはそろそろ東京にかえらないといけないということですが、この間の対応について私と看護師長に感謝の手紙を書いてくださりました。(口下手なので手紙にしましたとのこと)で、そのお手紙で私と外来師長さんは元気をいただきました。その患者さん、最初は食事がとれず、そもそも病院にかかるのがいや、点滴するのもなかなか血管に針が入らず過去とてもつらいめにあっていたとのこと。私が腹部の皮下から点滴行って元気がでました。点滴終了時は笑顔がみられました。患者さんに笑顔がみられてうれしいとお伝えしましたが、患者さんのご家族はその言葉がうれしかったと。そういう手紙がいただけて私もうれしかったし、外来師長さんもうれしく思われたみたいです。

・そもそも医者になる喜びは何か?まあ、いろいろあるでしょうが、臨床医のわたしは、まずは患者さんとご家族の笑顔ですね。救急で運ばれてきた患者さんのご家族が最初ブスッとしたような表情だったのが、患者さんの状態が改善したら、笑顔になられて、最初のブスッとした顔は心配だったからなのねと学んだこともあります。まずは笑顔ですね。若かりしころは、上医、中医、下医↓というなかで上医になりたいと思っていましたが、(今も思っているけど)まずは、「一隅を照らすです」↓↓ね。








以下日記

・昨日9/23(水)は、6時起床。朝勉、朝食、出勤です。病棟よって、午前外来。で↑に掲げたような御家族の反応がありました。午後は回診、カンファレンス、夜間診療でした。そして帰宅して人工呼吸の講義の準備。

・本日9/24(木)は、6時半起床。朝勉はせず水島へ出勤。午前中産業医学科外来。お昼ごはんは、倉敷市北畝にある「いわ屋」という讃岐うどん屋さんできつねうどん。おいしかった。午後からは倉敷市役所で公害健康被害認定審査会。(以前は3000人以上おられた認定患者さんが、現在は1000人をきったとのこと)その後玉島へ戻ってお仕事して19時前に帰宅。お風呂入って、夕食。その後明日の人工呼吸の講義の準備。なんとかできあがり、ちょと気が楽になりました。

・これから寝床に入って↓の本読みながら寝ます。


ルネサンスの名画はなぜこんなに面白いのか (中経の文庫)

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  • 作者: 洋一郎, 井出
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2013/06/27
  • メディア: 文庫

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FYI:気管切開術後早期の気管切開チューブ逸脱・迷入に係る死亡事例の分析/下手すりゃ死ぬとこだった

・今週の金曜日9/25に人工呼吸のレクチャーをするので調べ物をしていたら標題のような報告書がありました。皆様とシェア↓


医療事故の再発防止に向けた提言第 4 号2018年(平成30年 ) 6 月


気管切開術後早期の気管切開チューブ逸脱・迷入に係る死亡事例の分析





・大体ここに書かれていることは認識しておりましたが、あらためてこういうことを読んでみて恐怖を感じます。自分が遭遇したときと言うよりもこういう危険があると言うことを知らない、また、どう対処したら良いか分からないスタッフがこういう(文書を読んでくださいね)トラブルに遭遇した場合を想像すると恐ろしいです。

・全文を読むのが大変だという方は、せめて7つの提言だけでもお読みください。



以下日記

・昨日9/21(月)は、5時42分起床。朝勉して、燃えるゴミ出して14時30分までは、ちょっと本読んだり机の上を片付けたり。15時までは、病院が忙しければ(Dr.一人で日直なので)呼び出されると言うことで待機しておりました。幸い呼び出しはなく15時から日当直でした。これがなかなか大変でして、かなり疲れました。幸い真夜中は一度電話で起こされただけで、無事過ごせました。

・本日9/22(火)は、当直室で自然に5時35分起床。シャワー浴びて、朝食摂って、病棟へ行って、重症の患者さんの胸部レントゲン、CTをみて、ご家族に状況を電話して、なんとか9時の引き継ぎに一通りの事を終わらせることができました。その後帰宅。ずーーっと、最初に書いた人工呼吸の講義の資料作りをしておりました。

・夕方墓参りに来た次女夫妻になんとうちの家の壁にスズメバチが巣をつくっていると指摘されました。猛暑で草刈り/草抜きを自重しており庭にほとんど出ていなかったので気づけませんでしたが、見事に壁に巣ができておりました。駆除業者さんに連絡し、19時過ぎにきてくれて30分今日で除去してもらえました。・・・私、医者に成り立てのこと湯原温泉でスズメバチの大群に襲われたことがあり10カ所くらい頭、背中、お尻をさされました。幸いアナフィラキシーを起こさず生きて帰れましたが、今度さされたら死ぬかも知れません。気づいてすぐ駆除できて良かった。築かず草抜きに没頭していたらさされて死んでいたかも知れません。まあ、それも運命なんでしょうが、そんな死に方はヤダナ。

・さて、現在キリンの「のどごし<生>」を250mL飲み終えたところ。あともうちょっとアルコールを摂取して早めに寝たいと思います。

・私、蜂に襲われるは、サッカーしたら足を骨折するは、四肢の筋力が低下して冷蔵庫も開けられなくなるは、頸椎症性神経根症で手術はするは、声帯麻痺にはなるは、下肢血栓症にはなるは、頭頂部は禿げるは、フィリピンやインドでは変なところに連れて行かれるは、水疱瘡の後突発性難聴になるは、裁判で証人になるは、まあ色々難儀な経験しとります。でも、衣(医)食(織)住は困っていないのは幸いです。(学生時代ちょっとつらかったことはありますが)

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急に指が腫れて痛くなって皮下出血が起こる病気/映画二本と禁断の地、禁欲を破る

標題の症状をみて何を思いますか?多分以前書いたことがあると思いますがアッヒェンバッハ症候群です。(『ステッドマン医学大辞典改定第6版』で、こういう読み方で「浮腫を伴った指腹の血腫。原因は分かっておらず、血液凝固障害はない」と書かれています)↓のようなレポートがありました。


Achenbach’s syndrome
Gomes JF, et al. BMJ Case Rep 2020;13:e238156. doi:10.1136/bcr-2020-238156
『医学書院医学大辞典第2版』の説明は↓(読み方がアヘンバッハとなっていますね)
アヘンバッハ症候群
[英]Achenbach syndrome

捻挫や冷やした後などに,手に小さな丸い血腫ができ,強い痛みを伴う症候群。手の浮腫を伴うことも,伴わないこともある。男性よりも女性に起こることが多い。病理学的には血液の滲出であり,静脈壁の破裂は伴わない。アレルギーや交感神経の関与が考えられているが,機序は不明。数日で自然に治るが,同じ手や反対の手に再発する。(Walter A. Achenbach,20世紀,内科,独)

・最初に紹介した論文に鑑別診断がいろいろ書かれていますので、参考になります↓患者さんがこられて、一発でこの疾患だと言ってあげれば、安心してもらえるでしょうし、ちょっとカッコええかも。
The main differential diagnosis of Achenbach’s syndrome includes Raynaud’s syndrome, ischaemic vasculopathy of the limbs, Buerger’s disease, acrocyanosis, Gardner-Diamond syndrome, collagen diseases and Chilblains disease, among others.
↑の中の鑑別診断にあるGardner-Diamond syndromeとは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓
ガードナー-ダイアモンド症候群
Gardner-Diamond syndrome

=自己赤血球感作性紫斑病 ⇒

自己赤血球感作性紫斑病
ジコセッケッキュウカンサセイシハンビョウ
[英]autoerythrocyte sensitization purpura
[同義語]自己赤血球感作症候群 autoerythrocyte sensitization syndrome,ガードナー-ダイアモンド症候群 Gardner-Diamond syndrome

何らかの原因で自己赤血球に感作されてできた自己抗体と,血管外に漏れた自己赤血球が反応した結果,毛細血管の透過性が亢進して生じるとされる紫斑病。本症は既往に重篤な外傷や大手術がある,精神的に不安定な成人女性に多く,精神的ストレスが発症誘因になっている。主として,四肢に硬結を伴う有痛性の紫斑が繰り返し出現し,通常の止血機能検査には異常なく,自己赤血球または赤血球ストローマ(red blood cell stroma;RBC stroma。赤血球を溶血させ,ヘモグロビンや電解質,水分など内容物が出た後に残る膜構造物)の皮内注射により同様の紫斑が誘発される。紫斑以外に,発熱,頭痛,悪心,腹痛などを伴うこともある。有効な治療法は特にない。重篤な合併症はなく,予後は一般に良好である。⇒精神原性紫斑症候群 ⇒  Gardner FH, Diamond LK: Autoerythrocyte sensitization: A form of purpura producing painful bruising following autosensitization to red cells in certain women. Blood 10:675-690, 1955

・ホンマ、いろんな病気があるものですタイ。死ぬまで勉強ですな。(医者をしている限りですが)
以下日記
・本日9/20(日)は7時起床。昨日は病院に行って患者さんはそれなりに落ち着いておられたので、今日は病院に行かずに休みを取ることといたしました。8時20分頃家を出て市役所に資源ゴミをだしてからJRで岡山市へ。シネマクレールでセルゲイ・ボンダルチュク監督の『ワーテルロー』を観ました。なんでこれを観たかというと子供頃映画の予告編を見て印象に残っていたからです。ただ、子供の頃の映像の記憶と実際の映画は違っておりました。子供の頃の記憶の方が美しかった。それはさておき、この映画明らかに反戦のメッセージがはいっていると思ったのですが、そう思うのはわたしだけ?あと、ナポレオンの時代をもうちょっと勉強しておこうと思いました。
・映画の後禁酒會舘の1Fのカフェでカレーの昼食。その後まず表町の東側の道を南下、その後表町を北上して丸善へ。禁をおかして、3冊本を買ってしまいました。1冊は以前から必要だった本なので、よいのですが、あと2冊は思わず買ってしまいました。ああ、まだ死ねない。
・その後14時30分から再びシネマクレールで『パブリック 図書館の奇跡』というのを観ました。原題はThe Publicで、特に奇跡という言葉は入っていません。なかなか良い映画でうちの娘にも勧めようとは思っていますが、「奇跡」というようなことは起こっていないと思います。私が共感を覚えたのは、主人公がよくあるアメリカのスーパーヒーローではなく、普通の(いや、犯罪歴もある)人間だったと言うことです。「公共」とはどうあるべきかを考えさせられますね。
・その後は新しくなったサンステをちょろっとあるいて帰宅です。以前三省堂だったところが丸善になっていてちょっとビックリ。成城石井によりたかったけど、人が多くて断念。18時過ぎ帰宅です。あとは、お風呂入って夕食摂ってアルコールを飲みながらこのブログを書いております。

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多中心性細網組織球症:こんな病気、知らんわっ!・・・それを言っちゃあおしめーよ/本屋の我慢

internal medicineのPICTURES IN CLINICAL MEDICINEに↓でご紹介するレポートがありましたが、ジェンジェン知りません。とりあえずご紹介↓



Multicentric Reticulohistiocytosis in a Patient with Hand Contracture
Tomoko Kawabata, et al.
Intern Med 59: 2337-2338, 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/advpub/0/advpub_4934-20/_article
・このレポートはあまりにもあっさりしすぎていて、よう分かりません。このレポートの意味・意義とか、疾患の概説とか、そのような説明が一斎ありません。ただ、治療についてはありました。もうちょっと親切に・わかりやすく書いててもらいたいものです。(お恐れながら、私の所属する岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の先生が書かれていますけど...)
・そもそもこの疾患がどういうものかというと、『ステッドマン医学大辞典改定第6版』には、シンプルに「多発性関節炎に糖脂質を含む組織球からなる皮膚丘疹を伴うまれな疾患で、しばしば指の短縮を起こす」と書かれています。『南山堂医学大辞典第20版』には、「細網内組織球症」という項の中に単発の巨細胞性細網組織球症と多発する多中心性細網組織球症に分かられる」と書かれています。『今日の皮膚疾患治療指針 第4版』には以下のように説明されています。
【概説】1954年にGoltzらが,病理組織像の共通する皮膚の単発性の丘疹や結節を形成する細網組織球腫(reticulohistiocytoma)と区別したまれな疾患で,非Langerhans細胞組織球腫(non-Langerhans cell histiocytosis)の一型である。
【病因・発症機序】病因の詳細は不明だが,組織球の増殖が疾患の本態である。他臓器の悪性腫瘍に合併する腫瘍随伴性皮膚病変(paraneoplastic dermatosis)として発症することもある。
【頻度】まれな疾患である。
【臨床症状】正常皮膚色,褐色あるいは黄色の丘疹や結節が散在あるいは集簇して局面を形成する。顔や手指,耳,そして上肢など上半身に好発し,通常は無症候性である。
●合併頻度の高い多発性関節炎は左右対称性に手指,特にIP関節に好発する。そのほかに粘膜,眼,心臓そして肺などさまざまな臓器にも病変が出現することがある。

・詳しい説明↓
Multicentric reticulohistiocytosis 多中心性細網組織球症 長嶺 隆二 九州大学整形外科 (2001 年、第 2 回博多リウマチセミ-)
http://www.hakatara.net/images/no2/2-6.pdf
・もう一つレポート↓
Leonine Facies in the Cutaneous Form of Multicentric Reticulohistiocytosis
Ying-Yi Lu, et al.
Intern Med 51: 2069-2070, 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/51/15/51_51.8119/_article
・こっちの論文は鑑別診断がかかれて、ちゃんと引用文献もありますね。
以下日記
・本日9/19(土)は、5時45分起床。基本的には(?)お休みですが、病状が不安定な患者さんが何人かおられるので「出勤」:8時前から9時半くらいまで病院におりました。その後イオン倉敷へ。MOVIXで『テネット』という映画観ました。逆回しのような画は、おもしろかったのですが、登場人物がわかりにくく時間のパラドックスが、これでよいのか?整合性はあるのか?と「?」が多くちょっとストリーは今一。(あくまで個人の感想です)↓のようなサイトがあったので後でお酒飲みながら読むことにします。

難解すぎる!?「TENET テネット」を読み解くための7つのポイント

・映画のあとは禁断の地「書店」によりました。ちょと買いたいなという本がありましたが、ここはぐっと我慢。そして、遅い昼食をふるいちのぶっかけうどん、おやつをクレープ。そして、アルコールはウォッカのみ買って16時過ぎ帰宅です。その後ちょっとお勉強して、このブログを書いております。これからお風呂入ってアルコールを摂取いたします。
・ところで、本日の標題の後の方は、「荒野のガンマン」をもじったのですが、分かったかな?
 

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犬の三咬みで死亡/観るが診るにかわった

Capnocytophaga canimorsusという細菌は、カタカナで書くとカプノサイトファーガ・カニモルサスと書くそうですが、私は全然この名前を覚えられないので手帳に書き留めています。犬、猫が持っている菌で、人間が引っかかれたり噛まれたりして感染します。そして、恐ろしいことに致死的なこともあります。その基礎知識は厚労省のWebsiteをご覧ください↓



カプノサイトファーガ感染症に関するQ&A




・で、NEJMに飼い犬に噛まれて6日で死亡された患者さんのレポートがありました↓


Capnocytophaga canimorsus Infection


Robert D.H. Markewitz, M.D., and Tobias Graf, M.D.




・この患者さんは交通事故で脾摘をされていたということです。『今日の救急治療指針 第2版』の「刺咬傷」という項目の処には「カプノサイトファガ・カニモーサス(Capnocytophaga canimorsus)はイヌ・ネコの口腔内に常在するグラム陰性桿菌であるが,咬傷後に致死的な敗血症を生じた例が少なくないために常に念頭に置く必要がある」と書かれています。私は、犬、猫に咬まれた人にはオーグメンチンという抗生物質を処方しております。

cf. Capnocytophaga感染症 10 例の検討


瀧口 恭男、他。感染症誌 91:387~391,2017




・↑の論文の抜粋↓

一方,人獣共通感染症としてのC.canimorsus感染症はイヌ咬傷後に発症した髄膜炎・敗血症として1976年にはじめて報告された.これまでに約 300 例報告されており,動物咬傷による感染症の原因菌として注目されている.健常人にも発症するが,脾臓摘出,糖尿病,アルコール多飲,ステロイド投与,高齢などの免疫機能低下状態が発症のリスク要因であり,中高年男性の報告が多い.菌血症,髄膜炎,心内膜炎などの原因となり,ひとたび発症すると敗血症性ショックや多臓器不全に陥ることも稀でなく,死亡率は約 30%と高率であることから動物咬傷の際には常に鑑別すべき疾患である


・↑の論文では、犬に頻回になめられただけで感染したような例もあり、いくらペットがかわいくても濃厚な接触はやめておいた方が良いという示唆でしょう。


以下日記、ちょっとだけよ。

・本日9/18(金)は、6時2分起床。ちょっと確率の勉強をして朝食摂って出勤。午前中外来、午後回診、夕方呼吸管理の学習会です。こう書いたら何事もなかったようですが、なかなか難儀でして明日映画でも観に行こうと思っていましたが、病院に患者さんを診に行くことにしました。

・19時過ぎに帰宅し、入浴、夕食、アルコール摂取してこのこのブログを書いております。もう、さっさと寝てしまうか、アマゾンプライムビデオでもみるか、葛藤中。(って、大して葛藤してませんが)




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