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COPDとMAT・無秩序型心房頻拍/私はすっかり疲れてしまい

MATと言ったらすぐにウルトラマンを思い出すのは私の世代に近い人たち。「帰ってきたウルトラマン」にでてくる科特隊のようなものでWIKIPEDIAには「MATマットとは Monster Attack Team すなわち「怪獣攻撃部隊」であり、対怪獣戦や怪事件捜査を主任務とする」と説明されていました。(科特隊が分かる人が今の日本国民の中の何割であろうか?)しかし、医学の分野では↓


多源性心房頻拍 [英]multifocal atrial tachycardia・・・この略がMAT

複数のフォーカスの異常自動能の亢進による心房頻拍。心房レートは120拍/分以上で,P波形が数拍ごとに変化し,またリズムも不規則となる。しばしば房室ブロックを伴う。レートが120拍/分以下の場合,多源性または無秩序型心房調律という。原因として慢性閉塞性肺疾患や冠状動脈疾患が多い。また高齢者に多い。治療抵抗性のことが多いが,ベラパミルが約半数の例で有効との報告もある。(『医学書院医学大辞典第2版』)

・で、それに似た概念に↓のようなものがあります。


無秩序型心房頻拍 chaotic atrial tachycardia(「Web版 不整脈学・心電学用語集」より)


定義は、・3種類以上のP波形を認める、・心拍数が100/分以上、・PP間隔、PR間隔。RR間隔が不規則な心房頻拍、・数拍の正常洞調律をはさんで繰り返すことが多い、の3つである。P波とP波の間に基線があることで心房細動とは鑑別できる。多源性心房頻拍と同義に用いられる。成人では慢性肺疾患、糖尿病、その他の急性疾患に合併することがあるが、小児ではまれで、多くは乳児に認められる。





そいでもって「Web版 不整脈学・心電学用語集」で多源性心房頻拍をみてみると 「無秩序型心房頻拍とほぼ同義。」と出ております。『ステッドマン医学大辞典改定第6版』でも、同じような扱いとなっておりました。しかし医中誌にこの言葉いれてみたら1件しかヒットしませんでした。多源性心房頻拍は44件でした。

・まあそれはさておきMATをおこす基礎疾患としてCOPDがあって、COPDの患者さんがMATをおこすと増悪してのではないかという指標になっているようです。で、頻拍と名前がついているから当然脈拍は100回/分を超えるわけですが、COPDの増悪を見る場合は90にしたらどうかという論文↓


Evidence supporting a new rate threshold for multifocal atrial tachycardia

Seema A Kotjari, et al.

Background: Exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease (COPD) is overwhelmingly represented among patients presenting with multifocal atrial tachycardia (MAT) and has been used as a paradigm for such patients. The quasi‐diagnostic tachycardia threshold for MAT is conventionally set at 100 beats/min. Nevertheless, this threshold has not been demonstrated to be optimal.

Hypothesis: Using COPD as a paradigm for MAT, clinical experience led to the hypothesis that MAT with a tachycardia threshold < 100 beats/min could be more closely associated with COPD exacerbation.

Methods and Results: We reviewed 60 consecutive patients with multifocal atrial arrhythmia (MAA) at any heart rate and found a better association between the incidence of COPD exacerbations and MAT using a tachycardia threshold of 90 beats/min (p = 0.00036) than when using a threshold of 100 beats/min (p = 0.515).

Conclusion: The rate threshold of MAT should be reduced from 100 to 90 beats/min.

・↑の論文が2005年で幾星霜経っておりますが、どうなったのでしょうね?この論文を引用した2014年の論文が↓

Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease:Cardiovascular LinksCheryl R. Laratta1,2and Stephan van Eeden

BioMed Research InternationalVolume 2014, Article ID 528789, 18 pages

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3958649/pdf/BMRI2014-528789.pdf

 

Clin. Cardiol. 28, 561–563 (2005)

Abstract

Chronic obstructive pulmonary disease (COPD) is a chronic, progressive lung disease resulting from exposure to cigarette smoke, noxious gases, particulate matter, and air pollutants. COPD is exacerbated by acute inflammatory insults such as lung infections (viral and bacterial) and air pollutants which further accelerate the steady decline in lung function. The chronic inflammatory process in the lung contributes to the extrapulmonary manifestations of COPD which are predominantly cardiovascular in nature. Here we review the significant burden of cardiovascular disease in COPD and discuss the clinical and pathological links between acute exacerbations of COPD and cardiovascular disease
・まだ、上の論文は不整脈の所しか読んでおりませんが、興味深いことがかかれていました↓
Multifocal atrial tachycardia (MAT) is a less common arrhythmia but highly associated with COPD. The estimated in-hospital prevalence of MAT in the general population is 0.05% to 0.32% with 55–66% of these diagnoses associated with comorbid COPD [76, 77]. The estimated in-hospital mortality with MAT is 45% and up to 80% in those with COPD likely due to the severity of acute illness and significant comorbidity in this population [76]. MAT is underdiagnosed on electrocardiogram (ECG) as it is commonly misinterpreted as atrial fibrillation [78].
・MATが心房細動とよく間違えられると最後に書かれていますね。
↑の部分の引用文献78が↓
Scher DL, Arsura EL. Multifocal atrial tachycardia: mechanisms, clinical correlates, and treatment. American Heart Journal. 1989;118(3):574–580.

Abstract

MAT is an uncommon arrhythmia most often seen in elderly patients with chronic pulmonary disease who are critically ill due to acute respiratory or cardiac decompensation. Its importance lies in the fact that it is commonly mistaken for AF, since both disorders are characterized by narrow ventricular complexes, irregular rates, and (depending on the ECG lead observed in MAT) by an apparent lack of P wave activity. This may lead to treatment with digoxin, a drug known to be ineffective in the therapy of MAT, with the potential for producing toxicity in patients who are predisposed. The incidence of MAT in hospitalized patients in various studies ranges from 0.13% to 0.40%. The mechanism of the arrhythmia is thought to be triggered activity arising from increased intracellular calcium stores that may be produced by hypokalemia, hypoxia, acidemia, and increased catecholamines, characteristics commonly found in patients with MAT. COPD, coronary artery disease, CHF, and infection (both pulmonary and nonpulmonary) are the most common clinical settings of MAT. Mortality is very high in all patients studied, ranging from 38% to 62%, and is due to their underlying disease processes and not to the arrhythmia. The need for intubation and mechanically assisted ventilation portends a particularly poor prognosis for survival.

Treatment should initially consist of correction of the precipitating causes, as it is common for patients to convert to sinus rhythm both spontaneously and after these measures are taken. If specific antiarrhythmic therapy is desired at this point in order to obtain a rapid decline in heart rate, verapamil and metoprolol have been used successfully (both theoretically reducing the substrate for triggered activity), with metoprolol proven more effective in a double-blind placebo-controlled study. However, the high rate of conversion to sinus rhythm spontaneously and in response to general supportive measures, coupled with the potential for adverse reactions to these drugs, should have the clinician carefully select patients for these therapeutic options.

・これも最初の方にMATが心房細動と間違えられるとかかれていますね。で、もってジゴシンはMATにきかないと書かれております。その他はお読みください。

・現在受け持っているCOPDの患者さんが頻拍で往生したし、そういえば昔何人かCOPDでMATの患者さん担当したなと思い出して本日が勉強してみました。

 

以下日記

・本日2/28(日)は6時半起床。8時過ぎに病院へ行って重症の患者さん診て事務作業して10時半頃帰ってきました。その後は事務作業と机の上の片付け。お昼からは、退官される大学の先生の最終講義をZOOMで視聴しました。その後天草公園へ自転車で行って3.2kmウォーキング。で帰ってきて1時間弱畑の草刈りをしました。で、入浴、夕食、そしてこのブログ書いております。もう体が疲れてしまっており21時台には寝ようと思っております。(標題の後ろ側は沢田研二の「時の過ぎゆくままに」をイメージしております・・・分かる人が何人いるかな)

 


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ベリーダンサー症候群/久々にアクション映画

・標題のような病名があるそうです。もしくは、belly dancer's dyskinesiaというそうです。医中誌で入れてみると4件、PubMedで1990年からで15件(dyskinesiaで24件)しかヒットしないので珍しい病気でしょうね。私の手元の3種類の医学大辞典にも有りませんでした。

Belly dancer syndrome induced by salbutamol



WongfiCK, et al. BMJ Case Rep 2021;14:e241244. doi:10.1136/bcr-2020-241244




・お腹がベリーダンスのように不随意的に動く病気ですが、原因はいっぱい有るようで、神経疾患、薬剤の副作用、心因エトセトラ・エトセトラ。私が気になったのはサルブタノール(商品名サルタノール)の副作用と言うこと。私の場合最近サルタノールの処方がかなり減っておりますが、このような症状が出た喘息の患者さんは、薬の使い方をチェックしないといけませんね。


・全く余談ですが、予想される誤変換:去るブタ乗る・・・何か荷馬車に乗せられていくようなかんじ

余談その二:ベリーダンスと言えば、野際陽子が「キイハンター」で踊っていたのを思い出すのは私だけ?


以下日記

・本日2/27(土)は6時36分起床。朝勉はせずいつものように8時前に病院について、重症の患者さんを診て9時15分くらいまで事務作業。それからイオン倉敷へ行って、『リーサル・ストーム」という映画観ました。その後イオンで買い物、帰り里庄町の丸亀製麺でかまあげうどん大を食べて14時半前に帰宅。その後夕方まで因果推論の勉強をして17時すぎから18時まで天草公園いってウォーキング。ちょっと勉強して、入浴、夕食(お好み焼き)。それからこのブログを書いております。

・今日観た映画は、メル・ギブソンが出ております。彼と言えば「リーサル・ウェポン」。今日の映画の原題は、Force of Natureですが、彼がでているので、こんな邦題にしたのでしょうね。内容は、まあこんなもんかという所ですが、警官と黒人、ナチと絵画のような社会問題が入っている点はよかったかな?メル・ギブソンといえば「ブレイブハート」と「パッション」が印象に残っております。前者は出ていた女優さんがとっても素敵だった。後者は、(賛否両論だそうですが)イエスの最後の12時間はこんなものだったのか=自分がイメージしていたのと変わりないというか違和感がありませんでした。あと「リーサル・ウェポン2」はアパルトヘイト時代の南アを思いっきり(だと思う)批判していて、こんな映画作って国際問題にならないのかなと思ったものです。

・さて、これから寝にききます。今日イオンのビレッジバンガードで買った↓の漫画を読みながら眠りにつきたいと思います。


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皮下埋没型中心静脈ポートのカテーテル筋間断裂/cf. 英国における社会的処方

本日もCVポートの合併症について。筋間断裂です↓


皮下埋没型中心静脈ポートのカテーテル筋間断裂について
板倉弘明、他。
日本臨床外科学会雑誌 81巻(2020)8号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/81/8/81_1445/_article/-char/ja
抄録

 

目的:われわれは,皮下埋没型中心静脈ポートをエコーガイド下に鎖骨下静脈または腋窩静脈を穿刺して留置してきたが,カテーテルの筋間断裂を経験し,小胸筋経由が一因と推察した.そこで,筋間断裂例の臨床的特徴を明らかにするために検討を行った.方法: 2013~2017年にCVポートを造設した269例(鎖骨下静脈または腋窩静脈穿刺)のうち,留置後にCTを撮像した199例を対象とした.筋間断裂群(4例)と非断裂群(195例)で患者背景因子と小胸筋経由の有無,刺入点,血管描出法などについて検討した.結果:単変量解析において,小胸筋経由例(P =0.002)と,穿刺部の皮下脂肪が厚い症例(P =0.002)が有意差をもって筋間断裂を多く認めた.考察:カテーテルの筋間断裂への小胸筋と皮下脂肪厚の関与が示唆された.小胸筋経由の回避には,橈側皮静脈の腋窩静脈への合流部より中枢側での穿刺が有用である.結論:カテーテル穿刺前の解剖把握が重要である.

・本文最後の方に↓のような記述がありますが、ひょっとして数年したらPICCがメインになっていくのでしょうか?

近年,鎖骨下静脈穿刺を含めた中心静脈穿刺が必要な中心静脈カテーテルは医療安全の観点から,末梢挿入型中心静脈カテーテル(以下,PICC)による代替が提案されている.前胸部へポートを留置する際に内頸静脈穿刺でのカテーテル留置も選択肢となるが,椎骨動脈損傷等による致死的合併症の報告や,カテーテルが断裂した報告を認める.PICCは血管穿刺時の重篤な合併症が無く,長期留置に伴う合併症としてカテーテル関連血流感染症の頻度も少ない.井上らが考案した上腕ポートはPICCにポートを接続し上腕部に埋没したデバイスである.PICCの利点を有し,さらに整容性や管理の面で前胸部に留置するポートより優れているとされる。

・ところで、抄録の目的と結論が対応していないと思うのは私だけ?

以下日記

・本日2/26(金)は6時起床。朝勉(夕方の講義のための文献↓)して出勤。午前外来、午後回診と会議二つ。夕方「社会疫学・SDH・社会的処方」というお題で職員さん向けに講義。帰宅は19時頃でした。まず夕食とって、このブログを書いております。これからお風呂入ってちょっと勉強して早めに寝ます。本日もアルコールは摂取いたしません。あすも病院へ行くでしょう。

cf. 英国における社会的処方

https://www.orangecross.or.jp/project/socialprescribing/pdf/socialprescribing_1st_02.pdf

・では、これからNYに行って参る・・・と以前娘にラインで書いたら「エッ」と反応されました。入浴よ。

 


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埋め込み型中心静脈ポート関連静脈血栓症/呼び出しにそなえて飲みません

私の患者さんで、埋め込み型中心静脈ポート(以下CVポート)を造設している方が何人かおられます。で、結構いろいろトラブルがあります。先日なんかポートが上下ひっくり返っていて穿刺針が通りませんでした。(あたりまえですね。これで針が壁を突き抜けたら怖い)。幸い用手的にくるりと元に戻すことができました。接続部がはずれて輸液が皮下にたまったこともあります。幸い今のところ血栓はないのですが、それも合併症のひとつと認識しておかないといけませんね。↓のようなレポートがありました。




大腸癌化学療法における埋め込み型中心静脈ポート関連静脈血栓症の検討


上原拓明、他


日本大腸肛門病学会雑誌 74巻(2021)1号




【抄録】

 

目的:大腸癌化学療法における中心静脈ポート(以下,ポート)関連静脈血栓症の頻度,臨床因子との関連を明らかにする.対象と方法:2010年4月~2019年12月までに当科で大腸癌化学療法のためにポート留置を施行した282件を対象として,臨床因子と静脈血栓症との関連について検討した.結果:静脈血栓症は17件(6.0%)で認められ,ポート留置期間中央値は6.6ヵ月(1.3~59.4ヵ月)であった.留置回数,血管新生阻害薬の使用,手術時間,術者は関連を認めなかった.女性で静脈血栓症が有意に多かった(P=0.019).左右の留置部位には有意差はないものの(P=0.084),全17件が左鎖骨下静脈留置例であった.結論:ポート関連静脈血栓症は治療スケジュールの変更を余儀なくされる可能性がある.本研究を踏まえ,当施設では右側留置を第一選択としていく方針とした.

・本文中の考察には↓のように合併症の頻度がかかれていました。

ポート留置に起因する合併症は,感染,血栓症,カテーテル閉塞,カテーテル迷入,カテーテル損傷pinch-off),血管外漏出など無視できないものばかりであり,時代背景とともに,造設法の工夫や,ポート製品の開発なども行われてきている.1998 年から2019 年までに報告されたポート留置 1,000 例以上を対象とした検討から,ポート合併症の頻度についての欧米文献報告をまとめると,全合併症率 6.819.8%,ポート感染 2.113%,ポート閉塞・破損など 0.46.8%,静脈血栓症 0.82.5%,カテーテル位置異 0.21.8%,pinch-off 0.060.2%とされていた

・報告によるのでしょうが合併症の頻度って多いもので20%近くあるんですね。私がいろいろ難渋してもおかしくないか。(ホントに難渋するのは患者さんですが)

 

以下日記

・昨日2/24(水)は5時10分起床。職員さん向けの講義の準備をして出勤。午前外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療。その後も病棟よったり事務作業して帰宅は20時前。お風呂入って夕食、アルコール(シメイ ブルー)のんでグテングテンでした。

・本日2/25(木)は5時36分起床。明日の職員さん向けの講義の準備をして早めに出勤。病棟に寄ってから午前外来。途中患者さんの状態が悪いと電話あり、外来ちょっと抜け出して病棟にも寄りました。午後から倉敷市役所で公害健康被害認定審査会の予定でしたが、欠席の電話をして病棟の患者さんを診ておりました。幸い悪いながらも落ち着いておられ17時過ぎ病院を出ることができました。で、18時から19時過ぎまで自宅でZOOMでsocial epidemiologyの学習会。夕食とって講義に準備をして現在に至る。あとちょっと事務的な作業して早く寝ます。(ひょっとしたら夜中呼び出しがあるかもしれないので早く寝ます。当然アルコールは飲んでおりません)

 

 



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ミチバの法則:自分が不安に思うことは他の人も不安に思っていることが多い・・・筋注/マルナカで初体験

・久々にミチバの法則ですが、今日のは「自分が疑問に思っていることは他の人も疑問に思っている」のバリエーションです。

・これからSARS-CoV-2のワクチン(以下コロナワクチンと略)接種がはじまります。その接種方法が筋注ということで、いろいろ議論があります。今まで数千人インフルエンザワクチン接種はしてきましたが、全て皮下注射でした。筋注なんて最近全然しておりません。(幸いなことにアナフィラキシーにも遭遇してないし)しかしコロナワクチンは筋注。不安に思っていろいろ筋注の方法を調べておりました。私と同様に不安に思っている医療従事者もいっぱいおられようで色々情報がインターネット上で出ています。一番最近みた動画が↓皆様のご参考に。





英語のサイト↓




色々サイトをみてみると微妙にやり方が異なっております。いったい何が正解やねん?なんか上司によるとどこで仕入れた情報かしりませんが、厚労省が筋注の仕方の動画をのせると言っていました。ほんとかどうか知らんけど。

・まあ、こんな情報が飛び交うわけで、私以外も多くの医療従事者が筋注に不安をもっているということで、私は逆に安心したのでした。



以下日記

・本日2/23(火)は6時半起床。朝食後8時過ぎに家を出て病院へ。休みの日も働いている労働者諸君にさしいれしようと金光町の山陽マルナカでお菓子を購入。何と朝早いとレジは全てセルフレジ。今まで使ったことないけど側で説明役しているお姉さんにきいてなんとか精算。初めての経験でした。まあ、ガソリンのセルフと一緒で慣れてしまえば多分なんともないでしょう。ただ、ひとつ時間がかかるのがバーコードがどこについているかさがすことですね。で、8時50分病院着。日直の看護師さんにまずカントリーマームの差し入れ。それから11時50分までひたすら事務作業。主に紹介状の作成と退院時サマリーの作成でした。外来診察室で誰にも邪魔されず黙々とできたので、やっぱりこういう時間も必要だなと再認識。帰り際に透析室に源氏パイ差し入れして病院を出ました。帰り道金光町の「麦ばたけ」というパン屋さんで昼食用のパン購入して帰宅。(何と配偶者も私の後に麦ばたけにいっており、とっても柔らかくておいしい食パンを買ってきました)13時から14時半までYouTubeでJCPの講演会視聴しました。Cさんが政策を逐条的にわかりやすく解説されておりました。その後金曜日夕方職員さん向けに行う講義(SDH、社会的処方について)の準備。そして16時過ぎに自転車で天草公園行って3kmくらいウォーキング。17時くらいに帰宅して講義準備の続き。そして入浴、夕食。まだ19時台ですがビール2本飲んでグテングテンです。

・これから21時までは酔っ払いながらも講義の準備を続けます。布団に入ったら「吾輩も猫である」の続きを読もうと思っておりますが、バタンキューだったりして。

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内視鏡の合併症としての前皮神経絞扼症候群/ローデンバッハはベルギービールのホームラン王かな?

前皮神経絞扼症候群(ACNES: anterior cutaneous nerve entrapment syndrome)については以前このブログで書きました↓



前皮神経絞扼症候群(ACNES: anterior cutaneous nerve entrapment syndrome)ってしってますか?/草刈り、蕎麦打ち、ウイスキー




・で、BMJ Case Reportsみていたら↓のような報告がありました



Endoscopic anisakis removal induced anterior cutaneous nerve entrapment syndrome

Endo T, Watari T. BMJ Case Rep 2021;14:e241455. doi:10.1136/bcr-2020-241455

https://casereports.bmj.com/content/14/2/e241455

ここでいわれているのは

Anterior cutaneous nerve entrapment syndrome (ACNES) may develop because of the abdominal wall stress, such as after endoscopic anisakis removal.

ということですが、本文中に

Approximately 5.3% of the patients who undergo EGD can experience abdominal discomfort within 24 hours of the examination.

と書かれており、この中にACNESも含まれていると言うことでしょうね。「胃カメラの時空気を入れて膨らますから胃の調子もおかしくなるんですよ」なんて説明していましたが、ACNESの可能性も考えないといけませんね。その時患者さんに人差し指でいたいところを差してもらうというのが良さそうですね。

 

以下日記

・本日2/22(月)は6時15分起床。朝勉して、朝食摂って燃えるゴミ出した後は、午前中ZOOMで因果推論の学習会。昼食後まず市役所に資源ゴミ出してそれから玉島医師会へいって「医師資格証」をもらって病院へ。回診後16時から夜間診療。結構忙しかったです。帰宅は20時前。お風呂入って夕食。もう今日夜間診療しているときからビールが飲みたくて飲みたくて、それだけを心の支えに仕事をしておりました。で、ローデンバッハグランクリュをいただきました。このビールで私がベルギービールに目覚めたもの。(ひょっとしたら、ローデンバッハ・クラシックだったかな?)しかーし、最初に飲んだほどの感動はありませんでした。まあ、そりゃあたりまえかもね。いろいろベルギービール飲んできたから少しは舌も肥えたかも・・・いや、バカ舌ですが。

cf. ローデンバッハ醸造所

https://www.belgianbeer.co.jp/ct/brewery/rodenbach/

 

・で、その後コロナビールのんだら、スカスカ。なのでレッドアイにしました。で、その後レッドアイ∩ドッグズノーズ(我流のレシピです。ビール+トマトジュース+ジン)をいただき、グテングテンになっています。ローデンバッハ・グテングテン、ナンチャッテ。・・・とオヤジギャグをかいたら「とりあえずビール」を思い出しました。それは↓の本に出ていたもの。本当に製品化して欲しいですね。(名前は、ふざけていても味はしっかりしてほしい)

ないもの、あります (ちくま文庫)

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  • 作者: クラフト・エヴィング商會
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/02/01
  • メディア: 文庫

 

 




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アミオダロンと甲状腺機能低下症/多くの日本人に永瀬隆さんを知って欲しい

・アミオダロンという薬は、その添付文書の最初の赤字の部分見ただけで、私が処方したらいけない薬だと思うし、実際怖くてよう処方しません。その添付文書が↓




この中の甲状腺に関する副作用が本日のお題ですが、上記添付文書の「重大な副作用」のところには↓のようにかかれています。



甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、甲状腺機能低下症(頻度不明):甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、甲状腺機能低下症があらわれることがあり、甲状腺機能亢進症及び甲状腺炎においては致死的な場合も報告されている。甲状腺機能検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤投与中だけでなく、投与中止後数ヶ月においてもあらわれることがあるため、本剤投与中だけでなく投与中止後数ヶ月においても、甲状腺機能検査を行うこと。

・で、添付文書に頻度は不明とかかれていますが、メーカーのサイトを見てみると甲状腺機能低下症の頻度は20%程度とかかれていました↓

副作用の早期発見のために:甲状腺

https://med.toaeiyo.co.jp/contents/amz-manual/amz-manual10.html

・何かすごい頻度だなと思ったのですが、診断基準の問題もあるみたいです。↓のような論文がありました。

アミオダロン服用中の甲状腺機能に関する検討
心臓 45巻(2013)9号
藤原雄太、他。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/45/9/45_1101/_article/-char/ja
抄録

背景:アミオダロンはヨードを大量に含有するため,甲状腺機能異常をしばしば起こす.さらに末梢および下垂体でサイロキシン(thyroxin;T4)の代謝と甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone;TSH)分泌に影響するため,甲状腺機能の正確な解釈が困難になる.対象:2009年6月から2010年6月までにアミオダロンを1カ月以上処方されていた341名を対象とした.方法:対象患者の2003年1月から2010年6月までの甲状腺機能検査結果を調査し,また診療録より臨床的特徴を検討した.結果:測定キットの正常域では血中FT4とTSHはともに高値となり解釈不可能な異常値を呈する症例が多数あったため,両者の分布に基づき基準域を1.0≦FT4<2.4 ng/dL,1.0≦TSH<20.0 µU/mLと設定した.機能低下症例は疑いを含めて34名(10.4%)認めた.中毒症例は17名(5.2%)認め,type 1(機能亢進)例はなく,ほとんどの例がtype 2(破壊性)であった.死亡例とバセドウ病合併例を認めた.考察:アミオダロン治療中には甲状腺機能低下症も破壊性中毒症も高頻度に発症するが,軽症例では通常の正常域を用いて正確な診断を行うことは非常に難しい.アミオダロンによるT4代謝とTSH分泌への影響が大きく,甲状腺機能解釈時には従来の正常域にとらわれず本病態を考慮した特別の基準域を用いたほうが甲状腺機能を正しく評価でき,適切な対応が可能になると考えられる.

・で、本日のお題は↓のLancetのレポートを読んで調べてみたからです。なので、これが本日のメインディッシュです。

Amiodarone and hypothyroidism

Grigorios Christidis, Frank Lammert, Marcin Krawczyk

Lancet 2021; 397: 704

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00204-X/fulltext

この中で鑑別診断があげられており、勉強になりました。広くdrug-induced thyroiditisという考えで鑑別を考えたらよろしいようで。

cf. 薬剤による甲状腺障害日内会誌 99:776~785,2010

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/4/99_776/_pdf

 

以下日記

・本日2/21(日)は6時27分起床。10時まで主にsocial epidemiologyを読んでおりました。10時頃家を出て病院へ。外来で電子カルテで1時間ばかり事務作業のみしておりました。その後うさぎや倉敷西店へ。メインの目的はモンブラン(ケーキでは無く万年筆)のインクを買いに。その後コープ倉敷北店へ。お昼ご飯にお店の外で売っていた焼き鳥?を食べました.13時から15時半「おかやまコープクラブ平和とくらし」というところが主催している「平和と暮らし展」での映画上映を観ました:『クワイ河に虹をかけた男』

https://www.ksb.co.jp/kuwaigawa_movie/

永瀬さんの名前は知っていたし、贖罪と和解の活動をされているというのも知っていましたが、実際どのようなことをされているのかは知りませんでした。実は、いつかそれついて学ばないといけないと思っていたのですが、ちょうどfacebookの「お友達」が広報してたまたまそれを観たので、この機会を逃してはいけないと観に行きました。本当にすごい人で、中村哲先生をすぐに連想しました。本来彼がしたことは日本政府がしなければいけないことなのに。

・映画鑑賞後COOPで買い物して天草公園までもどり3kmくらいウォーキングして帰宅。汗をかいたので早めにお風呂に入って夕食:カレーです。いつものように①そのまま②生卵③ウスターソースをかけていいただき、いつものように苦しんでおります。

・そろそろ寝にいきます。明日は早起きしてきちんと勉強したいと思っております。

 


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重症COVID-19における凝固線溶障害/E-mail作成に1時間以上

・COVID19は凝固線溶系にも異常を来すというはなしは耳にしますが、具体的にどうなのか?四大医学雑誌なんか毎回COVID19の論文載っていますから着いていけません。で、下の様な日本語の論文をみつけました。



重症COVID-19における凝固線溶障害は一般的な敗血症とは一線を画する


梅村 穣




・これ読んでみてCOVID-19感染の疑わしい人は初期は、連日d-dimer調べた方がよいと思いました。




あっと言うまに以下日記

・本日2/20(土)は、5時56分起床。10時くらいまでUpToDateで食道がんについて勉強しておりました。ただ、UpToDateはおもにUSAのことについて書かれていたので、日本語のよい文献も探してよまないと。

・その後ちょっと一服というか気分転換のために庭の草抜きしましたが、1時間以上してしまいました。その後論文を投稿した英語雑誌に質問のためのe-mailを作成しようとしたのですが、マナーから機能表現まで確認しながらかいたのでこれまた1時間以上時間を使いました。ホント、つくづく自分の英語力のなさを痛感しました。

・昼食は外食しようと思っていたのですが時間が遅くなったので家にあった食パンとミカンを食べました。14時20分過ぎ金光町のたまり場にちょっといって、それから天草公園にいって3kmちょっとウォーキングして帰宅。お風呂入って早めの夕食。ちょうと大坂なおみさんの試合をしていたので、見ておりました。ようわかりませんが、今の彼女はzoneに入っているというのでしょうか?今回マスクにどんなことが書かれていたのか、どんな模様かは私はみえませんでしたので残念。

・夕食中からビールのみだして、ジン、ウイスキーと飲んでおります。ごく少量を薄めて飲んでいるだけでアルコールの絶対量は少ないはずです。これからちょっと英語のe-mailの書き方の本をチラチラとみて寝ます。

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偽メグズ症候群/酔っ払ってしまったので「以下日記」がかけません。

以前メグズ症候群について書きました。復習ですが『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


メグズ症候群 Meigs syndrome

メグズ(Joe Vincent Meigs,1892-1963,外科,米)らが,腹水と胸水を伴った卵巣線維腫の患者で,腫瘍を摘出すると腹水や胸水が速やかに消失することを報告し,それ以来,メグズ症候群として注目された。しかし,フランス学派では,1887年にドゥモン(Demons AJO)が同様の症候群を報告しているので,ドゥモン-メグズ症候群(Demons-Meigs syndrome)と呼んでいる。本症は,一見きわめて重症であるにもかかわらず,腫瘍摘出により劇的に症状が好転することが注目された症候群で,現在では線維腫のみでなく,良性腫瘍に伴う症候として用いられている。

・昨年ある胸水のある患者さんを大きな病院へ紹介したのですが、その診断名がMeigs症候群でしたが、恥ずかしながら紹介するときは自分の頭の中ではその病名が鑑別診断に上がっていませんでした。で、紹介先の病院から判事がMeigs症候群について勉強しなおしました。

で、本日は偽(仮性)メグズ症候群についてです。↓のようなレポートがありました。


Pseudo-Meigs's syndrome


Eriko Miyawaki, et al.


https://casereports.bmj.com/content/14/2/e241337


Pseudo-Meigs's syndromeの日本語訳ですが、「偽」でも「仮性」でも医中誌でヒットはしました。私は、「仮性」よりも「偽」の方が良いような気がしますが、広辞苑では「仮性」の説明として「病因は違うが、症状が類似する病名に関していう後←→真性」という説明がありましたので、「仮性」でも良いようですね。それはさておき胸水に原因の検索に腹部CTも必要になることがあると言うことです。


以下日記は明日書きます∵かなり酔っ払ってもう眠くなってきたのです。・・・「旅の宿」の歌詞を思い出しました・・・分かる人どれだけいるかな?



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胸痛の原因の一つTietze症候群/神の啓示のキャッチフレーズ

私は、気管支喘息や肺気腫、じん肺等の呼吸器系疾患の患者さんをよく診ていますが、結構胸痛の人もみています。胸痛の一因として胸壁の痛みがあるのですが、標題のTietze症候群も胸壁の痛みを起こすものといわれているのですが、私、今一その疾患概念が分かっておりません。一応『医学書院医学大辞典第2版』では↓の様な説明がなされています。

ティーツェ症候群
ティーツェショウコウグン
[英]Tietze syndrome

1921年にティーツェ(Alexander Tietze,1864-1927,外科,独)が上部肋軟骨部に発生する有痛性疾患として記載したものである。第2~5肋骨の肋軟骨移行部に好発する。自発痛,圧痛があり,熱感や発赤はなく,非化膿性で,良性の腫脹を示す。成人に多い。本態は不明である。疼痛の強いものには対症的治療を行う。多くは自然に治癒する。
・で、本日読んだ文献が↓。結構疾患概念が曖昧だということがわかりました。(と理解したのですが、それでよろしいですよね)
Tietze症候群:リウマチ性疾患と鑑別が必要な骨格症
中村正

Clin Rheumatol Rel Res, 32: 260~268, 2020




抄録

 

 胸痛はありふれた症候で,いわゆるTietze領域に痛みを指で指し示すことができる範囲に腫脹と圧痛を認めればTietze症候群を疑う.一般に,第2・3胸肋関節や肋軟骨あるいは胸鎖関節などの領域に限局した疼痛と腫脹を伴う良性疾患の非化膿性病態で,原因は不明である.同部位の圧痛を来たす疾患の一群に,関節リウマチ,強直性脊椎炎,反応性関節炎,乾癬性関節炎などの脊椎関節炎,SAPHO症候群などのリウマチ性疾患がある.現状ではTietze症候群は独立した疾患とは考えにくく,ある種の全身性疾患や局所性疾患の異質な病態のひとつであるか,または特定の疾患の進行過程の一変化である可能性が高い.従って,リウマチ性疾患に関連したTietze症候群様病態への注意深い検討が望まれる.さらに,これらのリウマチ性疾患の炎症病態における標的分子が明らかになりつつあり,Tietze症候群の治療において分子標的薬の治療選択肢が広がる可能性がある.リウマチ性疾患を鑑別診断する過程でTietze症候群の再認識が求められ,今後の更なる症例集積や病態生理の解明が期待される.

・本文中で鑑別診断の表がありますが、参考になります。表3の胸痛の原因に、食道破裂はとってもまれだとは思いますが入れといた方がよいし、肺癌などの腫瘍性病変も考えないといけませんわな。

 

以下日記

・昨日2/17(水)は6時30分起床。出勤して午前外来、午後回診、おくれてカンファレンスに参加。夜間診療、そのあと御家族に病状説明、19時半から21時まで玉南医懇という開業医さんとの勉強会。帰宅は21時40分過ぎでした。風呂入って、遅い夕食とって勉強せずに寝ました。(寝ながら『吾輩も猫である』をちょっと読みました)

・本日2/18(木)は6時18分起床。突然神の啓示のように「気持ちは20歳、体は80歳」というキャッチフレーズが思い浮かびました。それに続けて、「併せて100歳すごいだろー」それにツッコんで、足すことに意味ないだろーっ!受けるかな?で、ちょっとだけ朝勉して水島へ。午前中産業医学科外来、午後手話通訳者さんの頸肩腕障害健診して玉島へ。回診、退院手続き、御家族への病状説明とかなりタイトでしたが17時過ぎには病院出ることができました。で、18時から19時半まで久留米大学のバイオ統計センター公開セミナーをZOOMで視聴。それから入浴、夕食。たまたまTVで「モニタリング」をしていてちょっと見てしまいました。


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