宿便恐るべし/mindless eatingで苦しい
ミチバの法則:組織や職場の理念は大切だが、それはメンバーに共感を持って受け入れられるべきものであり、強制すべきものではない
FYMI:COVID-19のモニターは酸素飽和度のみでなく呼吸数を/もっと時間を
Admission respiratory status predicts mortality in COVID-19
Abstract
COVID-19 has significant case fatality. Glucocorticoids are the only treatment shown to improve survival, but only among patients requiring supplemental oxygen. WHO advises patients to seek medical care for “trouble breathing,” but hypoxemic patients frequently have no respiratory symptoms. Our cohort study of hospitalized COVID-19 patients shows that respiratory symptoms are uncommon and not associated with mortality. By contrast, objective signs of respiratory compromise—oxygen saturation and respiratory rate—are associated with markedly elevated mortality. Our findings support expanding guidelines to include at-home assessment of oxygen saturation and respiratory rate in order to expedite life-saving treatments patients to high-risk COVID-19 patients.
cf. 上の論文が、引用している呼吸管理に関する論文↓日常診療に役立つと思います。
NIH COVID-19 Treatment Guidelines
Oxygenation and Ventilation
Last Updated: December 17, 2020
https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/critical-care/oxygenation-and-ventilation/
・そんでもって上の論文の中にかかれているrecruitment maneuversに関連した日本語の論文↓
肺リクルートメント手技の比較ーAPRVと3-breaths methodー
小松孝美、他。
人工呼吸 第26巻 第2号 75〜81頁(2009年)
http://square.umin.ac.jp/jrcm/pdf/26-2/kikanshi26_2_pdf01.pdf
要 旨目 的:急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対して、肺保護を目的に肺リクルートメント手技がなされているが、手技が多様であり、その多様な手技を比較した研究はない。我々はそのうちの二つの手技(APRV と 3-breaths method)について CT 画像と酸素化の改善と経過時間などを比較検討した。患者背景と方法:ARDS と診断された患者 6 人を APRV と 3-breaths method の群に分けた。APRV 群の平均年齢は 52.7 ± 27.3 歳で従来の呼吸管理から APRV を施行されるまでの平均時間は 37.7 ± 29.9 時間であった。3-breaths method 群はそれぞれ、61.1 ± 18.1 歳、44.7 ± 7.0 時間であった。結 果:6 人全員が ARDS から回復した。APRV 群の P/F 比は 112 ± 57.0 から 257 ± 102 へ、3-breaths method 群では 103 ± 58.0 から 470 ± 65.3 へと改善した。CT 画像での改善は APRV 群では 24 時間以上要したが、3-breaths method 群では 2 分後に改善があった。考 察:二つの肺リクルートメント手技により酸素化と背側硬変の改善が出来た。呼吸器からの離脱までの時間には二つの手技に差は無かった。両手技は共に ARDS からの改善に効果的であった。
・(最初の論文に戻って)日本ではCOVID19に感染して「軽症」の患者さんは、自宅待機や「ホテル」待機が現在行われていていますが、モニターとして酸素飽和度が使われているみたいです。私が疑問に思っているのは、酸素飽和度と呼吸数がちゃんとセットで測られているかです。↑の論文では、酸素飽和度、呼吸数が別々に評価されていましたが、呼吸数が22回以上で酸素飽和度が92%以上に保たれているような患者さんの予後はどうなのか気になるところです。なので、著者にその場合の予後はどうなのか先ほどE-mailを送りました。果たして返信がくるでしょうか?(私の英語が怪しいので、私の疑問点を理解していただけるかどうか不安です)。余談ですが、最近英語雑誌に論文を投稿するようになって、英語のE-mailを作成する心理的閾値が低くなっている感じです。
以下日記。
・本日、5/29(土)は、何もせずダラダラする日と週の頭に決めておりました。朝食後1時間くらい読書。その後日を浴びようと外に出たら、つい庭の草が気になって草抜き。そうすると猫がよってきて、抜いた草をいれているバケツに肩をつけてスクラムみたいな感じでバケツを押し倒します。もう、何回も。かまって欲しいんかな。その後↑の論文とその関連文献を読んだりしていました。ちょうど12時に汁無し担々麺のカップ麺の昼食。現在冷凍もしくはカップ麺の坦々麺にこっており、「中本」超えるものがないか探しております。
・14時前に病院から電話があり、ちょっとだけ病院に行かないといけなくなりました。真っ昼間から麦酒を飲もうかどうしようか悩んでいたところで、のまんでよかった。まず身支度して、それから家の中の資源ゴミを収集整理して15時に家を出て市役所の資源ゴミ収集場所にだして、病院へ。病院の用事は30分もかからず終了。帰り郵便局、COOPによって16時半頃帰宅。遅めのおやつ(最中)たべて17時10分から19時20分まで草刈り、溝掃除、草抜き。そして入浴。その後ベルギービール(Lupulus)のみながら夕食。そして現在「響」飲みながらこのブログを書いております。当然のことながら、すでにグデングデン。これをアップしたら歯磨きして寝ます。
・明日は悲しいことに日直。地域の溝掃除(草刈りと溝にたまっている枯れ葉や土砂をすくいだす)ですが、「病弱な」配偶者に出てもらいます。もし、早起きができたらもうちょっと溝掃除をしておくと思っていますが、果たしておきられるかな?
・それにしても、時間が足らない。なかなかダラダラもできない。Mehr Zeit!
キルシュナー鋼線の胸腔内迷入/病状説明していて自分がちょっといやになった
症例は80歳男性.約1ヵ月前に転倒し右上腕骨近位部を骨折したため局所麻酔下にキルシュナー鋼線による骨折部の固定術が行われていた.固定に用いられた鋼線のうち2本を抜去した4日後に皮下気腫が出現し,X線透視検査で残りの鋼線のうち1本が胸腔内に迷入していたため当院気胸センターへ搬送された.CT検査で迷入した鋼線は右中葉内にあり,血胸や肺実質内の出血は明らかでないものの気胸と皮下気腫が認められた.同日に緊急手術を行い,胸腔鏡下アプローチにて鋼線を摘出した.鎖骨周囲や肩関節近傍の骨折固定に使用されたキルシュナー鋼線の胸腔内迷入はまれであるものの,致死的になりうる合併症であり,文献的考察を含めて報告する.
・本文中で、明乳の原因として↓のようにかかれています。
迷入の原因として高嶋らは過去の報告から①鋼線が骨髄内ならびに対側皮質を貫通していない,②鋼線の先端対側末端が十分に曲げられていない,③術後の固定が不十分,④医師の観察不足,⑤荷重許可の時期が尚早,⑥抜釘時期の遅れなどを挙げている.またReghineら9)は,①肩の運動などによる筋肉の活動,②呼吸による胸郭の動き,③胸腔内圧が陰圧であること,④重力,などを要因として挙げている.
・また、こういうことがいつ起こるかについては↓
キルシュナー鋼線が胸腔内迷入を起こす時期については,鋼線固定後の8ヵ月以内に生じたケースがほとんどとされているが,翌日に発生した症例から30年以上経過後に起こった症例までさまざまな報告がある.
・体に「異物」がある場合は、気を緩まずに気をつけて観察する必要がありますね。そういえば自分の頸椎にあるチタン合金はちゃんと「定位置」にあるでしょうね...
以下日記
・本日5/28(金)は、寝過ごして6時半起床。配偶者に会ったら、TVが壊れたと。これで当分TVのない生活です。朝勉せず出勤。午前外来、午後からは二つ会議が予定されていましたが、諸般の事情でなくなりゆっくり回診ができました。そして、夕方患者さんのご家族に30分くらいの病状説明。こういうリスク、ああいうリスク、こんな場合があると、何かネガティブな話ばかり、メタ認知で、何か事が起こった場合非難されないための防衛線を張っているような印象を受けて、ちょっと自分がいやになりました。もうちょっと旨く希望がもてる話し方ができなかったのかな。自分はそれなりにコミュニケーション能力が高いと自負しておりましたが、まだまだダメですね。
・帰宅は18時5分。大きなTVは壊れてしまいましたが、小さなTVがあったことに配偶者が気づき(自分も仕事中に気がつきました)それがセッティングされて、一応TVがみられるようになりました。(ほとんどみんけど)今日は通販でたのんでいたベルギービールが届く日。早く来ないか、まだこないかと期待しながらお風呂入って、夕食。夕食中に届きましたが、冷えていないし、揺れて運ばれてきたので食事中に飲むのは断念。ちょっと時間が経って現在Lupulusのピルスを飲みながらこのブログを書いております。アルコール摂取は19日ぶり、よく我慢しました。次は、ウォッカかテキーラのカクテルを飲もうと思っております。
・明日は、お休み。ダラダラとすごそうと思います。ただ、草刈りはしないといけません∵日曜日地域の草刈りですが、私は日直なので参加できないので、その前にできる範囲で草刈りをしておくつもりです。・・・草かってお風呂入ったあとのビールは旨いでしょうね。朝に草刈って、真っ昼間から麦酒飲むか、夕方草刈って夜に飲むべきか、現在葛藤中・・・超小市民的葛藤。
要支援医師の叫び:オレが紹介したのは患者さんであって、症例やないーーーっ!/ソーシャル・キャピタル2連発
FYMI:腸間膜動静脈血流障害/本日の(しょうもない)決意
上腸間膜動脈(SMA)は大動脈弓部分枝以遠において最も重要な動脈であり,急性虚血に対しては迅速に診断し,的確に治療を行う必要がある.SMA虚血に属する,あるいは関連する病態には,急性SMA塞栓症,慢性SMA虚血,大動脈解離に伴うSMA灌流障害,孤立性SMA解離,SAM,非閉塞性腸管虚血,腸間膜静脈血栓症などがある.2017年ESVSから腸間膜動静脈疾患に関するガイドラインが発表され,2019年日本血管外科学会から翻訳版が出たので,この内容を紹介しつつ,解説する.大動脈解離に関しては,ESVS下行胸部大動脈疾患ガイドラインを参考にして記述する
ペリー来航 - 日本・琉球をゆるがした412日間 (中公新書)
- 作者: 西川 武臣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/06/21
- メディア: 新書
気脊柱症ってご存知?/今日の夜勤はつらかった
硬膜動静脈瘻と動静脈奇形による三叉神経痛/溝を通す
[同義語]フォザーギル神経痛 Fothergill neuralgia,顔面神経痛 facial neuralgia
三叉神経の1本以上の枝に起こる神経痛で,その領域にピリピリッとする強い痛みを呈する。三叉神経領域の発痛点(図)に触れると,痛みが引き起こされることが多い。食べたり,話したり,顔を洗ったりすると,痛みが誘発されることがある。三叉神経の第1枝(眼枝)よりも,第2枝(上顎枝),第3枝(下顎枝)に起こることが多い。50歳くらいで発症することが多く,男女比は1:2で女性に多い。歯の痛みとの鑑別が重要である。カルバマゼピンが治療に用いられる。典型的な症状を呈さない三叉神経痛を非定型三叉神経痛(atypical trigeminal neuralgia)という。膝神経節の支配領域に電撃痛が走るのを真正顔面神経痛(neuralgia facialis vera)という。
・
検査とその所見の読みかた
【1】症候性,特に悪性のものを除外することは絶対条件であるので,MRI,MRAで三叉神経核の存在する橋から三叉神経の走行部位を,Gasser神経節,正円孔(Ⅱ枝),卵円孔(Ⅲ枝)の存在する中頭蓋窩,海綿静脈洞(Ⅰ,Ⅱ枝),上眼窩裂(Ⅰ枝)を含む範囲を精査する。
【2】近年,典型的三叉神経痛の原因のほとんどが,動脈が神経に接触し,圧迫,癒着するためと考えられている。橋の三叉神経入口付近に三叉神経根と血管(主に上小脳動脈,次に前下小脳動脈,稀に椎骨動脈,脳底動脈)が接触しているのを確認するが,血管の蛇行のみで接触は確認できないことも多い。
・↑の記述からMRI、MRAが必要ということですね。
[同義語]硬膜動静脈奇形 dural arteriovenous malformation
静脈洞壁,大脳鎌,小脳テントなどの硬膜血管に発生する動静脈瘻。硬膜動静脈奇形とも呼ばれるが,必ずしも先天性ではない。横静脈洞,S状静脈洞のものが最も多く,次いで海綿静脈洞部に多い(特発性頸動脈海綿静脈洞瘻間接型に属する)。流入動脈は硬膜動脈で,流出静脈は静脈洞または皮質静脈で,しばしば逆流する。症状は発生する部位,短絡血流量により多彩であるが,一般に頭痛,眼痛,雑音の頻度が高い。横・S状静脈洞のものは脳静脈灌流障害によるうっ血乳頭および頭蓋内出血の出現率が高い。治療は全摘手術,照射療法など多岐にわたるが,塞栓術が第一選択となりつつある。軽症例では自然治癒することもある。
[略語]cerebral AVM
脳動静脈間が直接吻合し,毛細血管が欠如している先天性血管奇形。原始動脈,毛細血管,および静脈が分かれる胎生早期(約3週)の異常とされている。発症年齢は20歳代から40歳代で,若年者脳血管障害の代表的疾患である。脳内出血に伴う片麻痺などの脳局所症状,およびくも膜下出血または脳室内出血による頭痛・嘔吐で発症する。次いで,痙攣発作,脳血管盗血による脳虚血症状が多い。診断はCT,MRI,脳血管撮影による。脳血管撮影(写真)では動脈相に異常血管塊(ナイダスnidus)および静脈が造影される。治療法は手術による全摘出,血管内手術による塞栓術,定位的放射線治療,およびそれらの併用療法が行われている。生命予後は脳動脈瘤に比し良好であるが,脳内出血による片麻痺の残存,難治性痙攣など,機能予後は必ずしも良好ではない。
Ahmed R, et al. BMJ Case Rep 2021;14:e240483. doi:10.1136/bcr-2020-240483
挿管のこんな合併症:喉頭蓋谷破裂/久々に(?)草刈り
舌根部底部と喉頭蓋舌面基部が接する陥凹部。この空間に前喉頭蓋間隙が存在する。喉頭蓋谷は解剖学的な咽頭区分には,中咽頭と下咽頭の境界線として示される。中咽頭は,上方は硬口蓋と軟口蓋との移行部,下方は喉頭蓋谷底部,前方は舌後方1/3の部位と定義される。喉頭の区分としては声門上部である(喉頭癌分類)。「蓋谷」は〈がいや〉あるいは〈がいたに〉と読まれることもある。
・オマケで↓
Extensive subcutaneous emphysema due to failed endotracheal intubation with vallecular rupture
ヒエーッ、大きな喉のマス(魚ではありません)/久々にリアルタイムでチコちゃん・・・寿司10貫の話に感動
[同義語]ストライダー
呼気時に「ゼェー」「ヒュー」という高音性連続音が聴診器なしで離れて聞かれる場合をいう。呼吸による気道の気流は気道内腔が狭窄すると乱流を生じ,笛の原理で笛音を発生する。この音は,胸部聴診上の連続性ラ音として聴取される。喘息,肺気腫急性増悪時などでは,気道内圧のために末梢気道では呼気時により喘鳴が発生しやすく呼気延長を伴うが,これを呼気性喘鳴(expiratory wheeze)と呼ぶ。上気道・中枢気道狭窄による喘鳴はストライダーと呼ぶことが多い。ストライダーは吸気時により著明となり,吸気時喘鳴(inspiratory stridor)と呼ばれる。