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肺胞蛋白症の原因は、自己免疫のみではありません/バスケットも面白い

熱心な読者(がいるのかどうかわかりませんが)なら覚えておいででしょうが、過去何回か肺胞蛋白症についての記事を書きました。肺胞蛋白症とは、新臨床内科学の「概念」の説明では↓


 肺胞蛋白症は,肺胞および呼吸細気管支内にリン脂質とサーファクタント・アポ蛋白が貯留するまれな疾患である.貯留するのは,主として蛋白ではなく,リン脂質であることから,肺胞リポ蛋白症alveolar lipoproteinosisともいう.
 病因に基づいて先天性,続発性,自己免疫性に分類される.先天性肺胞蛋白症は,生後数か月して発症し,進行性で重篤な呼吸不全を呈する.病因として,サーファクタント蛋白の1つであるSP-B(surfactant protein B)の欠損や顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)受容体β鎖の欠損が報告されている.続発性肺胞蛋白症は,後天性の約10%を占め,血液疾患に合併するもの,非定型抗酸菌症やニューモシスチス肺炎など呼吸器感染症に合併するもの,自己免疫疾患に続発するものがある.2/3は血液疾患に合併するもので,特に骨髄異形成症候群に合併するものが半数を占める.
 疫学 有病率は,最近わが国における調査で人口10万対0.62と報告されたが,正確な数字は不明である.成人発症の肺胞蛋白症の90%は,抗GM-CSF自己抗体が検出される自己免疫性肺胞蛋白症である.自己免疫性と続発性では全く臨床像が異なる.
 わが国の自己免疫性肺胞蛋白症の発症年齢は,中央値51歳,男女比は2:1である.一方,続発性の発症年齢は50.5歳で男女比は1.7:1である.

・で、↓のようなレポートがありました



Autoimmune pulmonary alveolar proteinosis: a discrepancy between symptoms and CT findings

    Padraig Hawkins, et al.


THE LANCET Volume 398, ISSUE 10296, e7, July 17, 2021




・↑のレポートのウリは、CT所見が結構「はで」なのに、症状はそうひどくないということでしょう。余談ですが、サルコイドーシスや合併症のないじん肺なんかもそういう疾患の類いに入るでしょうね。

・私が強調したいのは、↑の論文の中でもdustつまり粉じんが原因でも肺胞蛋白症が起こると書かれていましたが、粉じんの職業曝露でも起こるということです。何でもかんでも自己免疫ときめつけず、肺胞蛋白症を診たら、詳細な職業歴の問診が必要だと覚えておいてださい。




以下日記

・本日7/16(金)は、5時21分起床。『社会疫学』を読んで出勤。病棟よってから午前外来。午後産業医面談、通所リハビリカンファレンス、回診でした。17時過ぎに病院出て、ダイソー、コーナンで買い物して18時25分帰宅。お風呂入って夕食=カレー。いつものように3杯=そのまま、卵入り、ウスターソースかける。アルコールもいただきました。食事中LIVEでバスケットボールの日本代表のベルギーとの試合を観ておりました。八村塁もすごいけど、渡邊雄太という選手もすごいですね。(ほとんどスポーツ観ないので選手のこと全然知らんかった)3ポイントシュート決まると気持ちいいー(創聖のアクエリオン風)。しかーし、ずっと観ていると時間とられるので今から離れて勉強部屋へ。しかーし、酔っ払っているので勉強できません。これからスパイ大作戦のDVD観てサッサと寝ます。

・明日は午前中認知症サポート医のZOONを使っての研修会。午後から配偶者が元気なら一緒に高梁市立成羽美術館に行って「千住博展」を観てきたいと思っております。




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