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魚骨も泳ぐ/意味ないじゃん、ドッグズノーズもどき

体の中に異物がはいって色んな所に移動する事があります。私の専門領域でいうとシリカや石綿も色んな所へ移動していきます。で、今回は魚骨が思いがけないところへ移動したという事例。骨でも「泳いで」移動すると認識していた方が良いですね。


 誤飲魚骨の迷入による腰背部筋膜下膿瘍の1例


河田 直海, 山元 英資, 浦岡 未央, 田村 周太, 友松 宗史, 梅岡 達生


日臨外会誌 82(1),201―205,2021




【抄録】

 

症例は83歳,男性.発熱と右腰背部膨隆を主訴に内科に入院,CTで腰背部の筋内膿瘍が疑われ外科に紹介された.穿刺排膿と抗菌薬による保存的治療で軽快したが,抗菌薬投与終了3週間後に再燃し,経皮ドレナージを行った.CTを見直すと膿瘍内に魚骨が疑われ,外科に転科し腰椎麻酔下で魚骨摘出術を行った.術後経過は順調であった.下部消化管内視鏡で上行結腸に多数の憩室,肝彎曲部に中央にポリープ様隆起を伴う限局した粘膜浮腫があり,誤飲した魚骨が結腸から後腹膜に穿通,さらに胸腰筋膜下まで迷入し膿瘍を形成したと考えられた.魚骨が消化管外に穿通した報告例は散見されるが,後腹膜から背筋に至った報告はまれと思われたので報告した.

・↑の論文の消化管外の魚骨に関する表は興味不快ですね。その他へーっと思ったことは2点↓

①Hendersonらは,胃に達した異物の80%は何事もなく消化管を通過するが,20%は閉塞・穿孔・出血の原因になり,異物が細長い金属や動物の骨の場合や,腸管に癒着や病変がある場合にそのリスクが上がると述べている

・・・わたしゃ、9割以上が何事も無く排泄されると思っておりました。まあ、飲み込んだ物によって、この数字はかわってくると思いますが。

②骨存在の診断は最近のCTの性能から難しくないが,細い骨の横断像となった場合には見逃す可能性もある.本症例では魚骨が膿瘍の底に丁度体軸と並行に位置していたため,初診時のCTではアーチファクトと考えてしまった.

・・・確かにそういうこともあるなぁと思いました。

・最後に、膿瘍をみたら何か異物はないかと考える癖をつけないといけませんね。

以下日記

・本日8/31(火)は、6時起床。朝勉(Modern Epidemiology読む)後出勤。(当然猫たちに餌はやっております)病棟よって午前外来。午後は病棟ちょっと寄って書類の作成と職員健診の胸部レントゲン読影。15時20分過ぎに病院出て中央町の薬局寄ってリアップ買って金光の本屋さんに注文していた本受け取って16時帰宅です。一服して18時までロスマンのModern Epidemiology読みました。その後猫たちに餌やってから入浴、夕食。アルコールをいただきました。まずはベルギービール1本、その後ノンアルコールビールにジンをいれてドッグズノーズもどきカクテルを飲んで、現在ヘロヘロでございます。そもそもノンアルコールビールにジンいれたら、ノンアルの意味ないじゃん。でも、ビールがもうなかったので、仕方ないし、少しでもアルコールが少なくてよいかな...私の小さい冷蔵庫の中にはあと朝日スタウトと缶麦酒1本しかありません。木曜日にはベルギービールが届くはずです。ああ、おいしい麦酒がのみたーーーいっ!・・・おいしい麦酒とは仲の良い友達と飲む麦酒です。

・今日こそ早く寝ます。21時には布団に入ってゴルゴ13をKindleで読みながらねます。しかしKindleが顔の上に落ちるとかなり痛いです。

 

 


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土いじり、ピアスで破傷風/ゴミ出しで汗だく、つゆだく、ドナルドダック

私は問診で趣味・ペットを訊くことにしています。その意味には複数有り↓のように考えています。

①直接診断に結びつける ex. プラモデルや絵なんかだと有機溶剤による障害、ペットからの感染等

②うつ病の早期発見:今まで興味を持っていたものに「興味がなくなり」ますからね

③経済的な状況:経済的に苦しくなると趣味をあきらめないといけないから

④コミュニケーションを円滑にする・・・説明は不要でしょう


・さて、突然破傷風の話。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


破傷風 ハショウフウ tetanus
[同義語]テタヌス

栄養型の破傷風菌が産生する強力な神経毒(テタノスパスミンtetanospasmin)によって起こる非伝染性の疾患である。土壌や塵など環境中に広く,またヒトや動物の消化管にも存在する破傷風菌の芽胞(写真は平板培養した破傷風菌をグラム染色し,光学顕微鏡で撮影。1500倍。提供:中村信一)が,外傷,骨折,火傷,凍傷,褥瘡,咬傷などの各種創部,種々の感染症や各種術後の創部などから侵入し,発芽し,栄養型となる。トキソイド接種をしていないヒトに,ふつう3日から3週間の潜伏期で発症する。診断は臨床的に行う。治療の基本は,神経結合毒素が代謝されるまでの間の適切な支持療法,抗毒素による未結合毒素の中和,創部の適切な処置の3つである。感染後免疫は成立しない。


・で、↓のようなレポートがありました。


当院における破傷風11例の臨床的検討


 臨床神経学61 巻 (2021) 8 号


梅本 大地, 柴田 曜, 森 仁, 進藤 克郎


 

要旨

破傷風は土壌に存在する破傷風菌が体内に侵入することで発症する感染症である.当院が診断した破傷風11症例について先行外傷や治療経過など臨床経過について検討した.発症時の平均年齢は68歳であり,7例で集中治療管理を要した.先行外傷には明らかに汚染を伴う例もあれば,非常に軽微あるいはない例もあり,先行外傷の程度と重症度に相関はなかった.初診医が破傷風と疑えたのは11例のうち4例のみであり,開口障害や頸部の筋緊張亢進など典型的な症状を呈していても外傷が軽微,またはない場合には見逃される傾向にあった.破傷風を疑う際には生活歴に至るまでの病歴聴取および適切な神経診察を行い診断・治療を行う必要がある.

・遠ーい、私の学生時代の記憶では破傷風は古い釘を踏んでしまったような深い傷でおこると習ったような気がします。その後医者になって擦過傷のような傷でも発症したというレポートがあったので、それも気をつけるようにしました。↑のレポートの一覧表をみると、必ずしも深い傷ではありませんね。何か土がつくような傷なら気をつけないと。なので「土いじり」・・・家庭菜園は要注意ですね。

・それにしても、土もいじらないのにピアスの穴で破傷風になるとはどういう事でしょうね。なんせ怪我があったら破傷風と考えないといけないのかしら。

 

以下おなじみ短小日記

・本日8/30(月)は6時起床。まず朝勉してから朝食。その後猫たちに餌やりに行って燃えるゴミをだしてきたら汗だく、シャワーを浴びました。で午前中はZOOMで因果推論の学習会。午後から出勤し病棟回診、夜間診療、その後健診の胸部レントゲンの読影と書類の整理。帰宅は20時7分でした。ちょうどパスタがゆであがったということで、まずは夕食。お腹がいっぱいでお風呂は入れないのでちょっと勉強してこのブログを書いております。これからお風呂入ってそのあとRothmanのModern Epidemiologyをすこし読んで寝たいと思います。

 

 


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優れた英語論文は読みやすい

今日は日記のみ。でも、ちょっとだけ医学的なことも。

・私学生時代試験は2回落としました。一つが生化学、二つ目が小児科。後者は、友達が勉強せんでも受かるよと言っていたので、pureな心の私は本当に勉強しなかったので、見事落ちました。今でも思うのですが、私は京都の人と多分上手く付き合えないと思います。(何言っているか分かるかな?)前者は、かなりむずかしかった。しかし追試でリベンジ。メタボリックマップをほぼ覚えました。でも医者医になってからは生化学的なことや分子生物学、遺伝子のようなことは大の苦手、勉強せずに避けてきました。

・以前も書いたのですが、なぜか大学院のciritical appraisalでstaps細胞の論文(当然取り下げ)をとりあげる「勇者」の大学院生がいたので読んでみました。最初は基礎医学的なことはサッパリだろうと思って読みはじめたのですが案外読みやすい。理解をしたわけではないのですが、比較的抵抗なく読めました。やっぱりねつ造したとはいえ一度はNatureという一流紙に載ったもの、論文のお作法がきちんと押さえられているので読みやすかったのでしょうね。

・なんで、こんなことを書くかというと現在RothmanのModern Epidemiologyを性根入れて読んでいるのですが、理解できるかどうかはおいておいて、やはり読みやすい。何でかなと思ったら一つのトピックがそんなに長くない一段落にまとめられており、わかりやすく読みやすい。複数のトピックが一つの段落にあると区切りがわからなくて話の流れが理解しづらいんですね。英語論文の書き方の本も一つのトピックは一段落でと書いてますし。やはり、論文お作法は大切ですね。

・ところで本日の標題から私が英語が非常にできると思われるかも知れませんが、全然ダメです。英語に関してコンプレックスを持っております。何年英語を勉強してきたんかいっ!と自分を責めたくなりますね。しかし、できないと開き直るのでは無く、少しでも努力していきたいと思うこの頃ですが、そのうち寿命やね。



以下日記

・本日8/29(日)は、6時34分起床。朝勉を7時半くらいしてから朝食。それから猫たちに餌をやりに行って、あとはほとんどずーーーと勉強していました。まあ、昨日ご紹介した本を読んでいたのですが、上の文章で突然「京都の人」がでてきましたが、それは↓の本の最後の方にでてくるから。


緩和ケア・コミュニケーションのエビデンス ああいうとこういうはなぜ違うのか?

緩和ケア・コミュニケーションのエビデンス ああいうとこういうはなぜ違うのか?

  • 作者: 森田達也
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2021/06/21
  • メディア: 単行本
・↑の本の引用文献が↓
End-of-life decision-making in Asia: A need for in-depth cultural consideration
Masanori Mori, Tatsuya Morita
このなかに出てくる一文↓
As a typical example of nonverbal communication in Kyoto, Japan, when you visit someone and are offered another serving of a light meal (e.g. “bubuzuke”), you must understand that you are casually introduced to leave soon
・今はさすがに「大人」になったので、京都の人との会話はきをつけるようにしてます、ってほとんどしゃべること無いけど。
・で、途中昼寝はしましたが夕方まで勉強。17時から18時くらいまで草抜き。今日はまず亡くなった義父の家の前の小道に結構草が生えていたのでそこの草を刈ってから自分の家のをちょっと処理しました。汗だくになり、入浴。お風呂場で次から次へと汗が出てくる状態で、サウナに入っているような感じがしました。その後夕食。アルコールをちょっといただきました。そしてこのブログを書いております。まで、21時台ですが、コレから歯磨きして寝にいきます。
・明日は、午前中因果推論の学習会。午後から出勤して回診、夜間診療です。

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冠動脈解離/猫捕獲失敗、まあ結果オーライ?

若かりし頃、多く(と言っても10数件)の過労死の意見書を書きました。結構若い人もおられて、その死亡のメカニズムもいろいろ勉強したものです。若い女性でとくに典型的な心筋梗塞のリスクファクター=タバコ、高血圧、脂質異常症等をもたず、ストレスがかかって心筋梗塞を起こされた場合、特発性冠動脈解離という疾患を考えないといけません。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


冠状動脈解離
カンジョウドウミャクカイリ
[英]coronary artery dissection

石灰化病変などで脆弱な冠状動脈で,内膜に生じた亀裂から血液が冠状動脈壁内に流入し,中膜が二層に解離した状態をいう。心臓カテーテルやPTCA中にカテーテルやガイドワイヤーの物理的刺激により起こることがある。心筋梗塞の原因となり,ステント留置や冠状動脈バイパス手術が必要となる場合もある。


・もうちょっと詳しい説明が↓


国立循環器病研究センター


健康な中年女性が突然発症する心筋梗塞




・で、↓のようなレポートがありました。


Spontaneous coronary artery dissection associated with psychological stress


Tanabe J, et al. BMJ Case Rep 2021;14:e245414. doi:10.1136/bcr-2021-245414




・その他強いストレスがかかった場合、たこつぼ心筋症というのも発症することがありますね。ストレスはやはり、要注意です。


以下日記

・本日8/28(土)は、6時30分起床。朝勉ちょっとして朝食摂って猫たちに餌をやりに行きました。で、一匹避妊手術のため今日獣医さんところにつれていくつもりだったのですが、捕獲したもののカゴに入れる前に逃げられてしまいました。仕方なく本日は獣医さんところはあきらめて、お勉強。今日は主に↓の本を読んでおりました。


脳卒中治療ガイドライン 2021

脳卒中治療ガイドライン 2021

  • 作者: 日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会
  • 出版社/メーカー: 協和企画(豊島区)
  • 発売日: 2021/07/01
  • メディア: 単行本
緩和ケア・コミュニケーションのエビデンス ああいうとこういうはなぜ違うのか?

緩和ケア・コミュニケーションのエビデンス ああいうとこういうはなぜ違うのか?

  • 作者: 森田達也
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2021/06/21
  • メディア: 単行本
Modern Epidemiology (English Edition)

Modern Epidemiology (English Edition)

  • 出版社/メーカー: Wolters Kluwer Health
  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: Kindle版

・夕方は家の中の資源ゴミをまとめて市役所に持って行って、天満屋へいってちょっとお買い物。その後帰ってきて18時から19時まで草刈り。そしてお風呂入って夕食。ちょっとだけアルコール「水曜日のネコ」のんで、録画の「孤独のグルメ」をみておりました。そして、現在このブログを書いております。もうちょっとだけ勉強(『実験医学』特集環境因子と発がん)を読んで、早めに寝たいと思います。明日も今日と同じく勉強と草刈りでしょう。

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オピオイドによる痒み/早く帰れたので早く寝たい

・私、若かりし頃は肺がん、転移性肺腫瘍の患者さんを多く診ていましたし、現在は大きな病院から紹介のあった進行癌の患者さんをちょくちょく診ております。なのでオピオイドもそれなりに使っております。そもそもオピオイドどは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓



オピオイド
[英]opioid
[同義語]麻薬様物質

[1]ケシの未成熟果実から抽出されるアヘンの主要薬理成分モルヒネに類似した鎮痛作用と麻薬性を有する物質の総称。アヘン誘導体を示すオピエートより広い概念として内因性物質を含めて使われる。脳内に存在するエンドルフィン,エンケファリンなどのモルヒネ様ペプチドはオピオイドペプチドと呼ばれ,それらが結合して生理作用を発揮する受容体をオピオイド受容体と呼ぶ。 [2]モルヒネは優れた鎮痛薬であるが依存性(麻薬性)をもつため,依存性のないモルヒネ様作用をもつ麻薬性鎮痛薬として合成された。それらの作用は結合するオピオイド受容体のサブタイプによって決まる。全身麻酔で使用されるフェンタニルはモルヒネの100倍の力価がある。


・結構よく使うMSコンチンの添付文書が↓




上の中に副作用として掻痒が書かれているのです、ほとんど私は経験したことがありません。それは多分ほとんど経口で使用しているからか、かなり終末期で意識がはっきりしない患者さんに使っているからでしょうか?麻酔科領域(非癌疾患)では結構あるみたいですね。↓のような論文がありました。



オピオイドによる痒み


今町 憲貴


日本臨床麻酔学会誌41 巻 (2021) 3 号




【抄録】

 

オピオイドによる副作用で最も多いものの一つが痒みである.オピオイドによる痒みは,脊髄くも膜下麻酔を用いた帝王切開術を受けた患者で最も発生率が高く,抗ヒスタミン薬では改善しない.オピオイドによる痒みは,脊髄後角でのガストリン放出ペプチド受容体(GRPR)シグナル伝達の活性化を介して生じることが報告されている.最近の基礎研究では,κオピオイド受容体(KOR)の活性化により,GRPRを介した痒みが軽減されることが示唆されている.臨床でもKOR作動薬は,オピオイドによる痒みの対策として有用であることが明らかとなってきた.痒みの機序に基づいたオピオイドによる痒みの予防と治療については,さらなる研究が必要である.

・↑で引用されている皮膚瘙痒症診療ガイドライン2020はfreeでみることができます↓

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/souyouGL2020.pdf

 

あっという間に以下超短小日記

・本日8/27(金)は、6時20分起床。朝勉せず出勤。病棟よって午前外来、午後回診と会議と書類作成。17時15分に病院出て帰宅。猫たちに餌やって入浴して夕食。アルコールをいただきました。ちょっと勉強してこのブログを書いております。これからちょっとだけ勉強して、今日こそは22時までには寝たいと思います。で、明日は早起きして朝勉後ネコを獣医さんのところに連れて行く予定です。

 




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MRIで難聴/病院からの電話が憂鬱

へ~っ、標題のようなことがあるんですね↓


MRI検査の騒音に起因した急性音響性難聴の検討


鈴木 英佑, 綾仁 悠介, 萩森 伸一, 菊岡 祐介, 尾﨑 昭子, 稲中 優子, 乾 崇樹, 河田 了


Otol Jpn 30 (3) : 197–202, 2020




抄録

 

現代医療ではMRIは不可欠な検査であり,日々多数施行されている.しかしMRIが生じる騒音に対しては,十分注意が向けられているとは言い難い.今回我々はMRIの騒音に起因した急性音響性難聴を3例経験し,うち2例は不可逆であった.3例とも3.0テスラのMRIを用いており,騒音対策はイヤーマフもしくは耳栓の不完全な単独装用であった.MRI検査による聴覚障害を来たさないためには,防護策の徹底が必要である.画像診断上支障がなければ,騒音の小さな1.5テスラのMRI検査を用いることも対策の一つである.また耳栓とイヤーマフの両者を確実に装用することが重要であると考える.

・こういうことは医師もさることながら放射線技師さんもしっかり認識しておいてもらわないといけませんね。(↑の本文中の騒音対策に関するアンケート調査の結果にちょっとビックリ)

 

以下日記

・本日8/26(木)は、6時起床。朝勉していたら病院から電話。えっ、患者さんの急変かとドキッとしましたが、そうではなく安心しましたが、違う件で憂鬱=入院患者さんが療養のルール違反。退院を勧めなければいけないみたいでした。懲戒解雇より軽い諭旨解雇というのがあるように強制退院では無く「諭旨退院」みたいにすすめないといけません。(私は、強制退院という言葉は好きではありません)憂鬱な気持ちで病院へ行ってその患者さんとお話をして退院の話。割と素直にきいてくれました。その後外来。午後から公害健康被害認定審査会。夕方戻ってきて回診、書類。帰宅は18時16分。お風呂入って夕食とって、19時30分から21時過ぎまでZOOMでソーシャルキャピタル研究会。その後一服してこのブログを書いております。大分眠くなってきましたが、あとちょっとだけ勉強して寝ます。

・それにしても、病院からの電話って、まず良いことはありませんね。まあ、あたりまえですが。あえてあるとしたら、宿直かわってあげますよという電話でしょうか。そんなん、記憶する限りではなかったけど。・・・・この組織からはやく足抜けして宿直の苦行から抜け出したいと思っている昨今、というよりず~~~っと前から。


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インフォームドコンセントにおける同意の前には患者の理解の確認が必要/久々のダブルブッキングに気づいて冷汗

わたくし、結構インフォームドコンセントについてこだわっております。で、本日↓の論文を読みましたが、その考察の最初の文章にひっくり返りました。


インフォームドコンセントにおける同意の意義
最近の下級審判例分析を基に
藤谷 克己, 長谷川 敏彦
日本医療マネジメント学会雑誌15 巻 (2014) 2 号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhm/15/2/15_102/_article/-char/ja
医療法第1条の4第2号で、医療現場では医療行為を行う際にインフォームドコンセントが法的な義務であるとされた。しかし患者の同意については、形式上何をもって同意があったとするかについて、明確にされていない。そこで関連判例を分析し、判例の中では何をもって患者の同意があったとするかについて調べた。判例データベースの「TKCローライブラリー」(LEX/DB)を利用し、キーワード検索を行った。キーワードは「インフォームドコンセント」又は「説明と同意」を選び、「同意」とその類義語の「合意」と「承諾」を選んで、両群のキーワードにAND検索をかけて判例を抽出した。抽出結果の判例数は128件であった。その全てを精査し、同意について示している20件を表にリストアップした。データベースの判例総数は243,324件で、収録誌数は127誌である(2013年3月23日)。検索した判例数は医療に関係する「インフォームドコンセント」に関するものが125件で、「説明と同意」に関するものが32件であった。また「同意」に関する判例数は22,024件、「合意」に関するものは31,918件、「承諾」に関するものは33,880件であった。最高裁判例では、何をもって同意があったとするかは明確にされていない。ただし、下級審判例においては、同意について示すものがいくつか見られ、同意書への署名捺印をもって同意があったものとするものもある。一方ではインフォームドコンセントを厳格に守ることで、医師の労働量の増加傾向に何らかの影響があるとの示唆もある
・で、私がひっくり返った文章が↓
インフォームドコンセントは単なる患者への説明ではないことが判例を整理してわかった。
もうビックリというかなんというか。こんなの判例を整理しないでも定義、いや定義さえいらないような言葉をみたらそうですがな。単なる説明ならインフォメーションでしょう。
もうひとつビックリの文章が↓
インフォームドコンセントの実施者は医師であることを限定していない。
そりゃそーや、コンセント(同意)を与えるのは医師ではなくて患者さんですから。
・ほかにも、インフォームドコンセントにかんする変な表現がある一方ちゃんと「インフォームドコンセントを取得」と正しく書かれているところもあります。
・さて、批判はおいといて↑の論文から学ぶべきものは、こちらがいくら説明しても患者さんがちゃんと理解しているかどうか確認しないといけないということ。また、患者さんの背景によって説明の仕方をきちんと考えないといけないということです。この論文読んで、ハッと気づかされました。ちゃんと患者さん・家族の理解を確認していただろうかと...(うちの病院では看護師さんがよくフォローしてくれるので助かります)
・それにしても医療マネジメントの学会誌に、「ICする」と似たような言葉遣いの論文が載るなんてビックリポンでした。
以下日記
・本日8/25(水)は6時2分起床。朝勉して出勤です。午前外来、午後回診とカンファレンス、ショートの夜間診療、その後の胸部レントゲン読影で帰宅は19時10分でした。まずご飯食べて20時から21時すぎZOOMで大学院の社会疫学の学習会でした。そのごこのブログを書いております。
・明日は、午前外来、午後は病棟の看護師さんと酸素投与法の勉強会をするつもりでした。今晩、明日朝にそのレジュメを作るつもりでした。ところがどっこい、手帳をよく見たら公害健康被害認定審査会が入っておりました。明日は平身低頭で勉強会を先延ばししてもらうことが朝一の「仕事」です。幸い関連資料は既に印刷しているので、とりあえず明日配ってこれで「予習」しといてねと言えるような感じです。ああ、それにしてもダブルブッキングするなんてすっごく久しぶりのような。段々、老いていっているのでしょう。
・もうレジュメ作成しなくてよいので、(実はほとんどできておりましたが)これからシャワー浴びてビール1本飲んで寝るとします。明日早く起きれたら早めに家を出て途中山陽マルナカによってお菓子かってお詫びに伺おうと思いますが、まずは早起きできるかな?

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2時間待たせ、疲れた1日

・本日は日記のみドス。まあ、医者の生活(と言ってもn=1)がどのようなものか、少しはわかっていただければと思います。

・今日8/24(火)は私の健康診断の日。いつもより早く病院へ行こうと思っておりましたが、その真逆のことになりました。7時34分配偶者の声で起こされました。それこそ飛び起きてまずオシッコ。尿を紙コップにとってそれをスピッツ(試験管)に移し替えたのですが、入れすぎて蓋が閉まらないので捨てたら今度は尿を捨てすぎてちょっとの量に。(慌てたらろくな事がありません)まあ、尿定性のみだからこれでよしとして、顔洗って着替え。車の中でひげを剃ってどうにか8時15分頃病院到着。まず、外来で採血していただく。恐れ多くももったいなくも宿直していた外来師長さんにとっていただきました。(ああ、師長が宿直なんて看護師不足)それから着替えて電子カルテのみチェックして朝礼。その後外来。その外来が大変でした。予約の患者さんが少なかったのに予約外の患者さんがいっぱい。「なんでやねん」と叫びたい。最高2時間患者さんを待たせてしまいました。でも、患者さんは優しい、お忙しいですねとか、ご飯まだでたいへんですねとか。ありがたいお言葉です。外来中全身の個人防護具PPE(帽子、アイシールド、当然マスク、ガウン、当然手袋)装着を4,5回着なければならない場面もありました。(回数の記憶はおぼろ)外来の合間にPPEつけたりはずしたりするの大変よ。で、なんとか14時頃外来終了。最高待たせた患者さんは2時間。申し訳ない。数年に1回はこういうことがありますね。それから昼食。そして自分の健診のつづき、これがまたショックで身長は縮んでいるは、左目の視力が落ちているは、耳の聞こえが悪くなっているわ...ああ、年です。はやく引退したいです。で、あとは病棟へ寄って、16時半前に病院を出て、帰りケーキ屋さんによってホールケーキを買って(今日は配偶者の誕生日イヴ)、猫たちに餌やって17時帰宅。まず、配偶者と夕食の「前菜」にケーキを食べました。配偶者の食べ方が豪胆でナイフでカットせず、そのままフォークで食べ始めました。私もそれにならってフォークでいただきましたが、多分ホールケーキを切らずにそのまま食べたのは生まれて初めて。それからお風呂入って調べ物したり大事なe-mailしたりいろいろ。その後夕食。ビールを1本いただきました。で、このブログを書いております。コレから寝にいきます。明日は寝過ごさないようにしないとね。

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ありがたいがちょっと残念な『かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)』/宿直明けでヘロヘロ

・中小病院で働いている全ての医師は、緩和ケア/終末期医療と認知症への対応能力が必要ではないかと感じている今日この頃。そして、日常茶飯事にBPSDに悩まされています。ちょっと古いですが↓のようなガイドラインがありまして、利用させてもらっています。


PDF かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)





↑でとっても残念なのは、何回も「充分なインフォームド・コンセントを行って」という文がでてきて、がっかりです。そういう言葉使いをみると最後にでているCOIと言う言葉も理解して使われているのか心配になってきます。


あっという間の以下日記

・本日8/23(月)は宿直室で6時半頃起床。シャワー浴びて、朝食摂って病棟へ行って、外来で患者さん診て、朝礼に出て9時から11時過ぎまで宿直室にこもってZOOMで因果推論の勉強会です。本来月曜午前は仕事の契約はしていないのですが、日曜の夜に宿直したので病院内にとどまっておりました。学習会後病棟よって、昼食とって午後から回診と会議、夜間診療。帰宅は20時でした。(病院には26時間いたことになります)お風呂入って夕食、Lupulus Fructus1本いただきました。その後このブログを書いております。もうヘロヘロなのでねます。明日は午前中外来、午後から自分の健診です。(朝一、空腹で採血してもらいます)

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心嚢液貯留の鑑別診断に心膜中皮腫を/1時間間違える

心膜腔に異常に液体がたまることを心膜水貯留、心嚢水貯留、心嚢水腫、心膜水腫といろんな呼び方があるみたいですね。私は通常心嚢水と言っておりますが。『医学書院医学大辞典第2版』の説明は↓


心膜水腫 hydropericardium
[同義語]水心膜,心嚢水腫

何らかの原因で心嚢液が過剰に貯留した状態。正常な心嚢液は20~50mLであるが200mLを越える心嚢液の貯留が起こると,心室の拡張期充満が障害されて心タンポナーデを呈する。心嚢液の貯留が緩徐であれば症状が出現しない場合もある。うっ血性心不全や腎疾患に続発するもの,心膜の炎症や代謝性のものなど原因は多岐にわたる。胸部X線上心陰影の拡大を認め,心電図上低電位,T波の平坦化がみられ,心エコー法で心外膜と壁側心膜の間にエコーフリースペースを認める。少量の心嚢液では特に症状の出現をみることはなく,原疾患の治療と利尿剤の投与が行われる。治療抵抗性のものや心タンポナーデを来したものでは心膜穿刺や心嚢ドレナージを行う。


↑の説明で原因疾患に悪性腫瘍が載っておりませんが、それでも心嚢水はたまります。で、悪性腫瘍のひとつに中皮腫があるわけです。クボタショックという言葉が風化してきていると思いますが、予測では今後アスベスト関連疾患の肺癌、中皮腫が増えるとされていますので、当然心膜中皮腫も増えるのではないかと考えます。↓の様なレポートがありました。


急速に心膜肥厚の進行を認めた原発性悪性心膜中皮腫の1例


関 雄太,他


心臓 Vol . 52 No . 7(2020)




抄録

 

 症例は81歳女性.食思不振を主訴に近医を受診し胸部CT検査で多量の心膜液貯留を認めたため当院を紹介受診した.心嚢穿刺を行い,血性混濁液を得たが確定診断に至らなかった.悪性リンパ腫等を鑑別にあげ施行したPET-CT検査では心膜,肺門リンパ節,左胸膜に集積を認めた.骨髄穿刺・生検,気管支鏡下肺門リンパ節生検では有意な所見を得られなかった.右心不全が出現しコントロールが不良となった.経胸壁心エコー図では左室後壁側の心膜を中心に著明な肥厚を認め,さらに心筋との癒着を疑う所見を認めた.心臓血管外科により心膜生検・心膜剝皮術を試みられるも,心臓を取り巻くように腫瘍塊を認め,心筋へ直接浸潤していたため心膜剝皮は断念した.生検の結果より悪性心膜中皮腫の診断となった.全身管理を継続するも徐々に心不全が増悪し死に至った.初診時は多量の心膜液と壁側心膜側に腫瘤陰影を認めるものの心膜肥厚所見は認めなかった.心嚢ドレナージ後は心膜肥厚が急速に進行し,局所から全周性へと進展していった.希少であるものの早期診断が求められる悪性心膜中皮腫の経過を追うことができた1例であり,臨床的重要性が高いと考え報告する.

・最初に書きましたように心嚢水の鑑別診断には、アスベスト曝露を。今後増えていくはずなので。

 

以下短小日記

・本日8/22(日)は、6時22分起床。朝食を挟んで朝勉。9時20分家を出て動物病院へ預けている猫を迎えに行くつもりだったのですが、熱心に勉強していたせいか10時20分家をでることに。家を出るまで9時20分だと思い込んでおりました。で、無事猫ちゃんを迎えて、途中ちょっとだけ寄り道して帰宅。一服後昼食。その後お勉強。宿直に備えて1時間お昼寝。そして17時半から病院で宿直です。ちょっと不穏の患者さんがおられて、往生しましたが、今は病棟から連絡ないので落ち着いておられるみたいですね。これから宿直室で寝ます。どうか、真夜中に起こされませんように。インシャラーメンダブツ。おなすびやさい。



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