浣腸で腎不全 /アルコール飲めず
食道癌手術前処置のグリセリン浣腸による急性腎不全の1例
久保 進祐, 森山 大樹, 大内田 研宙, 進藤 幸治, 長尾 晋次郎, 中村 雅史
症例は56歳の男性で,胸部食道癌手術の前処置としてグリセリン浣腸を行ったところ強い肛門痛と少量の出血をきたした.症状はすぐ軽快したため,予定通り手術室へ搬入した.全身麻酔導入時に少量の赤色尿を認めたが血液検査やバイタルサインに異常を認めなかったため,予定通り手術を施行した.術中尿量は0mLであり,術後も無尿が続いた.急性腎不全と診断し術翌日から持続的血液濾過透析(CHDF),また溶血性腎不全を念頭にハプトグロビンの投与を開始した.術後10日目までCHDFを行い,その後も血液透析を行った.腎機能は徐々に改善し術後27日目に退院し,術後2カ月で腎機能は正常化した.グリセリン浣腸は汎用されているが,その重篤な合併症としての急性腎不全は頻度も低く,十分に認識されているとはいえない.本症例のように重篤な合併症を引き起こす可能性があることを医師だけでなくその他の医療従事者も知っておく必要がある.
・グリセリン浣腸「ヲオタ」の添付文書
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00003310.pdf
副作用の所ではなく、「慎重投与」のところに「局所(腸管、肛門)に炎症・創傷のある患者[出血を促し
グリセリンが吸収され溶血を、また、腎不全を起こすおそれがある。」と書かれております。
・ご紹介して文献の引用文献↓
日本看護技術学会誌5 巻 (2006) 2 号
グリセリン浣腸による有害事象の現状と今後の課題
武田 利明, 小板橋 喜久代, 香春 知永, 吉田 みつ子, 大久保 暢子, 鈴木 美和
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/5/2/5_4/_article/-char/ja/
グリセリン浣腸が原因で発症した有害事象について, 1980年以降の論文や研究報告等を用いて調査検討した. その結果, 報告者はすべて医師で, 有害事象発症後の治療 ・ 処置方法に主眼が置かれており, グリセリン浣腸の実施状況等に関する情報は少なかった. グリセリン浣腸による有害事象は主に2つに分類された. 1つは高濃度のグリセリン浣腸液が血管内に移行することによって, 溶血や血尿を認め, 肛門からも出血し腎不全の経過をたどるもの. もう1つは, カテーテルによって直腸穿孔が生じ, グリセリン浣腸液が後腹膜に停留あるいは便汁による感染性炎症や肛門周囲の腫脹 ・ 肛門痛 ・ 肛門出血 ・ 発熱 ・ 嘔気嘔吐を引きおこす経過を取るものであった. このようにグリセリン浣腸による有害事象は多様な病態として発症することが明らかとなっており, 日常的にグリセリン浣腸を実施している看護職者は, 実施状況 ・ 方法を調査 ・ 分析するとともに, 安全なグリセリン浣腸の技術について早急に問い直す必要がある. 技術研究成果検討委員会では, 今後, 会員の協力を得て実施状況を調査 ・ 分析するとともに, 安全なグリセリン浣腸の技術について早急に検討する予定である.
以下日記
・本日8/1(日)は、7時1分前起床。朝勉して、猫たちに餌をやって8時くらいに朝食。それから朝勉の続きをして9時40分に家を出て倉敷市役所近くの動物病院へ避妊手術をした猫をを引き取りに行きました。で、10時50分帰宅。あとは勉強、講義の準備、研究会の発表の準備を昼食休憩を挟んで17時まで。それから配偶者と回転寿司屋へ早い夕食。帰宅後一服して18時から45分くらい草刈り。もう、これで軽い熱中症?、ちょっと気分不良。経口補水液飲んで一服して、入浴。で、いつもはアルコールといきたいところですが、飲む気にならず、このブログを書いております。21時になったらサッサと寝にいって、寝床でゴルゴ13を読もうと思います。
・ここ数日↓の知り合いの研究者のYouTube:反『優生学』講座を視聴しておりました。皆さまもよろしければ、ご視聴を。