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りんご農作業に関連する頚髄損傷/今日こそさっさとねるぞーっ!

・以前何回か書きましたが、第2次および第3次産業に比べて第1次産業の労働安全衛生への取り組みは遅れています。ほとんどTVを観ない私ですので思いっきりバイアスがありますが、TVで農業や漁業の労働安全対策に関するニュースや特集を見たことがありません。それはさておき、取り組みが遅れているのは確かなので、ちょっとずつでもその取り組みを進めるために、その労働関連疾患の実態を明らかにしていかなければなりません。で、↓のような絵レポートがありました。


りんご農作業に関連する頚髄損傷の症例集積研究


   弘前医学71 巻 (2020-2021) 2-4 号


   町野 ひろみ, 他。




抄録

目的 : 津軽地方での外傷診療において,我々はりんご農作業に関連した頚髄損傷をしばしば経験するが,その受傷機転や臨床像には不明な点がある. 本調査の目的は,りんご農作業により生じた頚髄損傷の受傷機転と臨床経過を明らかにすることである.
対象と方法 : 2015年1 月から2019年8 月までに弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターに搬送された,りんご農作業に関連した頚髄損傷症例を対象とした.診療録より患者の属性,発生月,受傷機転,神経学的重症度および予後についての情報を抽出した.
結果 : 同定された10例のうち9 例が男性であり, 5 月と6 月に多発した( 7 例).受傷機転は2 つに分類され,乗用草刈 機運転に関連するもの( 5 例)と梯子などからの墜落( 5 例)であった.退院時のAmerican Spinal Injury Association Impairment Scale( AIS) は,Aが1例,Bが2 例,Cが2例,Dが3例,Eが2例だった.
結語:りんご農作業に関連する頚髄損傷は5 から6 月に好発し,乗用草刈機運転,梯子上の作業中に発生していた.重 症例も観察され,予防策の構築が急務である.

cf. 脊髄損傷の包括的治療

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/55/7/55_55.597/_pdf

・今、自家用車は非常に安全のことが強調されているのに、農機具についてはほとんど強調されていません。安全な機械を使うと費用が高くなる、そんな高い機械を農民が買うのかという議論があるそうです。(余談ですが、日本の中古の農機具を買い集めて海外に輸出しているビジネスがありますが、労働安全衛生上問題のある機械を輸出、ひいては労災職業病を輸出していると思ってしまうのです)

・それはさておき、ああ、こういう受傷機転かと勉強になった論文でした。

 

以下短小日記

・本日9/8(水)は6時16分起床。一瞬朝勉して朝食後出勤。8時前に宿直のDr.の申し送りを受けて活動開始。まず病棟へ寄ってから午前外来。午後回診とカンファレンス、ショートの夜間診療、その後書類の整理で、19時11分帰宅。まず猫たちに餌をやりに行って入浴、夕食。唐揚げだったのでビールをいただきました。その後ちょっと勉強してこのブログを書いております。今日はサッサと寝ます。

 




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