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臍の石/「午前」で、エナジーオフ

「ヘソのごま」はよく知られている(最近の人はもしかして知らん?)いますが、ヘソの石=臍石(さいせき)はあまり知られていないと思います。お臍の中になる焦げ茶色の「腫瘤」です。↓のようなレポートがありました。


 An Umbilical Mass in a 76-year-old Woman


Hiroaki Nakagawa, Yasushi Miyata


Internal Medicine 2021 年 60 巻 18 号 p. 3059





・Omphalithという言葉は、私の持っている『医学書院医学大辞典第2版』、『南山堂医学大辞典第20版』、『ステッドマン医学大辞典改定第6版』にはどれも載っていませんでしたが、文献を検索していると臍石という役で出ていました。上の論文では、rareと書かれていますが、結構外来でみますけどね。大切なことは、臍石ときめつけず↑の論文にかかれているような疾患も頭に思い浮かべなければならないということですね。

The differential diagnosis includes urachal sinus, umbilical endometriosis, keloids, malignant melanoma, and Sister Mary Joseph’s nodule.


・ちなみに、大きいのは3cmちかくのものもあるようですね↓


摘 出 に難渋 した巨大臍 石 の1例


井原司、他。


日 臨 外 会 誌 64(6), 1511-1514, 2003




症例90歳,女性.臍部の腫脹と疼痛を主訴に当院を受診.臍部に黒色の3cm大の臍石を認め圧痛と臍周囲に発赤を伴っていた.生活歴において現在までに臍を洗浄した記憶はなくまた手術既往もない.腹部単純レン トゲン検査では所見はみられ なかったが,腹部CT検査では臍内に層状3cm大の結石を認めた.治療は臍孔より絞り出すようにして摘出を試みるも困難だったため,臍孔周囲に局所麻酔を行い,臍 孔を十分に開大し摘出した.臍石径は27×26×13mmであった.摘出した後の臍窩には不快な悪臭のある垢が存在し臍炎を併発していた.臍石の報告は現在まで数件の報告しかみられない.さらに摘出に難渋するほどの巨大臍石の報告は現在 までにみられず非常に稀な症例と考えられる.


・↑でも臍石は報告が数件しかないとまれな物のように書いていますが、あまりにもよくあるので、報告されていないのではないかと思うものであります。



以下日記

・本日9/15(水)は6時に起きて、朝勉として『喘息診療実践ガイドライン2021』をよみました。そしていつものように朝食、猫たちに餌やって出勤。病棟ちょっと寄って午前外来。これが結構濃密でした。途中10分で昼食とって午前の部が終了したのが14時。で、病棟回診をサッサとして、カンファレンス。その時点でかなり疲労を感じておりましたが、ショートの夜間診療は問題なく終わり、18時21分帰宅です。(いつもは夜間診療後いろんな書類を書いたり読影をしたりするのですが疲れているのでしませんでした)猫たちに餌をやって入浴、ちょっと勉強して夕食。録画の「ヒューマングルメンタリー おもうまい店」を観ました。これ、おもしろんですけど、長々とあまり関係の無い場面を見せることもあり、手抜きしてるんじゃないか、編集がきれいでないとも思ってしまいます。それが、ウリというなら、まあそうなんでしょうが。芸術作品(これがそういう物かどうかはわかりませんが)賛否両論があるでしょう。

・これからちょっとだけsocial epidemiology読んで21時台には寝たいと思っております。


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