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廃用性浮腫という言葉ご存知?/三連休ならぬ三連勤で枝豆買い忘れる

私が医者になった頃は「足がむくんだら死ぬ/死期がちかい」というような迷信をよく耳にしました。(今でもいうかな?)もしそれが本当なら私はとっくの昔に死んでおりますし、結構外来してますとむくみの患者さんは多いので、次から次と患者さんが死んでいるはずですがそんなことはありません。また、外来で時々、特にご本人の訴えはないのですが、静脈の異常じゃないかなと思う患者さんがおられます。で、↓のような論文を読んでみました。まず、慢性静脈不全という言葉の説明。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓のように説明されていますが、とってもあっさりした記述です。


慢性静脈不全
マンセイジョウミャクフゼン
[英]chronic venous insufficiency

慢性的静脈血行不全のため浮腫,皮膚炎,潰瘍などを呈した状態。

逆に『南山堂医学大辞典第20版』では、結構詳しい説明がありますが、あまりにも文章がながいので、引用は省略。で、↓のような文献があり、読んでみました


血管内治療の適応と限界:慢性静脈不全症と下肢静脈瘤

—不適切な適応を含めて—


孟 真


日本血管外科学会雑誌 2021; 30: 57–61




【抄録】 慢性静脈不全症の一部である一次性下肢静脈瘤,静脈血栓症後症候群の血管内治療の適応は,先ず臨床所見と超音波検査による正確な診断に始まる.一次性下肢静脈瘤と診断された場合でも,全員が圧迫療法,血管内焼灼術の適応となるわけではない.侵襲の低い血管内治療の過剰適応には十分に注意を払うべきである.血栓後症候群の治療の中心は圧迫療法であり,ごく一部の重症患者が血管内治療の適応となる。


・↑の論文のなかに「廃用性浮腫」という言葉が出てきたのですが、「あれ、こんな言葉あったけ?」とおもってちょっと検索したら↓のような論文がありました。(医中誌では12件のみヒット)



廃用性質浮腫について
武田 亮二
洛和会病院医学雑誌 Vol.32:5−10, 2021




【要旨】 下肢浮腫は日常診療でよく遭遇する症候であり、浮腫の原因は、心不全や腎不全など全身性疾患と、慢性静脈不全など局所的疾患に分けられる。近年、全身性疾患や器質的原因を伴わない高齢者の下肢浮腫をよく経験し、脈管専門家は「廃用性浮腫」と呼ぶようになった。下肢の筋ポンプ機能低下によって生じる下肢の『フレイル』とも考えられる浮腫で、内科的、器質的疾患を除外することで診断される。治療は圧迫療法を主とした複合的療法である。廃用性浮腫に悩む高齢者は増加傾向にあり、適切な診断治療が重要である。


・今後は明らかな疾患が見つからない患者さんには「廃用性浮腫」というんですよと、ちょっとエラソーに言ってみましょうか?

・しかし、英語ではどう言うんでしょうねdisuse edemaではなさそうです。ご存知の方がおられたら教えてください。



・余談ですが、↑の論文の中に「腸骨静脈圧迫症候群」というのが出てきました、そういえば以前何かで読んだような...『医学書院医学大辞典第2版』によると、これまたあっさりした説明で↓


腸骨静脈圧迫症候群
チョウコツジョウミャクアッパクショウコウグン
[英]iliac compression syndrome

右総腸骨動脈が左総腸骨静脈を圧迫して起こる左下肢静脈還流障害。


『南山堂医学大辞典第20版』の説明は結構長いので↓をご覧ください。


コトバンク




・これに関する症例報告↓(呼吸器の患者さんを多くみている私もきちんと認識しておかないと)とってもふるいですけど。


腸骨静脈圧迫症候群に伴う肺塞栓症の2例


源馬 均, 佐藤 篤彦, 早川 啓史, 本田 和徳, 阪口 周吉, 本多 淳郎, 平沢 亥佐吉


日本胸部疾患学会雑誌25 巻 (1987) 6 号




【抄録】

腸骨静脈圧迫症候群が要因と考えられる女性の肺塞栓症2例を報告する. 症例1は43歳の健常人に何ら誘因なく突然呼吸困難と胸痛で発症. 肺血流シンチで本症と診断, ヘパリンとウロキナーゼの投与で改善を得た. 静脈血栓症を示唆する所見はなかったが血管造影では右総腸骨動脈の圧迫による左総腸骨静脈起始部の狭細化と静脈末梢の血栓性変化・側副血行路の発達が認められ, 腸骨静脈圧迫症候群と診断された. 左総腸骨静脈離断術所見でも上記変化が確認された. 症例2は20歳で14ヵ月前に左下肢の疼痛・発赤・腫脹があり, 右下肢への同症状の出現とともに肺塞栓を発症したが近医で胸部X線上肺野多発影を肺炎として加療された. 5ヵ月後に本症を再発して転院, 肺動脈造影で本症と確認された. 本例も静脈造影で腸骨静脈圧迫症候群と診断された. 以上より特に発症要因の認められない肺塞栓症においても本症候群を念頭に置き腸骨大腿静脈系の造影が必要と考えられた.

・肺塞栓をみた場合下腿だけでもう少し上方の静脈の血栓も考えないといけませんね。

以下日記

・本日9/20(月)は、7時起床。まず朝勉30分くらいしてから、いつものroutine(ルーチンはいつものことだから、後で後悔のような表現)で、猫の餌やり、燃えるゴミを捨てにいって朝食。そして、お昼まで勉強と某研究会の発表の準備。8割くらいは完成。で午後から9割に持って行こうとおもっていたのですが...病院から12時半位に電話あり、出て行かざるを得ない状況みたいだったので昼食後病院へ。13時半くらいから16時前まで病院におりました。まあ、患者さんは落ち着いてくれてよかったです。で、帰りにThe Bigに寄って猫の餌、キンチョール、アイスクリーム、炭酸水を買って帰宅。しかーし、家を出るときに配偶者から冷凍枝豆買ってきてと入れていたのを忘れました。そもそもビッグに寄ったのは、枝豆を買うつもでよったのに、他の物を買ってしまった。ちなみに枝豆は燻製にするため。配偶者が私の誕生日祝い(10/17なので結構早い)に燻製する器具を買ってくれました。で、今自分(この場合配偶者)がそれを使って楽しんでます。

・家へ帰ってからちょっとお勉強してこのブログを書いております。これから夕食です。今日もビールを飲むで早く寝るでしょう。

・それにしても世の中3連休といわれておりましたが、私は3日とも病院で仕事をいたしました。まあ、みんな半日くらいですけどね・・・と書いてみて気がついた、9月入ってずーと病院に行っとりますわ。なんで、蓄積疲労で枝豆買うの忘れたのよ。秋分の日は病院行かずにゆっくりしたいな。

 





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