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ハンプトンのこぶ徴候/11人いた

標題の言葉を『医学書院医学大辞典第2版』では↓のように説明しております。


ハンプトンのこぶ徴候
[英]Hampton hump sign

肺梗塞にみられる陰影で,肺野末梢で肺門側に凸の楔状陰影を形成するもの。単純X線像では必ずしも明瞭ではない。(Aubrey Otis Hampton,1900-1955,放射線科,米)


『ステッドマン医学大辞典改定第6版』では↓


通常、肋骨横隔膜角においてみられる、肺門に向かって凸状の、胸膜を底辺とした肺の軟部組織陰影。肺塞栓により肺梗塞にみられる。


『南山堂医学大辞典第20版』では、「ハンプトンこぶ状陰影」という見出し語だけで、「⇒肺梗塞」となっており、その中で「肋骨横隔膜角に生じる肺門を凸とした楔型陰影」と説明されております。


・わたしゃ、「瘤状」と「楔型」というのは、形がちがうと思うのですが、初心者は混乱してしまいますね。おまけに「肋骨横隔膜角においてみられる」と書かれた、そこだけに生じるのかと、これまた誤解してしまいます。正確な記述をするなら「肋骨横隔膜角に好発する」でしょう。


・前振りがながくなりましたがNEJMのIMAGES IN CLINICAL MADICINEに↓のようなレポートがありました。


Hampton’s Hump


 Inês de Almeida Mendes, Vasco O. Neves


N Engl J Med 2021; 385:1796 November 4, 2021




↑のレポートの画像は、単純X線像ではとうてい楔型とは言えませんね。


最期にRadiopaediaのリンクをはっておきます↓




↑の説明だと、通常肺梗塞は楔型の陰影になるけど、ハンプトン・ハンプは側副血行路のため頂点がまるくなると書かれております。だからhumpであってwedgeではないのですね。なので上で紹介しました医学辞典の「楔型」陰影という説明はまちがいではないでしょうか。Hamptonがどういうつもりでこのサインを述べたのかオリジナルの文献がわたしは見られないので、細かいことはわかりませんが...



以下日記

・本日11/5(金)は、6時起床。朝勉して出勤。午前外来、午後回診、産業医面談、カンファレンスをして16時から17時まで研修医向けの講義:DNARとACP。本来研修医向けにこのような講義を行ってきましたが、研修医だけじゃもったいなので広く職員に呼びかけていました。ただ、コロナになったので、大々的に呼びかけなくしておりました。で、細々と家庭教師のように研修医にマンツーマンで講義しておりました。コロナが現在落ち着いているので、久々に職員さんに呼びかけたら11人も集まってくれました。最初に「ICする」という言葉遣いはまちがいであるという話をし、Take home messageとして「DNARは何も治療をしないということではない」ということと「ACPは行う/行わない医療処置のチェックリストにチェックを入れていく作業ではない」というものです。

・講義後ちょっと病棟よって17時半頃帰宅。猫たちに餌やってお風呂に入って夕食。録画の「サラメシ」を観ておりました。その後ちょっと勉強してこのブログを書いております。講義で疲れたので本日は(も?)早く寝ることにします。

・標題の後半で、萩尾望都を思い出した人は、私の意図が通じた人です。我が家の猫は2+10で「12匹の猫」ですね。これで、馬場のぼるさんの11匹の猫を思い出した人は、私の意図が通じた人です。

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