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柑橘農夫の過敏性肺炎/土曜の宿直のよいところ

咳や呼吸困難、発熱を呈した人を診たら、過敏性肺炎(HP)を鑑別診断に入れないといけないし、HPをみたら職業性を考えて、しっかり職歴をきかないといけません。柑橘類を栽培している農夫におこったHPのレポートがありました↓


Occupational Hypersensitivity Pneumonitis in a Japanese Citrus Farmer

Naokata Kutsuzawa, et al.

Internal Medicine 60: 3581-3584, 2021

https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/60/22/60_7588-21/_pdf/-char/ja


Hypersensitivity pneumonitis (HP) sometimes develops in people working in specific environments. We herein report a case of occupation-related HP in a citrus farmer in Japan. A 66-year-old man developed a fever, dyspnea, and general malaise in March after working near a trash dump filled with moldy tangerines. He presented with leukocytosis, bilateral lung opacities on chest radiographs, and intra-alveolar and interstitial lymphocytic inflammation with fibrotic change on a lung biopsy. His symptoms disappeared after admission and recurred on a revisit to the workplace. Fungal culture and a mycobiome analysis using next-generation sequencing suggested an association with exposure to Penicillium digitatum.


・HPの原因は、柑橘類そのものでは無く、それに関連して生えてくるカビと言うことですので誤解無きように。



・似たような報告↓(ひょっとしたら、呼吸器学会員以外みられないかも)


みかん農家に発症した職業性過敏性肺炎の 3 例




要旨:これまで数多くの職業に関連した過敏性肺炎が報告されているが,今回みかん農家に発症した過敏性肺炎を 3 例経験した.12 月下旬から 1 月上旬の選果作業時期に咳嗽,呼吸困難,発熱等で発症し,画像所見では両側のすりガラス陰影と小葉中心性の粒状影を呈し,気管支鏡検査では BALF 中リンパ球分画の上昇と,TBLB で過敏性肺炎に合致する組織所見が確認された.3 例とも環境隔離のみで軽快し,職場環境による誘発試験では 2 例で陽性であり,全例翌年以降の同時期に再燃が認められた.環境調査では,いずれの職場からもみかんに付着する Aspergillus 属,Penicillium 属が培養され,患者血清を用いての沈降抗体検査では 2 例が Aspergillus 属に対し,1 例が Penicillium 属に対して陽性であった.みかん農家では,選果作業を行う時期に環境真菌が原因の過敏性肺炎を発症する可能性があり,注意が必要と思われたため報告する.


・citrus farmerを柑橘農夫と訳しましたが、みかん農家で良いんでしょうかね?本文中tangerineという言葉がでてきましたが、これもみかんと訳して良いんでしょうかね?



以下日記

本日11/15(月)は、5時半起床。年末調整の書類を整えてから朝勉。朝食後いつものゴミ出しとネコの餌やりやって午前中はZOOMで因果推論の勉強会。午後から出勤して回診、夜間診療でした。土曜日宿直した「おかげ」で、入院患者さんの状態がだいたいわかっていて、本日は気が楽でした。帰宅は20時前。すぐ夕食とって勉強してから入浴。その後このブログを書いております。かなり眠くなってきたので、もう寝ます。



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