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カフェインで心室細動/演劇:マクベスと牡丹灯籠

私はコーヒー好きで、以前は1日5,6杯飲んでいましたが、最近はせいぜい3,4杯となりました。コーヒーの中にはカフェインが含まれていますが、コーヒー100ml中60mgくらいみたいです。厚生労働省のwebsite↓


食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~




・で、最近エナジードリンクというものがはやっているようですが、ナンジャそれ?↓




明確な定義は無いとのことですが、まあカフェインが1杯含まれていることが多いのでしょう。で、カフェインの害について↓



もしかしてカフェイン摂りすぎ?中毒にならないための正しい知識




↑のサイトの中に、カフェイン中毒の症状という項があって、その中に不整脈とあります。で、そのレポート↓



カフェイン中毒による若年女性のVF stormの1例


吉田 聡哉, 他


心臓52 巻 (2020) 9 号



【抄録】症例は23歳の女性.気分不快後に意識消失し,痙攣を認めた.救急隊接触時に心室細動(VF)を認め,電気的除細動に難治性で,来院後もVFを繰り返した.また著明なアシデミアに加え,低カリウム血症を含む電解質異常を認めた.冠動脈造影検査では冠動脈に有意狭窄は認めなかった.経皮的心肺補助法(PCPS)導入後は洞調律を維持できるようになり血行動態も安定した.その後カフェイン製剤を購入していたことが判明し,来院時の検体ではカフェイン血中濃度186.6mg/L(カフェイン摂取量8g相当)であり,カフェイン中毒の診断に至った.入院2日目に心室頻拍が出現したが,ランジオロール投与と血液透析を行い,以降は致死性不整脈が出現することなく経過した.一方で低酸素脳症のため,入院12日目に気管切開を行い,41日目に転院となった.VFの原因は多岐にわたるが,本例はカフェイン中毒によりVF stormに至っており教訓的であり今回報告した.
本文の最後に書かれていますが、
?また代謝性アシドーシスにそぐわない低カリウム血症や横紋筋融解症なども診断の一助になり,これらを認めた際は本症の可能性を考慮し血液透析を含めた治療を検討すべきである.
と言うことなので、覚えておきたいですね。
関連して、↓の様なレポートもありました。
眠気予防薬の多量服用によるカフェイン中毒の2例

北村淳、他。

日臨救医誌(JJSEM)2014;17:711-5

?要旨】 致死量の眠気予防薬を服用した急性カフェイン中毒の 2 例を経験した。症例1:20代の男性。市販の眠気予防薬を大量内服(無水カフェイン計 8g)した。入院後,鎮静薬投与下においてもカフェインの作用による興奮が強く,入院 2 日目まで痙攣を認めた。第 20 病日に退院となった。症例2:30 代の男性。市販の眠気予防薬を大量内服(無水カフェイン計14g)した。入院後ただちに,血液吸着および血液透析を施行した。人工呼吸管理中に興奮や痙攣などを認めず,第 11 病日に退院となった。両症例のカフェインおよびカフェイン代謝産物の血中濃度を経時的に測定したところ,血液吸着および血液透析後に明らかな減少を認めた。臨床所見も考慮すると,血液浄化法の早期導入がカフェイン中毒に奏功したと考えられた。致死量を内服した急性カフェイン中毒には,血液吸着に血液透析を併用した迅速な血液浄化法も有効な治療手段の一つであると考えられた。
・自殺目的でカフェイン製剤飲むんですねぇ...ここでも、血液浄化法のことがかかれていますね。今日の治療指針2021年版 >> 第2章 中毒性疾患 >> 中毒性疾患 最近の動向にも↓のように書かれていますね。
B)致死性カフェイン中毒に対する経皮的心肺補助法および血液透析法
 近年,カフェインを主成分とした眠気・怠さ防止薬の過量服用による急性中毒の報告が頻発している.重症例では心室頻拍などの致死性不整脈やけいれん重積などが生じるが,難治性の致死性不整脈に対しては経皮的心肺補助法下での血液透析法または血灌流法が奏効して救命された報告が散見される.
・日本でも、何らかの規制が必要ですよね。
以下日記
・本日12/7(火)は、5時36分起床。朝勉して早めに出勤し、病棟よって午前外来。午後回診ちょっとして、15時過ぎ病因出て15時40分帰宅。16時から17時過ぎまでZOOMでcritical apprasal. cross-classified, random-effects, two-level HAPC model (CCREM)という手法で国民生活基礎調査のデータを使って、社会経済的背景・年齢・世代・時代が主観的健康にどう影響するかを解析した論文ですが、「何言ってんだか?」とサッパリ分かりませんでした。大分昔にマルチレベル解析は勉強しましたが、また、勉強しなおさないと...
・ところで、11月はかなり忙しかったのと、今もそれなりに忙しく、疲労がたまっております。このブログのアップも滞りがち。本日は最近のちょっと変わった出来事のみご紹介。
・配偶者の友人に泣きつかれて演劇を観に行きました。人が集まらなくて困っていると→しゃーないな、これも付き合い&縁なのでということで10/26に劇団東演の「マクベス」を観に行きました。行ったら、劇を見るだけのはずか会員にならされてしまいました。こりゃー、「演劇詐欺」やと思いながら、まあ、しゃあないか、でした。マクベスは原作(と言っても日本語訳)は読んでいましたが、ほぼ忘れておりました。演劇見ていて、そういや黒澤明の映画でもこれが「引用」されていたなと思い出しました。(蜘蛛巣城)劇は、演出っておもしろいものだなという感想とかなり肩に力が入ってみておりました。後日わたしの女性の患者さんが感想で、怖くて途中で出たかったと言っておりました。それだけ迫力があったんですね。で、12/5は、文学座の「牡丹灯籠」。あらすじは知っていたつもりですが、知っていたのは前半(浪人の若者が殺される)だけと認識しました。その後があったんですね。ちょっとだけ知識が増えた感じです。
・ということで、本日は、いや、本日も疲れましたので21時には布団に入ります。




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