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いろいろ久々

・本日THE LANCETのcase reportの記事に関して書こうと思っておりましたが、完全の酔っ払ってしまい、間違ったことを書いてもいけないので日記のみ。

・昨日17時30分から宿直でした。結構いろいろあって忙しかったのですが、幸い0時過ぎてからのコールがなくて一応眠れました。「一応」と書いたのは、夜間頻尿で何回も起きたからです。で、6時14分起床です。シャワー浴びて、朝食摂って、1月中に仕上げないといけない書類書いて病棟へ寄って、9時前に宿直交替。帰宅は9時18分と早かったです。その後因果推論の勉強というか練習問題を解いて12時前に家をでて資源ゴミをだして、JRで岡山(市)へ。イコットニコットの中のラーメン屋で昼食摂ってシンフォニーホールの丸善寄っ14時から16時15分くらいまでルネスホールというところで行われる『ベストセレクション~伊丹典子&荘村清志~』というコンサートへ。久々に生の演奏聴きました。やっぱりCDで聴くより音が「まろやか」。残念ながら曲の合間でトークがあまり聴けなかったこと。そもそおコンサートの許可が下りたのが数日前、あまりしゃべらずに行うことと言われたみたいです。でも、久々に生の音楽が聴けて良かったです。いつも思うことですが、自分が楽器を演奏できたらなぁ。

・その後歩いて岡山駅まで。途中ロフト、紀伊國屋、イオン岡山の東急ハンズ、岡山駅の丸善と寄り道しながら帰りました。久々に岡山へ行って驚いたことは、岡山駅に続く地下街のペスカがシャッター街になっていたこと、また、岡山駅前商店街もシャッター街ぽくなりつつあること、クレド岡山の紀伊國屋も何か規模が縮小して来ていること、天満屋近くのロフトが入っているビルが「無くなる」こと。ホント、久々に岡山市へ行ってビックリしました。なんか、大きなビルに店舗を入れることはビジネスモデルとして今後無理があるのかなと、何の理論的根拠もなく思いました。

・帰りは17時18分発の電車に乗りましたがすいておりました。そういえば、今日は日曜日でした。18時過ぎに帰宅しネコたちに餌をやりに行って入浴、夕食。ベルギービールを2本飲んでへべれけ(死語?)です。21時になったら寝ます。

・それにしても、今日はいろいろ久々でした。JRに乗ったこと、電車で本を読んだこと、岡山市でラーメン食べたコチ、コンサートに行ったこと、そこでCD買ったこと、本屋さんや東急ハンズへ寄ったこと等々。コロナで生活がかなり制限されていたことを改めて感じました。

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旧 Churg‒Strauss 症候群(CSS)/何か、糸がきれたみたい

私が医者になった頃は、ChurgStrauss 症候群CSS)という疾患があり、気管支喘息の患者を診るときは、この疾患も考えないといけないと思っておりました。最近は名前が変わって好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と言うようになりました。熱心な読者なら覚えていおられるでしょうが、私は疾患名に人の名前や地名を付けるべきではないと考えておりまして、名前が変わったことは良いことだと思いますが、長年染みついて使っていた病名はなかなか忘れられず、新しい病名がなかなか浮かんできません。それはさておきNEJMのIMAGES IN CLINICAL PRACTICEに↓のようレポートがありました。


Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis


Geng-Yi Yong, Amelia L.-S. Lim


N Engl J Med 2022; 386:374 January 27, 2022




・ちなみにこの疾患のリスク因子としてシリカ等の粉じんが挙げられています。(参考↓)なので、この疾患のレポートをするときは職業・環境に関する項目を入れて欲しいと思います。


cf. 『ANCA関連血管炎の診療ガイドライン』p. 10をご覧ください





以下日記

・本日1/28(金)は、6時24分起床。朝勉せず出勤し、まず病棟へ寄って重症の患者さん診てから外来。外来自体は落ち着いていましたが、病棟の患者さんが悪化、13時半過ぎにお看取り。14時から1時間位コロナワクチンの接種。その後病棟回診。たまっている書類を処理したかったのですが、患者さんが亡くなって何か糸が切れたみたいで、脱力感有り 18時前に病院出ました。18時19分帰宅、18時30分からZOOMで20分くらいMRさん達と面談。その後英語雑誌に投稿していた論文の手直し(匿名化していたものを元に戻す作業)してe-mailで送付。ネコたちに餌をやりに行き、入浴、夕食。アルコールもいただきました。で、このブログを書いております。本当になにか糸が切れたみたいなので、これから歯磨きして寝ます。



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動脈性胸郭出口症候群の治療/査読されて帰ってきた論文を修正し再提出

振動障害や職業性頸肩腕障害を診る場合、胸郭出口症候群(TOS)の鑑別もしくは合併は常に考えないといけません。で、↓のような論文があったので読んでみました。


動脈性胸郭出口症候群に対して経路変更による血行再建を行った1例


和田 健史, 浦下 周一, 上木原 健太, 坂口 健, 平山 亮, 鈴木 龍介


 日本血管外科学会雑誌30 巻 (2021) 5 号




抄録

 

症例は39歳男性,左上肢の脱力感および痺れを主訴に受診.CT検査にて異常な左第1肋骨が左第2肋骨に付着し,鎖骨と第1肋骨の間で左鎖骨下動脈が挟まれて瘤化しており,動脈性胸郭出口症候群の診断に至った.また左上腕動脈も血栓閉塞しており,血栓除去術を行ったのち,左鎖骨下動脈の人工血管置換術を施行した.異常な第1肋骨と左鎖骨下動脈瘤周囲は強固に癒着しており,切除は困難であったため狭窄部位を避けて人工血管を通して経路変更による血行再建を行った.胸郭出口症候群における異常な肋骨の切除は時に神経損傷や胸膜損傷等の合併症を来すことがあり,本術式は安全かつ有効な治療の選択肢となり得るため報告する.

・本文中の胸郭出口症候群の説明↓

胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome; TOS)とは第 1肋骨,鎖骨,前斜角筋と中斜角筋で構成される胸郭出口を通る神経および血管の圧迫や伸長により症状を生じる疾患群である.TOS は神経性(neurogenic TOS; nTOS),静脈性(venous TOS; vTOS),動脈性(arterial TOS; aTOS)に分類され,nTOS が 95% 以上を占め,vTOS が 3%, aTOSは 1% 以下と報告されており,aTOS は比較的稀な病態である。

さらに↓ということなので、「症状がないから経過見ましょう」はだめなのようです。

aTOS は鎖骨下動脈の狭窄による上肢の虚血を来し,疼痛や痺れ等の症状を呈する.また稀ではあるが血栓塞栓や椎骨動脈解離による脳梗塞などの重大な合併症も報告されており,無症候性であっても積極的な手術の適応を十分に検討する必要がある.

 

以下日記

・おとつい1/25(火)は、6時過ぎに起床。朝勉して出勤。午前外来。午後は本来仕事はないのですが、受け持ち患者さんが多くなったのと、そのうちのお二人が重症化したので午後も病院で仕事して、大学院のcritical appraisalには参加できず。17時半過ぎに帰宅し、食事、入浴以外はひたすら査読から帰ってきた論文の手直しをしておりました。

・昨日1/26(水)は、6時半起床。朝勉せず出勤。午前外来、午後は回診、発熱外来、遅れて病棟カンファレンス、夜間診療、その後も病棟の患者さん診て帰宅は19時14分。ネコたちに餌をやった後は、ひたすら論文作成。完成して20時44分に送付しました。やったーっという開放感。お風呂入って夕食時アルコールをいただき22時45分に寝にいきました。

・本日1/27(木)は、6時30分起床。朝勉せず出勤し午前外来。午後一瞬診療科の会議に出て倉敷市役所へ:公害健康被害認定審査会。その後16時前に病院に戻り、回診。19時10分前帰宅です。ネコたちに餌やりにいてから入浴、夕食。今日もアルコールをいただきました。今後2週間はあまり根を詰めて勉強はしないつもりです。このブログ書き終わったら寝にいきます。

 


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遺伝と行動/なかなか仕事がきついです

過去何回か生活習慣病という言葉というか概念というか、現場での「理解」というか用い方に問題があるというようなことを書いたと思います。そもそも「生活習慣病」という言葉は、誰がどういうつもりで提起したのか知っている医療従事者は少ないと思います。過去何度も(?)ご紹介しましたが、↓です。


生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)


公衆衛生審議会(平成8年12月18日)




↑の中に載っている図が↓



生活習慣病.png


わかりやすいと言えば、わかりやすいのですが、「外部要因」「遺伝要因」「生活習慣要因」と独立に描かれていますが、それぞれ色んな矢印が書けるはずです。ひとつには「遺伝要因」から「生活習慣要因」、つまり遺伝子が行動を決めるということ。↓のような文献がありました。


遺伝と行動


行動医学研究26 巻 (2021) 1 号


西垣 昌和




【要約】ヒトゲノムプロジェクトの完了や、次世代シーケンサーの登場に代表される、ゲノム科学の発展は、遺伝要因と形質・表現型との関連の探求に大きなパラダイムシフトをもたらした。従来は、双子研究に代表されるような、理論上の遺伝的一致率と、形質の類似性を観察することによって、遺伝要因の影響の強さを推定する手法が盛んにおこなわれてきた。そこから、様々な遺伝子とその機能が明らかになるにつれて、ある遺伝子の遺伝子型を特定し、表現型との関連を直接検討するような候補遺伝子アプローチが始まった。そして現在では、遺伝子を限定せずに、網羅的に解析されたゲノム情報にもとづいて、表現型との関連を探求する手法が全盛である。そのような網羅的な手法の登場は、従来はメンデル遺伝病の一つの原因遺伝子を探ることを中心に展開されてきた研究領域を拡大し、多因子疾患や行動のような様々な因子の関与が考えられる複雑な形質まで対象とするようになった。これらのパラダイムシフトによって、今後様々な形質と遺伝要因との関連が明らかになってくることが想定される。それらの研究の成果をいかに社会に還元していくかが、ポストゲノム時代のゲノム科学研究において重要なテーマである。


・今日の議論とは別ですが、↑の論文の最後に倫理的な問題が書かれています↓どんな社会になっていくのか怖い気がします。


遺伝と行動の関係が明らかになったとして、それがどのように社会に還元されるのだろうか。医療や、健康に関する行動であれば、PGS によってリスクを層別化して、医学的・保健的介入の強度や内容を変えるといった臨床応用が浮かぶ。では、
その他の行動はどうであろうか。例えば、冒頭で述べたモノアミンオキシダーゼ A 遺伝子 MAOAは、攻撃的な行動や反社会的な行動との関連を示した報告が数多くなされており、“criminal gene”とさえ呼ばれている。その他にも、同様の行動と関連が報告されている遺伝子は複数ある。もし、それらの遺伝子情報を用いた PGS を算出することが可能になったとして、高いスコアが得られた場合には、その個人に対しどのような対応を取るのだろうか?たとえ実際に攻撃的あるいは反社会的な行動をとっていなくても、それらの行動をとる「ハイリスク」という烙印を押し、個人の意思に反して監視下に置くことは許されない。ゲノム情報をもとにした差別などあってはならないことは言うまでもない。だからといって、その情報を放置しておくことは社会に対しての善行といえるだろうか。そこには倫理的なジレンマが生じる。


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・本日1/24(月)は6時19分起床。朝勉、朝食、ゴミ出しして午前中はZOOMで因果推論の勉強会でした。午後から出勤。そうそう入院患者さんの状態悪化。なんとか対応して夜間診療。それが終わって帰れるかなと思ったら別の患者さんの病状悪化。帰宅は21時過ぎとなりました。で、お風呂入って夕食。その後コーヒーをいれてテーブルに運んでいたら、ふらついてこぼしてしまいました。下肢に麻痺が来ているのかちょっとびびりましたが、そうではないみたいです。今日の昼食もなかなか思い出せなかったし、何か体に変調が来ているのかしら。その後ちょっとだけ勉強してこのブログを書いております。そろそろ寝ます。明日夕方大学院のcritical appraisalですが、この調子(仕事が多い)なら参加は難しそう。

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SSP: 建設アスベスト給付金法2020年1月19日施行/ホンマにstay home

厚生労働省が↓のような発表をしておりました。(1/14付けです)


建設アスベスト給付金法が1月19日に施行されます




↑が施行された経緯は↓


建設アスベスト訴訟に係るこれまでの経緯




この制度の概要を説明したパンフレット↓


建設アスベスト給付金制度の概要





Q & A




*労災保険の補償を受けているからと言って、この給付金が受けられないというわけではないみたいです。

細かいことは、上記サイトにアクセスしたり、↓の窓口に問い合わせしてみてくださいね。


労災保険相談ダイヤル
0570-006031



・公害でも薬害でもそうですが、私は裁判のみですべてが解決するとは思っていませんが、やっぱり裁判も大切ですね。


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・本日1/23(日)は、6時30分起床。1日家の中にいて、因果推論の勉強とe-mailの整理をしておりました。外に出たのはネコたちに餌をやりに行ったときのみ。金曜日に接種した新型コロナウイルスワクチンのためと思われますが昨夕はからだがしんどかったですが、今日は大分楽になっていました。しかし、まだちょっとおかしい。これから、もうちょい因果推論の勉強をして21時には寝たいと思います。

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FYI: 患者さん向け 小児ぜん息治療ガイドライン/ズカは違うな

私は内科医で、特に呼吸器の患者さんを診ています。で、呼吸器の中でも気管支喘息、COPD、じん肺といった方を多く見ております。気管支喘息の患者さんの治療が上手くいったとき、その患者さんのお子さんも気管支喘息だったりして、小児科でない私の所へお子さんを連れてこられることがあります。本当は、小児科医にかかって欲しいのですが、むげに断れず診察させてもらっています。基本的には、ガイドラインを勉強して診療するわけですが、患者さん(親御さん)むけガイドライン、パンフレットがありますのでご紹介しておきます。


患者さん向け 小児ぜん息治療ガイドライン(日本小児アレルギー学会)






おしえて 先生!子どものぜん息ハンドブック(環境再生保全機構)





本日の医療関係記事は以上です。


以下日記

・本日1/22(土)は、6時25分起床。午前中は因果推論の教科書読むのとe-mailの整理等事務的な作業をしておりました。14時前から配偶者と玉島文化センターへ行って、井上ひさし原作の『雪やこんこん』という演劇を観てきました。主演は熊谷真実さん、NHK朝ドラの「マー姉ちゃん」に出演。私時々職場で驚いたとき「マー」と言った後に「姉ちゃん」とつぶやくことがあるのですが、周囲の職員さんは誰もこのギャグを拾ってくれなくてさみしく思っています。それはさておき助演というのか副主人公というのでしょうか、演劇の言葉知らないのでなんとも言えないのですが、元宝塚の真飛聖と言う人が、私には素敵に見えました。花があるというんでしょうかね。劇自体は、台詞の言い回しも面白く、これが井上ひさしの作風かなと思いました。(知らんけど)ただ、私の耳が悪いのか台詞の細部が聞き取れず面白いところが笑えないということもありましたが。劇中、おばあさんが出てきて1年間コツコツと色んな仕事をしてお金を貯めて演劇を観に来たという台詞にはジーーーンと来ました。お客さんと色んな人がいて、色んな思いがあるのだなと、まあ、当たり前のことを再認識しましたし、これは患者さんにも当てはまることですね。

・その後玉島のスシローへ。なんかこの頃から体がだるくて、熱が出そうな雰囲気がありました。18時40分帰宅。ネコたちに餌をやり、一服。このブログを書いております。今日は風呂には入らず(ちゃんと、パンツは着替えましたよ)21時には寝ようと思います。熱が出ませんように。





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顎関節に発症したピロリン酸カルシウム結晶沈着症/かなりタイトでした

昨年12月に偽痛風と思われる患者さん2名を診ました。痛風とは関節に尿酸の結晶が沈着してメッチャいたい病気。トイレに這っていないといけない場合もあります。偽痛風とは、痛風に似ていますが、『今日の整形外科治療指針 第7版』によると↓


偽痛風は,ピロリン酸カルシウムが原因となって生じる結晶誘発性関節炎で,病名は痛風に類似した関節炎に由来する.関節軟骨にピロリン酸カルシウムが沈着した「ピロリン酸カルシウム沈着症」に生じる急性関節炎が偽痛風である.

・標題にあるピロリン酸カルシウム沈着症は、偽痛風よりも広い概念で↓


KOMPAS

ピロリン酸カルシウム結晶沈着症(calcium pyrophosphate dehydrate deposition(CPPD)症)、偽痛風(pseudogout)




・↑にあるように色んなタイプがあるみたいですね。で、↓のような論文がありました




顎関節に発症したピロリン酸カルシウム結晶沈着症


松尾 美央子


耳鼻と臨床66 巻 (2020) 6 号




↑の本文中に、いろんなタイプというか症状が書かれています。ホンマ、この病気、診断が難しそうですね。私、何人も見逃しているような...


以下日記

・本日1/21(金)は6時半起床。一瞬朝勉して出勤。病棟寄ってから午前外来でした。最後の方に救急の患者さんが来られて診断から転院の段取りまで、かなり時間をとられました。その後入院患者さんのご家族に病状説明。そこですでに2時。自分のコロナワクチン接種してもらい、昼食を食べて通所リハビリカンファレンス。その後またご家族へ病状説明。そして病棟よって回診し、夕方電話で患者さんのご家族へ病状説明。で、最後に月曜日に転院になる患者さんの診療情報提供書作成。そしてダッシュで帰宅し、18時からはじまる岡山大学新医療研究開発センター臨床研究部看護・介護研究推進室主催の抄読会へ18時10分から19時10分参加。(看護師さんのACP関連)それからネコたちに餌やりに行って入浴、夕食。そしてちょっと勉強してこのブログを書いております。これから寝ます。明日はゆっくりめに起きて論文書きたいと思っております。

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肺動脈瘤解離(と訳すのかな?)/久々に夜中に病院へ

今週のNEJMに肺動脈瘤が解離した患者さんのレポートがありました↓


Pulmonary-Artery Aneurysm with Acute Dissection


Asvin M. Ganapathi, Curt J. Daniels, M.D.


N Engl J Med 2022; 386:273 January 20, 2022




・私は肺動脈瘤というのは、論文でしか見たことないし、そもそも希な病気ですが、それが解離するというのは、これまた希な病気ですね。日本語の論文↓


巨大肺動脈瘤の1例


吉本 彩花, 山崎 宙, 伊藤 彰


心臓50 巻 (2018) 5 号




抄録

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 症例は60代男性.1年ほど前から息切れ,数カ月前から左胸部の違和感を自覚し,当科を受診した.胸部X線写真で大動脈弓部の拡大を疑い,胸部CT検査を施行したところ,長径85mm,短径70mmの巨大肺動脈瘤が認められた.心臓カテーテル検査では,平均肺動脈圧が17mmHgと肺高血圧はなく,左右冠動脈に有意狭窄や冠動脈肺動脈瘻はみられなかった.心臓超音波検査では先天性心疾患も認められなかった.肺動脈瘤の原因として,シャント性先天性心疾患や肺高血圧,梅毒等が報告されているが,本症例ではいずれも認められなかったことから,特発性肺動脈瘤と診断した.特発性肺動脈瘤の予後は,悪くないとする報告がある一方,破裂や解離,突然死をきたした症例も報告されている.本症例では瘤径が巨大であったため,破裂や解離のリスクが高いと判断し,人工血管置換術を施行した.

↑の本文中に「肺動脈瘤は,約14000人に1 人(約0.007%)にしか認められない非常に稀な疾患である」とあります。で、その症状が↓

肺動脈瘤は,その多くが無症状であり,健康診断の胸部X 線検査や経胸壁心エコーで偶発的に指摘されることが多いとされている.肺動脈幹基部に発生した場合は,高度な肺動脈弁逆流を合併して心拍出量の低下をきたし,労作時呼吸困難や易疲労感を生じることがある.肺動脈瘤が気管支や神経等の周辺臓器を圧排すると胸痛や嗄声がみられ左冠動脈を圧迫した場合は,狭心症様症状や,慢性的な心筋虚血による心機能低下を生じることが報告されている

↑を読んで思ったのですが、私は今まで嗄声の原因の鑑別診断のひとつとして大動脈瘤を挙げていましたが、肺動脈瘤も挙げるようにします。

・ところで、肺動脈解離という言葉はありますが、肺動脈瘤解離という言葉はなさそうですね。NEJMの英語の題は、そのまま訳せば急性解離を伴う肺動脈瘤ですね。

・NEJMの患者さんは、肺移植で助かったんですね。高度先進医療ってすごいな。

以下日記

・昨日ブログを書いて22時頃には寝たのですが、23時に病院から電話あり、出かけて、対応して、午前1時に帰ってきて寝ました。

・本日1/20(木)は、6時30分起床。燃えるゴミ出して、水島へ。午前中産業医学科外来、午後手話通訳者さんの頸肩腕障害の2次健診。16時に玉島へ戻って仕事して、18時45分帰宅。19時から20時すぎアストラゼネカの「心腎連関セミナー 2022」を視聴。その後ネコたちに餌をやりに行ったのですが、狭心発作が出るのではないかという位寒かった。それから入浴し、夕食。目の前で揚げる牡蠣フライ(オンリー)。そして、このブログを書いております。今日夕方やけにしんどいなと思って働いていましたが、夜中病院行ったからですね。もうそろそろ寝ることにします。

・今日のブログの標題(後半)をみて『裸で狼の群れのなかに』を連想する人がいるだろうか?(ちょっとムリですかな)

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すりガラス陰影がCOVID-19とは限らない/アルコールは控える

日常診療では、診断する場合極力鑑別診断を考える必要があります。典型的な状況とか画像、検査所見でも、です。たとえば災害で非難のため車上生活をしている人が肺梗塞を起こした場合、車上生活による「エコノミークラス症候群」と考えてしまいますが、実は癌がベースにあるトルソー症候群かも知れません。咳や発熱のある患者さんに胸部CTを撮影してすりガラス陰影が散発していると今のご時世COVID-19だと考えてしまいますが、かならず鑑別診断をあげないといけません。ちなみにCOVID-19のCT画像は↓


新型コロナウイルス感染症肺炎の臨床




・で、本日ご紹介の論文が↓



Ground glass opacities are not always COVID-19: a case of acute eosinophilic pneumonitis caused by daptomycin


Rajalakshmi Valaiyapathi,  Meng-San Wu, Alastair McGregor


The Lancet  Volume 399, ISSUE 10321, P270, January 15, 2022




・↑のばあいダプトマイシンという薬剤による急性好酸球性肺炎と言うことですね。似たようなレポートが日本にもありました↓


ダプトマイシンによる急性好酸球性肺炎の1例


中嶋 いくえ, 関戸 祐子, 具嶋 泰弘, 前原 潤一


日本集中治療医学会雑誌 23 巻 (2016) 1 号




・ダプトマイシンという薬は私は知りませんでしたが、添付文書が↓


キュビシン




以下日記

・本日1/19(水)は6時起床。ちょっとだけ朝勉(因子分析)して、出勤。病棟よって午前外来。午後回診、なかなかそれが終わらず遅れて病棟のカンファレンス参加。ショートの夜間診療。帰宅は19時頃です。ネコたちに餌やって入浴、夕食。病状が悪化している患者さんのご家族に連絡。(病院に私がいるときはつながらなかったので)その患者さんのことで夜中呼び出しがあるかも知れないのでアルコールは控えて、早めに寝ることにします。夜中何もなければ明日早起きして、玉島経由水島へ行って仕事です。


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「ACP支援」という言葉への違和感/CA(「客室乗務員」ではない)参加できず、ツライ

ACP(Advance Care Planning)について何回かこのブログで書いた気がしますが、↓の論文読んでいて「ACP支援」という言葉が出てきて、何か変な感じがしました。「EBMに基づく医療」とにたような違和感です。



がん患者のACPにおける看護支援の構成要素とその影響要因
田代 真理, 藤田 佐和
日本がん看護学会誌35 巻 (2021)




抄録

 

本研究の目的は,がん患者のACPにおける看護支援の構成要素とその影響要因を明らかにすることである.ACPの概念分析と面接調査の結果をもとに,個人属性9項目,ACPの看護支援55項目,ACPの認識11項目からなる自記式質問紙を作成した.無作為抽出した全国の病院,訪問看護事業所147施設で,経験年数5年以上の看護師に質問紙を配布し,回収は対象者からの個別投函とした.2018年6月1日から9月30日に質問紙1,354部を配付し,798部の回答が得られ(回収率58.9%),780部を有効回答とした(有効回答率97.7%).データは因子分析と重回帰分析を行った.看護支援の構成要素として【対話に基づく確かな情報共有】【患者の今後の希望の探求】【終末期に備えた取り決め】【患者の意向の擁護】【患者の生き方の理解】【ケアへの患者の価値観の反映】【継続的な取り組み】が抽出された.また,ACPの看護支援の影響要因として,今後の治療や意向について患者に繰り返し確認するのは当然であるという認識やACP研修受講回数,訪問看護事業所,ACPの体制整備などが正の影響を及ぼし,外来やACPの知識不足・コミュニケーション能力不足などが負の影響を及ぼしていることが示された.本研究で抽出された7つの構成要素は,がん患者のACPへの看護実践における有用な指標になると考えられる.

・私のACPのイメージは、患者さんと医療者(支援者)が円卓について話し合うというイメージです。だから、そもそもACPには支援するという意味が含まれていると思うので、支援する活動を支援する・・・つまり同じ円卓につかず、ちょっと離れたところからアドバイスするみたいな感じに受け取れるんですよね。ただ、そういう活動も必要ですし、多分なされていると思います。

・ただ、そもそもsACPの定義っていっぱいあるんですよね。

厚生労働省(2018)

人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族・医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス。

日本医師会(2018)

将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセス。

日本老年医学会(2019)

ACPは将来の医療・ケアについて、本人を人として尊重した意思決定の実現を支援するプロセスである。
*ACPの実践のために、本人と家族等と医療・ケアチームは対話を通し、本人の価値観・意向・人生の目標などを共有し、理解した上で、意思決定のために協働することが求められる。ACPの実践によって、本人が人生の最終段階に至り意思決定が困難となった場合も、本人の意思をくみ取り、本人が望む医療・ケアを受けることができるようにする。

Sudoreら(2017)

ACPは、年齢や病期を問わず、成人患者が自身の価値観、生活の目標、今後の治療に対する意向を理解・共有することを支援するプロセスである。
ACPの目的は、重篤な病気や慢性疾患の中で、人々が自身の価値観、目標、意向に沿った治療を受けらえるように支援することである。多くの人々にとって、このプロセスには本人が自分で意思決定ができなくなった場合に意思決定をしてくれる信頼できる人(等)を選ぶことが含まれる。

EAPC(2017)

ACPとは、意思決定能力を有する個人が、自分の価値観を確認し、重篤な疾患の意味や転帰について十分に考え、今後の治療やケアについての目標や意向を明確にし、これらを家族や医療者と話し合うことができるようにすることである。ACPにおいては、個人の身体・心理・社会・スピリチュアルな面を通じた気がかりを話し合うことも重要になる。万が一自分で意思決定ができない時が来ても自身の意向が尊重されるためには、あらかじめ自分の代理人を決定し、意向を記載し、定期的に振り返ることが推奨される。

・何年か前にACPを勉強していて気がついたのですが、定義はいろいろあるけど、大きく分けて二つ:医療者を守護にするか、患者・本人を主語にするかです。↑の定義をよく読み比べてみていただければ分かると思います。

・私の違和感は、特に医療者を主語にした場合おかしいと言うことになります。患者さん・本人を主語にした場合は、まあ許せるかな...しかし、私はやっぱり違和感があります。

・皆様はどう思われますか?

以下日記

・本日1/18(火)は、6時起床。一瞬朝勉して出勤です。まず病棟へ。昨日入院された気になる患者さんは、それなりに落ち着いておられてホッと一安心。そして午前外来。午後ささっと病棟業務を済ませて16時からの大学院のZOOMでのcritical appraisal(CA)に参加しようと思いましたが、全然ダメ。やること多すぎて参加断念。でも帰宅は17時ちょっと過ぎ。ちょうど配偶者も帰ってきたところでセブンイレブンでコロッケとミンチカツ買ってきたから食べる?ということで、まずいただきました。それからネコたちに餌やりに行って、20時くらいまで勉強。それから入浴してこのブログを書いております。そろそろ腹が減ってきたので軽い夕食をいただきたいと思います。

 

 

 

 


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