いろいろ久々
旧 Churg‒Strauss 症候群(CSS)/何か、糸がきれたみたい
動脈性胸郭出口症候群の治療/査読されて帰ってきた論文を修正し再提出
和田 健史, 浦下 周一, 上木原 健太, 坂口 健, 平山 亮, 鈴木 龍介
日本血管外科学会雑誌30 巻 (2021) 5 号
症例は39歳男性,左上肢の脱力感および痺れを主訴に受診.CT検査にて異常な左第1肋骨が左第2肋骨に付着し,鎖骨と第1肋骨の間で左鎖骨下動脈が挟まれて瘤化しており,動脈性胸郭出口症候群の診断に至った.また左上腕動脈も血栓閉塞しており,血栓除去術を行ったのち,左鎖骨下動脈の人工血管置換術を施行した.異常な第1肋骨と左鎖骨下動脈瘤周囲は強固に癒着しており,切除は困難であったため狭窄部位を避けて人工血管を通して経路変更による血行再建を行った.胸郭出口症候群における異常な肋骨の切除は時に神経損傷や胸膜損傷等の合併症を来すことがあり,本術式は安全かつ有効な治療の選択肢となり得るため報告する.
・本文中の胸郭出口症候群の説明↓
胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome; TOS)とは第 1肋骨,鎖骨,前斜角筋と中斜角筋で構成される胸郭出口を通る神経および血管の圧迫や伸長により症状を生じる疾患群である.TOS は神経性(neurogenic TOS; nTOS),静脈性(venous TOS; vTOS),動脈性(arterial TOS; aTOS)に分類され,nTOS が 95% 以上を占め,vTOS が 3%, aTOSは 1% 以下と報告されており,aTOS は比較的稀な病態である。
さらに↓ということなので、「症状がないから経過見ましょう」はだめなのようです。
aTOS は鎖骨下動脈の狭窄による上肢の虚血を来し,疼痛や痺れ等の症状を呈する.また稀ではあるが血栓塞栓や椎骨動脈解離による脳梗塞などの重大な合併症も報告されており,無症候性であっても積極的な手術の適応を十分に検討する必要がある.
以下日記
・おとつい1/25(火)は、6時過ぎに起床。朝勉して出勤。午前外来。午後は本来仕事はないのですが、受け持ち患者さんが多くなったのと、そのうちのお二人が重症化したので午後も病院で仕事して、大学院のcritical appraisalには参加できず。17時半過ぎに帰宅し、食事、入浴以外はひたすら査読から帰ってきた論文の手直しをしておりました。
・昨日1/26(水)は、6時半起床。朝勉せず出勤。午前外来、午後は回診、発熱外来、遅れて病棟カンファレンス、夜間診療、その後も病棟の患者さん診て帰宅は19時14分。ネコたちに餌をやった後は、ひたすら論文作成。完成して20時44分に送付しました。やったーっという開放感。お風呂入って夕食時アルコールをいただき22時45分に寝にいきました。
・本日1/27(木)は、6時30分起床。朝勉せず出勤し午前外来。午後一瞬診療科の会議に出て倉敷市役所へ:公害健康被害認定審査会。その後16時前に病院に戻り、回診。19時10分前帰宅です。ネコたちに餌やりにいてから入浴、夕食。今日もアルコールをいただきました。今後2週間はあまり根を詰めて勉強はしないつもりです。このブログ書き終わったら寝にいきます。
遺伝と行動/なかなか仕事がきついです
行動医学研究26 巻 (2021) 1 号
その他の行動はどうであろうか。例えば、冒頭で述べたモノアミンオキシダーゼ A 遺伝子 MAOAは、攻撃的な行動や反社会的な行動との関連を示した報告が数多くなされており、“criminal gene”とさえ呼ばれている。その他にも、同様の行動と関連が報告されている遺伝子は複数ある。もし、それらの遺伝子情報を用いた PGS を算出することが可能になったとして、高いスコアが得られた場合には、その個人に対しどのような対応を取るのだろうか?たとえ実際に攻撃的あるいは反社会的な行動をとっていなくても、それらの行動をとる「ハイリスク」という烙印を押し、個人の意思に反して監視下に置くことは許されない。ゲノム情報をもとにした差別などあってはならないことは言うまでもない。だからといって、その情報を放置しておくことは社会に対しての善行といえるだろうか。そこには倫理的なジレンマが生じる。
SSP: 建設アスベスト給付金法2020年1月19日施行/ホンマにstay home
0570-006031
FYI: 患者さん向け 小児ぜん息治療ガイドライン/ズカは違うな
顎関節に発症したピロリン酸カルシウム結晶沈着症/かなりタイトでした
・標題にあるピロリン酸カルシウム沈着症は、偽痛風よりも広い概念で↓
耳鼻と臨床66 巻 (2020) 6 号
肺動脈瘤解離(と訳すのかな?)/久々に夜中に病院へ
Asvin M. Ganapathi, Curt J. Daniels, M.D.
N Engl J Med 2022; 386:273 January 20, 2022
吉本 彩花, 山崎 宙, 伊藤 彰
心臓50 巻 (2018) 5 号
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症例は60代男性.1年ほど前から息切れ,数カ月前から左胸部の違和感を自覚し,当科を受診した.胸部X線写真で大動脈弓部の拡大を疑い,胸部CT検査を施行したところ,長径85mm,短径70mmの巨大肺動脈瘤が認められた.心臓カテーテル検査では,平均肺動脈圧が17mmHgと肺高血圧はなく,左右冠動脈に有意狭窄や冠動脈肺動脈瘻はみられなかった.心臓超音波検査では先天性心疾患も認められなかった.肺動脈瘤の原因として,シャント性先天性心疾患や肺高血圧,梅毒等が報告されているが,本症例ではいずれも認められなかったことから,特発性肺動脈瘤と診断した.特発性肺動脈瘤の予後は,悪くないとする報告がある一方,破裂や解離,突然死をきたした症例も報告されている.本症例では瘤径が巨大であったため,破裂や解離のリスクが高いと判断し,人工血管置換術を施行した.
↑の本文中に「肺動脈瘤は,約14000人に1 人(約0.007%)にしか認められない非常に稀な疾患である」とあります。で、その症状が↓
肺動脈瘤は,その多くが無症状であり,健康診断の胸部X 線検査や経胸壁心エコーで偶発的に指摘されることが多いとされている.肺動脈幹基部に発生した場合は,高度な肺動脈弁逆流を合併して心拍出量の低下をきたし,労作時呼吸困難や易疲労感を生じることがある.肺動脈瘤が気管支や神経等の周辺臓器を圧排すると胸痛や嗄声がみられ左冠動脈を圧迫した場合は,狭心症様症状や,慢性的な心筋虚血による心機能低下を生じることが報告されている
↑を読んで思ったのですが、私は今まで嗄声の原因の鑑別診断のひとつとして大動脈瘤を挙げていましたが、肺動脈瘤も挙げるようにします。
・ところで、肺動脈解離という言葉はありますが、肺動脈瘤解離という言葉はなさそうですね。NEJMの英語の題は、そのまま訳せば急性解離を伴う肺動脈瘤ですね。
・NEJMの患者さんは、肺移植で助かったんですね。高度先進医療ってすごいな。
以下日記
・昨日ブログを書いて22時頃には寝たのですが、23時に病院から電話あり、出かけて、対応して、午前1時に帰ってきて寝ました。
・本日1/20(木)は、6時30分起床。燃えるゴミ出して、水島へ。午前中産業医学科外来、午後手話通訳者さんの頸肩腕障害の2次健診。16時に玉島へ戻って仕事して、18時45分帰宅。19時から20時すぎアストラゼネカの「心腎連関セミナー 2022」を視聴。その後ネコたちに餌をやりに行ったのですが、狭心発作が出るのではないかという位寒かった。それから入浴し、夕食。目の前で揚げる牡蠣フライ(オンリー)。そして、このブログを書いております。今日夕方やけにしんどいなと思って働いていましたが、夜中病院行ったからですね。もうそろそろ寝ることにします。
・今日のブログの標題(後半)をみて『裸で狼の群れのなかに』を連想する人がいるだろうか?(ちょっとムリですかな)
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すりガラス陰影がCOVID-19とは限らない/アルコールは控える
Ground glass opacities are not always COVID-19: a case of acute eosinophilic pneumonitis caused by daptomycin
Rajalakshmi Valaiyapathi, Meng-San Wu, Alastair McGregor
中嶋 いくえ, 関戸 祐子, 具嶋 泰弘, 前原 潤一
日本集中治療医学会雑誌 23 巻 (2016) 1 号
「ACP支援」という言葉への違和感/CA(「客室乗務員」ではない)参加できず、ツライ
田代 真理, 藤田 佐和
日本がん看護学会誌35 巻 (2021)
本研究の目的は,がん患者のACPにおける看護支援の構成要素とその影響要因を明らかにすることである.ACPの概念分析と面接調査の結果をもとに,個人属性9項目,ACPの看護支援55項目,ACPの認識11項目からなる自記式質問紙を作成した.無作為抽出した全国の病院,訪問看護事業所147施設で,経験年数5年以上の看護師に質問紙を配布し,回収は対象者からの個別投函とした.2018年6月1日から9月30日に質問紙1,354部を配付し,798部の回答が得られ(回収率58.9%),780部を有効回答とした(有効回答率97.7%).データは因子分析と重回帰分析を行った.看護支援の構成要素として【対話に基づく確かな情報共有】【患者の今後の希望の探求】【終末期に備えた取り決め】【患者の意向の擁護】【患者の生き方の理解】【ケアへの患者の価値観の反映】【継続的な取り組み】が抽出された.また,ACPの看護支援の影響要因として,今後の治療や意向について患者に繰り返し確認するのは当然であるという認識やACP研修受講回数,訪問看護事業所,ACPの体制整備などが正の影響を及ぼし,外来やACPの知識不足・コミュニケーション能力不足などが負の影響を及ぼしていることが示された.本研究で抽出された7つの構成要素は,がん患者のACPへの看護実践における有用な指標になると考えられる.
・私のACPのイメージは、患者さんと医療者(支援者)が円卓について話し合うというイメージです。だから、そもそもACPには支援するという意味が含まれていると思うので、支援する活動を支援する・・・つまり同じ円卓につかず、ちょっと離れたところからアドバイスするみたいな感じに受け取れるんですよね。ただ、そういう活動も必要ですし、多分なされていると思います。
・ただ、そもそもsACPの定義っていっぱいあるんですよね。
厚生労働省(2018)
人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族・医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス。
日本医師会(2018)
将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセス。
日本老年医学会(2019)
ACPは将来の医療・ケアについて、本人を人として尊重した意思決定の実現を支援するプロセスである。
*ACPの実践のために、本人と家族等と医療・ケアチームは対話を通し、本人の価値観・意向・人生の目標などを共有し、理解した上で、意思決定のために協働することが求められる。ACPの実践によって、本人が人生の最終段階に至り意思決定が困難となった場合も、本人の意思をくみ取り、本人が望む医療・ケアを受けることができるようにする。
Sudoreら(2017)
ACPは、年齢や病期を問わず、成人患者が自身の価値観、生活の目標、今後の治療に対する意向を理解・共有することを支援するプロセスである。
ACPの目的は、重篤な病気や慢性疾患の中で、人々が自身の価値観、目標、意向に沿った治療を受けらえるように支援することである。多くの人々にとって、このプロセスには本人が自分で意思決定ができなくなった場合に意思決定をしてくれる信頼できる人(等)を選ぶことが含まれる。
EAPC(2017)
ACPとは、意思決定能力を有する個人が、自分の価値観を確認し、重篤な疾患の意味や転帰について十分に考え、今後の治療やケアについての目標や意向を明確にし、これらを家族や医療者と話し合うことができるようにすることである。ACPにおいては、個人の身体・心理・社会・スピリチュアルな面を通じた気がかりを話し合うことも重要になる。万が一自分で意思決定ができない時が来ても自身の意向が尊重されるためには、あらかじめ自分の代理人を決定し、意向を記載し、定期的に振り返ることが推奨される。
・何年か前にACPを勉強していて気がついたのですが、定義はいろいろあるけど、大きく分けて二つ:医療者を守護にするか、患者・本人を主語にするかです。↑の定義をよく読み比べてみていただければ分かると思います。
・私の違和感は、特に医療者を主語にした場合おかしいと言うことになります。患者さん・本人を主語にした場合は、まあ許せるかな...しかし、私はやっぱり違和感があります。
・皆様はどう思われますか?
以下日記
・本日1/18(火)は、6時起床。一瞬朝勉して出勤です。まず病棟へ。昨日入院された気になる患者さんは、それなりに落ち着いておられてホッと一安心。そして午前外来。午後ささっと病棟業務を済ませて16時からの大学院のZOOMでのcritical appraisal(CA)に参加しようと思いましたが、全然ダメ。やること多すぎて参加断念。でも帰宅は17時ちょっと過ぎ。ちょうど配偶者も帰ってきたところでセブンイレブンでコロッケとミンチカツ買ってきたから食べる?ということで、まずいただきました。それからネコたちに餌やりに行って、20時くらいまで勉強。それから入浴してこのブログを書いております。そろそろ腹が減ってきたので軽い夕食をいただきたいと思います。