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胸腔子宮内膜症性気胸/数学おもしろいかも

過去何回か、月経随伴性気胸についてこのブログで書いたと思います。この病気の名前が変わりつつあるみたいです。↓の論文の中にそういうことが書かれていました。


月経周期との同期が明らかでなかった胸腔子宮内膜症性気胸の1例
松田 英祐, 佐藤 創
日本臨床外科学会雑誌82 巻 (2021) 8 号
【抄録】症例は47歳,女性.右気胸の既往がある.初回気胸から半年後に右気胸が再発した.CTでブラなど責任病変は不明であった.再発気胸であり胸腔鏡手術を行ったが,肉眼的,組織学的に責任病変は不明であった.術後2年間で右気胸が2回再発したが,いずれの気胸の際にもその前後に月経開始はなかった.初回気胸より4年後,5回目の右気胸が発生し,その6日後に月経開始となり,再手術を行った.肉眼的に横隔膜の小孔を確認し,これを切除した.組織学的に子宮内膜組織も証明され,胸腔子宮内膜症性気胸と診断した.本疾患では月経周期との同期が不明なこともある.子宮内膜症による横隔膜の小孔の確認や組織診断には胸腔鏡手術を要するが,子宮内膜組織の周期的変化のため小孔は修復閉鎖され,組織診断が得られないことも多い.組織診断には手術時期の考慮が重要であり,月経開始直前または開始後早期が望ましい.

 

↑の論文の「考察」の最初↓

 

 胸腔子宮内膜症性気胸は横隔膜や胸膜に生じた子宮内膜により,月経周期に一致して気胸を繰り返す比較的稀な疾患である.30-40歳台に好発し,右側発生が多く,妊娠中や閉経後には発生しないとされ,これまで月経随伴性気胸の名称でも報告されている.一方で,自験例と同様に月経周期との関連が乏しい報告や妊娠中に発生した報告もある.長期経過で胸膜や横隔膜の欠損が恒常的になるためと推察されるが,必ずしも気胸が月経に随伴しないこともあり,月経随伴性気胸(catamenial pneumothorax)から胸腔子宮内膜症性気胸(thoracic endometriotic pneumothorax)への用語統一の提案がされている.

 

・呼称については↓

 

胸腔子宮内膜症ガイドラインの実際

 

 

栗原 正利,渡邉 健一,坪島 顕司

 

http://www.endometriosis.gr.jp/kaishi/kaishi40pdf/08.pdf

 

日本エンドメトリオーシス学会会誌 2019;40:53-57

 

・月経随伴性気胸というのは、名前からその病態がわかりやすいですね。しかし、子宮内膜症が原因なのに月経と関係が無い場合もあるということでそれも包含した名称でしょうが、ちょっと専門外のものにはわかりにくいかな?なかなか、疾患の名前をつけるのは難しい者ですね。

 

以下日記

・本日2/28(月)は6時起床。朝勉、朝食、燃えるゴミ出して午前中はZOOMで因果推論学習会。積分の話も出てきたのですが、ちょっと数学もおもしろいかなと思ったりして。(積分でリーマン積分とルベーグ積分があるというのを知りました・・・スティルチェス積分の話から)本立てで眠っている中学数学の本を読み出そうと思います。

・午後から出勤、回診とカンファレンス、夜間診療でした。帰宅は19時42分。ネコたちに餌やってから、入浴、夕食。録画の『月曜から夜ふかし』観ていたら、あっというまに21時でした。その後このブログを書いております。あと、BBCのworld news聴いたら寝ます。


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中心静脈穿刺3日後に出血性ショック/久々に2時間草抜き

中心静脈カテーテール(CVC)の合併症に関しては、過去何回か(ex. pinched off syndrome)書いたと思いますが、おくれて出血がわかることがあります。↓のようなレポートがありました。


鎖骨下静脈穿刺時の胸肩峰動脈損傷により遅発性に出血性ショックを来した1例
今村 沙弓, 他。
日本消化器外科学会雑誌/54 巻 (2021) 10 号
【抄録】

 

症例は78歳の女性で,嘔吐を主訴に受診し,進行胃癌と診断し,胃全摘術を施行する方針とした.バイアスピリン,ワルファリン,クロピドグレルを内服しており,休薬の上でヘパリン持続投与を開始した.術前に超音波ガイド法を用いて右鎖骨下静脈を穿刺し中心静脈カテーテル(central venous catheter;以下,CVCと略記)を挿入した.3日後に急激に出血性ショックを来した.造影CTで右胸壁に巨大血腫を認め,圧迫止血を試みたが出血の持続が懸念された.血管造影を行い,胸肩峰動脈の鎖骨枝の損傷による出血性ショックと診断し,CVCを抜去し,経動脈塞栓術を行った.これにより全身状態は安定化し,塞栓術から8日後に胃全摘術を施行した.鎖骨下静脈穿刺によるCVC挿入において動脈損傷は約8%に生じるとされる.血管造影は動脈損傷の確定診断と治療に際して非常に有用である.抗凝固療法など易出血性の素因がある症例においては遅発性に出血が顕在化する場合もあり,特に注意が必要である.

 

・引用文献の(1)が↓で、freeでみることができます。

 

Hodzic  S,  Golic  D,  Smajic  J,  Sijercic  S,  Umihanic  S,  Umihanic  S. Complications related to insertion and use of central venous catheters (CVC). Med Arch. 2014 Oct;68(5):300–303.

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4276017/

 

・私が、以外だなとおもったのは、合併症で一番多いのが不整脈ということでした。ヘーッ、でしたが、常識だったんでしょうか?それはさておき、特に抗凝固剤を飲まれている患者さんは、CVC穿刺後何日間は要注意ですね。

 

以下日記

・昨日2/26(土)は、7時前に病院かららの電話で起こされました。誰か急変したのかなと朝一でドキッとしましたが、そういうことではなかったので、ちょっと安心。午前中は、↓を日本語訳をしながら読んでおりました。

 

CAUSAL INFERENCE: What If

 

https://cdn1.sph.harvard.edu/wp-content/uploads/sites/1268/2021/03/ciwhatif_hernanrobins_30mar21.pdf

 

・午後は内科学会雑誌の心不全の記事を読み、Amazon Prime Videoで『鬼滅の刃』を観てちょっとお昼寝。その後は事務作業して17時30分より宿直でした。腹痛の救急搬入あり、かなりお腹を痛がられており大変でした。(患者さんが一番大変でしたが)幸い病棟は落ち着いておりました。

・本日2/27(日)は、6時半起床。シャワー浴びて、朝食摂って病棟へ。昨日入院された患者さんはウソのように腹痛が改善しておりよかったです。ただ、患者さんが苦しんでいたとき診断の方に頭がいっていて患者さんに優しい言葉がかけられず、自己嫌悪です。何年、医者やってんねんっ!です。

・日直の先生に申し送りして帰宅。午前中は↑のWhat ifを読んでおりました。午後からは心不全の勉強。15時から17時過ぎまで久々に庭の草抜きをしておりました。現在、腰と腕、肩が痛くなっております。草抜き後ネコたちに餌やりに言って入浴、夕食。そして「ちょんまげビール」を飲みました。で、1本で酔っ払い状態。これから鬼滅の刃を観たらサッサと寝ることにしましょう。


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急性虫垂炎に対する保存的治療奏効の予測/2週間ぶりのアルコール摂取

標記論文がありました↓


急性虫垂炎に対する保存的治療奏効の予測


平島 相治  小林 博喜  高木  剛  福本 兼久


日本大腸肛門病会誌 75:108-113,2022





【抄録】急性虫垂炎において保存的治療が奏効するかどうか,治療早期に判断できる指標を検討する.

当院で保存的治療を行った急性虫垂炎65例を検討した.65例中55例で保存的治療が有効であったが,10例は保存的治療が無効で即時手術を行った.保存的治療有効群55例中7例において,保存的治療が有効であったものの,入院期間が14日間を超え治療に難渋した.次に即時手術群10例に保存的治療が難渋した7例を加えた17例を,保存的治療が奏効した48例と比較した.年齢,糞石,膿瘍の有無,治療開始後のWBC,CRP値で差を認めた.これら因子を用いて,保存的治療が奏効するか否かの予測式を作成した.この予測式によって,保存的治療が奏効するか否かの感度は95.8%,特異度は88.2%であった.急性虫垂炎に対して保存的治療が奏効するか否か,この予測式が1つの指標になると考える.

・この論文読んで、虫垂炎の治療に関する総論的な議論は、そうなのねと勉強になりましたが、STROBEにそって論文自体を批判的に吟味してみたら、また、統計的な手法を検討していみると、いろいろ問題がありそうですね。(いちいちチェックしておりませんが)二つだけ言うと、①そもそもこの研究のデザインがどういうものかはっきりしないという所。この論文読んでも、後ろ向きにカルテをチェックしたのか、前向きにデータをとったのかがよく分かりません。(STROBEでは、「れわれは研究を単純に「前向き(prospective)」とか「後ろ向き(retrospective)」と呼ぶことを勧めない。なぜなら、これらの用語の定義が明確ではないからである」とありますが...)②予測式の説明変数を選ぶのに「多重ロジスティック回帰分析のステップワイズ法」を使っていること。まあ、ここは議論がわかれるかもしれませんが...

cf. 日本語訳にされたSTROBEのチェックリスト↓

https://www.jspe.jp/publication/img/STROBE%20checklist-J.pdf

 

 観察的疫学研究報告の質改善(STROBE)のための声明:解説と詳細

https://www.equator-network.org/wp-content/uploads/2015/10/STROBE-Exp-JAPANESE.pdf

・この論文の予測式を使った結果が、こうなったという論文が出れば良いのですが。

 

以下日記

・本日2/25(金)は、6時半起床。一瞬朝勉して出勤。病棟よってから午前外来。昨日に比べて早く終わりました。午後から通常は会議が二つあるのですが、二つとも延期。回診に専念できました。で、帰宅は18時過ぎ。ネコたちに餌やって、ちょっと調べ物して入浴、夕食。久々にアルコールをいただきました。多分アルコールは2/9に飲んで以来です。今日はルプルス・ブランシェ(4.5%)を330mlのみ飲みました。酔っ払ったと言うより腹の調子がおかしい。これはビールのせいなのか、夕食の鍋を食べ過ぎたのか、はたまた相乗効果なのかは不明ですが。で、もう22時過ぎたので英語ニュースを聴いてから寝ます。明日は宿直です。


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鋳型気管支炎/外来6時間

plastic bronchitisという病態がありますが、日本語訳は鋳型気管支炎みたいです。日本語の文献でも、そのままplastic bronchitisということばを使っているのも多いようですが...NEJMに↓のようなレポートがありました。どのような病態か写真を見たら一目瞭然ですね。


Plastic Bronchitis


Aadil Maqsood, Lukken R. Imel


N Engl J Med 2022; 386:780 February 24, 2022




・原因としては、本文にassociated with surgical repair of the heart in patients with congenital heart disease, thoracic-duct trauma, sickle cell disease, and other systemic conditions.とかかれていますが、これ以外に気管支喘息(私は、喘息から鋳型気管支炎というのを知りました)やインフルエンザという報告もあるようです。



以下ボヤキの日記

・本日、2/24(木)は、6時9分起床。朝勉せず出勤して病棟にちょっと寄ってから9時から外来。最初は順調にいっていたのですが、11時過ぎる頃からバタバタして、なんと外来が終わったのが15時。6時間も外来をしておりました。これは、ここ数年無かったような記録です。その後昼食摂って病棟の回診。(患者さんが観ているTVでロシアがウクライナに侵攻していることを知りました。)帰宅は19時18分。ネコたちに餌やりに行って入浴、夕食。シチューとスパゲティだったのですが、何故か胃が不活化され物足りなく感じ「麦畑」というパン屋さんのとてもおいしい食パンでウインナーソーセージを巻いたり、そのまま食べたりして腹一杯です。その後このブログを書いております。これからちょっとだけ英語ニュースを聴いてからねます。

・それにしても病み上がりの私が、「リハビリ」無しでトップギア・フルスロット、疲れます。土曜日は宿直だし、また病気になりそう。




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バゼックス症候群/長期療養中のgood news

・悪性腫瘍が転移ではなくて皮膚病変を伴うことがあります。なので、ある種の皮膚病変をみた場合は悪性腫瘍の合併を思い浮かべないといけません。↓のようなレポートがありました。


A Case of Bazex Syndrome


Kotaro Ikeda, Keishi Kanno, Yuichiro Otani, Masanori Ito




Intern Med 61: 443-444, 2022


・『医学書院医学大辞典第2版』でバゼックス症候群を調べてみたらⅠとⅡがあって、Ⅱが今回のレポートに当てはまります↓


バゼックス-グリフィス症候群

[英]Bazex-Griffith syndrome


[同義語]バゼックス症候群Ⅱ Bazex syndrome Ⅱ


腫瘍随伴性に肢端角化症が起こる症候群。上気道の腫瘍または他の臓器の腺癌が原因であることが多い。手,足,鼻,耳などに角化症が徐々に起こる。(W. A. Griffith,20世紀,皮膚科,英) Bazex A, Griffith WA: Acrokeratosis paraneoplastica-a new cutaneous marker of malignancy. Br J Dermatol 103:301-306, 1980

・日本語のレポート(画像診断のクイズ)↓





あっという間に以下日記

・皆様、ご無沙汰しております。私が、死んだと思われて方もいるかも知れませんが、生きております。2/10から体調悪く2/20まで休んでおりました。2月21日(月)から働き出しております。休んでいる間、体調が良いときは、古ーい雑誌を見たりAmazon Prime Videoでアニメを観ていたりしておりました。本日はお休みでしたが、仕事がたまっているので午前中は「出勤」して、重症の患者さんを診るのと事務作業をしておりました。その後たまっていた支払・振り込み、買い物をして12時半に帰ってきました。昼食食べながらPrime Video観たあとは、ゆっくりとお勉強。夕方は配偶者とスシローにいってきました。

・休んでいる間に、社会医学研究という医学雑誌に私の論文が載ったことと、Occupational medicineに論文が受理されたことです。病んでおりましたが、ホッとしました。これから徐々に仕事と勉強のペースをあげていきます。

・補足:Prime videoでは『攻殻機動隊』(シーズン1)と『鬼滅の刃』(立志編)を観ておりました。前者は終了、後者はまだ途中です。久々にアニメ観ましたが、やっぱり自分はアニメが好きだなと再認識(オタクじゃないけど)。ちょっとこの調子で、『けいおん』や『日常』、ガンダムシリーズ、『銀河英雄伝説』、エヴァンゲリオン等見続けるかも...

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粉じん曝露を中止してもじん肺は進行することがある/生存しています。

・珪肺は、粉じん曝露がなくなっても病気が進行することがあります。極端な場合退職時の胸部レントゲンで異常影がないと言われていても、退職後に珪肺と診断される場合があります。粉じん曝露が止まっても珪肺が「進行」したばあい少なくとも三つのことを考えないといけないと思います。一つは、純粋に珪肺が進行した場合。二つ目は肺結核や肺癌が合併した場合、三つ目は本日ご紹介のサルコイド様反応を起こした場合(サルコイド様肉芽腫性肺疾患・・・と私が日本語訳を作ってみました・・・誰か先に使っていたかも知れませんが)↓のような論文がありました。


Sarcoid-like Granulomatous Lung Disease with Subacute Progression in Silicosis


Yasutaka, et al.


Intern Med 61: 395-400, 202




A 67-year-old man was admitted to our hospital with cough and fatigue. He had had long-term exposure to silica due to cement processing. Chest computed tomography showed bilateral centrilobular nodules, and hilar and mediastinal lymphadenopathy with calcification, suggesting chronic silicosis. Within a few months, these nodules enlarged, and bilateral patchy consolidations appeared. A lung biopsy revealed sarcoid-like granulomas with birefringent particles under polarized light without malignancy or infection. He was diagnosed with silicosis-associated sarcoid-like granulomatous lung disease, rather than sarcoidosis, according to the clinicopathological findings. His pulmonary manifestations improved after the discontinuation of silica exposure and combination therapy of corticosteroid and azathioprine.


・じん肺とサルコイドーシスの鑑別ってなかなか難しいところもあるようですね。詳しい解説は本をお読みください。



以下生存している証明としての日記

・2/10(木)は、起床時から倦怠感があったのですが出勤。午前中外来し体調不調で早引きしたかったのですが、退院処理を3名もしなければならなかったので18時前に帰宅。18時から19時までZOOMで臨床研究講習会。その後はルーチンのことやって21時過ぎに寝にいきました。翌日産業医の研修会があったのですがキャンセルのメールを送りました。

・昨日2/11(金)は7時30分起床。1日雑誌や古い資料見たり、机の片付けしてほとんど1日家にこもっていました。少し英語論文も読みました。外出たのは夕方にネコたちに餌やりに行ったときだけです。

・本日2/12(土)は7時15分起床。本日も夕方までは前日と同じ。全身倦怠感は昨日よりはマシですが、鼻水、痰が多くなっています。雑誌や新聞に載っているクロスワードを楽しみにしておりました。18時から19時までZOOMで社会医学会の理事会に参加(私は、監事ですが)。その後夕食。久々に録画の「激レアさんをつれてきた」を観ました。で、このブログを書いております。これから顔洗って、もうちょっとクロスワードやって寝ます。果たして明日1日で体調がなおるかしら。治らなかったら出勤停止だったりして。

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静脈血栓塞栓症に対する直接経口抗凝固薬/何度でも言いますが、やっぱり笑顔が最高

私、まだまだ直接経口抗凝固薬(DOAC)が使いこなせておりませんので、↓のような論文をよみました。


総説
静脈血栓塞栓症に対する抗凝固療法—DOACとくに経口直接Xa阻害薬について
佐戸川 弘之, 横山 斉, 高瀬 信弥, 若松 大樹
静脈学33 巻 (2022) 1 号




【抄録】

 

日本では2004年に静脈血栓塞栓症(VTE)の診断,治療,予防のガイドラインが発表されたが,その後の改定とともに治療体系が大きく変化してきた.現在の治療では抗凝固療法が基本であり,とくに直接経口抗凝固薬(DOAC),なかでもVTEに適応のある経口直接Xa阻害薬が主流となってきている.直接Xa阻害薬であるエドキサバン,リバーロキサバン,アピキサバンは発現が早い,固定量の投与でよい,モニターが不要,P糖タンパク,代謝酵素CYP450に影響を受ける,などの特徴を有する.3剤で使用法に若干違いがあり,エドキサバンでは減量基準がある.DOAC服用時は凝固因子検査に影響を及ぼす影響があり,日常診療時のモニターにはプロトロンビン時間が有用である.DOACは,がん関連静脈血栓症では消化管や泌尿器系において出血性事象に注意すべきで,抗リン脂質抗体症候群には推奨せず,超肥満例には注意が必要である.DOACの特徴を認識し,症例ごとの損益を評価し治療する必要がある.

・これ読んでみて、あらためて併用薬への注意がかなり必要であると認識しました。また、PT,PTTも調べておけば良いというのも認識しました。


あっという間の以下日記

・2/8(火)は、6時半起床。朝勉せず出勤し、病棟よって午前外来。午後は職員の新型コロナワクチン接種と回診、16時から宿直室にこもって17時半くらいまでZOOMで大学院のcritical appraisalに参加。その後回診、事務作業、18時半から宿直です。幸い夜中起こされることありませんでした。

・本日2/9(水)は、宿直室で6時51分起床。シャワー浴びて、朝食摂って病棟へ寄って、午前中外来。午後「発熱外来」対応、病棟カンファレンス、回診。16時からショートの夜間診療後、入院患者さんのご家族と面談。その後患者さんとご家族に病室(もともと大部屋に入院してもらっていましたが、面会のため一時的に個室に移動)へ行ってもらい、面会。患者さんの表情がよろしい。やっぱり患者さんの笑顔が最高。こちらもうれしくなってきます。その後事務作業して19時半頃帰宅。ネコたちに餌やりに行って入浴、夕食。アルコールをいただきました。350mLの缶ビール1本飲んだだけで、ヘロヘロです。その後このブログを書いております。これが終わったらサッサとねます。

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手話通訳者の頸肩腕障害/Judea Pearlの「入門書」が読めた

このブログの熱心な読者ならご存知でしょうが、私が岡山県の手話通訳者さんの頸肩腕障害健診を行っていることを。そもそも手話通訳者さんの頸肩腕障害って何よ?という方がほとんどだと思います。↓の特別報告をお読みください。著者は、私と同時期に岡山県で臨床医となり、その後研究者に転じた先生です。



手話通訳者の頸肩腕障害に関する,聴覚障害者と手話通訳者の取り組みの経過と今後の課題


垰田和史


http://jssm.umin.jp/report/no38-1/38_1_all.pdf  ・・・79から88ページです


【要旨】
日本では,2013年に「障害者権利条約」に批准して以降,「障害者差別解消法」が制定され「手話言語条例」を制定する自治体が増加しており,手話通訳が要請される機会が増加している.手話通訳は,上肢系の筋や中枢神経系への強い負担を生じる作業である.過去には,多数の専任手話通訳者が重度の頸肩腕障害を発症し,手話通訳の利用を制限しなければならない状況に陥った歴史がある.この危機に対して,聴覚障害者と手話通訳者は,1994年に手話通訳者の健康と手話通訳制度を両立させるためのガイドラインを作り,以来,その実践に取り組んできた.取り組みの効果は,5 年ごとの悉皆調査で検証されている.2015年の調査では,交代で通訳を担当するルールが90%以上実施されるなど,健康を守るためのルールは一定普及しており,重症頸肩腕障害の多発は防止できていたが,頸肩腕障害が疑われる症状を訴える者が17%いた.専任手話通訳者の女性比率は96%,50歳以上が63%と高年齢化が進み,正規雇用率は18%と低かった.手話通訳者不足の訴えは,2010年時の20%から47%へと増加していた.聴覚障害者の社会進出に見合った手話通訳を保障するためには,手話通訳者の健康を守り処遇を改善する取り組みが今後も必要と考えられる.
【社会医学研究2021;38( 1 ):79-88】


以下日記

・昨日2/6(日)は「何もしない日」という予定を入れておりました。で、ゆっくり7時30分起床。16時くらいまで机の片付けや色んな文書、雑誌読んだりしておりました。勉強は、今度の火曜日のcritical appraisalの論文読んだり内科学会雑誌の心不全の特集号を読んだりしておりました。16時まえに市役所まで資源ゴミをだしにいって、その足で天満屋ハピータウンによって雑貨や食品をかって帰宅。その後ネコたちに餌をやりに行って、竹をきっておりました。(義父の家が建っていた土地のウラが竹藪になっているので)その後入浴し、夕食。アルコールをいただいて、早めに寝ました。

・本日2/7(月)は、6時18分起床。朝食、燃えるゴミ出し、ちょっと勉強して9時から因果推論の勉強会。昨年4月から読み出した↓の本を読み終えることができました。以前にも書きましたが、A Primerとありますが、入門書ではないと思います。初学者が読みはじめるとほとんどの人が挫折するでしょう。(あくまで、個人の意見ですが)


Causal Inference in Statistics: A Primer

Causal Inference in Statistics: A Primer

  • 作者: Pearl, Judea
  • 出版社/メーカー: Wiley
  • 発売日: 2016/02/26
  • メディア: ペーパーバック
・午後から出勤。病棟回診して夜間診療でした。入院患者さんのお一人の状態が悪くなっており、ショック。帰宅は19時48分。ネコたちに餌をやってから夕食。一服後入浴し、このブログを書いております。明日は宿直なので、もう寝ます。
・来週から月曜日の午前は↓の学習です。
 “Hernán MA, Robins JM (2020). Causal Inference: What If. Boca Raton: Chapman & Hall/CRC.” (成書のように思えますがまだ出版されておらず、著者のWebsiteでみることができます)
・この流れで、因果推論が一定語れる臨床医になれるでしょうか、なりたいです、なれたらよいな。

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肺動静脈瘻で脳梗塞/三角筋だけじゃダメなんです

とても希みたいですが、脳梗塞を起こす原因として肺の動静脈瘻もあるみたいです。↓のような論文がありました。


脳梗塞で発症した肺動静脈瘻の1例

牧野 晃大, 小林 亮, 北 雄介, 久力 権

日臨外会誌 82( 7 ),1315―1320,2021


【抄録】

 

症例は58歳,女性.失語症と右上肢麻痺で当院へ救急搬送となり,精査で左中大脳動脈塞栓症と診断され,血栓回収療法を施行された.特記すべき既往歴はなかった.頭部MRIで脳主幹動脈の狭窄はなく,経食道エコー検査で卵円孔開存なども認めなかった.胸部CTで左肺下葉に肺動静脈瘻を指摘され,Rendu-Osler-Weber病を伴わない右左シャントによる,比較的稀な奇異性脳塞栓症と考えられた.治療は経皮的カテーテル塞栓術が第一選択とされることが多いが,本症例は病変が肺末梢に位置しており,流出血管も比較的太く,安全性や根治性の面から,胸腔鏡下肺部分切除術を選択した.全身状態などから手術が許容される場合には,肺末梢の単発の肺動静脈瘻に対しては,胸腔鏡下肺部分切除術は有用な治療法と考えられたため,文献的考察を加えて報告する.

・本文を読むといろいろ情報があってよろしいのですが、標題の「脳梗塞で発症した」というよりは、「脳梗塞を契機に発見された」という方が妥当ではないかと思うのは、私だけ?






以下日記

・本日2/5(土)は、6時16分起床。朝食摂って8時前に病院へ。まず病棟よって9時から11時過ぎまで新型コロナワクチン接種。60人強接種しました。1,2回目は春から初夏だったので着ている服も少なかったのですが、本日は厚着で来られており接種に手間取りました。接種に来た方多くの方は三角筋が出れば良いだろう思われているみたいでしたが、それだけじゃダメなんですね。何故なら↓のリンク先が示しているように、肩峰という肩甲骨の高くなった部分を目安に針を刺す位置を決めるからです。お白州の場の遠山の金さん状態(何のことか分かる人がどれだけイルのでしょう?)がよろしいのですが、さすがにそこまででなくても肩峰が分かるように肩をだしていただきたいものです。



奈良県立医科大学の筋肉注射手技マニュアル




より詳しく「筋肉注射マニュアル」





・11時過ぎにワクチン接種は終わったものの他の仕事をして13時に病院を出ました。帰りに気になる患者さん宅を訪問し、金光町の麦畑というパン屋さんで昼食のパンを買って13時43分帰宅。パン食べて、ちょっとした事務作業をして15時から18時15分まで『がん疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会~症例から適正使用を学ぶ~』というWebinarに参加。以前から疑問に思っていたことが解決(というか、明確な方法は無いと言うことが私の中で明確になった・・・きちんとした方法があるのに自分が知らないのではないかという不安が解消)したのと新しい薬があることを知ることができて良かったです。その後気になる患者さんのご家族に電話連絡して、外来に患者さんが受診するかも知れないと連絡を入れてから、配偶者と玉島のスシローへ(大トロが安いということで)。いつものごとく食べ過ぎました。20時前に帰宅。一服しながらこのブログを途中まで書き、ネコたちに餌をやりに行って入浴して、ブログの続きを書きました。これから寝にいきます。明日は「何もしないという予定」の日です。

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目を見て診断できる病気/同僚の心をざわつかせた

「目を見て診断できる病気(内科疾患)は、なーんだ?」と問われたら(自問自答ですが)、数秒考えて、カイザー-フライシャー輪をおこすウィルソン病(『医学書院医学大辞典第2版』の説明を最後に載せておきます)と答えましたが、当然それ以外もありますわな。NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに↓のようなレポートがありました。


Lisch Nodules


Rodrigo Anguita, Ricardo Veas


N Engl J Med 2022; 386:478. February 3, 2022




・リッシュ結節の説明は『医学書院医学大辞典第2版』には、単独の項目では載っておらずフォン・レックリングハウゼン病の中に説明がありました。『ステッドマン医学大辞典改定第6版』には「リッシュ結節(典型例としては1型神経線維腫症にみられる虹彩の過誤腫」という説明がありました。神経線維腫症1型の説明は↓


神経線維腫症Ⅰ型(指定難病34)(難病情報センター)




・新患さんなんかは、じっと目を見るのも必要ですね。



cf. フライシャー輪
Kayser-Fleischer ring

ウイルソン病にみられる特有な角膜周囲の銅沈着による症状。青みがかった黒褐色調の輪である。角膜周辺部にみられる(写真)。肉眼的には思春期頃からみられるが,眼科的に細隙灯を用いると思春期前の例でもみることができる。ウイルソン病以外でも,生体内銅過剰沈着するような原発性胆汁性肝硬変やIndian childhood cirrhosis(インド人の子どもにみられる肝硬変症)などでも観察される。(Bernhard Kayser,1869-1954,眼科,独。Bruno Fleischer,1874-1965,眼科,独)




以下日記

・本日2/4(金)は、6時起床。朝勉せず出勤。病棟よって、午前外来。メッチャ忙しかったですが、13時半に終了。(お一人脳梗塞で脳外科病院へ紹介)急いで昼食摂って14時から15時前まで職員の新型コロナワクチン接種。その後通所リハビリテーションのカンファレンス。それから病棟へ寄って回診。忙しかったけどいつもより早く18時47分帰宅。月とほんのりした夕焼けの残りの空がきれいでした。ネコたちに餌やってお風呂入って夕食。アルコールをいただきました。で、このブログを書いております。もう、寝床に行きたいと思います。明日は午前中一般の方々への新型コロナワクチン接種、午後は麻薬に関するウェビナーで18時過ぎまでです。

・数日前に誕生日を迎えた同僚にお祝いと日頃お世話になっている感謝を込めてノンアルコールビールをアマゾンから届けたのですが、私の名前が送り主に載っていないので、詐欺のようなものかとそのDr.は悩まれたそうな。申し訳ない。実は何年も前同級生にペリエを送ったときも送り主がわからずfacebookでどなたが送ってくれたのですかと問われておりました。アマゾンも送り主が分かるようにしてくれれば良いのに、なんで名前ださないの?

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