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胸腔子宮内膜症性気胸/数学おもしろいかも

過去何回か、月経随伴性気胸についてこのブログで書いたと思います。この病気の名前が変わりつつあるみたいです。↓の論文の中にそういうことが書かれていました。


月経周期との同期が明らかでなかった胸腔子宮内膜症性気胸の1例
松田 英祐, 佐藤 創
日本臨床外科学会雑誌82 巻 (2021) 8 号
【抄録】症例は47歳,女性.右気胸の既往がある.初回気胸から半年後に右気胸が再発した.CTでブラなど責任病変は不明であった.再発気胸であり胸腔鏡手術を行ったが,肉眼的,組織学的に責任病変は不明であった.術後2年間で右気胸が2回再発したが,いずれの気胸の際にもその前後に月経開始はなかった.初回気胸より4年後,5回目の右気胸が発生し,その6日後に月経開始となり,再手術を行った.肉眼的に横隔膜の小孔を確認し,これを切除した.組織学的に子宮内膜組織も証明され,胸腔子宮内膜症性気胸と診断した.本疾患では月経周期との同期が不明なこともある.子宮内膜症による横隔膜の小孔の確認や組織診断には胸腔鏡手術を要するが,子宮内膜組織の周期的変化のため小孔は修復閉鎖され,組織診断が得られないことも多い.組織診断には手術時期の考慮が重要であり,月経開始直前または開始後早期が望ましい.

 

↑の論文の「考察」の最初↓

 

 胸腔子宮内膜症性気胸は横隔膜や胸膜に生じた子宮内膜により,月経周期に一致して気胸を繰り返す比較的稀な疾患である.30-40歳台に好発し,右側発生が多く,妊娠中や閉経後には発生しないとされ,これまで月経随伴性気胸の名称でも報告されている.一方で,自験例と同様に月経周期との関連が乏しい報告や妊娠中に発生した報告もある.長期経過で胸膜や横隔膜の欠損が恒常的になるためと推察されるが,必ずしも気胸が月経に随伴しないこともあり,月経随伴性気胸(catamenial pneumothorax)から胸腔子宮内膜症性気胸(thoracic endometriotic pneumothorax)への用語統一の提案がされている.

 

・呼称については↓

 

胸腔子宮内膜症ガイドラインの実際

 

 

栗原 正利,渡邉 健一,坪島 顕司

 

http://www.endometriosis.gr.jp/kaishi/kaishi40pdf/08.pdf

 

日本エンドメトリオーシス学会会誌 2019;40:53-57

 

・月経随伴性気胸というのは、名前からその病態がわかりやすいですね。しかし、子宮内膜症が原因なのに月経と関係が無い場合もあるということでそれも包含した名称でしょうが、ちょっと専門外のものにはわかりにくいかな?なかなか、疾患の名前をつけるのは難しい者ですね。

 

以下日記

・本日2/28(月)は6時起床。朝勉、朝食、燃えるゴミ出して午前中はZOOMで因果推論学習会。積分の話も出てきたのですが、ちょっと数学もおもしろいかなと思ったりして。(積分でリーマン積分とルベーグ積分があるというのを知りました・・・スティルチェス積分の話から)本立てで眠っている中学数学の本を読み出そうと思います。

・午後から出勤、回診とカンファレンス、夜間診療でした。帰宅は19時42分。ネコたちに餌やってから、入浴、夕食。録画の『月曜から夜ふかし』観ていたら、あっというまに21時でした。その後このブログを書いております。あと、BBCのworld news聴いたら寝ます。


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