必ずしも疾患はひとつではない:心筋梗塞と食道穿孔/クレジットカードが使えない
・若いDr.に外来診療のコツと心得の講義をするとき、診断においては必ず鑑別診断をあげる習慣をつけるということと、疾患は必ずしもひとつは限らないと考えるように伝えます。(自戒を込めて)で、疾患が必ずしもひとつとは限らないという一例、心筋梗塞に食道穿孔が合併していたというレポート↓
We Should Pay Attention to "Referred Pain" - A Case of Acute Myocardial Infarction That Masked and Delayed the Diagnosis of Esophageal Perforation
Kotaro Noda, Nobuyuki Nosaka, Nobuhiro Hara, Takanori Yokota, Hidenobu Shigemitsu, Hideo Takahashi
Intern Med 61: 1295-1298, 2022
Abstract: We herein report a 93-year-old woman diagnosed with acute myocardial infarction (AMI) based on typical laboratory findings of severe chest pain accompanied by throat pain. This condition was initially interpreted as referred pain of cardiac origin. However, the patient had persistent throat pain after successful percutaneous coronary intervention. Upper esophageal perforation with life-threatening acute mediastinitis was unexpectedly identified by a further examination. Clinicians should have a high index of suspicion in cases with persistent symptoms thought to be referred pain among AMI patients, as these symptoms may not be of cardiac origin but rather a sign of another concomitant critical disease.
・心筋梗塞の関連痛だとおもっていたら食道穿孔→縦隔膿瘍だったという事例ですね。Discussionの中で次ぎのようにも述べられています。
However, it has been reported that esophageal perforation can cause ST-elevation on an ECG and mimic AMI (12). Thus, esophageal perforation can be considered as a differential diagnosis when ST-elevation is observed on an ECG.
そう、心電図異常は必ずも心臓の病気だけでは無いと言うことを考えていないといけませんね。↑の引用文献12はfreeで見ることができます↓
Overlooked pericarditis complicated with cardiac tamponade due to an uncommon cause
Tomoyuki Fukuma, Ryuji Okamoto, Tomoyuki Nakata, Kozo Hoshino, Masaaki Ito
European Heart Journal - Cardiovascular Imaging, Volume 21, Issue 1, January 2020, Page 116
・似たような日本語のレポートもありました↓
急性冠症候群を伴った特発性食道破裂の1例
小澤 陽介, 篠﨑 浩治, 松本 健司, 鈴村 博史, 松岡 義, 井上 正純, 笹倉 勇一, 寺内 寿彰, 木全 大, 小林 健二
日本消化器外科学会雑誌.2020;53(7):558-565
【抄録】症例は58歳の男性で吐血,心窩部痛を主訴に当院に緊急搬送された.他院で心筋梗塞に対してステント留置後であったため心電図検査を施行し,前胸部誘導でST上昇を認めたため急性冠症候群(acute coronary syndrome;以下,ACSと略記)が疑われた.同時に施行した胸腹部CT所見から特発性食道破裂と診断した.ACSへの治療を優先し冠動脈形成術後,直ちに食道破裂に対する緊急手術を施行した.開胸所見にて胸部下部食道左側壁に5 cm長の食道穿孔を認め,穿孔部縫合閉鎖+横隔膜被覆術,胸腔洗浄ドレナージおよび胃瘻・空腸瘻造設術を施行した.ACSと特発性食道破裂はいずれも胸痛を主訴とするが,本症例は鑑別すべき二つの重篤な疾患が併存していたまれな症例であり,食道破裂が嘔吐を来す疾患に随伴する可能性を考慮し,発症早期の的確な診断と重症度に応じた治療戦略が必要と考えられた.
・私、いちおう激しい胸痛の患者さんを診た場合、大動脈解離と食道破裂は鑑別診断にすぐ浮かぶようになりましたが、心電図異常があっても食道破裂は完全にはr/oせずに、頭の片隅においておかないといけませんね。
以下日記」
・昨日4/16(土)は、6時半に目が覚めましたが7時までiPhoneいじってました。起きてから夕方まで事務的な作業と学位審査のための勉強。とくに↓のIARCのmonographを読んでおりました。
Arsenic, Metals, Fibres, and Dusts
IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans Volume 100C
・結構読むのに時間がかかると思っていたら、案外早く読めました。(当然すべてではなく、silicaと癌の部分のみ)
・17時過ぎに家を出てネコたちに餌をやって車にガソリン入れて18時までに病院着。日直の先生と交替し宿直です。それなりに対応すべきことはあったのですが、幸い夜中は起こされませんでした。
・本日4/17日は6時6分起床。シャワー浴びて、朝食摂って病棟よって、書類を処理して、9時に宿直終了。帰りコンビニとマルナカ世って10時1分帰宅です。また、いろいろ書類の整理やe-mailのチェック等。note型パソコンが壊れかけているので、通販でPCを買おうとしていろいろwebsiteに入力して最後の最後の支払の時にこのクレジットカードはつかえませんと・・・なんでやねん。こんなのはじめて。カード会社のWebsiteで問い合わせしたけど、まだ返事がございません。もう、ちがくクレジットカード使おうっと。で、モヤモヤしたので夕方17時過ぎから19時前まで草抜きました。その後お風呂入って夕食とって、このブログを書いております。これからちょっとだけ研修医への講義(胸部レントゲンの読みから)のレジュメを改訂して寝ます。