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外傷性肋骨骨折による遅発性胸部大動脈損傷/昼にタコライス食べて雑談す

肋骨骨折の患者さんを時々診ることがありますが、気胸、血胸なんかは、気をつけておりますが、大動脈の損傷は余り頭にありませんでした。況んや、遅発性をや。↓の様なレポートがありました。


日本臨床外科学会雑誌 82 巻 (2021) 12 号
外傷性肋骨骨折による遅発性胸部大動脈損傷の1例
甲斐 あずさ, 藤﨑 成至, 石川 聖, 高畑 明寛, 難波 洋介, 福田 敏勝
【抄録】
症例は72歳の男性.狩猟中に山の急斜面で滑落し,胸背部を打撲した.CTで左第9~11肋骨骨折と軽度の左外傷性血胸を認め,入院経過観察した.受傷後12時間以上経過した翌朝,嘔吐と血圧低下,CTで左血胸の増悪を認め,左胸腔ドレナージで2,000ml以上の血性排液を認めたため,止血目的に緊急手術を行った.術中,胸部大動脈にピンホール大の出血点があり,縫合止血した.大動脈の損傷は,近傍にあった肋骨骨折端によるものと考えられた.止血後,循環動態は安定し,全身管理の後,受傷日より14日目に自宅退院となった.胸部外傷後に生じる血胸は,肋骨骨折に伴う肋間動脈の損傷が原因となることが多い.本症例のように大動脈損傷が原因となる例は稀だが,対応が遅れた場合,致死的な経過となる.胸部外傷後,特に左背部の肋骨骨折後の血胸の例では,大動脈損傷の可能性を考える必要がある.
・この抄録の最後、大動脈損傷の可能性は常に頭においておかないといけませんね。はたして、自分の記憶の保持がいつまでできるか?
あっという間に以下日記
・本日7/31(日)は、6時42分起床。朝食を挟んで11時半くらいまで、学位審査の準備。それからお昼ごはんを食べに金光町大谷(映画『とんび』で有名になった?所)の「オレンジハウスほっこり」へ。新メニューのタコライスをいただきましたが、私にはちょっと重い感じでした。で、久々にお仲間とあって雑談できてよかった。ここをサードスペースにしたいものです。その後帰宅して17時半までお勉強。それから1時間草刈り。もう、ヘロヘロよ。30分休んでから入浴、夕食。で、昨日にひきつづきアルコールをいただきました。酒を飲みながら、学位審査の準備(当然、とても簡単な作業のみ)も行いました。現在22時ですが、もう寝床に移行と思います。明日は、午前ZOOMで因果推論の勉強会。午後から出勤して、回診、夜間診療です。

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マイ手帳大賞:知って、学んで、行動する/伝える/クラフト・コーラというリキュールを飲む

本日7/30(土)は、13時30分から16時過ぎまで『倉敷・水島の公害と福島原発事故 2つの公害をむすぶシンポジウム』というものに参加してきました。倉敷公害裁判は私が末席に加わらせていただいたもの。当日は昔一緒に「闘った」方々(患者さん、弁護士さん、病院職員、研究者等)とお会いできて嬉しかった。また、亡くなった方もいっぱいおられて悲しくもありました。「闘った」と括弧にしたのは、聖徳太子の17条の憲法を尊ぶ温和な私は「闘う」とう言葉は極力使いたくないのですが、公害への取り組みは、権力、金力との、夜間診療まさに闘いだったと思います。

・で、その集会の中で私のよく知っている倉敷医療生活協同組合の理事さんが言った言葉です。最初、公害のことをしらなかったと。あることをきっかけに知って、勉強して、行動して、また、伝えて。福島原発事故のこともしかりとのこと。人間の活動ってこういうことかなぁと60歳過ぎたオッサンの私が、思った次第です。

・わたしも、わずかですが後世に伝えたいことがあります。そういう場を求めているのが、今、ですね。近いうちにそういう場に行くか、作るかしなければ、寿命が来てしまいます。





以下日記

・ブログを書こう、書こうとはおもうのですが、時間と気力がなくて、なかなか書けませんでした。ごく、簡単に過去を振り返ります。前回の記事アップから基本的にやってきたのは、学位審査の準備と研修医への講義の準備です。

・7/24(月)は、午前中は因果推論の勉強会。今回、私がほとんど"Causal Inference: What If"を読んで、訳して、脳が疲れました。しかし、いつもはそれを他の人にやっていただいているので、そのしんどさを実感いたしました。

・7/25(火)は、午前外来、午後回診してダッシュで帰ってcritical appraisalに参加。その後は、最初に書いた2つのことをしていました。

・7/26(水)は、午前外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療。帰宅後はやはり、ふたつのlこと。

・7/27(木)は、午前外来、午後倉敷市役所で公害健康被害認定審査会。その後病院へ戻って仕事して、帰宅。で、ふたつのこと。

・7/28(金)は、午前外来、午後回診、夕方研修医+αへ「医療安全・患者安全」の講義。少ないときは、研修医とマンツーマンで、家庭教師状態のこともありますが、今回は、何と4名も集まってくれました。で、帰宅後は、講義が終わってホッとして、飲酒。

・本日7/29(土)は、午前中は学位審査の準備。午後は最初に書いたシンポジウム、17時半前帰宅。すぐ配偶者と笠岡へ。ちょっと作業着の店によって、それから「せんや」という回転寿司やへ。帰宅後は、ネコたちに餌をやりに行って、入浴して、飲酒。そして、↓の本を読んでおりました。で、寝ようと思いましたが、時間がはやかったので、久々にブログを書きました。現在素敵な女性からいただいた「美丈夫」というクラフト・コーラ?とらべうに書かれている「炭酸水で割る本格辛口チューハイの素」(リキュール)をグイグイ飲んでおります。飲みやすいので、つい飲み過ぎ。そろそろ、歯磨きして寝ましょう。

(酔っ払って書いているので、誤字・脱字、変な文章、ゴメンナサイ)

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サル痘って何?/演劇「罠」を観る

・コント:「サル痘って何?」「フィギアスケートのジャンプの一つじゃ」「そりゃー、サルコウじゃろう」

・真面目な話、JAMAのPatient Pageにサル痘のことが載っていたのでシェア↓


What Is Monkeypox?
Kristin Walter, MD, MS1; Preeti N. Malani, MD, MSJ2,3
JAMA. 2022;328(2):222. doi:10.1001/jama.2022.10259
・厚生労働省のWebsiteのpage↓
サル痘について
以下日記
・昨日7/22(金)は、午前外来、午後回診と会議でした。夕方になって患者さんの状態が悪化し、大きな病院へ転院。この対応でかなり消耗したのと、病棟の看護師さん達に多大なご迷惑をおかけしました。お詫びに良寛手まりともち吉と差し入れしないといけません。疲弊はしたものの帰宅は19時前にできました。後はいつものようにネコたちに餌をやりに行ってから入浴、夕食。疲れていたので(まあ、疲れていなくても)アルコールをいただきました。
・本日7/23(土)は6時21分起床。15時くらいまで、食事を挟んで学位審査の準備をしておりました。その後配偶者と玉島文化センターへ。俳優座プロデュースの「罠」という演劇を観ました。ミステリーなのですが、犯人については、最初に私の「鑑別診断」のリストに入っていた人物がやっぱりそうね、という感じでした。まあ、登場人物が少ないので、当たるわな。謎を楽しむより、俳優さんの演じ方や演出を楽しむといったところでしょうか。帰宅後猫に餌をやり1時間弱勉強して入浴、夕食。そしてアルコールをいただいております。22時台には寝たいと思いますが、それまで、調べ物やスケジュール調整、片付け等を行います。

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咽後膿瘍の画像(NEJM)/よわいけど、酒が好き。

過去何回かkiller sore throat([死を呼ぶノドの痛み)について書いたと思います。




・そのうちの一つ咽後膿瘍がNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに載っていたので、ご紹介↓


 Retropharyngeal Abscess
List of authors.
Davide Giordano, Carmine Pernice
July 21, 2022
N Engl J Med 2022; 387:260
DOI: 10.1056/NEJMicm2119678.
cf. 『医学書院医学大辞典第2版』の説明
 咽後膿瘍
retropharyngeal abscess
咽頭後壁と脊椎との間の疎性結合組織内に形成される膿瘍。いわゆる熱膿瘍と冷膿瘍がある。前者は上気道の感染がリンパ行性あるいは連続性に咽後リンパ節に波及し膿瘍が形成されたもの。化膿性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌のほか,嫌気性菌が関与することが多い。小児に好発。冷膿瘍は結核性で頸椎カリエスに原因し,成人に多いが最近では稀である。発熱,咽頭痛のほか,気道狭窄による呼吸困難,喘鳴や嚥下障害が出現する。特に幼小児では比較的急激に発症する。咽頭後壁は膨隆,発赤し,波動を触れる。穿針で膿汁を得れば確診される。CTやMRI撮影により膿瘍腔の存在が鮮明に描出される。治療は排膿と抗菌化学療法を原則とする。膿汁による気道閉塞を避けるため,穿針や切開は懸垂頭位で行う。
・あと、↓のような記事がありましたが、咽後膿瘍で項部硬直が起こることがあるのですね。しらなんだ。(いや、忘れていた?)
それで大丈夫?
ERに潜む落とし穴
【第5回】
耳鼻科:咽後膿瘍
志賀隆
・何か、ノドをいたがっている人は頸を動かしてみましょうというようなことを書いたような、書かなかったような...
以下日記
・昨日7/20(水)は、午前外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療、19時30分から21時過ぎまで、玉南医懇といって開業医さんとの勉強会。この時間を使わせていただいて、学位審査の予行演習をさせていただきました。20分の持ち時間で時間が数分あまりました。もうちょっとスライドを増やすのとゆっくり話すようにしなければなりません。帰宅は21時47分。チカレタビー。
・本日7/21(木)は5時32分起床。疫学の本読んで水島へ出勤。午前産業医学科外来。午後玉島で仕事。会議や産業医面談が入っていなかったので18時8分に帰宅できました。ネコたちに餌をやりに行って、お風呂入って夕食。19時30分から21時までZOOMでソーシャルキャピタル研究会に「参加」。お題は「世代間交流によるソーシャル・キャピタルの醸成」でした。
その後ちょっと勉強してこのブログを書いております。そろそろ寝たいと思います。明日は、午前外来、午後会議が二つあって、その合間に回診。帰宅後の飲酒を楽しみにしております。飲酒と言えば、李白の↓の二つの詩が好きです。こういう境地になりたいものです。
山中與幽人對酌 李白
兩人對酌山花開
一杯一杯復一杯
我醉欲眠卿且去
明朝有意抱琴來
山中(さんちゅう)にて幽人(ゆうじん)と対酌(たいしゃく)す 李白
両人(りょうじん)対酌(たいしゃく)すれば山花(さんか)開く
一杯(いっぱい)一杯また一杯
我酔(よ)うて眠らんと欲す 卿(きみ)且(しばら)く去れ
明朝(みょうちょう) 意(い)あらば琴(きん)を抱(いだ)いて来たれ
月下独酌 李白
花間一壼酒
獨酌無相親
舉杯邀明月
對影成三人
月既不解飮
影徒隨我身
暫伴月將影
行樂須及春
我歌月徘徊
我舞影零亂
醒時同交歡
醉後各分散
永結無情遊
相期遥雲漢
月下独酌《げっかどくしゃく》 李白
花間《かかん》 一壷《いっこ》の酒、
独り酌《く》んで相《あい》親しむもの無し。
杯《さかずき》を挙《あ》げて名月《めいげつ》を迎え、
影に対して三人と成る。
月 既《すで》に飲《いん》を解《かい》せず、
影 徒《いたづらに我が身に随《したが》う。
暫《しばら》く月と影とを伴い、
行楽《こうらく》須《すべか》らく春に及ぶべし。
我歌えば月 徘徊《はいかい》し、
我舞えば影 零乱《りょうらん》す。
醒《さ》むる時ともに交歓《こうかん》し、
酔うて後は各々《おのおの》分散《ぶんさん》す。
永く無情《むじょう》の遊《ゆう》を結び、
相期《あいき》す遥かなる雲漢《うんかん》に。
 

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ヴェスターマーク徴候 /アート・オブ・クライム観る

ヴェスターマーク徴候とは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


ヴェスターマーク徴候
Westermark sign
肺血栓塞栓症において閉塞血管の支配領域で肺血管陰影が減少し,胸部X線像上明るくみえるサイン。
(Neil Westermark,1904生,放射線科,独)
・で、↓のようならレポートがありました。
 Westermark sign on chest X-ray in a patient following cardiac arrest due to massive pulmonary embolism

Celi J, et al. BMJ Case Rep 2022;15:e250557. doi:10.1136/bcr-2022-250557


・しかし、写真見せられて言われたらわかるけど、なかなか救急の場で一人でこの写真見たら、そういう徴候が思いつくでしょうか?もうひとつレポート↓


  Images in cardiovascular medicine. Westermark's and Palla's signs in acute pulmonary embolism.
Sreenivasan S, Bennett S, Parfitt VJ.
Circulation. 2007 Feb 27;115(8):e211. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.106.665422
↑に新しくでてきたPalla's signというものがありますが、肺動脈下行枝の拡張しソーセージ様にみえるサインみたいです。私の手元にある三つの医学辞典には載っておりませんでした。
・挿管チューブの位置を確認するために撮ったレントゲンでも、きちんと全部読影しないといけませんね。
以下日記
・7/18(月)は引きこもり勉強しておしました。15時より日直、引き続き宿直でした。夕方ちょっと忙しく、入院お一人。真夜中は幸いおこされることありませんでした。
・本日7/19(火)は宿直室で5時50分起床。シャワー浴びて、朝食摂って病棟回診。午前外来。午後昨日入院させて患者さんの結果を待って、ご家族へ病状のご連絡。そして14時45分頃病院出て15時11分帰宅。パソコンがなかなか起動せず、おくれてZOOMでCritical appraisalに参加。(16時まで)その後学位審査の準備18時位まで。猫達に餌をやりに行って、ちょっとだけ草抜いて帰宅。入浴、夕食。アルコール摂取。この時配偶者が録画していたフランスのTVドラマ(?)の『アト・オブ・クライム 美術犯罪捜査班』(シーズン4みたいでした)というドラマを観ました。ゴッホに関わる事件ですが、いろいろ蘊蓄がはいっていて、面白い。しかーし、一話完結ではない。わたしゃ、一話完結でないドラマは長続きして見られないんです。
・さて、そのそろ眠くなってきました。22時頃には寝ます。今日は、寝床で何をよみましょうかね。

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システマティック・レビュー・メタアナリシスの問題点/今日も1日ひきこもり

疫学を勉強していろいろ思うことがあるのですが、そのうちの一つにエビデンスのピラミッドがあります。EBMに関する論文や書籍をみてみると結構エビデンスのピラミッドがでてきます。ただ、以前に比べてあまり見かけなくなったような気がするのですが、私だけ?で、エビデンスのピラミッドも論文によって微妙にちがっていて、頂点はRCTだったりメタアナリシスだったりします。中には、頂点に診療ガイドラインなんかありますね。そもそもエビデンス・レベルって何よ?という議論をしていると長くなるので、それは置いておいて、メタアナリシスが無条件にレベルがたかいかというと、そんなことはありません。最近↓の本を読みだしました。


疫学: 新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用

疫学: 新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用

  • 作者: 坪野 吉孝
  •  勁草書房
  • 発売日: 2021/12/22
・この本の86ページに中に↓のような記述があります。

①実際のフィールドで対象者から情報を収集する努力を払わなくても、論文を集めて型通りの分析を行えば、システマティック・レビューの論文は書けてしまう。そのため、多数の論文がはんらんしている。
②システマティック・レビューのテーマとする事項について、医学的な知識や臨床的な経験がなくても、機械的な手順にしたがって論文が書けてしまう。そのため、当該分野の臨床や予防に従事する者にとって、実践的な意義やニュアンスを欠いた論文が出版される。
③ランダム化比較対照試験を行う資金力は、公的な研究助成機関を除けば、製薬企業が圧倒的に強い。そのため、患者のニーズや臨床医の関心とはかけ離れた、製薬企業の利益につながるようなランダム化比較対照試験が行われ、それらをもとにしたシステマティック・レビューの影響力が強くなる。
④おなじテーマを扱ったシステマティック・レビューでも、結果が異なることが珍しくない。
・上の①が最近思っていること。④は自分が論文をかいていてまさに経験したこと。②はまさにそうだなと思いますが、実際に自分は経験していないこと。③は、言われればまさにそうだなと思ったことです。
・ということで、システマティック・レビュー/メタアナリシスを絶対視せず、批判的に読まないといけませんね。
以下日記
・本日7/17(日)は、6時半起床。夕方までずーっと勉強もしくはスライドの作成をしておりました。で、17時くらいから2時間くらい草刈り、草抜きをしておりました。で、汗だくになって入浴、夕食。おいしくビールをいただきました。で、現在焼酎の魔王をいただきながら、このブログを書いております。
・おとつい、昨日で↓の本を読み終えました。おもしろくて、一気に読めました。この本の帯には、「STAP事件は現代のオカルト!」と書かれていますが、たしかにかなりSTAP細胞事件のことが詳しく書かれています。面白いのですが、これをオカルトといってしまってよいのかな?若干違和感はありますが、なんせ面白かったです。
反オカルト論 (光文社新書)

反オカルト論 (光文社新書)

  •  高橋 昌一郎
  •  光文社
  •  2021/03/26
・では、これから眠くなるまで、医療安全の講義のスライドを作ります。

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気胸をみたら考えること/結構本が読めました

気胸をみたら考えることは、女性だったら月経随伴性気胸をまず考えます。その他きわめて希ですが、エーラス・ランドス症候群を考えるようにはしているのですが...↓のようなレポートがありました。


 日本呼吸器外科学会雑誌/36 巻 (2022) 2 号
繰り返す血気胸で診断に至ったEhlers-Danlos syndromeの一例
西野 菜々子, 宮原 聡, 岩中 剛, 阿部 創世, 白石 武史, 佐藤 寿彦
【抄録】

Vascular-type Ehlers-Danlos syndrome(vEDS)は非常にまれな常染色体優性遺伝疾患であり,多くは家族歴から診断に至る.合併症として血管破裂や解離,消化管穿孔や臓器破裂が多く,気胸を初発とするvEDSは数少ない.今回,血気胸を初発とするvEDSの一例を報告する.14歳女性,左胸痛,咳嗽,血痰を主訴に入院となり,画像検査で左血気胸,下葉に小結節を認めた.胸腔ドレナージで症状改善したが,入院中に右気胸も発症し,両側気胸であることから胸腔鏡下手術を行い肺内血腫と血性胸水を認められた.月経随伴性気胸と判断し,ホルモン治療を行ったが奏功せず,血気胸を繰り返した.両肺に多発空洞性病変が存在することに加え,幼少期からの詳細な病歴聴取の結果,反復性関節脱臼や関節過伸展があることから結合組織病が鑑別に挙がった.遺伝子検査でCOL3A1の変異を認め,vEDSの診断に至った.

 

・エーラス-ダンロス症候群とは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓

 

エーラス-ダンロス症候群

Ehlers-Danlos syndrome;EDS

[同義語]過剰弾力性皮膚 cutis hyperelastica

 

遺伝性結合組織疾患の1群。本症はコラーゲン生合成過程の障害があり,原因としてコラーゲン遺伝子,コラーゲン合成関連酵素(リジルオキシダーゼ,プロコラーゲンペプチダーゼなど),コラーゲン凝集に関わるほかの細胞外基質(フィブロネクチンなど)の異常が判明している。従来,10型(Ⅰ~Ⅹ)に分類されていたがⅨ型(銅代謝異常)が,性染色体性ゴム状皮膚として本症候群から除外された。また,Ⅳ型(ザック-バラバス病Sack-Barabas disease)(A~D),Ⅴ型(A,B),Ⅶ型(先天性多発性関節弛緩症arthrochalasis multiplex congenita)(A~C)に亜型が設けられた。Ⅰ~Ⅲ型が症例の90%以上を占める。皮膚症状として過伸展(皮膚を摘むとよく伸びるが離すと速やかに元に戻る,舌が鼻先に届くゴーリン舌徴候(Gorlin tongue sign)など)と脆弱性(軽度の外傷で紫斑・血腫形成。ヘルニア様の萎縮性瘢痕),関節症状として過可動(過屈曲,過伸展,習慣性脱臼),血管症状として動脈瘤,易出血性がある。そのほか,自然気胸,臍および鼠径ヘルニア,早期破水,早産などに起因する。病型により障害部位,症状の程度が異なる。⇒マルファン様過剰運動性症候群 ⇒  (Edvard Ehlers,1863-1937,皮膚科,デンマーク。Henri Alexandre Danlos,1844-1912,皮膚科,仏)

 

 

・この患者さん、まだ14歳なのに、つらいですね。

 

以下日記

・7/12(火)にブログをアップしてから久々でございます。

・7/13(水)は通常の仕事のみ。

・7/14(木)も同上。ただ、金曜日研修医に知る講義の準備。

・7/15(金)は午前外来、午後回診と通所リハビリの会議、夕方研修医へ講義。内容は、「共同の営みとして捉えた医学・医療」と言った内容で、医師・患者のパートナーシップで狭い範囲の診療から病院の医療・経営活動、医学研究、地域作り、社会保障の充実ということで実際に行われていること、行うべきことについて話。近いうちに論文にしたいとおもっております。

・本日7/16(土)は6時5分起床。朝食を挟んで11時くらいまで勉強。そして早めの昼食摂ってZOOMで「JASRサタデーブランバッグセミナーSC論入門」を視聴。実は11時15分からだったのに、何を勘違いしたか30分送れて参加。残念。その後お昼寝を挟んで16時半まで学位審査の準備。それから17時45分まで、草抜き、草刈り→入浴。まだ、アルコールは飲まずちょっと勉強してごはんが炊けるのを待っています。もうちょっとしたら夕食。そして、まちにまったアルコール・タイムっ!しかし、今、雷がゴロゴロいっています。停電にならないように。また、落雷でPCが壊れませんように。(以前、経験あり。一応雷ガードしてますが)

・今日は、結構本が読めました。今日多分1冊新書が読み終えられるでしょう。もう一冊疫学の本が読めそうです。


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PPFE:上葉優位型肺線維症/私が唯一自信があること

以前この疾患をとりあげたかどうか既に記憶にございませんが、たとえ取り上げていたとしても記憶の強化のため本日は、このお話。

・標題の上葉優位型肺線維症は、希な疾患で私はほとんど経験したことはありません。ただ、私が若かりし頃レントゲン読影をおしえてもらっていた「お師匠」さまに、間質性肺炎でも1割くらい(だったかな?)上葉優位の物がありますといわれて、へー、そうなんだと思ったことは覚えております。で、以前は、(今も?)希な疾患で「知名度」も低かったでしょうが、最近の「新しい」分類で、希な特発性肺線維症にiPPFEが入れられて少しはゆうめいになったでしょうか。↓のような論文がありました。


Idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis
Yoshiaki Kinoshita, Hisako Kushima, Hiroshi Ishii
 BMJ Case Rep 2022;15:e251483. doi:10.1136/bcr-2022-251483
↑を読むとこの疾患の概要がわかるのではないでしょうか。で、日本語の文献↓(ここまで、かいていてこの病気のこと以前書いたかな?と思ってきた)
上葉限局型(優位型)肺線維症の病理
小橋陽一郎,河端美則,網谷良一
日サ会誌 2013; 33: 19-22
【要旨】 網谷らは1992年,上葉に限局した肺線維症で,結核などの原因の明らかでない13例を,特発性上葉限局型肺線維症(idiopathic pulmonary upper lobe fibrosis: IPUF)として報告した.IPUFは,胸郭は極めて扁平,胸郭外病変はなく,緩徐で はあるが確実に進行し,10–20年の経過で死亡する例が多い.病理学的には,両肺上葉が著しく縮小化し,両側肺門が挙上. 線維化病変は,上肺野に限局してみられ,下葉にはほとんど病変は認められない.胸膜の線維性肥厚があり,気腔内を充 満する形の線維化が形成され,時間経過した部分では,肺胞が虚脱,肺胞壁は折り畳まれた形となり,弾性線維が一見増 加したように観察される.線維化巣と下方の正常肺の境界は明瞭である.近年,idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis(idiopathic PPFE)としてIPUF類似の組織像を呈する上葉優位型の病変が報告され,新しい間質性肺炎の組織学的分 類のなかに,rare IIPsの一つとして取り上げられるようで,さらなる知見の蓄積がなされるものと期待したい.
・特発性肺線維症全般の解説↓
特発性間質性肺炎の診断・治療の進歩
〔日内会誌 109:94~99,2020〕
 特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)は,原因や基礎疾患を特定できない間質性肺炎 の総称である.現在,国際分類上,9つの病型に分けられる.そのなかで,患者数が最多である特発性肺線維症 (idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は,慢性経過をたどる予後不良の疾患であり,ステロイド治療が無効で ある点が他の病型と異なる.現在,抗線維化薬が導入されるようになり,予後の改善が期待されている.2014 年,特定疾患医療受給者であるIPF患者の疫学統計が明らかにされ,我が国では,有病率10万対10,生存中央値 が約3年,死因の40%が急性増悪であることが示された.なお,特定疾患医療給付制度に未登録の潜在的患者は その数倍存在すると推定されている.今後,2018年に改訂された国際ガイドラインに準拠した的確な診断のも と,早期からの治療介入が望まれる
以下日記
・7/7にブログを書いて依頼久しぶりの記事のアップです。その時に映画の『最高の人生の見つけ方』を観たことがないと書きました。自分でもそう信じていたので翌日Amazon Prime Videoで観るようにしたのですが、みていて、こりゃー以前観たわと思い出しました。ただ、同じ映画を観るのも良いし、同じ本を読むのも良いでしょう。時間がたつと全くおなじ者でも、違った物が見えてきて、違った感想をもてるので。しかし、それは、最初にみたり読んだ時の感想をおぼえていたら、ですが。で、観た感想ですが、なかなかうまくまとめられません。ただ、言えるのは自分だったらあんなに派手なことは死ぬ前にはしないでしょう。せいぜいフランスに行って美術館巡りをすることでしょう。あとは、我が家にあるまだよんでいなかった本を読むことでしょうかね。あとは、小さい頃けっこうあちこち転居していたので、もと住んででいたところを尋ねるでしょうか。・・・実はコロナが流行する前、それをやっておこうと思って、まずは京都の上桂にいきたかったのです。これは小学校入る前まで住んでいたので。しかし、コロナ流行で挫折。で、最近落ち着いてきたので行ってみようなかなと考えていたら、第7派?もう、やだっ!
・それは、さておき本日のブログの後半。私が唯一自信があることは何か、それは忘れること。最初に書いたようにブログに何をかいたか覚えていない。7/9(土)は宿直、7/10(日)は続けて日直で帰宅したのは、17時18分。当然(??)その後アルコール飲んでAmazon Prime Videoで続けて二つ洋画を見たのですが、翌日最初に何を観たかをまったく覚えていないのです。もう、ビックリ、ポンポン。まあ、しばらくして思い出しましたが...ヤバイ、老・テンション。
・さて、ちょっとだけ過去を振り返ります。
・昨日7/11(月)は、6時起床。朝勉して、朝食摂って、燃えるゴミ出して午前中はZOOMで因果推論の勉強会。午後から出勤して回診して夜間診療。帰宅は19時40分。夕食、入浴、学位審査のスライド作成。
・本日7/12(火)は、5時37分起床。学位審査のスライド作って早めに出勤。病棟回診し、午前外来。昼食後ささっと病棟回って14時41分帰宅。Teamsの準備。15時からTeams
起動し、15時10分から15時40分くらいまで学位審査のプレゼンテイーション予行演習。20分持ち時間あるのに14分弱で終了。もうちょっとスライド増やしましょう。その後一服後今度の金曜日にする研修医向けの講義(共同の営みとして捉えた医学・医療)のパワポ作成。入浴、夕食。そしてアルコールいただいております。このブログアップしたら、歯磨きして早めに寝ます。ああ、大画面で映画みたい。
 

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「死ぬまでにしたい10のこと」が思いつかない

2003年に「死ぬまでにしたい10のこと」という映画が上映されています。23歳の女性(母親)が余命数か月といわれてからの行動の記録かな?わたしゃ、予告編しか観ていません。また2008年に『最高の人生の見つけ方』という余命6ヶ月の2人の男性の映画、そしてそれを日本でリメイクした『最高の人生の見つけ方』(こちらは主人公が女性2人)が2019年に公開されております。この二つも予告編しか観ておりません。しかし、最近観てみようかなと思うようになりました。

・何百人(多分1000人まではいっていない)も患者さんを看取ってきて、次は自分かもしれないと本気で思っています。実際近々死ぬかも知れないなと思ったのが2回半あります。最初は原因不明の筋炎で、冷蔵庫のドアもあけられず、丼がもてず、立ち上がるときは膝に手をついて立ち上がる(医学では有名な登攀性起立=Gowers sign)ような状態でした。横隔膜がやられたら死ぬなと割と冷静に考えておりました。幸い現在生きてこのブログをかいております。2回目は声帯麻痺、下肢静脈血栓症ができたとき。お医者さんなら、悪性腫瘍があるだろうと考えますわな。当然私も考えました。癌があったらいやだなあと思っておりましたが、これまたなくて良かった。0.5回の死ぬなとおもったことは、頸の手術をしたとき。さすがに、死ぬリスクは低いでしょうが、何が起こるか分からないのが医療の分野、ひょっとしたら死ぬかなと思っておりました。(手術をしてくださった先生、麻酔の先生、ごめんなさい)

・で、最近本当にメメント・モリです。で、最初の映画の話になって、もし自分が死ぬとわかったら、何をしたいか?と考えるのですが、全然思いつかない。まあ、実は問題の設定も悪いわけで、余命数日なのか数週なのか数か月なのかによってきっとちがいますわな。それと、生きているといっても普通にうごけるのか、ベッド上安静にしておかないといけないのか。それぞれの条件の組み合わせを考えて何がしたいかと考えるのは、なかなか難しい。

・ここで半年くらいの余命で体はそれなりに動くと考えたら、何をするだろうか?1番目は、フランス、特にパリに行きたい。美術館巡りをしておいしいフランス料理を食べたい。ストラスブールも行ってみたい。ところが、2番目以降がとんと思いつかないのですね。

・死ぬことはおいといて、ちょっとやってみたいこと。桜の咲く頃弘前に行って花見、夜は津軽三味線を聴きながら食事すること。岩手で椀子蕎麦たべること。あと、乗り鉄のようなことをすることでしょうか?

・自分の性格をかんがえるに、マニアになれない、オタクになれない。とことん一つのことに熱中できないのですね。どこか、冷めた感じ。しかし、平均寿命まで生きるとしても、だんだん時間がなくなってくるので、そろそろ本気でやりたいことを考えて、やっていきましょう。すぐに思いつくのは美術館巡り、生の音楽を聴く、キャバレー(キャバクラじゃないですよ。お酒飲みながら色んな出し物が見れるところ)に行く、バー巡り、地ビール巡り、コロナの危険がなければクルージング、温泉でボーとする、リゾートホテルでボーとする・・・

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