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今年の個人的ニュース/皆様、よいお年を.

今年もあと数時間です.世の中毎年10大ニュースなんてやっているみたいですが(よう知らんけど)、自分の今年の重要な出来事は何だったのかと考えています.ただ、今、結構酔っ払っていて、なかなか思い出せません.現段階で自分の重要な出来事を思い出したいと思います.(10も大きな事は無かったと思います)


一位:自分の英語論文が査読付き英語雑誌に掲載され、連動して大学院が卒業できたこと.

        自分が書いた論文は、人様のデータをいただいたのではなく、実際に自分が直接・間接的に診ていた患者さんのデータをまとめて論文化したものです.それが英文誌に載ったということは、田舎の中小病院で働く一臨床医の私の活動が国際的に(ちょっと大げさ)認められたということです.結構感慨深いものがあります.で、それに連動して大学院が卒業できました.7年半かよってやっと卒業できました.

二位:2年ぶりに深部静脈血栓症に罹患.

         2年前右脚の深部静脈血栓症になったのですが、今回11/24に左深部静脈血栓症になり即入院、5日間入院しました.一生抗凝固剤をのまないといけないみたいで憂鬱です.

三位:2月に新型コロナウイルスに感染.

        品行方正にしていたのに感染してしまいました.で、自宅療養.その間Amazon Prime Videoで『鬼滅の刃』がちょっとみれましたけど.後遺症として味覚異常と異様な全身倦怠感を経験しました.(今は、治っておりますが)

四位:お世話になった先生方がつぎつぎ亡くなった.

        大先輩で仲人をしてくださった先生、呼吸器の先輩の先生、塾のような研究会でお世話になった先生がつぎつぎなくなりました.メメント・モリです.

五位:町内会の役員になったこと

        私の大の苦手な会計になりました.そんでもって、途中で急に会長さんが入院されたので、代行のようなこともしました.とっても大変だったのですが、それなりに勉強になり、面白くもありました.

その他

   後は、順位が付けられるようなものがあるわけではありませんが、下のようなことがありました.

  たまたまポスターでみた1996カルテットというグループのコンサートに行きましたが、なかなかよかったのでCDを集めるようになりました.近くでコンサートがあるならまた行きたいです.

   8月に名古屋で開催された社会医学会にリアルに参加.最初ZOOMで参加するつもりだったのですが、学会の監事をしている関係で、実際に来なさいということで名古屋大学医学部まで行って参りました.監査報告と分科会の座長をおこないました.また、顔なじみの方々と実際会えてうれしかったです.

  お宮の掃除と神事に参加.町内会の役員をしている関係で、地域の天神社の掃除(主に草刈り)を仕切らなければならなかったのと、神事へ参加し地域を巫女さんといっしょに回りました.あらためて、自分の地域のことをしらないということが認識できました.

  あとは、日常の診療で結構ターミナルステージの患者さんの紹介を受けてお看取りをしたということでしょうか.結構精神的にしんどかった.

  学術的には呼吸器の研究会でじん肺に合併する自己免疫疾患について発表したことでしょうか.(これは、英語の論文にしたいと思っております)


・以上のようなことが、今年あったみたいです.来年はもっとゆとりを持って働いて、かつ、勉強したいのですが、現実はなかなか難しい.本当にゆっくり本が読みたいものです.で、これから寝て先日ブログに書いた↓をよみたいと思います.




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中皮腫の労災申請は医師だけの役目ではない/「すずめの戸締まり」観ました

中皮腫の労災申請について↓のような論文がありました.(私が肺癌学会に入っているので全文読めましたが、会員でない方はひょっとしたら本文は読めないかも知れません.J-stageのシステムがどうなっているのかよくしらないので)


中皮腫発症に伴う労災保険制度の申請における医師の役割と課題
福神 大樹, 影山 小百合, 小丸 可奈子, 中島 喜章, 藤原 妙子, 山中 伸治, 鈴木 江郎, 松島恵一, 右田 孝雄
肺癌.2022;62:983-988




抄録

 

目的.中皮腫患者は労災保険制度の申請ができる.しかし職業ばく露の評価は医師の負担になっており,石綿ばく露調査の体制において現場の医師の対応は明らかにされていない.方法.中皮腫患者90名に対して質問紙調査を行い,労災保険制度の申請(認定)を目的変数とし,「医師の対応」3項目と「労災保険制度の申請理由」5項目を説明変数としてステップワイズ法による回帰分析を行った.結果.患者は医師からの相談窓口への紹介が増加した場合,労災保険制度申請の増加がみいだされた(b=0.276,t[88]=2.336,p=0.021,β=0.242).また患者会からの助言・指摘が増加した場合も労災保険制度申請の増加がみいだされた(b=0.569,t[88]=5.373,p<0.05,β=0.497).結論.労災保険制度の申請には医師が患者に対して相談窓口に紹介することが重要であり,医療機関における相談支援体制を整え,患者会と連携を深めることが課題である.

 

・抄録の結論は、至極まっとうなことだと思うのですが、本文読んでいて実は内容がよく分かりません.まず↑の論文の「医師」というのがどのような医療機関に所属しているのか?最初に診た医師なのか、紹介を受けて治療をおこなった大きな病院の医師なのか?また、相談窓口ってもうちょっと具体的になになのか?

・私、もう少し若かりし頃は「医師(特に大病院)がもっとしっかり勉強して労災申請につなげんかいっ!」とエラソーに思っておりました.しかし、朝から晩まで手術室に入っているDr.にそのようなことを求めても酷、無理と最近は思うようになりました.代わりに、大きな病院なら医事課の職員やMSWがDr.に断って申請を手助けすべきと思うようになってきております.(口の悪い私は、ただお金の計算のみしている医事なら、常勤職員でなくみんな派遣さんか将来AIにしてもらえばええんじゃっ、と言ってしまいそうです←言っとるがな)ただ、ここで問題は、その医療機関の医師と多職種間の権威勾配が大きくないことです.MSWがこの患者さん労災申請ができると思いますとDr.にいっても(実は、怖くてよういわなかったりして)、聞く耳持たなかったり、仕事を増やすなっ!と起こるようなDr.ならこまります.制度が分からないDr.は、自分は手術はうまいが、制度について苦手だから他の方にお任せしますというような自分の立ち位置を認識していただきたいと思います.(労災以外のことでも、大きな病院のDr.には医療制度、医療界の中での自分の立ち位置がどのようなものなのか認識して欲しいなと思うことがよくあります)

・最初の論文についての私のコメントは、医師のみでなく医療機関としてアドバイスができるようにしないといけないのではないかということです.

 

以下日記

・昨日12/23(金)は、雪が心配、というか雪が降ったら早く家を出ないといけないので、5時42分起床.幸い我が家周辺から職場までは雪は降っておりませんでした.で、いつものように出勤して、まず病棟よって午前外来.午後回診と医療安全委員会とそれに続いて病棟の会議.帰宅は18時17分でした.ダッシュで夕食摂ってZOOMで19時から20時まで3年ぶりで開かれた西部呼吸器疾患懇話会に参加.非結核性抗酸菌症の講演が主でしたが、自分の知識が大体間違っていないことが認識できました.その後は、アルコール摂ってちょっとダラダラ.

・本日12/24(土)は、5時50分起床.仕事としてやることはいっぱいありますが、あえてこの(土)(日)は病院に行かんとこと数日前から決めておりました.で、朝食摂って7時30分くらいに家を出てイオン倉敷へ.8時35分から「すずめの戸締まり」を観ました.新海誠の作品は、「天気の子」以外はみんな観ておりますが、今回もああ、新海監督らしいなという雰囲気.そしてジブリへのオマージュがやっぱりあるなぁとおもました.ただ、いつものようにディテールがちょっと変だけど画像がきれいので許す.今日はストリーを追うのに気をとられて画像や音をゆっくり楽しめなかったので、もう1回みたいな.

・その後はイオンモールで買い物、昼食、帰りUsagiyaで文具買って14時36分帰宅.で、16時前からアルコールをいただいておりました.18時半頃配偶者と庭の草を焼くための焼却器をコーナンに買いに行って、夕食.入浴.そして、現在アルコールを摂りながらこのブログを書いております.

・一応明日も病院には行かないつもりです.「休む勇気」ナンチャッテ.

 




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蛇のように蛇行した表在静脈網に沿った色素沈着/信じた私がバカだった

標題(/より前)がなんのこっちゃと思われたかも知れませんがSerpentine Supravenous Hyperpigmentationという医学用語の私の意訳(???)です.正式な日本語の訳はないみたいです.もうちょっと真面目に訳せば蛇行性静脈上色素沈着ととでも言いましょうか?(もし、正式な訳語があるようなら教えてください)主に抗がん剤投与後におこるようです.NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに↓のようなレポートがありました.


Serpentine Supravenous Hyperpigmentation


Nadine S. Maalouf, Meggie Morand


N Engl J Med 2022; 387:e67




・日本語の文献↓


ドセタキセルの投与によりPersistent Serpentine Supravenous Hyperpigmented Eruptionを生じた1例
梅村 茂樹, 矢野 琢也, 山根 弘路, 瀧川 奈義夫, 木浦 勝行, 亀井 治人
 抄録
背景.ドセタキセル注入後における抗癌剤注入部からの表在性静脈網に沿った色素沈着(静脈炎後の色素沈着): persistent serpentine supravenous hyperpigmented eruption(PSSHE)は稀である.症例.54歳,男性.非小細胞肺癌にて,2007年6月よりドセタキセル(40 mg/m2;days 1, 8)+シスプラチン(40 mg/m2;days 1, 8)による化学療法を開始した.初回投与のday 10に,1回目投与時の左橈側皮静脈穿刺部周辺に軽度の掻痒を伴う発赤,水疱が出現し,さらに左前腕遠位部の皮静脈網に沿って無痛性の線状紅斑性発疹が出現した.発疹はしだいに近位方向に広がり,上腕遠位部にまで及んだ.発赤部はステロイド剤外用にて軽快し色素沈着を残した.その後2回のドセタキセル+シスプラチンの投与では発疹は生じなかったが,左橈側皮静脈より4回目の投与を施行したところ,2コース目のday 15より4回目投与時の穿刺部から再度左前腕の静脈に沿った発赤,色素沈着を生じた.結論.ドセタキセルによるPSSHEは稀であり,病態やリスク因子の把握,予防法の確立が必要であると考えられたため報告する
・NEJMの論文は2ヶ月後に消退したと書かれていますが、日本語の論文は色素沈着をのこしたと書かれていますが、それがいつまで観察したのか不明で、ひょっとしたら長期観察していたら来ているのかも知れませんね.
以下日記
・最近疲労がたまっており(というか元気ですと言ったことがないような)ブログがなかなかアップできません.また、ちょっとだけ過去を振り返ります.
・12/20(火)は寝過ごして配偶者に7時におこされました.ダッシュで身支度して出勤.午前外来、午後ささっと回診.私用があり午後から有給休暇をとっていたのですが、在宅の患者さんの状態が悪いと言うことで私服に着替えて帰宅途中に患者さん宅に寄ることにしたのですが、なかなかたどり着きませんでした.二人の女性看護師さんにお家の位置と目印を聞き、ナビに住所も入れたのに目的とする家にたどり着きません.(看護師さん二人の話ではあっさり到着するはずだったのに)30分くらいさまよって、近くの美容院の一にも場所訊いたりしていたら、病院から電話があって訪問したことのあるMSW(男性)さんが場所を教えてくれて、やっとたどり着きました.過去の自分の教訓を忘れていました.女性に場所はきくなと.これは女性差別・蔑視ではございません.女性と男性では位置の捉え方が違うのです.そのことは、いろんな本で断片的にかかれていたし、実体験でもそう感じておりました.しかし、系統的に勉強しようと↓の本をやっぱり読んでおこうと思った次第です.
新装版 話を聞かない男、地図が読めない女

新装版 話を聞かない男、地図が読めない女

  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2015/12/11
  • メディア: Kindle版
幸い患者さんは、想像していたよりは落ち着いておられ(と言っても苦痛アリ)安心し、ちょっとだけ診察して、お話しして16時前に帰宅しました.それからJAに行って私用を片付けてて再び帰宅.いつものこと(猫の餌やり、入浴、夕食)して、20時30分から22時半まで"Causal inference: What If"の勉強会.おもにmodificationとinteractionの違いでした.
・12/21(水)は6時ちょっと前に起床.早めに家を出て7時半着.病棟の患者さん診てから外来.午後ちょこっと病棟よって15時前に昨日いった患者さん宅へ往診.行き帰り含めて1時間くらい.その後夜間診療.それから入院患者さんのご家族と面談.なかなかどう治療をすべきか迷っている患者さんでした.医者が迷うくらいだからご家族も迷われ、「先生のお母さんならどうされますか」と質問されました.実は、そのような問いは病状説明の時「自分が患者だったらどうしたいか?かぞくだったらどうしてほしいか?」自問自答してのぞんでいます.一応とりあえずの方針がきまって1回目の面談終了です.(残念ながら2回目はありませんでした)19時半から21時前まで開業医さんとの勉強会.私が肺癌の読影についてレクチャーしましたが、全然うまく行きませんでした.次やるときはもっと簡潔にもっと上手にやるぞっ!と決意いたしました.帰宅は21時10分.いつものルーチンしてねました.
・本日12/22(木)は、また寝過ごして配偶者に7時におこされました.慌てて身支度して水島へ.本当は早起きして玉島へ寄って重症の患者さん診てから水島へいこうとおもっていたのですが...午前は水島で産業医学科外来.空いてる時間に玉島の電子カルテみたら昨日ご家族と面談した患者さんの状態が悪化.他のDr.が対応してくださっておりました.昨日の面談は、そういうこともあるというお話をしていたので、まあ、よかった.(よくないけど)午後は倉敷市役所で公害健康被害認定審査会.16時まえに玉島へ戻って仕事をして18時14分帰宅.ルーチンのことをダッシュでして19時半から21時10分までソーシャルキャピタル研究会に参加.お題は、「保健福祉職のための「まち」の健康づくり入門 地域協働によるソーシャル・キャピタルの育て方・活用方法」・・・なかなかプラクティカル(と私は思った)でよかったです.なんかMBAみたい.(実はMBAの詳しい事知らんけど)その後ちょっと勉強してこのブログ書いております.それでは、もう寝ます.

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COVID-19とワクチンによる心筋炎/寒くて痛い

新型コロナ感染症がはやりだした頃、単なる呼吸器系への感染のみでなく、心血管系へも影響があるというのを勉強しましたが、その後ワクチンにもそのような副反応があると知りました.それを簡単にまとめてくださっている論文が↓



COVID-19とワクチンによる心筋炎
岸 拓弥
心臓 53 巻 (2021) 12 号
・何でもそうですが、メリットとデメリット、効果と副作用を天秤にかけて行う(投薬だったり検査だったり手術だったり)が医療です.↑の論文の中にも↓のような記述がありました.(あくまでも現時点での話ですが)
・新型コロナウイルスワクチン接種後の急性心筋炎と急性心膜炎の発症率は,新型コロナウイルス感染後の急性心筋炎と急性心膜炎の発症率に比較して,現時点では極めて低い.
・新型コロナウイルスワクチン接種後に発症する急性心筋炎と急性心膜炎の大半は,現時点では重症(劇症型)ではない.
・新型コロナウイルスワクチン接種による利益は,ワクチン接種後の急性心筋炎と心膜炎の危険性を現時点では大幅に上回る.
あっという間に以下日記
・本日12/19(月)は5時50分起床.朝勉して出勤.午前中は病棟の回診と事務作業.午後も回診、早めの夜間診療.結構予約外の患者さんが来られました.幸いなこと(???)に予約の人のキャンセルもあり時間が大幅に遅れると言うことはありませんでした.(あくまで医師側の感覚であり、患者さんは結構待ったと思っているかも知れませんが)そして、久々に夜間診療中に救急車を受け入れたことが本日のトピックスですね.電話で連絡を受けたときにイメージしていた状態に比べたら超重症というようなかんじでもなかったのでホッとしました.で、入院伝票を切って、明日までの指示を入れておきました.
・帰宅は20時12分.いつものようにネコたちにえさやって、お風呂入って夕食.アルコールもいただきました.と、言っても500mLの缶麦酒.ビールの中にゆずの果汁やレモン果汁をいれてみましたが、結構「いける」ものでした.その後ちょっと勉強してこのブログを書いております.
・ところで今日は寒かったですね.朝、駐車場から病院の入り口まで歩くと左脚がちょっといたいなと感じました.帰りはかなり左脚が痛かった.深部静脈血栓症後じょじょに長距離歩けるようになってきましたが、本日はかなり痛かった.やっぱり、寒さがこたえるのでしょうね.明日からふくらはぎに使い切り懐炉でもはっ付けておきましょうか.

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肝細胞癌に対する化学塞栓療法の合併症としての皮膚壊死/偲ぶ会

標題にあるような事例の報告NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICIENにありました↓


Skin Necrosis after Transarterial Chemoembolization
Myriam Viedma-Martinez, Isabel Villegas Romero
N Engl J Med 2022; 387:2268
・そもそも化学塞栓療法とは↓(がん情報サービス)
1)肝動脈化学塞栓療法(TACE)/肝動脈塞栓療法(TAE)
・何故皮膚に障害が起こるか?最初のNEJMの論文にちらりとかかれていましたが、肝鎌状動脈というのが皮膚とつながっているんですね.↓のような日本語の論文がありました.
経肝動脈腫瘍塞栓術施行による臍上部の有痛性紅斑の1例
斎藤 研二 日下部圭吾 村田 洋三 熊野 公子
 皮 膚 ・第42巻 ・第1号 ・2000年2月
 65歳女性。肝細胞癌に対して経肝動脈腫瘍塞栓術(transcatheter arteria embolization:以下TAE)が施行された。第1回右肝動脈からのTAEでは,皮疹は生じなかった。肝左葉の腫瘍に対して左肝動脈からの第2回TAE施行3日後,臍上部に水疱形成を伴う有痛性紅斑が出現した。紅斑は消退したが,6ヵ月後瘻孔を生じ手術加療を要した。TAE時の動脈造影CTにて,肝左葉を経て腹部皮下組織に達する肝鎌状靭帯動脈が描出されており,この動脈を介して皮膚合併症が発症しているものと考えた
・私の患者さんで何人かこの治療を受けられて方がおられますが、幸いどなたもこのような合併症は起こされていませんでした.ただ、今後もTACEする患者さんは出てくるでしょうから、気をつけておかないと.
以下日記
・一昨日12/16(金)は、午前外来、午後発熱外来でコロナ感染症疑いがある人を3人診察.合間に病棟回診.18時30分から入院患者さんのご家族に病状説明して19時50分帰宅.ネコたちに餌、入浴、夕食、肺癌の講義の準備を行いました.
・昨日12/17(土)は6時半起床.11時くらいまで因果推論の勉強.11時15分から12時45分までZOOMで、社会関係資本論のWebinar視聴.その後配偶者と最近鴨方にできた「ベトコンラーメン」に昼食.30分強まって口に入りました.何とニンニクの多き事よ.ニンニクはできるだけさけて食べました.しかし、苦しい.帰宅後はひたすらい肺癌の講義の準備.夕方ちょっとだ出かけて買い物.夕食は本格的には食べられず食パンにして後はアルコールを飲みました.
・本日12/18(日)は、6時半起床.肺癌の講義を9時くらいまでして、あとは身支度9時半に家を出て玉島の樋口芳泉園茶舗というお店でほうじ茶を買って水島にある生協会館へ.11時から12時まで「三村宏二先生を偲ぶ会」に参加.三村先生は初代玉島協同病院院長、私は4代目院長.そして、三村先生は私たち夫婦の仲人もしてくださってもおり、わたしは偲ぶ会の呼びかけ人のひとりとなりました.で、本日会の最初の挨拶.挨拶は大の苦手だったのですが、なんとかおわりました.その後はいろんな方のお話をききながらホロリともきました.そして参加者で献花をおこない、最後に息子さんの挨拶で会が終わりました.私を含め参加者の心のケジメがついたのと、同窓会のようになったり、高齢の先輩方の生存確認ができてよかったです.コロナがなければ2,3時間食事をしながらこういう会ができたらよかったなと思いました.ひょっとしたら、コロナがおわったらもう1回したりして.
・会の後は近くの古狸庵でかきあげ天ぷら饂飩をたべてのち、帰り山陽マルナカ、Ks'デンキに寄って買い物したりして15時20分帰宅.肺癌の講義の準備をちょっとだけして16時過ぎから17時過ぎまで、町内会の集金に回りました.皆さん、親切に声を掛けてくださり快くおつりの(あまり)内容に支払ってくださり助かりました.しかし、完全に体が冷えた.で、脚も痛くなりました.(最近血栓後症候群の痛みは大分よくなっているのですが、やはりある一定の距離を歩いたり、長時間脚を垂らしていると痛くなります.また、痛みはよいものの夜はビックリするくらい脚がはれております)また、体を温めながら肺癌の講義の準備.そして入浴、夕食.アルコールをいただいております.何か結構つかれたので、早く寝たいと思います.

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黒褐色の動脈血/「冬はつとめて」、ではなく、鍋

動脈血採血は昔は得意でしたが、年を取ってくるとできるだけしたくない手技です.で、血液がシリンジに上がってくるとき真っ赤だと安心しますが、ちょっと黒っぽいと二つの意味で心配になります.動脈血酸素飽和度が低い、もしくは動脈血ではなく静脈血ではないのかと.しかし、思いっきり黒褐色だと↓のような事も考えないといけません.


Fatal methaemoglobinemia due to intentional sodium nitrite ingestion


Wettstein ZS, et al. BMJ Case Rep 2022;15:e252954. doi:10.1136/bcr-2022-252954




・今回あまり多くを語りません.動脈血ガスがおかしければ、何らかの中毒を思い浮かべるべきという教訓のみ書いておきます.


あっという間に以下日記

・ちょっとの間ブログをアップしていなかったので過去を振り返ります.

・12/13(火)は、寝過ごして6時半起床.慌てて身支度して出勤.午前外来、午後回診.15時から16時にこもってZOOMでcritical appraisalに参加.その後も回診ご家族との面談して18時半頃帰宅.ルーチンをこなして20時半から22時半まで"Causal Inference: What If"の勉強会.その後もちょっと調べ物して寝るのは0時近くになりました.

・12/14(水)も6時半起床.慌てて出勤して午前外来、午後回診とカンファレンス、早めに夜間診療開始、帰宅は19時19分.ルーチンのことして、夕食:スンドゥブチゲだったので当然アルコール摂取です.

・本日12/15(木)も6時半起床.朝が起きられなくなってきています.午前外来、午後回診.合間に産業医面談、認知症グループ会議.帰宅は何と18時11分とめちゃ早い.ネコたちに餌やりにいってお風呂入って、今日はもつ鍋.今日のモツはメッチャうまかった.で、当然アルコールです.田沢湖麦酒を飲んだ後ハイネケン.それにテキーラをいれるとかなりの味変して、いとおかし.

・このブログ20時台にかいておりますが、完全に酔っ払っております.21時には寝ます.明日は早起きできるかな?



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肝臓の中に脾臓ができる/気分はアグネスチャン

以前このブログで書いたような書かなかったような、多分書いたと思われる脾臓が変なところに「再生」したお話・・・脾症splenosisという病気があります.私の手元の『医学書院医学大辞典第2版』『南山堂医学大辞典第20版』には載っておらず『ステッドマン医学大辞典改定第6版』に以下の様に簡単な説明がありました.


splenosis 脾症(脾臓破裂の結果、脾臓組織が腹部内に着床し、続いて増殖する状態)


ただ、ちょっと文献調べてみますと、端緒は脾臓破裂のみではなく、手術の場合もあり、また腹部無いでは無く胸部や皮下にも「着床」するみたいで、もうちょっと広く捉えないといけないみたいです.


で、↓のような論文がありました.


肝細胞癌との鑑別診断に苦慮した肝内脾症の一例
杉島 涼音, 他.
 肝臓 63 巻 10 号 456―462(2022)
【抄録】
症例は70歳代女性.X-33年に脾臓摘出術と輸血を受けた.HCV抗体陽性およびCTで肝S2に20 mm大の腫瘤を指摘され紹介となった.腫瘤は超音波検査で低エコーとなり,dynamic CTで早期濃染を示すが門脈相にて欠損像を認めず,EOB-MRIで肝細胞相は低信号を示した.画像所見は肝細胞癌としては非典型的であったが,HCV陽性のため肝細胞癌を否定できず腫瘤生検を施行した.病理組織では白脾髄,赤脾髄を認め脾臓組織に矛盾しない所見で,SPIO-MRIにてSPIOの取り込みによる信号低下を認め,肝内脾症(intrahepatic splenosis)と診断した.Splenosisは脾臓摘出や脾損傷後に生じる良性疾患だが,特に慢性肝炎や肝硬変など発癌リスクがある場合に肝細胞癌との鑑別が困難となる.脾臓摘出術や脾損傷の既往を持つ症例では本疾患を念頭に置く必要がある.
・↑の論文の考察で詳しくsplenosisについて書かれていました↓
  Splenosis は脾組織の異所性自家移植片である.脾損傷や脾摘出後に脾組織が腹腔内に散布着床することで生じ,脾破裂患者の 16-67% に脾症を認めるとされる.脾損傷あるいは脾摘出後の 5-32 年で生じ,個数は単発のものから 400 個と多発するものまで様々で,大きさは数 mm から 7 cm と報告されている.好発部位としては小腸の漿膜表面,腸間膜,横隔膜の下面,および骨盤内であり,本例のように肝臓に発生することは稀
であり,1939 から 2019 年の間に PubMed で症例報告されているのは 59 例である.腹腔内でなく肝内に自家移植される機序としては,脾損傷や脾摘出時に経門脈的に脾細胞が肝内に入り,肝臓に局所的な低酸素部位があれば,同部で脾臓の赤血球前駆細胞が生着/増殖することなどが考えられている.通常は無症状であるが,サイズが大きい場合などに腹痛,消化管出血,腸閉塞といった症状が出現する場合がある.
・既往歴から、この鑑別診断を思い浮かべる.大事でしょうが、難しいですね.
以下日記
・本日12/12(月)は、6時半起床.午前中は有給休暇をとって10時までは、"Causal Inference: What If"の勉強.あっという間に時間が過ぎます.その後農協、郵便局へ行っていろいろ手続き.家の外に出たついでに里庄町の丸亀製麺で釜揚げ大とイカの天ぷらの昼食.午後から出勤して回診、夜間診療.帰宅は、19時47分.ネコたちに餌やって、入浴、夕食.田沢湖ビールを1本のみ飲みました.その後勉強してこのブログを書いております.あとひとつ論文読んでからねます.
・ところで、先週木曜日から弾性ストッキングを着用しだしたのですが、結構楽です.ちょっと歩いても左脚が痛くて跛行していたのが、大分痛みが楽で跛行もほとんどなくなりました.でも、今日夜間診療終了近くになって下腿が痛み出しました.やっぱり長く脚をおろしておくといけません.当分(or 一生)毎日弾性ストッキングです.気分はアグネスチャン・・・このジョークを病院で言いたいのですが、どれだけの人に通じるか怖くてまだ行っておりません.恐ろしいギャップの差を感じるでしょう.
*ギャップの差ってジョークで書いてるのですよ.


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心房細動に対するカテーテルアブレーションの副作用としての肺静脈狭窄症/宿直で寿命が縮まる

私が外来で診ている患者さんで、時々不整脈の治療でカテーテルアブレーションをされている患者さんがおられます.そういう方が、咳、血痰、息切れ、だるさ等訴えられたら肺静脈狭窄症も考えないといけないんですね.↓のような論文がありました.

 

Recurrent pneumonia post atrial fibrillation ablation: do not forget to look for pulmonary vein stenosis




Abstract
A man in his 50s presented with persistent chest pain, haemoptysis, cough and dyspnoea 5 months after undergoing catheter ablation for atrial fibrillation (AF). Several chest CT scans suggested pneumonia. Despite adequate treatment for recurrent pneumonia, symptoms persisted. While reviewing the initial chest CT, a partial venous infarction of the left lower lobe associated with severe left inferior pulmonary vein stenosis (PVS) was diagnosed. Stenting of the left inferior pulmonary vein with a vascular bare metal stent was performed, guided by fluoroscopy and transoesophageal echocardiography. Dual antiplatelet therapy (aspirin/clopidogrel) was introduced for 3 months, followed by long-term aspirin monotherapy. The treatment resulted in relief of his symptoms and the resolution of pulmonary opacities on chest CT. Despite low frequency, AF ablation remains the most common cause of acquired PVS. As highlighted in this case, symptoms are not specific and include recurrent pulmonary infection with delayed management.




cf. 2016年のCareNetの解説記事↓


心房細動アブレーションによる高度肺静脈狭窄、適切な対処法は?





不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)




上のp64に↓のような記述があります.


手技や時期および仕様デバイスの影響などもあり,合併 症発症率は報告により異なる.AF アブレーションの開始 当初比較的多かった肺静脈狭窄は,高周波アブレーション カテーテルではほとんど報告されなくなったが,バルーン アブレーションの普及とともに再度増加の傾向があるため, 注意が必要である.


・肺静脈狭窄症は主には小児の先天性疾患、もしくは先天性疾患の術後合併症として認められることが多いみたいで、成人ではアブレーションの合併症くらいでしかみられないのでしょうか?医中誌で「肺静脈狭窄症 成人」といれたら20件ヒットし、アブレーションの合併症以外では悪性リンパ腫によるものと脊柱側湾の進行によるもの2件のみで、それも会議録のみでした.かなり珍しいのでしょうね.



以下日記

・昨日12/10(土)は17時30分から本日12/11(日)9時まで宿直でした.この間お一人お看取りをしました.帰宅は9時45分でした.一服後お昼まで肺癌のレクチャーの準備.参考文献を調べているといろいろ文献がでてきて面白かったのですが、きちんと全部読む時間が無いのが残念.昼食後ちょっとお昼寝.午後は、最近無くなった私の尊敬するDr.の偲ぶ会の挨拶文を書いておりました.何を書いてよいのか分からないので、押し入れの奥を引っかき回して昔の資料を探してうちの組織の歴史やその先生の書かれた文章を探し出して読んでいました.それを読んでいて、つくづく素晴らしい先生だったと思いました.

・夜は医療生協の配り物を配偶者とおこなってその足でコテツといういつもの焼き肉屋さんへ.もう、カルビはいけません.脂が多く苦しい.今後はハラミにしましょう.帰宅後は、上記挨拶文をしあげてe-mailで送付.お風呂入って、これから田沢湖ビールをいただきます.

・しかし、宿直は本当に疲れた.お看取りをして精神的に疲れたのとその時は興奮していてなかなか寝付かれず、寝も浅かったです.幸いなことに2時前におこされた以外は朝7時過ぎに電話でおこされるまで眠れたことです.ホンマ、命けずってます.


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マイ手帳大賞:自分が聴衆として満足できるようなプレーをする/弾性ストッキングはかなり良い

私はあまりTVをリアルタイムに観ません。録画したのは観ますが。まず、観ているのは、「月曜から夜更かし」「マツコの知らない世界」「激レアさんをつれてきた」「サラメシ」「ヒューマングルメンタリーおもうまい店」でしょうか。また、とびとびですが、「孤独のグルメ」も。それに最近は「ドクター・ハウス」を観るようになりましたかね。

・今朝、食事をとっているときたまたま↓の2つのプログラムを見ました。最初の秋吉敏子さんのインタビューで最初に

「 結局ピアニストというのは、音楽家というのは自分が最初の聴衆ですから、だから自分が聴衆として満足できるようなプレーをするような毎日心掛けるわけです」

といわれていましたが、うーん、そうか、医者ならどう言うべきかな?と考えております。

また、

「 音楽というのは、私自身はある意味での「反抗」、つまり国の行き方に対する反抗みたいなものだと、私はそういうつもりで音楽つくったり、プレーしたりしているんです。

私はどこで演奏しても、『HOPE(希望)』という曲を最後に演奏するんです。平和は来ないでしょうけど、われわれはいつか来るように希望しますと。多分駄目だって分かっても、やっぱりそうありたいっていう。」

とも言われました。ちょっと感銘しました。




ジャズピアニスト秋吉敏子さん “平和は来ずとも「HOPE」は捨てない”





・二つ目のプログラムは、「家具作家」のお話。素敵な椅子を作られていましたが、木多さんの経歴を観るとそれまでいろんな世界・景色を観てきたから、こういうことができるのかなと思いました。岡山県にこういう作家さんがいるなんてジェンジェン知りませんでした。


 「バランス賛歌 〜家具作家・木多隆志の場合〜」





すでにほぼ日記だけど、以下日記。

・12/8(木)は、朝一で玉島の病院へよって重症の患者さんみてから水島へ。午前中産業医学科外来。その前後で自分の採血と診察をしてもらいました。で、血栓後症候群と診断され、弾性ストッキングをはくよう勧められました。で、水島の売店で購入(4000円以上してお高い)。午後は水島で振動障害の末梢機能検査。20度の部屋に2時間位いて寒かったです。その後玉島へもどって回診、事務作業。帰宅は19時過ぎでした。家帰って弾性ストッキングはいてみましたが、楽なような。翌日より本格「稼働」です。21時半から22時10分ZOOMでグラム染色の講義を視聴。

・昨日12/9(金)は、午前外来ですが、全然午前でなくて終了したのが14時40分。その後昼食とって15時から通所リハビリカンファレンス。それから病棟回診。でも18時頃には病院出ることができて、かえりザグザグで、買い物して18時半過ぎに帰宅です。(買い物のなかには、ちょっとお安いストッキングも)

この日、本格的に弾性ストッキングをはいていたのですが、かなり痛みが違いました。弾性ストッキングってどのくらい効くものなのかと懐疑的におもっていましたが、かなり良い。(井の頭五郎風)問題は、1足ではすまなくて数足購入しないといけないこと。しかし、お高い。患者さん大変です。

この日は疲れ切ったのでアルコールをいただきました。配偶者がおこなったふるさと納税の返礼品と思われるビール(田沢湖ビール)がとどいたのでいただきました。まずまず。

・本日12/10(土)はゆっくり7時起床。朝食とりながら↑のTV観た後は10時まで、"Causal Inference: What If"を読んでおりました。10時から12時まえまで、超久々にZOOMで「医療従事者のための産業保健研究会」に参加。時節柄ほとんどがSARS-CoV-2関連でした。本当に、どの病院でも医療従事者は苦労されております。(退職、バーンアウトの問題)研究会の中で「やめさせ屋」というのがあるのを始めて知ってびっくりポンです。やめさせ屋って多分2種類あると思います。管理者側が労働者をやめさせたい場合使うのと労働者(ここでは看護師)が、やめたいけどなかなかやめさせてもらえない(や、自分でよう言い出せない)場合=「退職代行」をしてもらう場合ですね。今回の「やめさせ屋」は、後者の場合ですね。全く余談ですが、ジョージ・クルーニー主演の映画で「マイレージ・マイライフ」(原題Up in the Air)を思い出しました。これは、管理部にかわって労働者に退職を言い渡す人事コンサルタントのお話。これみたときホンマにこんな会社あるんかな?アメリカではありそうだけど、日本では無いよねと思っていましたが、日本でもありそうですね。

昼食後、宿直に備えてお昼寝。(寝る前にゴルゴ13最新刊をよんどりました)その後事務作業。出勤前に地域に天神社のお札を配りました。600m位歩きましたが、やはりそれだけ歩いたら左脚が痛い。その後出勤し17時半から宿直です。交代と同時に状態悪い患者さんがおられ、対応。その後、書類の処理。で、今は落ち着いているのでこのブログを書いておりますが、そろそろ寝ます。夜中起こされないことを切に願うのみです。



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遊走する肺結節影はランゲルハンス細胞組織球症を考える?/1.25倍速でe-learning

標題のランゲルハンス細胞組織球症とは


ランゲルハンス細胞組織球症
Langerhans cell histiocytosis
[同義語]クラスⅠ組織球症候群 histiocytosis syndrome class Ⅰ,組織球症X histiocytosis X
ランゲルハンス細胞の特徴を有する組織球(S-100蛋白質陽性,CD1陽性,CD4陽性,HLA-DR陽性,バーベック顆粒陽性)が皮膚,骨,骨髄,リンパ節,肝,脾,肺,軟部組織,下垂体などに異常に浸潤・増殖する疾患。レッテラー-シーベ病,ハンド-シュラー-クリスチャン病および骨好酸球性肉芽腫の総称で,リヒテンシュタイン(Lichtenstein L)によって組織球症Xとして統合された(1953)が,オーバーラップ症例もあり,ランゲルハンス細胞組織球症あるいはクラスⅠ組織球症候群の名の下に,同じカテゴリーとして一括されるようになった。本症の発症病理はなお不明である。侵襲された臓器により,その臨床像,予後はさまざまである。レッテラー-シーベ病では,紫斑の混在する黄色痂皮を被る丘疹が種々の程度に出現する。肝脾腫,肺症状など多臓器を侵すことも少なくない。なお,本症の特異型に先天性自然治癒型網内組織球症(congenital self-healing reticulohistiocytosis)があり,多発する暗紅色結節を特徴とし,自然治癒する。(Paul Langerhans,1847-1888,病理学,独)
・患者さん向けの説明↓(日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループ)
ランゲルハンス細胞組織球症:Langerhans cell histiocytosis (LCH)ってどんな病気?
Frequent Question and Answer (FQA)
(Ver.2. 2022/10)
・で、↓のような論文がありました.
Langerhans Cell Histiocytosis Appearing as Wandering Pulmonary Nodules
Intern Med 61: 3623-3625, 2022
・胸部CTで小結節影が見えて、それが時間と消えては別の場所に現れるような所見がみられたら、この疾患を思い浮かべないといけませんね.
・ところで、この疾患の画像の特徴としてよく「奇異な形をした薄壁肺囊胞」というような表現がされておりますが、この文だけ読んでもイメージわきませんよね.
 
・余談ですが、一般的には男性の喫煙者に多い病気ですが、この患者さんは女性の非喫煙者であり、典型的ではありませんね.
・これまた、まったく余談ですが、この疾患をHXとつい言ってしまうのは、年だからでしょうかね.
cf. もっとく詳しくは↓
Front Med (Lausanne). 2021 Mar 8;7:582581. 
Update on Pulmonary Langerhans Cell Histiocytosis
Elzbieta Radzikowska 
Abstract
Pulmonary Langerhans cell (LC) histiocytosis (PLCH) has unknown cause and is a rare neoplastic disorder characterized by the infiltration of lungs and various organs by bone marrow-derived Langerhans cells with an accompanying strong inflammatory response. These cells carry somatic mutations of BRAF gene and/or NRAS, KRAS, and MAP2K1 genes, which cause activation of the mitogen-activated protein kinase (MAPK)/extracellular signal-regulated kinase (ERK) signaling pathway. PLCH occurs predominantly in young smokers, without gender predominance. Lungs might be involved as an isolated organ or as part of a multiorgan disease. High-resolution computed chest tomography plays an outstanding role in PLCH diagnosis. The typical radiological picture of PLCH is the presence of small intralobular nodules, “tree in bud” opacities, cavitated nodules, and thin- and thick-walled cysts, frequently confluent. Histological examination of the lesion and demonstration of characteristic eosinophilic granulomas with the presence of LCs that display antigen CD1a or CD207 in immunohistochemistry are required for definite diagnosis. Smoking cessation is the most important recommendation for PLCH patients, but treatment of progressive PLCH and multisystem disease is based on chemotherapy. Recently, new targeted therapies have been implemented.
以下日記
・昨日12/6(火)は、5時50分に起きて慶應義塾大学病院 臨床研究教育研修 受講管理システムのe-learningのサンプルサイズの計算についての講義を視聴(1.25倍速).出勤し午前外来、午後回診.途中1時間宿直室にこもってZOOMで大学院のcritical appraisalに参加.」帰宅は19時7分でした.猫達の餌やり、入浴、夕食後20時半から2時間強ZOOMで"Causal Inference: What If"の勉強会.
・本日12/7(水)は6時29分起床.朝勉せず出勤.午前外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療.帰宅は19時21分でした.ネコたちに餌やってお風呂入って夕食.勉強してこのブログ書いております.もう、これから寝ます.明日は5時半起床を目指します.
・余談ですが、最近の若者は、映画を早送りでみたり、音楽もスキップして聴いたりするそうな.なんとも言えない風潮どすな.でも、医学の講義のビデオなんかは、少しくらい早めて視聴しても問題ないかも.分からないところがあれば、ゆっくりしたり、もどしたりしたらいいんだから.芸術とは違うと思います.(医学の講義も意識的に芸術的に作り込む先生がいたら申し訳ありませんが)

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