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魚骨で喀血/台風で時間ができて投稿終了

先日、魚の骨が肝臓まで行ったというお話を書きました↓


魚の骨は肝臓まで行く/一期一会と密室の恐怖



・本日は、魚の骨で喀血した話↓


Pulmonary artery penetration due to fish bone ingestion: A rare case report
Ho Xuan Tuan , et al. 
Radiology Case ReportsVolume 19, Issue 5, May 2024, Pages 1900-1906
 Abstract
Accidental fish bone ingestion is a common manifestation at emergency departments. In most cases, ingested foreign bodies usually pass uneventfully through the gastrointestinal tract and complications only present in less than 5% of all patients. In this report, we present the first documented case of pulmonary artery injury due to a fish bone in a 63-year-old male patient hospitalized with hemoptysis after accidentally swallowing a fish bone 30 days ago. This patient subsequently had surgery and endoscopy to safely remove the foreign body and then recovered well on a follow-up examination. For cases of fish bone ingestion, contrast-enhanced chest computed tomography is one of the most essential tools to assess vascular problems and associated mediastinal infections-risk factors for life-threatening and long-term recurrent inflammation. Reconstructing planes along the foreign body axis and changing windows when analyzing CT scans is necessary to avoid missing lesions and dilemmas.

抽象的な

魚骨の誤飲は、救急外来でよく見られる症状です。ほとんどの場合、摂取した異物は通常、消化管を何事もなく通過し、合併症は全患者の5%未満にしか見られません。本報告では、30日前に魚骨を誤って飲み込んだ後、喀血で入院した63歳の男性患者における、魚骨による肺動脈損傷の最初の記録された症例を紹介します。この患者はその後、異物を安全に除去するために手術と内視鏡検査を受け、その後の検査で順調に回復しました。魚骨摂取の場合、造影胸部コンピュータ断層撮影は、血管の問題とそれに伴う縦隔感染症(生命を脅かす長期再発性炎症の危険因子)を評価するための最も重要なツールの1つです。異物軸に沿った平面を再構成し、CTスキャンを分析するときにウィンドウを変更することは、病変の見逃しやジレンマを回避するために必要です。

・日本語文はPubmedXというChromeの拡張機能を利用しています。特に、わたしは「校正」していません。現在のAI?の翻訳がどの程度のものか参考になればと思い貼り付けております。ソフトの説明は↓

https://chromewebstore.google.com/detail/pubmedx/ndbnmjocnckdijnlnkoponigbnfmalpi?hl=ja

https://www.emuyn.net/%E8%A3%BD%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B

・レポートに戻りますが、魚の骨飲み込んで30日経って喀血してるんですよね。本人が行ってくれないと、喀血の患者さんに魚の骨のみこみましたか?なんて聴けませんね。

・大事なところは魚の骨は単純写真ではうつらないこと。喀血でこられた患者さんには胸部CTがマストでしょうか?(時と場合によるかな?)

以下日記。

・8/19(月)にブログをアップしていたお久しぶりです。一体私は何をしていたのでしょう?ちょっと過去を振る帰ります。

・8/20(火)は通常の仕事。

・8/21(水)は、通常の仕事の後月1回一緒に勉強会をしている開業医さん達とお食事会。

・8/22(木)~8/25(日)まで、福岡県に行ってきました。この話は後日

・8/26(月)は、通常の仕事:午前訪問診療、午後回診、夜間診療。帰宅後医学書院のWebinar「オンライン直伝!ベッドサイド・フィジカル」をon demandで観ました。

・8/27(火)は、午前外来、午後回診、夜間診療。

・8/28(水)は、午前外来、午後回診とカンファレンス。夜は研修医への講義の準備。

・8/29(木)は、有給休暇。午前中は自分が書いていた英語の論文を校正会社から帰ってきており、それで手直しして教授へ送付。その後は、講義/勉強会の準備してました。

・8/30(金)は、自分の健診のため絶食で出勤。採血、レントゲン撮影して午前は外来。午後は回診と自分の健診の残り。16時から17時過ぎまで研修医に外来の姿勢・考え方とコツというような講義。それから帰宅。20時半~22時過ぎまで、ひさびさに"Causal Inference:What If"。自分のPCのWebcameraの不具合で、最初参加できず。ノートパソコンを出してきて、参加しました。勉強会後は飲酒です。

・8/31(土)はお休み。予定では、今日明日と大阪の高槻にPOCUS(Point of Care Ultrasound)の研修に行くはずでしたが、台風で中止。おかげで(?)午前中自分の英語論文の投稿ができました。最初長くても1時間で投稿が終わるだろうと思っておりましたが、2時間以上かかりました。(雑誌のWebsiteの投稿のpageに必要事項を入力していくのですが、それがなかなか大変でした。)それが終わったのが12時前。脳が血中の血糖を使い尽くしたので、昼食。この時、ビールをいただきました。で、ベッドに寝て読書してお昼寝。↓の本を読み終えました。結構面白いですね。

超短編! 大どんでん返し Special (小学館文庫 ん 2-2)

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  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2023/12/06
  • メディア: 文庫
その後夕方は久々に庭の草取りと畑の雑木を切りました。その後入浴し、このブログを書いております。これから夕食です。
・今日は、投稿にかかる時間はせいぜい1時間以内だろうと思っておりましたが、甘かった。時間があって良かったです。もし、セミナーに行っていたら、投稿がもっと送れていたでしょう。
・明日以降は私が福岡で何をしたかをお知らせいたします。

 

 

 

 

 


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腹部大動脈瘤による網状皮斑/訪問診療先で洗濯物を干す

以前も書いたことがあるような気がしますが、網状皮斑Livedo Reticularisという皮膚の変化/病変があります。『医学書院 医学大辞典 第2版』によると↓


網状皮斑
[ラ]livedo reticularis
[同義語]細網状皮膚 ラcutis reticularis,リベド livedo
皮膚の末梢循環障害による一症状で,紫紅色の網状の斑をみる。両側下肢に好発するが,時に上肢,体幹にもみられる。臨床症状から①大理石様皮膚,②細網状皮斑,③樹枝状皮斑の3つに分けられる。大理石様皮膚は小児や若い女性にしばしばみられ,冷たい外気に触れた際に生じ,暖めると消退する一過性の網の目状紅斑で,生理的現象といえる。細網状皮斑と樹枝状皮斑は持続性のもので,血管の器質的変化によりみられ,血管炎,膠原病,代謝性疾患,循環器疾患などの動脈壁の病変,血管の閉塞性変化などにより出現するが,基礎疾患の認められない場合もある。潰瘍を来すこともあり,全身症状との関連に注目しながら皮膚の小動脈の変化を検索する。なお,先天性にみられるものに先天性血管拡張性大理石様皮斑(ラcutis marmorata telangiectatica congenita)がある。これは網の目状紅斑と細小血管拡張があり,種々の奇形を合併する疾患である。また,抗リン脂質抗体症候群では静脈血栓症,動脈血栓症,習慣流産,血小板減などがみられ,動脈血栓による網状皮斑や皮膚潰瘍を伴う。さらに,潰瘍を伴う網状皮斑があり,血管炎や血漿蛋白異常,夏季潰瘍,リベド血管炎などの鑑別が必要である。
原因は多伎に渡るようですが、わたしゃ膠原病とつい単純思考に陥ってしまいます。しかし、腹部大動脈瘤でも起こるのですね。そのレポートが↓
Livedo Reticularis Secondary to an Abdominal Aortic Aneurysm
Yohya Shigehara, Takahiro Mizuta, Sachie Kasami, Miyuki Kato
Intern Med 63: 2225-2226, 2024
もう1回Livedo reticularisの説明↓(UpToDateから)
UpToDateの説明↓
Livedo reticularis and livedo racemosa – Livedo reticularis presents as a localized or widespread, patchy, reticulated, vascular network with a red-blue or violaceous hue . It results from compromise of blood flow in medium-sized vessels and can occur in the setting of vasculopathy due to vasospasm, hypercoagulable states, thrombosis, increased blood viscosity, or embolic phenomena, as well as in association with vasculitis. Livedo racemosa presents with a more abrupt and broken vascular pattern than livedo reticularis . It is strongly associated with Sneddon syndrome, a nonvasculitic disorder characterized by livedoid skin lesions and cerebrovascular accidents, but may also occur as a manifestation of medium vessel vasculitis and other disorders .
上の文章をAIで訳してもらったのが↓(ちょっと変なところがありますね)
リベド・レティキュラーリスとリベド・ラセモーサ - リベド・レティキュラーリスは、局所的または広範囲にわたる、斑点状の網目状血管ネットワークとして現れ、赤青色または紫色の色合いを持ちます。これは中等度の血管における血流の障害によって生じ、血管痙攣、血栓症、血液の凝固異常、血液の粘度の増加、または塞栓現象による血管障害の状況下で発生することがあります。また、血管炎に関連して見られることもあります。リベド・ラセモーサは、リベド・レティキュラーリスよりも急激で断続的な血管パターンを示します。これは、リベド状皮膚病変と脳血管事故を特徴とする血管炎でない疾患であるスネドン症候群と強く関連していますが、中等度の血管炎やその他の疾患の症状としても現れることがあります。
・何はともあれ、膠原病以外の塞栓症もかんがえないといけませんね。
以下日記
・本日8/19(月)は昨日早く寝たせいで4時46分起床。二度寝しようと思ったけど、眠れずしゃーことなしに起きました。で、英文校正会社から来ていた英語論文の最後の修正をして、もう一度校正会社に送りました。その後POCUSの本を読みました。
・午前中は訪問診療。ある患者さんに訪問に行ったらガリガリにやせておられました。入院を勧めましたが、死ぬなら家出死にたいと。で、お家で点滴することにしました。その前に患者さんがお願いがあると・・・ココの洗濯物干してほしいと。ポリバケツにあらった下着がはいっていました。で、看護師さんが点滴を用意している間私が洗濯物を干しました。まあ、訪問診療に行って洗濯物干すというのも希な経験ですね。これもまた在宅診療の醍醐味(チガウカーッ!)
・午後からは、病棟回診。そして夜間診療。18時過ぎに病院出て、ザグザグで買い物してJR鴨方駅で出張のための切符購入。19時6分帰宅。お風呂入って夕食。で、このブログを書いております。これからちょっとPOCUSの本読んで寝ます。

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魚の骨は肝臓まで行く/一期一会と密室の恐怖

このブログでは、結構、異物がいろんなところに行くような医学論文を紹介しおります。今回は、魚の骨が肝臓までいって膿瘍を作ったというレポート↓


 Fishbone Perforation and Liver Abscess



 Osamu Imataki, Makiko Uemura
Intern Med 63: 2337-2338, 2024
・どんな手術したのかなと思って読んでいましたが、手術して何ですね。いったい残った骨はどうなるのでしょう?
あっという間に以下日記
・8/14(水)は普通に仕事して、夕方散髪して帰宅。↓の本を読み終えた。
こういうことだったのか!! 肺エコー

こういうことだったのか!! 肺エコー

  • 中外医学社
  • 2022/11/30
8/15(木)は、午前外来、午後回診と会議。夜は朝読み出した↓の論文を読みきりました。
Point-of-Care Ultrasonography
José L. Díaz-Gómez, Paul H. Mayo, Seth J. Koenig,
Published October 20, 2021
N Engl J Med 2021;385:1593-1602
DOI: 10.1056/NEJMra1916062
VOL. 385 NO. 1
残念ながら無料では読めないみたいです・・・・と思っていたら↓から読めますね。
・8/16(金)は午前外来、午後回診と産業医面談。18時過ぎに病院を出て山陽マルナカ新倉敷店にいってアルコールとつまみの買い物後倉式珈琲店でかき氷食べて19時40分新倉敷駅へ。そこで明石から帰ってきた三女をピックアップして帰宅。
・8/17(土)は5時過ぎ起きて、論文書いて、朝食後草刈り。シャーワーあびて、また論文書いて、お昼寝。帰省していた三女は倉敷に長女と落ち合ってお遊び。夕方、次女と合流して倉敷市中島にある娘娘という中華料理店で家族5人で夕食→帰宅後5人で雑談後里庄に住んでいる次女は帰宅。家族5人そろうのは久しぶり。ひょっとしたらこれが最後かもしれないと思いながら一緒に過ごしました。まさに一期一会かな。
・8/18(日)は朝論文書いて、10時過ぎに長女を駅まで多くってその足で配偶者と三女と玉島のマークオレカフェへ行ってランチ。久々にパフェというものも食べて、お腹いっぱいになりました。その後三女を新倉敷へ送ってからホームセンターによって買い物して帰宅。で、いつもの休日のようにお昼寝。その後論文書いておりました。すると蜂が突然出現。もう、あわてたあわてた。ハチ・アブジェットを買っていたのにみあたらず慌てて部屋を出て使いかけの「ジェット」でなんとか撃退。私の勉強部屋はウォークインクロゼットみたいに狭い。その中で蜂がぶんぶん飛んでいて怖かった。そのとき気づかなかったけど慌てて動いて左腕をどこかで打って打撲+擦過傷。ホンマ、怖かった。(私は、若かりし頃スズメバチの大群に襲われて10カ所くらい刺された経験があります)そういう騒ぎで論文一時中断。心を落ち着かせて、再び執筆しついに19時に完成。後は、水やりとネコたちにエサやって入浴、夕食。で、このブログを書いております。で、現在9時過ぎですが、歯磨きして寝ようと思っております。

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飲み過ぎでなく読み過ぎも体によくありません

本日8/13(火)は5時半起床。土曜日から3日間も病院行っていなかったので何が起こっているか分からないので早く病院に行こうと早起き。で、病院には7時半前について、病棟の業務。それから午前外来。午後回診、夜間診療でした。仕事をしていて何か、しんどい。夏バテ気味ですが、それがひどくなったのかと思ったのですが、まあ、ちょっと考えたら4時間ねなかったか。それというのも↓が悪いっ!!!


超短編! 大どんでん返し (小学館文庫 ん 2-1)

超短編! 大どんでん返し (小学館文庫 ん 2-1)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: 文庫
寝床に入ったのが多分22時半くらい。それから上のなかの1つか2つの作品を読んで寝ようと思ったら、面白くて最後まで読んでしまいました。それでもものたら無かったので↓も読み出してしまい睡眠不足を削ってしまいました。
十二人の手紙 改版 (中公文庫 い 35-20)

十二人の手紙 改版 (中公文庫 い 35-20)

  • 作者: 井上 ひさし
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/01/25
  • メディア: 文庫
・久々に医学書や社会問題の本以外に文学書を読んだなぁという感じでした。しかし、飲み過ぎも体に悪いですが、寝しなに本の読み過ぎも体によくありませんね。本日の目標は21時半には寝ることです。

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FYMI:フライシュナー協会胸部画像診断用語集/朝は墓掃除、夕は畑の草刈り

・医学用語って結構統一されていないものがありますね。胸部の画像の所見だってそうです。最近フライシュナー協会が胸部画像診断の用語集の新版を出しておりました↓


 Radiology. 2024 Feb;310(2):e232558. doi: 10.1148/radiol.232558.
Fleischner Society: Glossary of Terms for Thoracic Imaging
https://pubs.rsna.org/doi/epdf/10.1148/radiol.232558                ← PDF




フライシュナー協会って、ナンジャという人は↓(私もよう知りません)




今回の新用語集もpodcastで聴けます。


あっという間に以下日記

・本日8/12(月)はお休み。3連休で病院に行かないことも珍しい。明日が怖いです。それはさておき今朝は7時過ぎ起床。朝食後燃えるゴミ出して一服後勉強していたら、急に配偶者がお墓の掃除に行くというので付き合って1時間くらい墓掃除。当然汗びっしょり。岡山弁ではビシャコになりました。で、シャワー浴びて一服して昼食。昼食後お昼寝。その後は勉強(おもにPoint-of-Care ulstrasonography)。夕方畑と庭の草刈り。そしてお風呂。で、また勉強して、夕食。で、缶麦酒1本。現在は、ソルティードッグもどきを飲みながらこのブログを書いております。これからちょっと文献読んで22時には寝たいと思います。できれば明日早起きして早く病院に行きたいものです。

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FYMI: 重症熱性血症板減少症候群診療の手引き2024年版/臨床疫学セミナーと肺エコーの勉強の1日

FYMIとはFor your and my informationの略です。普通FYIが使われます。私の造語です。


厚生労働省のWebsiteに「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」というページがあります↓




・そんでもって、8月2日に今年度版の診療の手引きが出ておりました。




重症熱性血症板減少症候群診療の手引き2024年版



・診断もさることながら、院内感染対策も大変ですね。鑑別診断にあがっているアナプラズマ賞なんて、知りませんえした。


あっという間に以下日記

・本日8/11(日)は、6時前起床。まず1時間くらい臨床疫学セミナーのビデオみて朝食。その後もビデオ観るのと肺エコーの本を読んでお昼。昼食後1時間くらいお昼寝。その後午前と同じ事の繰り返し。夕方資源ゴミ(リサイクルできるもの)まとめて市役所のストックヤードに持っていってその後畑の草刈りと雑木の「伐採」。その後入浴とちょっとお勉強して夕食。配偶者がちょっと古いけどシャンパンのもうとそのビンをわたされ、恐る恐るフタをあけましたが、全然フタは飛ばず。カップについだら茶色。シャンパンではなくブラウンビールでした。夕食はアヒージョとフランスパンと麦酒で、現在お腹パンパンです。これからちょっと本を読んでサッサと寝たいと思います。


・今日の講義で知ったことのひとつにAcademic Phrasebankというwebsiteがあるということです。定型的な英語の構文を紹介してくれているようです↓




・他にもいろんな事を紹介してくれていました。また、ゆっくりと資料を読ませてもらうおうと思っています。


・幸いなことに明日も休みです。明日はダラダラしたいと思います。でも、草は刈ると思います。

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既存のデータベースの因果分析:電力計算は必要ありません・・・本当は検出力の話/木を切る以外indoor

(注:英語の訳文はAIがおこなったものをそのまま貼り付けています)

今日からon demandで「第14回臨床疫学セミナー ChatGPTとメンターを活用した医学英語論文の新しい書き方講座:誰でもできる効率的・良質な論文執筆法」を視聴し始めました。まだ、3つしか講義聴いていないのですが、大体知っていることもあれば、そうなんかという話もありました。その中で、観察研究のための資金申請時に検出力を求められることがあるというような話がありました。思わず「えっ」と言ってしまいました。私の理解では、そのようなものは必要無いと思っていたので(この理解でよいのですが)。まあ、いろんな事があるもので...で、演者が↓の様な論文を紹介されていたので、読んでみました。


J Clin Epidemiol. 2022 Apr:144:203-205. doi: 10.1016/j.jclinepi.2021.08.028. Epub 2021 Aug 27.
Causal analyses of existing databases: no power calculations required
著者は、現在私が勉強しているMiguel A. Hernándでした。
【Abstract】

Observational databases are often used to study causal questions. Before being granted access to data or funding, researchers may need to prove that "the statistical power of their analysis will be high." Analyses expected to have low power, and hence result in imprecise estimates, will not be approved. This restrictive attitude towards observational analyses is misguided. A key misunderstanding is the belief that the goal of a causal analysis is to "detect" an effect. Causal effects are not binary signals that are either detected or undetected; causal effects are numerical quantities that need to be estimated. Because the goal is to quantify the effect as unbiasedly and precisely as possible, the solution to observational analyses with imprecise effect estimates is not avoiding observational analyses with imprecise estimates, but rather encouraging the conduct of many observational analyses. It is preferable to have multiple studies with imprecise estimates than having no study at all. After several studies become available, we will meta-analyze them and provide a more precise pooled effect estimate. Therefore, the justification to withhold an observational analysis of preexisting data cannot be that our estimates will be imprecise. Ethical arguments for power calculations before conducting a randomized trial which place individuals at risk are not transferable to observational analyses of existing databases. If a causal question is important, analyze your data, publish your estimates, encourage others to do the same, and then meta-analyze. The alternative is an unanswered question.

概要
観測データベースは、因果問題の研究によく使用されます。データや資金へのアクセスを許可される前に、研究者は「分析の統計的検出力が高い」ことを証明する必要がある場合があります。検出力が低く、結果として不正確な推定値になると予想される分析は承認されません。観察分析に対するこの制限的な態度は見当違いです。主な誤解は、因果分析の目的は効果を「検出する」ことであるという信念です。因果関係は、検出されるか検出されないかの 2 値信号ではありません。因果効果は、推定する必要がある数値です。目標は効果を可能な限り公平かつ正確に定量化することであるため、不正確な効果推定値を使用した観察分析の解決策は、不正確な推定値を使用した観察分析を回避することではなく、多くの観察分析の実施を奨励することです。研究をまったく行わないよりも、推定値が不正確な複数の研究を行う方が望ましいです。いくつかの研究が利用可能になった後、それらをメタ分析し、より正確なプールされた効果の推定値を提供します.したがって、既存のデータの観察分析を差し控える正当な理由は、推定が不正確になるということではありません。個人を危険にさらす無作為化試験を実施する前の検出力計算に関する倫理的議論は、既存のデータベースの観察分析に転用することはできません。因果関係の問題が重要な場合は、データを分析し、見積もりを公開し、他の人にも同じことをするように勧めてから、メタ分析を行います。代替案は未回答の質問です。

・基本的には、検出力は必要無いですね。ちなみに統計学で用いるpower(検出力)とは↓

 

https://bellcurve.jp/statistics/glossary/1301.html

・このブログの標題と抄録の訳はPubmedXというGoogle Chromeの拡張機能を使ったものです。ご紹介した論文の標題が笑えたので貼り付けました。(powerは統計用語では検出力でしょうが、通常は電力とか訳されますよね)

 

・昔、労災の裁判で某大学の教授が、最近の研究はRCTでないとだめで、一流の医学雑誌ではそれ以外はうけいれられないというような発言をしておりましたが、それを思い出しました。私は、疫学の初級程度のものですが、それでも間違った疫学の用語や知識をつかっているエライ臨床の先生が時々(??)おられるので、気になるところです。
以下日記
・本日8/10(土)はゆっくり6時22分おき。朝食後肺エコーの本をちょっと読んでから40分くらい畑の木を切っておりました。その後シャワー浴びて、上記Webinarの視聴をお昼を挟んでしておりました。
・で、18時からお出かけして友達と会食。久々にアルコール飲みます。(って、昨日ものんでるけど)

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深い溝の兆候/MEはCE

現在今私が勉強しているのは生成Aiと超音波検査(POCHUS)です。ここ数日は↓の本を読んで肺エコーを勉強しています。


こういうことだったのか!! 肺エコー

こういうことだったのか!! 肺エコー

  • 中外医学社
  • 2022/11/30
・本日読んだ第9章の緊張性気胸と緊急脱気は、共感するところが多かったです。P67に「胸部X線写真による診断は時として難しく、毎回真剣に勝負しなければなりません」と書かれていますが、本当にそうです。皮膚の皺やシーツの皺を気胸と間違えることがあるというのは同感です。
・で、この章の中でdeep sulcus sign(肋骨横隔膜角が深く下方に伸びる)が書かれてました。それに関連する文献↓ (このサインは仰臥位で撮られたレントゲン写真で重要なものです)



Deep Sulcus Sign   ・・・こういうものですという写真
Saweera Sabbar, Eric James Nilles, Published February 9, 2012
N Engl J Med 2012;366:552
DOI: 10.1056/NEJMicm1105315
VOL. 366 NO. 6
Images in emergency medicine. Deep sulcus sign   ・・・これも写真とこのサインの簡潔な説明
 Tension pneumothorax—time for a re-think?  ・・・最初の紹介した肺エコーの本が引用ていたもの





で、ところがどっこい注意してよというもの↓


Interpreting the Deep Sulcus Sign
Am J Respir Crit Care Med. 2021 Aug 1;204(3):357-358. doi: 10.1164/rccm.202007-2629IM.
単純(平面)レントゲンのみでなく肺エコーも併用した方がよさそうですね。
・ちなみに標題はdeepLに訳してもらったもので、正式な日本語訳ではありません。多分邦訳はないのでは?(知らんけど)
以下日記
・昨日8/8(木)は午前外来。午後入院患者さんの退院にあたって多職種・他施設カンファレンス。回診、医療安全委員会。この時のインシデントレポートで自分がMEさんと読んでいた臨床工学技士はCE:Clinical Engineersが正しい「名称」という事を知りました。
cf. 日本臨床工学技士会
・帰宅は18時過ぎ。いつものようにネコたちにエサをやって紫陽花、サツキに水をやって入浴、夕食。"Causal Inference: What If"読んで、肺エコーの本を読みました。アルコールは飲まず。
・本日8/9(金)は5時半起床。肺エコーの本と気胸の文献を読んで出勤。午前外来、午後回診とご家族への病状説明。夕方は事務作業。帰りコーナンによって猫のエサとクスリを買って帰宅。ネコたちにエサやって入浴、夕食。この時缶麦酒1本とノンアルコール麦酒を1本飲みました。で、エコーと気胸の勉強の続きをやってこのブログをYouTubeで音楽を聴きながら書いております。で、これを書き終わったら寝ます。
・今、お気に入りのmusic video↓
外国人です(jokeよ)




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FYI: 大気汚染と慢性腎臓病/慢性疲労状態

最初の注(はじめてのチューではない)

・今さらですが、このブログでいろいろ文献を紹介しておりますが、100%私がその文献を理解しているわけでもなく、性根入れて検証していることはごくわずかであり、また、100%同意しているわけでもありません。「こういう興味ある文献がありましたが、皆様はどう思われますか?」というよなノリでアップしております。

さて、本題↓

・大気汚染といったら呼吸器系の疾患と思われている人が多いと思いますが、心臓や脳にも影響します。また腎臓にも影響があるようです。↓のような総説がありました。


大気汚染と慢性腎臓病


永井 恵


日本農村医学会雑誌
第72巻  2 0 2 3年 7 月 第 2 号
【抄録】
?慢性腎臓病は,3か月以上持続する腎機能障害あるいは蛋白尿を呈する疾患であり,世界的にその患者数は増加している。近年,慢性糸球体腎炎,糖尿病や高血圧といった既知の慢性腎臓病の原因の他,これまでの日本の疫学研究では触れられてこなかった地球環境の変化による慢性腎臓病の発症リスクも海外の報告から指摘されている。2015年の世界の年間推定死亡者数は,5,580万人であるが,そのうち大気汚染は,640万人の死亡に何らかの関連をしていた可能性が推測されている。代表的な大気汚染物質として粒子状物質(Particulate matter:PM),二酸化硫黄,二酸化窒素,一酸化炭素,オゾンが挙げられる。心血管病と慢性腎臓病は生体内で連関し,共通の機序で発症および進展する。疫学的研究から PM2.5を代表とする大気汚染による循環器疾患の存在は国内外で明らかにされたが,慢性腎臓病に関しての研究は少なく,2020年代にようやく国外の数か国において総体的なエビデンスとなってきた。それでもなお,日本から発出される大気汚染と慢性腎臓病に関するエビデンスは皆無である。特に,日本において汚染物質のうち唯一濃度上昇が続くオゾンについては,諸外国の解析結果から,慢性腎臓病のリスクとなる可能性も示されているため注目して解析される必要がある。
・本筋から少しはずれる話ですが、本文の中でかなり気になったところが2つ。P50ページの↓の部分
高煙突が排煙の希釈には効果的なことが確認され,1914年に標高325m の山上に高さ156m の大煙突を立て大気汚染の拡散を行なうことで煙害を軽減することに成功した。このように,日本の大気汚染は,問題を認め,調査し,解決することを繰り返してきた。
1つは、ここでは高煙突が大気汚染対策に役立ったと書かれていますが、これを一般化することはできません。高煙突が被害を拡大させたこともあるのです。
また、「問題を認め」と書いておりますが、主語は何なのでしょうね。少なくとも企業や行政が公害の被害をあっさり認めるようなことがあったのでしょうか?ほとんど公害の被害者やその支援者達の努力で公害をみとめさせたと思います。
・それは、さておき、私は職業曝露の粉塵と腎臓障害というのは認識していましたが、大気汚染と腎障害という認識は弱かったので、これからボチボチ勉強して行きたいと思います。
以下日記
・8/4(日)は7時から8時半過ぎまで地域の草刈りでした。もう着ている服が汗でびっしょり、多分今年一番の汗のかきかただったでしょう。シャワー浴びて一服後エコーの勉強。昼食後お昼寝。その後もちょっと勉強して出勤です。17時30分から宿直。それなりに忙しかったし、夜中もおこされました。
・8/5(月)は、宿直明けでそのまま勤務。午前訪問診療、午後病棟回診、夜間診療で帰宅は18時まえ。夜間診療の予約数がすくなく、かつ、予約外の患者さんもなくて幸いでした。帰宅後は、アルコールのみながらエコーのYouTube観て、寝ました。
・8/6(火)は6時半起床。午前外来、午後病棟回診、夜間診療で19時半まえに帰宅。この日もエコーの勉強。
・本日8/7(水)は、5時半前に起床。肺エコーの本読んで朝食。7時10分頃家を出て病院へ。まず病棟の患者さん診て外来。午後から有給休暇で、14時半過ぎ帰宅。しまい込まれていたかき氷の機会で初めての家でのかき氷。氷が荒くてプチかち割りみたい。すぐ頭が痛くなりました。氷の砕き方と頭痛って関係があるような...その後1時間くらい遅いお昼寝。なんせ、疲れています。年齢的なものとこの夏の暑さ、仕事の仕方が合わさって疲労倍増。ただでさえ、(月)(火)は午前も訪問診療か外来で、夜間診療のダブルヘッダーで、週初めでエネルギー枯渇するのに、今回は、日曜の宿直。なんで、こんな働き方せなあかんねんっ!!!(突然関西弁)で、現在21時過ぎですが、これから布団に入って読みかけの「石垣りん」のエッセイ集を読みます。アルコールは飲んでおりません。

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こんなこともあるのね:乳房インプラントの胸腔内移動/宿がない

医学の症例報告読んでいて、「こんなこともあるのね」、とか、「よう、助かったなぁ」と思うことがあります。

今日も、NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEみていて「へーっ」と言ってしまいました↓


Intrathoracic Migration of a Breast Implant
Dane Stewart,  Laura Thomas
Published July 31, 2024
N Engl J Med 2024;391: e11
DOI: 10.1056/NEJMicm2311298
VOL. 391 NO. 5
・本日の格言:インプラントには寿命がある、歯でも乳房でも。
以下日記
・7/28(日)以来ブログをアップしていませんでしたが、この間していたことは、エコー(POCUS)の勉強と内科学会の生涯教育のビデオの視聴でした。
・7/30(火)の夜に8月下旬に久留米で開催される社会医学会の宿をとろうとインターネットで検索したら、何と宿が取れない。何で?夏休みだから?仕方が無いから時々お願いする旅行業者さんに頼んだら、そこも連泊で予約は取れず2泊するのに別のホテルに泊まらないといけなくなりました。ああ、めんどくさい。もっと早く予約すれば良かったと後悔日誌。
・8/2(金)は、当院では珍しい医局の歓送迎会を新倉敷駅前の「間暖」という韓国料理のお店で開催。何と飲めない人が過半数を超えておりました。私は、弱いけどいただきました。飲み放題なので飲まなきゃ損のような小市民的感覚でついつい飲んでしまいました。自制がなかなかできません。
・本日8/3(土)は、11時までじん肺と自己免疫疾患の論文の最終手直し。そして、エダンズという英語を「添削」している業者さんに原稿送っておいくらかかるか見積もりを頼みました。午後は、ZOOMで医療福祉政策学会に参加。シンポジウムはなんと宮崎県の土呂久のお話。水俣病やイタイイタイ病ほど有名(悪名)じゃない(と思う)ですが、公害が起こったところです。私は、大学院にはいってそれに関する論文を読んだので知っておりました。公害はどれもそうですが、個人の健康破壊のみでなく地域社会も破壊するもので、本当に理不尽です。でも、それが繰り返されているのですね。ヘーゲルが言ったように人類が歴史から学ばないのが、歴史の教訓ですね。参考のために↓
・明日は朝7時から地域の草刈り。17時30分から宿直です。草刈り後は宿直に備えてほとんど昼寝をしているでしょう。宿直なかったら真っ昼間から麦酒をのんでいるんですがね。ああ、あこがれのハワイ航路ではなく、青空ビール。・・・どれだけの日本人がこのフレーズを理解するでしょうか?ついでに標題の後半は「傘が無い」のパロディーですが、どれだけの人がこの曲を知っているでしょうか?

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