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FYMI:甲状腺癌気管浸潤例への対応/最近、また落語をききだす

胸部単純レントゲンをたくさん見ていると気管の偏位で甲状腺の腫大を見つけることが時々あります。昨年末そういう方を大学病院に紹介しました。無事手術が終わるか心配でしたが、元気に帰ってこられました。

・そもそも甲状腺癌が気管に浸潤した場合どういう手術をするのかなと思っていましたが、たまたま↓の様な論文を見つけました。


 

甲状腺癌気管浸潤例への対応


鳥居 淳一, 戸田 和寿, 三谷 浩樹


耳鼻と臨床/69 巻 (2023) 5 号




・この論文でシェービングと言う言葉がでてきましたが、髭を剃るわけではないだろうに、なんだろうと調べると↓の様な論文がありました。


気道・食道浸潤に対する手術の適応と限界
筒井 英光, 小原 亮爾, 田村 温美, 矢野 由希子, 星 雅恵, 久保田 光博, 池田 徳彦
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌/35 巻 (2018) 1 号
【抄録】 気道・食道浸潤甲状腺癌は無症状のこともあるが,腫瘍浸潤が粘膜面に到達すると,血痰や呼吸困難,嚥下困難などの症状を引き起こす。治療方針は,浸潤の部位と深さ,範囲で決定される。粘膜発生の腫瘍と異なり,浸潤は気道・食道の外から始まり内腔へ向かうため,内視鏡検査でも浸潤範囲の正確な診断は難しい。このため,外科医は切除範囲の決定を術中に迫られることになる。気管粘膜に到達する浸潤では全層切除が必要であり,近年は術後管理が容易な気管窓状切除+気管皮膚瘻,二期的再建を採用する施設が増えている。
TKIの登場は再発性気道浸潤甲状腺癌の手術適応に影響を与えている。放射性ヨウ素治療抵抗性の遠隔転移にTKIを使用するとき,局所浸潤腫瘍が併存すると,病変の急速な縮小に伴い致死的瘻孔を形成する可能性がある。TKI治療を安全に実施するには,予め浸潤腫瘍を切除しておく必要がある。
われわれは気管壁深層浸潤においては,初回手術での全層切除こそが患者の予後とQOLを改善すると考えている。
・この論文でシェービングとは「気管の内腔を開かずに気管の接線方向に浸潤部の気管壁をメスで削り取る方法」と書かれていました。
・上の2つの論文で、今さらですが、甲状腺の手術のイメージがすこしわきました。
・しかし、余談ですが、最初の論文の中で「ICする」と言うような表現が複数回出てきました。もう何回もこのブログで書いていますが、IC(Informed Consent)は医療者がするものではなく、「もらう」ものです。著者らもさることながら、査読者もスルーですかね?
以下日記
・本日1/20(月)は、5時45分起床。朝勉でフェミニズムの本読みました。その中で、始めてnannyと言う言葉を知りました。調べていてガヴァネスgovernessという言葉も知りました。で、欧米の文学や映画で、ああ、そういう人だったのねというのが、納得できました(ex.メリー・ポピンズ、サウンド・オブ・ミュージック、サリヴァン先生)
・午前訪問診療、午後回診、夜間診療でした。19時前に帰宅。お風呂入ろうとおもったら、何故かお湯が減っていて先に夕食。お腹が落ち着くまで"Causal Inference: What If"を訳しながら読みました。そして、入浴し、このブログを書いております。
・これから寝ます。最近、通販で『決定版落語名人芸』というCDのセットを最近購入して、ここ数日寝るとき、車運転している時聴いております。今日も聞くでしょう。

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