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リンパ球性間質性肺炎/訪問診療でヘンダーソンの言う基本的看護をおこなった(かな?)

間質性肺炎についての解説は、難病情報センターのWebsiteに書かれております↓


特発性間質性肺炎(難病指定85)




元となっているATS/ERSの文書は↓


An Official American Thoracic Society/EuropeanRespiratory Society Statement: Update of theInternational Multidisciplinary Classification of theIdiopathic Interstitial Pneumonias




特発性とは原因が分かっていないということです。

で、特発性リンパ球性間質性肺炎というものがありますが、きわめて希な疾患です。わたしもお目にかかったことはありません。しかし、関節リウマチやシェーグレン病という自己免疫疾患やHIVと合併することは、よくある(?)事のようです。NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに↓のようなほうこくがありました。


 Lymphoid Interstitial Pneumonia




*このWebsiteのpageは、登録した人でないと閲覧できないかも知れませんが、登録は無料なので、登録した方がよいとおもいます。無料で1つ論文が読めます。


・↑の例は、シェーグレン症候群との合併例ですね。画像を見ると嚢胞と間質影があるとLIPも考えないといけなないということしょうね。UpToDateには↓のように書かれていました。


On high-resolution chest CT, ground-glass attenuation, centrilobular nodules (single or multiple) or masses, mixed ground glass-consolidative opacities, and septal thickening are typical. Lung cysts are also common, especially in HIV-associated LIP.


LIPの全体像については、先述のATS/ERSが引用している↓の文献をよめばよいでしょう。


 Lymphoid interstitial pneumonia: clinical features, associations and prognosis
  S-I Cha , M B Fessler, C D Cool, M I Schwarz, K K Brown
  European Respiratory Journal 2006 28(2): 364-369
以下日記
・昨日2/23(日)は日直で、休日当番医でした。2名の医者で対応したのですが、なかなか忙しかったです。午前中は、私は発熱の患者さんのみ診てもう一人のDr.がそれ以外の患者さんをみるという分担をしていたのですが、9時~12時過ぎまでほぼノンストップ。通常の外来では10時半くらいにトイレに行くのですが、それも我慢し、3時間はトイレは我慢できると証明できました。午後は病棟なのですが、これまたいろいろ合ったのですが、一応一服する間もあってなんとか17時半終了です。もう即帰宅です。後は、風呂入って夕食、当然アルコール摂取して21時台に寝たきがします。
・本日2/24(月)は、午前中訪問診療。8時に病院に行って病棟の患者さん診て9時に出発。11時前にはもどりましたが、また病棟へ行って12時30分に病院出ました。帰宅後昼食はラーメンでその時缶麦酒1本、お昼寝。その後は事務的な作業と内科学の展望という講演会のアーカイブ動画で、心不全と腎不全の講義を視聴しました。
・とこれで、現在看護学校の講義(公衆衛生)に備え『看護学概論』という医学書院のテキストをちょっとずつ読んでおります。(『公衆衛生』は読み終えております)今朝は、ヴァージニア=ヘンダーソンの項を読みました。で、14の基本的ニードと基本的看護の構成要素というのがかかれております。その中の7番目基本的ニードは、衣類の調整と環境の調整により体温を生理的範囲に維持する。それに対する基本的看護は、患者が体温を正常範囲内に保つのをたすけるとありましたが、本日は訪問診療でそれを実践いたしました。(と思う)
・高齢お一人くらいの男性宅に訪問診療に行っております。今日訪問するとベッドですっぽり布団をかけて寝られておりました。部屋が結構寒かったのでエアコンの温度上げてイイですかと言って、リモコンを操作しようとおもったら、既に30度に設定されております。しかし、部屋は寒い。看護師さんがフィルターが悪いのではといったので、みてみると埃で目詰まりしておりました。なので、フィルターの掃除をいたしました。これが、ヘンダーソンに追う基本的看護だと勝手に解釈し、朝の勉強が実践できたなーと自己満足しております。(でも、室温が十分あがるまで、お家にいなかったので、実はフィルターの問題であったかどうかはわかりませんが)
・熱心な読者なら(いないと思うけど)以前診断とは何かという記事を何回かかいたと思います。次に治療とはなにか?というのも書こうと思っておりますが、今日やった室温を整えるため、エアコンのフィルター掃除するのも治療ではないかと思うのでありました。
・22時には寝たいと思います。それでは、また。


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帯状疱疹「前後」偽性腹壁ヘルニア/お宮の掃除と紫陽花の植え替え

帯状疱疹の合併症?で有名なのは、帯状疱疹後神経痛でありまして、誰でも(と言うのは言い過ぎか)知っている合併症です。しかーし、こんな帯状疱疹の合併症もあるとは知りませんでした↓


Postherpetic Abdominal Pseudohernia
Kiyozumi Suzuki, Hiromasa Otsuka
Intern Med 64: 623, 2025
・日本語で言うなら帯状疱疹後偽性腹壁ヘルニアでしょう。で、日本語の文献↓
帯状疱疹後に発症した腹壁偽性ヘルニアの2例
佐藤俊次,大原國章
日臨皮会誌:39(5),667-672,2022
【要旨】
 帯状疱疹後に腹壁偽性ヘルニアを発症した2症例を報告する.症例1は,60歳代男性.左腰腹部(胸髄神経T11-T12領域)に疼痛を自覚し,その後に紅暈を伴う水疱が発症.アメナメビル400 mgを7日間投与した治療7日目に,左側腹部の無自覚性の膨隆に気づいた.CT検査の結果,腹水,腫瘤,腸管ヘルニアなどの症状はなく,腹筋の麻痺による腹壁偽性ヘルニアと診断した.症例2は,70歳代女性.左腰腹部(胸髄神経T11-T12領域)の疼痛の1週間後に同部位に紅暈を伴う水疱が発症.アメナメビル400 mgを7日間投与した.治療開始から14日目の再診時に左側腹部の膨隆に気づいた.問診と臨床所見から帯状疱疹後に生じた腹壁偽性ヘルニアと臨床診断した.症例1, 2共に腹痛,便秘などの自覚症状はなく膨隆部の皮下の腹筋の膨隆を触れた.症例1は大学病院ペインセンターで知覚神経障害の治療をして3か月経過時に,疼痛は軽快した.さらに腹壁偽性ヘルニアも無治療で同時期に改善した.症例2は帯状疱疹の疼痛は治療により軽快した.また,腹壁偽性ヘルニアは発症後4か月経過時には無治療で改善,消失した.帯状疱疹の合併症として,知覚神経障害はよく知られており,また,運動神経障害としては顔面神経麻痺を起こすRamsay Hunt症候群やその他の胸髄神経障害による腹壁偽性ヘルニアおよび,腰髄や仙髄神経障害による直腸・膀胱障害などの運動神経障害については,皮膚科医の間では周知のことである.しかし,運動神経障害については,知ってはいても開業医が実際に臨床経験する機会は少ない.腹壁偽性ヘルニアは,腸の膨張による真のヘルニアではなく,帯状疱疹に伴う腹筋の運動神経障害によって発生する.腹筋麻痺の正確なメカニズムはよくわかっていないが,後根神経節から前角細胞,前神経根への炎症拡大による運動神経の障害が推測されている.確定診断は,CTスキャン,MRI,筋電図などによって行われる.しかし,既往歴や問診および臨床所見により,特別な検査をせずとも確定診断が可能である.積極的な治療の必要はなく,通常,平均4.9ヶ月で79.3%の症例で自然回復するため,経過観察すればよい.腰腹部(胸髄神経T10-T12領域)の帯状疱疹の患者を診察する際には,皮疹や痛みだけでなく,腹壁の膨らみにも注意が必要である.
・もうこれで、知識は定着したと思いますが、やっかなことに、発疹出現する前に偽性腹壁ヘルニアが出現することがあるそうです↓
Abdominal pseudohernia due to herpes zoster
Junki Mizumoto
CLEVELAND CLINIC JOURNAL OF MEDICINE VOLUME 88 • NUMBER 9 SEPTEMBER 2021
・学会の抄録ですが、日本語のモノ↓
・今回のブログの標題の「帯状疱疹「前後」偽性腹壁ヘルニア」は、私がちょっとふざけて付けたモノです。↑の論文のように帯状疱疹による偽性腹壁ヘルニアとよぶのが良さそうだと思います。
以下日記
・2/17(月)から今日まで大きな事はありませんでしたが、しいて言うなら2/19(水)の夜に開業医さんとの勉強会で胸部異常陰影のfollowについて発表したのと、2/20(木)の認知症ケアチーム会議というもので認知症基本法と認知症施策推進基本計画について発表したくらいでしょうか。
・本日2/22(土)は地元の天神社の掃除係。1時間弱で終わりましたが、上半身は汗かいたけど、足先はかなり冷えました。で、配偶者の勧めでお風呂に入りました。その後自分の薬を取りに病院まで行って、そのついでに電子カルテで入院患者さんの状態を確認しました。幸いわざわざ診る行かなくても良い感じで、皆さん落ち着かれておりました。
・帰宅後12時前に昼食。その時ビールを飲みたかったのですが、カレーだったのですが胃にこたえてビールも飲む気になりませんでした。その後事務作業。15時前から1時間くらいでしょうか、我が家の紫陽花を植え替える作業をしました。腰が痛い。そして、また、入浴。で、やっと念願のビール1本のみ。また、事務作業とかたづけ。カレーがこたえてなかなかお腹が空かなかったのですが20時頃やっとお腹が空いてきて夕食。そして飲酒。現在チャミスルのみながらこのブログを書いております。この後すこし教育ビデオを観てねます。明日はとっても辛い日直、それも休日当番日。患者さんが少ないことを心の底から願います。

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既往歴聴取は重要、でも患者さん忘れてるかも/上野千鶴子氏の講演を聴く

医学部時代や研修医時代、問診で既往歴を聴きなさいとは教育されましたが、それが具体的にどれくらい重要かと教えられた記憶はありません。これは、政治家の物言いと違って本当に記憶にないと言うことで、教えられたのかも知れませんが、覚えていないと言うことです。

・既往歴は、単にルーチンに、決められているから聴くのではなく、今の診療とどう関わるかをちゃんと認識していないといけないと思います。で、既往歴の聴取は具体的にこういうことに関係してくるから大事なんだよと言うようなことをいろんな具体的な事例を収集して、まとめようとも思っているのですが、なかなか...↓のようなレポートがありました。


Exploring Subcutaneous Masses in the Elderly: Diagnostic Challenges
Toru Tsuboya, Hiroshi Tada
Intern Med 64: 621-622, 2025
皮下腫瘤が見つかったけど、それは膝の手術の時に埋め込んだ金属の板をとめるネジの先が患者さんが痩せて皮下脂肪が減って出てきたとのことでした。
・既往歴の話に戻りますが、患者さんから積極的に言ってくれることは少ないので、こちらから意識的に聴取し、それを記録するだけではなく、その場合何が起こる可能性があるかも考えることですね。わたしゃ、全然、できてないけど。
以下日記
・ちょっとだけ過去を振り返ります。
・2/12(水)は、5時過ぎ起きて勉強会の準備して出勤。午前外来:日頃通院されている患者さんが意識障害で受診。他院にきちんと診断付けてもらうため紹介。(その後夕方もどってこられ、当院入院)その患者さんの対応中外来診療はストップ。外来患者さんにはご迷惑おかけしました。午後は回診とカンファレンス。帰宅後はフェミニズムの本読みました。
・2/13(木)は、午前外来。午後水島へ行って手話通訳者の頸腕健診を行い、また玉島へ戻り仕事。帰宅後は"Causal Inference: What If"読んで、その後フェミニズムの本読む。
・2/14(金)午前外来、午後回診とカンファレンス。帰宅後フェミニズムの本読む。
・2/15(土)は昨日書きました。
・本日2/16(日)は朝一で病院へ。気になる患者さんの診察ですが、落ち着いておられました。外来で定期的に診ている患者さんが昨日入院されており、その患者さんも診察。午後からは岡山(市)の岡大の金光ホールへ。岡山県医療ソーシャルワーカー協会の設立30周年記念講演会に参加。上野千鶴子氏による『住みなれた地域で最後まで そのためにソーシャルワーカーに期待すること』という演題でした。この日まで頑張って氏の本を3冊読んで参加したので、講演内容はすーっと入ってきました。話し方も私の好きな関西テイストがあって、好みでした。実は、上野氏は、凜として、めちゃめちゃ厳しい昔の学者肌の人かなとおもっていたら(なんでそう思っていたかは、東大の入学式の祝辞↓のテキストを読んでいたから)、少なくとも今回の講演では、そういう感じではなかったです。
cf. 平成31年度東京大学学部入学式 祝辞
↑の内容には、私はとても共感いたしました。特に共感したところ↓

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。

ただこれはテキストのみなので、語調やボディーランゲージがどうだったか分かりませんし、実際祝辞をうけた新入生達はどう思ったのでしょう。
・上野氏の講演は面白かったし、これから調べないといけないという課題も私に呈示してくれました。また、会場で久々に昔一緒に働いた人達ともお会いできました。行ってよかったです。
・その後は、岡山駅地下のJupiterで買い物して、帰宅。後はネコたちにエサやって、お風呂入って、夕食食べて、飲酒しています。昨日書いたように復刻版のカンペアを飲みました。こういう味だったかなぁ、懐かしいような気もするし...結構おいしい。
・では、そろそろ寝る準備に入ります。オナスビヤサイ。

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CTでみるカーリーのBライン/『挑戦するフェミニズム』読了


・熱心な読者なら、覚えておられるでしょうが、フライシュナー協会というところが、胸部画像診断に関する用語集を出しています↓
Fleischner Society: Glossary of Terms for Thoracic Imaging
・で、ここでカーリのBラインの説明が載っていますと書きたかったのですが、載っていませんでした。で、『医学書院 医学大辞典 第2版』の説明↓
カーリー線
Kerley line
肺うっ血や癌性リンパ管症などによる肺小葉間隔壁肥厚による肺野の線状網状影。上肺野で肺門から放射状に長い線状陰影としてみられるA線,下肺野外側の短い水平の線状陰影としてみられるB線,肺全体にみられる網状のC線がある。
・で、↓のような論文がありました。
Kerley B Lines on Coronal Chest Computed Tomography
Jiro Fujita, Takako Zukeran, Taketoshi Maeda, Motoo Baba
Intern Med 64: 615, 2025
・きれいな画像は研修医教育に使えるとおもいますが、それより、その原因が高度の肥満によるものというものが、興味を引かれました。この論文の引用文献が↓
Negative pressure pulmonary edema related with severe sleep apnea syndrome: A case report
Yusuke Watanabe , Hiroyuki Nagata, Hiroyuki Ichige, Masayuki Kojima 
 Respir Med Case Rep. 2020 Jul 10;31:101153.
Negative pressure pulmonary edema (NPPE) caused by airway obstruction was often life-threatening. Major cause of NPPE in adult patients was reported as post-operative laryngospasm. Therefore, NPPE was recognized widely among surgeons and anesthesiologist, but physicians also could face NPPE case in several clinical situation. NPPE in this case was caused by sleep apnea syndrome (SAS) as relatively rare cause. A 65-year-old female presented to emergency department due to disturbance of consciousness during sleep. This patient had desaturation requiring oxygen administration. Computed tomography showed pulmonary edema in bilateral lung fields. Comprehensive examination had no evident organic airway obstruction, and echocardiography showed normal cardiac function. This patient had been diagnosed with severe SAS with the apnea hypopnea index of 32 times/h. Therefore, we thought that the NPPE could be caused by severe SAS in this case. Continuous positive airway pressure therapy could improve this patient's symptoms promptly, and this patient could discharge without a complication. We should consider SAS as a cause of NPPE when examining NPPE patients especially with onset during sleep.
・カーリーのBラインをきたす疾患の鑑別診断として高度肥満も考えていかないといけないですね。
以下ちょこっと今日の日記のみ
・本日2/15(土)は、5時5分起床。↓の本を読みました。
挑戦するフェミニズム

挑戦するフェミニズム

  •  有斐閣
  • 発売日: 2024/8/20
・その後9時過ぎに家を出て広島へ。佐伯区にあるsakanayaというイタリア料理店でランチ。その後福屋に一瞬世って、ウドエルゴ研究所で某セミナー参加。帰り広島駅で地ビールとカンペアの復刻版を買って、帰宅。現在そのビールのんで、このブログを書いていますが、1本飲んだだけでフラフラなので、もうこれ以上ブログが書けません。また、明日、過去を振り返ります。
・↑の本は帰りの新幹線の中で読み終えることができました。ギリ、セーフ。(明日、上野千鶴子さんの講演があるので、それまでに読み終えようと自分に課しておりました)

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お酒のみでγ-GTPのみ高くても一度は腹部エコーを/多分初体験

会社の健康診断でγ-GTPが高いのみの人が、要精査で紹介されることが時々ありますが、大体腹部超音波検査(エコー)を勧めるようにはしていますが、時にお酒のみの場合、お酒を控えましょうと言って終わっていることもあったような気がします。しかし、一度はエコーはした方が良いみたいです。↓のようなレポートがありました。


職場健診におけるγ-GTP高値指摘が診断の契機となった胆管癌および膵癌の二例
定免 渉, 橋本 大志, 志波 慶樹, 小柳 亮太
肝臓 65 巻 12 号 598―605(2024)
【抄録】

症例1は60代男性,職場健診でγ-GTPのみの上昇を指摘され前医を受診,適量以上の飲酒習慣があったため,当初MetALDが疑われたが,禁酒していたにも拘わらず3カ月後に肝障害の増悪を認め当科に紹介となった.精査の結果,肝門部領域胆管癌の診断であった.症例2は60代男性,職場健診でγ-GTPのみの上昇を指摘され,3カ月後に当科を受診した.飲酒習慣はなかったが,脂肪肝の既往があったため当初MASLD由来を疑ったが,再検査で肝障害の増悪を認めた.精査の結果,膵尾部癌の診断であった.稀に健診や人間ドックの肝機能障害を契機に胆膵領域の悪性腫瘍が見つかることがあり,注意が必要と考え報告する.

 

と言うことで、エコーは勧めましょう。腫瘍マーカーまですべきか否か迷うところですが、ハイリスクの人はした方が良いでしょうね。

 

あっという間に以下日記

・昨日2/10(月)午前は訪問診療、午後は病棟回診、夜間診療でした。(土)(日)病状が心配で診に行っていた患者さん(複数)が、落ち着いており、検査データも改善しており安心しました。で、熱心な私のファンの方ならfacebookもみられていると思いますが、朝のご挨拶の投稿で今日から禁酒ですと書きましたが、何かホッとしてお酒が飲みたくなって、飲酒してしまいました。

・本日2/11(火)は前日から、今日は病院に行かないでおこうと固く決意しておりました。自分の健康管理のためです。で、午前中は、ちょっとお勉強。昼前から岡山市へ出かけました。丸善よって、うどん屋さんで昼食摂って、14時から16時くらいまで、ルネスホールで『マンドリンとハープ 魅惑の調べ』というコンサート(マンドリン:伊丹典子さん、ハープ:小原彩乃さん)に参加(と言うのかな?)。多分生まれて初めてハープの生演奏を聴きました。(ひょっとしたら、聴いていたかもしれないけど忘れている)音色がきれいというか優しいというか...心地よかったです。

・帰りは、イオン岡山によってちょっとした買い物して帰宅。悲しいことにまた沿線火災で電車が遅れておりました。この前福山で沿線火災でかなりおくれ、その前は大雨で電車がうごなかくなって車で迎えに来てもらったり。まあ、本があって、お腹すいてなければよろしいのです。

・で、↓の本を読み終えることができました。

 

家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平 (岩波現代文庫)

家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平 (岩波現代文庫)

  • 上野 千鶴子
  • 岩波書店
  • 発売日: 2009/5/15
・社会学、経済学、政治学等きちんと勉強していないから、よう分かりませんでしたが、家父長制と資本制の二元論というのは、わかったような気がいたします。(知らんけど)

 

 


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FYMI: 医療機関での麻疹対応ガイドライン 第七版/私の青春時代はずっと戦争でした。でも...

今年、岡山県で2例(岡山市と倉敷市)の麻疹(はしか)の患者さんの発生がみられています。どちらもベトナムへ行っており、帰国後発症したようです↓


岡山市で11年ぶり、はしか感染確認 40代男性 市「予防接種を」




ベトナムから帰国の倉敷の男性 はしか感染 県内ことし2人目





・私が、研修医の頃は麻疹は何人か診た経験がありましたが、その後いつのまにか全然みなくなっていました。

しかし、コロナが流行る前ですが、お一人大学生の方が受診され、麻疹の疑い有りと報告しました。で、いろいろ問い合わせがあって、誤診だったらどうしようと、ビビッた記憶があります。幸いなのか、幸いでないのか、診断は当たっていました。で、↓のようなガイドラインがありますので、また、復習しないと。



医療機関での麻疹対応ガイドライン 第七版


国立感染症研究所 感染症疫学センター 平成 30 年 5 月





あっという間に以下日記

・昨日2/8(土)は、午前中は福山の診療所で外来。ここは以前私が院長時代に消化器内視鏡の支援にきていただいていたことがあり、そのご恩返しで、コロナ前診療支援に行っていました。一時中断していましたが、また、お声がかかったので、今回から月1回支援の診療に行くことになりました。で、その初日でした。メッチャ緊張しておりましたが、ベテラン看護師さんがついてくださったし、そもそも天候の関係か、患者さんが少なくゆっくり診療できて良かったです。診療後福山駅前の天満屋をうろうろして帰宅。夕方、新倉敷駅近くの間暖という韓流創作料理の店で熟女達とお食事会。

・本日2/9(日)は、朝ちょっと気になる患者さんを診に病院へ。その帰り、某施設訪問:以前私が診ていた女性の患者さんが100歳になられるのでお祝いに。昨日天満屋をうろうろしたのは、プレゼントを探すため。ちょっと工夫して、今日の分のプレゼント(ベタなモノで自分のセンスのなさを嘆きます)をお渡ししたのと、3月になったら封筒あけてください、4月になったら封筒あけてくださいという様な感じで、もっと長生きしてねという思いをこめてお渡ししました。

・その患者さんが言われるには、私の青春時代はずっと戦争=満州事変、支那事変、第二次世界大戦、朝鮮戦争。若いときは、徴兵検査の手伝いもしたとのこと。その時初めて若い男の人の褌一丁の姿を見たと。しかし、自分の人生は充実していました。ひ孫は10人。皆さんに感謝ですと言われていました。

・その日は遠くからお子さん、お孫さんが訪ねてこられて、一緒にお食事に行くとのこと。よろしおすなぁ。

・帰宅後お昼ごはん時にビールを飲んで、お昼寝。その後はずーーと事務作業。で、現在もアルコール飲みながらこのブログを書いております。22時までには寝ましょう。

・先ほどの100歳の方のお話を聴いていて思いだした詩↓


 わたしが一番きれいだったとき 
                茨木 のり子
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり
卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
              ね
cf. 高校講座ラジオ学習メモ
・ホントに、こんなことが二度と起こらないように...


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FYMI:静脈疾患における圧迫療法ガイドライン2025 /心がおれる

熱心な読者なら覚えておられるでしょうが、私は2回(右脚、左脚)に深部静脈血栓ができました。で、ずっと抗凝固剤の内服と弾性ストッキングを着用しています。で、今年1月に以下の様なガイドラインが出ておりました。ご参考までにシェア↓


静脈疾患における圧迫療法ガイドライン2025
・当然(?)まだ、全部は読んでおりません。で、以下メインの話からちょっと、はずれるが面白いと思ったところ:CQ8で、弾性ストッキング着用が静脈血栓後症候群の予防に有用ではなかったという大規模RCTの問題点を指摘しており、なかなか痛快でした。なんで、痛快かというとRCT至上主義というものがはびこっていると感じており、それに対して(直截そう言っているわけではありませんが)注意喚起しているからです。(多分、最近はそういうのは是正されつつある・・・と信じたい)ここの箇所、研修医に講義するときRCTって、その研究デザインだけで評価せず、中味も観ないといけないよというネタに使えそうな気がします。
あっという間に以下日記
・現在、体と心がつかれておりブログがなかなか書けませんでした。今夜はちょっと時間と心の余裕ができたので久々にアップしました。いったいいつから記事はかいてなかったかな?例によって、過去を簡単に振り返ります。
・2/3(月)は普通に仕事。夜に"Causal Inference: What If"読む。
・2/4(火)は、午前外来。この時お一人入院。午後回診。夜間診療。終了間際に私が訪問診療している患者さんが救急搬入され20時前まで対応。
・2/5(水)午前外来中昨日午前中に入院していただいた患者さんが急変。外来は、他の方々に任せて対応。残念ながらお亡くなりに。午後はカンファレンス、夜間診療。心がおれました。
・2/6(木)は午前外来、午後は珍しく会議、カンファレンスがなく病棟業務に専念できました。しかし、心と体がしんどい。帰宅後は20時30分~22時までZOOMで"Causal Inference: What If"の勉強会。(主に操作変数)
・本日2/7(金)は午前外来。午後は水島へ行って手話通訳者さんの頸肩腕障害健診。その後玉島へもどって仕事。帰宅するとき車の上に雪が積もっていました。我が家に帰ると庭と周りの畑に積雪。明日福山に行かないといけないのにどうなるか心配。
・22時には寝て、明日は早く起きて天候や道路の具合を見て何時にでてどうやって福山に行くか検討いたします。

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若年者の腹部血管雑音/ここで一句:就活を就活と間違えられる高齢者(字余り)

長い間地域で臨床医をしていますと子どもの頃見ていた子が大人になって受診することがあります。あんな、ちっちゃかった子どもがりっぱな大人になって...通りで頭が禿げるわけだ。

・それはさておき下痢が続く(子どもの頃見たことがある)若者が先日受診しました。お腹の聴診をすると血管雑音が聴こえました。なんせ、急患を診たら大動脈解離のようなものがないか考える癖をつけようとしているのでドキリとしました。若者で動脈疾患といえば、マルファン症候群やエーラスダンロス症候群、としか私の頭には浮かびません。前者は外観が違う、後者はとりあえず手、肘の関節を伸展してもらったけど、普通。(皮膚引っ張るの忘れました)なんせ、動脈疾患が怖いので、腹部エコーをしてみたら、特に異常なし。ほっといたしました。後から調べると、鑑別診断に高安病を考えるべきでした。あと、結構若者では血管雑音が聞こえるそうです。症状がない若者の腹部血管雑音は心配しなくてよいみたいです。ただし、血圧はちゃんとチェックしておくこと。まあ、この患者さんの場合は症状があったわけで腹部エコーするのは過剰な検査ではなかったと思います。


cf. 腹部血管雑音 (今日の臨床サポート)




あっという間に以下日記

・1/26(日)以降ブログを書いておりませんでした。なんせ、疲れております。

・1/27(月)は午前訪問診療、午後病棟回診とカンファレンス、16時から夜間診療。ダッシュで家に帰って19時からZOOMで社会医学会の理事会。その後看護学概論の教科書読みました。

・1/28(火)は午前外来、午後病棟回診、夜間診療。帰宅は20時前。ホンマ、疲れますわ。

・1/29(水)は、午前外来、午後回診とカンファレンス。帰宅は19時前。何か体がしんどいのでネットをダラダラ見ておりました。

・1/30(木)は、午前外来、午後病棟回診。比較的早く18時半前に帰宅できました。

・1/30(金)は1日有給休暇を取りました。しかし、そうすると3日間病院に行かなくなるし、そもそも心配な患者さんが数人おられるので、「出勤」。心配していた患者さんは、夜間状態が悪くなっており転院となりました。宿直のDr.がきちんと対応してくださっており、本当に有り難かったです。その後岡山医療センターへ。今年の5月から公衆衛生の講義を7回することになり、打ち合わせ。1時間ちょっとで終わり、まあ、なんとかなるでしょう。それにしても、とっても歓待してくださり、恐縮でした。(最初、お電話で副校長先生のお話ししたときとても優しい雰囲気で安心してはいたのですが)

・その後イオン倉敷に行ってたこ焼きの昼食後、買い物と映画鑑賞:『アンダーニンジャ』を観ました。若干冗長なところがありましたが、結構面白かったです。帰って、久々の飲酒です。なんせ、スーツを着るために禁酒しておりました。(ズボンははけないことはないのですが、ウエストがかなりキツかった。でも、この日はちゃんと普通にはけました)

・昨日2/1(土)は9時頃家を出て瀬戸内市へ。1時間ちょっとかけて、まずは中光商店というかまぼこ屋さんへ↓



ここの天ぷらが結構おいしいんです。いろいろ買って、まず駐車場の車の中で食べて、残りお持ち帰り。それから瀬戸内市立美術館へ行って『96歳 セツの新聞ちぎり絵原画展』というのを観てきました。



なんせ、すごいとしか言い様がありません。まあ、観てみられぇ。

・その後美術館近くの『瀬戸内バーガーワークス』というお店でハンバーガー食べました。ハンバーガー以外にもいろいろメニューがあってお酒飲んで、食事したいところでした。



・その後は帰宅。一服後18時から20時半過ぎまで、インターネットで「ベッドサイド腹部エコー活用&学習術!」というWebセミナーを視聴しました。結構勉強になりました。

・ところで、今回のブログの標題の後半のお話。金曜日朝一で病棟に行って患者さんをみてから、師長さん、その他看護師さんに今日は休んで就活に行きますといったら、師長さんから拝まれました。お墓でも見に行くのと思われたのでしょうか?私の年齢で「しゅうかつ」といえば、就活ではなく終活と思われても仕方が無い。しかーしっ!どっかの政治家が1億総括役とか年取ってもしっかり働けとか言っているではないですか。定年の年になっても次の仕事を探さないと。

・で、高齢の医者でもスキルアップしたい。でも、いろんな研修会はほぼ若手、中堅向けで高齢者にはとても敷居が高い。熱心な読者は覚えておられるでしょうが、昨年私は東京までPOCUSの勉強に行ってきました。私のような高齢者が参加していいのか?若者の中でたった一人ではないのか?とびびりながら参加しましたが、一定ベテランのDr.も参加されていてホッとはしました。とは言っても8割くらい?は若手。やはり、研修会の敷居は高い。

・しかし、昨日のWebinarで、講師の亀田徹先生(日本ポイントオブケア超音波学会)がシニアにも学ぶ場を提供したいというような発言をされており、こころ強く思いました。POCUSのみでなく、医学との全ての分野で高齢医師の学び直しや新たな知識・技術の習得の場をつくっていただきたいものです。(つくるというのは、単につくるのではなく、参加しやすい雰囲気作りをしていただきたい)

・本日2/2(日)は、1日家にこもっていました。外に出たのは、夜に医療生協の配り物をしにいっただけ。ずっと家におりました。昨日までは福山まで映画を観に行こうと思っていましたが、よく考えたらすること山のようにあって、あとで苦しむので、今回断念。主には、"Causal Inference: What If"を訳しながら読んでいました。その他いろいろ細々な事をして既に22時前。でも、ちょっとずつすべきことが処理されていき、ちょと気が楽になっております。

・明日は、午前訪問診療、午後病棟回診、夜間診療です。ちょうど96歳になるご婦人への訪問診療なので、ちょっとしたプレゼントを持っていくつもりです。(何にしたら良いか迷いましたが、瀬戸内市立美術館でしいれました)また、2/10に100歳になる昔の患者さん(今、施設に入られている)もおられるので、何をプレゼントしたら良いか考え中です。

・金曜日の夜から禁酒は解禁しており、(金)(土)とアルコール摂取。本日もちょっと飲みながらこのブログを書いております。まだ、瓶ビール330mLだけなので、もう少しだけアルコール飲んで、22時台には寝たいと思います。

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