SSブログ

腹部大動脈瘤の合併症は破裂のみではない/シニアで地域で人間関係を作れない人

定期的に外来受診をされている患者さんで腹部大動脈瘤を見つけることは時々あって、厳重フォロー、早めの専門医紹介を心がけており、今まで幸いなことに大きな問題は起こっておりません。ここでいう大きな問題とは破裂の事ですが、そればかり気にしていると足下をすくわれることがありますね。下のような論文がありました↓

 急性閉塞を起こした腹部大動脈瘤の1例


日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 43(2014) No. 4

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcvs/43/4/43_185/_pdf

症例は80歳男性.ゲートボール中に両下肢脱力,疼痛が出現したため近医を受診し,経過観察された.翌日,症状が増悪し,前医を受診したところ,両側大腿動脈拍動が触知できず,下肢急性動脈閉塞が疑われ造影CTを撮影された.CTでは最大短径37
mm大の腹部大動脈瘤を認め,瘤内は完全閉塞し,側副血行路にて両側内外腸骨動脈末梢が造影されていた.腹部大動脈瘤急性血栓閉塞と診断され当院へ緊急搬送となった.来院時,下肢所見はBalas分類III度,TASC分類IIb,Rutherford分類IIbであった.腹部症状は認めず,下肢へは側副血行で血流の確認ができたため,血行再建の方針とした.術式は,認知症,高齢を考慮し非解剖学的血行再建術(右腋窩動脈-両側大腿動脈バイパス)を施行した.術後,再灌流障害を来すことなく経過し,第16病日独歩退院となった.腹部大動脈瘤急性閉塞は比較的稀な疾患である.発症時,虚血範囲が広範となるため,血行再建術後に重篤な再灌流障害を来すことが多く,予後不良の疾患である.今回,救命しえた1例を経験したので報告する.

・外来診療では時々足背動脈は触るようにしていますが、大腿動脈も触れるようにしていた方がよいでしょうかね。

以下日記

・本日は当直「明け」、7時前に起床です。シャワー浴びて、朝食後外来です。今日は朝一で病院前で転倒された患者さんがおられましたが、特に外傷もなくホッとしました。その後は順調に外来進行。ただ、やはり当直明けで体がしんどくて後半ペースダウンでした。お昼1時間会議後いったん帰宅して岡大医学部へ。そこでCA(論文の批判的吟味)の学習会参加。帰りはいつものように歩いて医学部から岡山駅まで。途中イオンによって文具、日用品と御座候を買って20時40分頃帰宅。配偶者曰く、仕事帰りに恵方巻きかおうと思ったけどどこも売り切れだった、今ご飯炊いてるところと。で、ちょっと部屋でゴソゴソしていたら、呼び出されて居間にいったら、キンパをつくっておられました。で、キンパを巻き寿司の代わりにして西南西を向いてほおばりました。で、入浴、ノンアルビールとキンパの残り食べて、このブログかいています。

・今日は帰りの電車の中で『ユマニチュード 認知症ケア最前線』という新書が読めました。ユマニチュードについては以前m3.comのブログでご紹介したのですが、現在見れなくて残念。是非『ユマニチュード入門』は医療者・福祉職の方々には読んでもらいたいと思います。で、今日読んだ本の中にユマニチュードとは直接は関係ないのですが、シニアになって地域での人間関係を上手く作れない人の共通点というのがかかれていました。今日は、そちらがおもしろかったのでご紹介↓

・過去の経歴をひけらかし、自慢話ばかりするタイプ

・女性がリーダーだと、不機嫌になるタイプ

・気の合う人を囲い込み、派閥を作りたがるタイプ

・雑用は他人に押しつけるタイプ

で、上記の共通点をあげたシニアライフアドバイザーの方の言葉:「会社で偉かった、業績を挙げたという人ほど、妙に自分に自信があって、当時の自分のプライドを捨てられません。そういう自信というのは、実は地域社会では、あまり役に立たないどころか、むしろ、人間関係を作る上で邪魔になったりするんです。」

・気をつけなくっちゃ。


ユマニチュード入門

ユマニチュード入門

  • 作者: 本田 美和子
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2014/06/09
  • メディア: 単行本




ユマニチュード 認知症ケア最前線 (oneテーマ21)

ユマニチュード 認知症ケア最前線 (oneテーマ21)

  • 作者: NHK取材班
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/10/09
  • メディア: 新書


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0