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「頭の良い」医者が何故いけていないのか?/ミチバの法則:医療をきちんと行うための土台には、教育が必要

・医師生活35年以上、色んなDr.をみてきました。吉川英治の「われ以外みなわが師」という態度が見習えるようなお年頃になったと思います。いろんなDr.をみてきましたが、ちょっと困ったちゃん系のDr.のお話。

・囲碁、将棋、麻雀がつよかったり数学がよくできたり、記憶力が非常に良いDr.をいろいろみてきました。それだけ「頭が良い」なら実際に行っている医療も素晴らしいかというと、対患者、もしくは対スタッフに対する態度がどうもいただけないというDr.が少なからずいます。若かりし頃は、そんなに頭が良いのにどうして実際の医療では今一なのか不思議に思っておりました。で、ある日ハタと気がつきました。囲碁や将棋、麻雀といったゲーム、また数学というものは、あらかじめ明確なルールがきまっており、対戦するお互いが知っていると言うことです。(数学は対戦はないですが)ところが医療というのは、そもそも明確なルールがない、また患者さんと医師には情報格差があり、ゲームとは全く違う状況です。ところが「頭の良い」医者は、そのルールが明確ではない、もしくは、これから患者と医者の努力で作り上げていく、また、不確実なところがある、患者ごとにルールが違うといったことが「わかっていない」ということに気がつきました。自分のルールで突き進むと言うことです。なので、「困ったちゃん」になってしまうのです。

・また、もうひとつの困ったちゃんのタイプですが、医師同士では紳士的、研修医にはとても優しい、ところが患者さんもしくは他のスタッフに対してはエラソーな物言いをするというようなDr.がいます。医師だけの集団の中では紳士的、ところがそれ以外では、暴君、何でだろー。私は、島国根性とかナショナリストといっていますが、コスモポリタンでありたいものです。

・今日なんでこんなことを書くかというと、ある病院にかかっていた患者さんが来られていろいろ質問されるのですが、なぜ今までかかっていたDr.にきかなかったのですか?と問うと、だって、質問したら怒られるんですと言う扁桃、じゃなかった、返答。もう、言語道断、ドウダンツツジです。・・・医師集団、学会内でとても紳士的で素敵なDr.にあっても、患者さんやスタッフに対してもおんなじだろうかと、つい考えてしまう、心がピュアでないわたしでした。で、「われ以外みなわが師」ということで、反面教師にしてそのような態度をとらないようにしないとと思うのでありました。


以下日記

・本日7/17(金)は、6時起床。ちょっとだけ朝勉して出勤。病棟ちょっとよって午前外来。午後回診、産業医面談、病状説明、研修医への講義でした。で、とても早くて18時前帰宅。いつもこうだったらもうちょっと人生が豊かになるのにとおもうのでした。(実は、草抜きばかりしているかもしれませんが)帰宅して、入浴、夕食。久々にアルコール摂取。そして、このブログ書いております。これからちょっとだけ本読んで22時までには寝たいと思います。

・今日外来は予約が少なく時間的に余裕があったので、最近就職された若い看護師さんに外来受診された患者さんのバックグラウンドをお話しました。お一人文盲(もんもう)の人がおられ、それから話を広げて、今の日本でも色んな理由で文盲の人がいる、その人達のサポートのために夜間中学というのがある、そこに通う人が若者からおじいさん、おばあさんまでいる、私はすこし夜間中学を作る運動に寄付し、いつか見学にも行きたいとおもっているというようなお話をしました。なぜ、文盲にこだわるかというと、きちんとした医療を行うためには、どうしても一定のリテラシーがいる。そのリテラシーがない人にいくらきちんと病気や治療の説明を文書をつかっておこなってもなかなか理解してもらえない。その「底上げ」のため、夜間中学にかかわりたいとおもっているというお話をしました。・・・医療をきちんと行うための土台には、教育が必要=新たなミチバの法則です。

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