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「新しい」珪肺/夜間診療4時間は疲れる

たまには、看板に偽りがないように職業・環境性疾患のお話を書きます。今日は、古くからある職業病である珪肺のお話です。いつものように『医学書院医学大辞典第2版』から引用しますと↓


珪肺 silicosis

遊離ケイ酸(free crystalline silica)を吸入して起こる塵肺。シリカ(silicon dioxide)は地球上に最も豊富な鉱物で,結晶(石英など)と非結晶(珪藻土など)とがある。このうち結晶シリカが珪肺の原因となる。胸部X線写真では上肺野優位に粒状影が散布し,肺門リンパ節の石灰化や進行性塊状線維化病変形成による肺野の大結節を呈することがある(写真)。短期間に大量の遊離ケイ酸を吸入すると病変が急速に進行する特殊な病型がある。以前には,肺結核を合併することが多かった。特異的な治療方法はなく,去痰薬や気管支拡張薬を対症的に投与する。また,進展期には酸素療法の適応となる。

・MDSマニュアル↓




・もっと詳しくは↓(NIOSHのパンフレット)





・原因となる職業は、坑夫やサンドブラスト、石工、窯業従事者等々です。問題の一つは、予防可能な疾患なのに毎年あらたな患者さんが出ていること。もう一つの問題は、大昔からある病気ですが、最近はあらたな職場環境での発生がみられると言うことです。熱心な読者なら覚えておられるでしょうが、その一例がダメージ・ジンズ製造。あと宝石の正続、そして本日ご紹介する「人工石」の作業です。人工石は最近家を作るときよく使われるようになったそうで、その石材を切ったり研磨することで粉塵を吸入して珪肺になるというものです。最近↓のようなレポートがありました


Artificial stone-associated silicosis: a rapidly emerging occupational lung disease
Ryan F Hoy,et al.


Occup Environ Med 2018;75:3–5. doi:10.1136/oemed-2017-104428





Abstract

Introduction Artificial stone is an increasingly popular material used to fabricate kitchen and bathroom benchtops. Cutting and grinding artificial stone is associated with generation of very high levels of respirable crystalline silica, and the frequency of cases of severe silicosis associated with this exposure is rapidly increasing.

Aim To report the characteristics of a clinical series of Australian workers with artificial stone-associated silicosis.

Methods Respiratory physicians voluntarily reported cases of artificial stone-associated silicosis identified in their clinical practices. Physicians provided information including occupational histories, respiratory function tests, chest radiology and histopathology reports, when available.

Results Seven male patients were identified with a median age of 44 years (range 26–61). All were employed in small kitchen and bathroom benchtop fabrication businesses with an average of eight employees (range 2–20). All workplaces primarily used artificial stone, and dust control measures were poor. All patients were involved in dry cutting artificial stone. The median duration of exposure prior to symptoms was 7 years (range 4–10). Six patients demonstrated radiological features of progressive massive fibrosis. These individuals followed up over a median follow-up period of 16 months (IQR 21 months) demonstrated rapid decline in prebronchodilator forced expiratory volume in 1 s of 386 mL/year (SD 204 mL) and forced vital capacity of 448 mL/year (SD 312 mL).

Conclusions This series of silicosis in Australian workers further demonstrates the risk-associated high-silica content artificial stone. Effective dust control and health surveillance measures need to be stringently implemented and enforced in this industry.

↑の文献の引用文献も参考になると思います。

・珪肺に限らず、本来予防可能な疾患に労働者がかかってしまうのは理不尽なことです。

以下日記

・昨日11/2(月)は、6時30分起床。月曜朝のルーチンを終えて9時から11時まで大学院のZOOMの学習会。その後事務的な作業して昼食摂って出勤。患者さんは、土曜、日曜とみていて落ち着かれていたので安心して出勤。回診しても予想通り著変なし。で、16時からの夜間診療を早めに開始。なんと予約外の患者さんがめちゃ多い。で、不完全な「加速装置」をカチッといわせて仕事したらなんとビックリ18時半過ぎには終わりました・・・と、思っていたら嘔吐、発熱でこれから行っていいですか?と、普段診ている患者さんから電話があったとのこと。で、その話が私に伝わった段階で患者さんは病院玄関に来られておりました。で、その方の対応で20時まで。あとは、当直のDr.に引き継ぎました。で、20時38分帰宅。お風呂入って、夕食。しんどくて思わずチューをあおりました。というのはちょっと違って、ビールとワイン。ちなみに「山谷ブルース」をイメージしております・・・分かる日本国民がどれだけいるかな?で、なにもせずに寝ました。インターネットで色んなDr.に働き方をみていますが、夜間診療が21時におわったとか、1日で100人患者さんみたとか、私には到底できない診療をされているDr.がおられますが、私にはムリです。そのような働き方をされるDr.はスーパードクターKです。(Kは「驚異」のK。しかし、漫画のパクりです)

・本日11/3(火)は、先週は病院にいっていろいろ仕事をしようと思っていたのですが、病棟の患者さんは落ち着いていたし、昨日の重労働もあったので病院には行かないことにしました。で、午前から夕方まではお勉強:社会疫学と睡眠時無呼吸症候群。途中ナフコとCOOPに買い物に行きました・・・買い物と言えばせめてイオン、できたら神戸のセンター街に行きたいのですが、医療従事者なので自重しております。夕方は、畑の木を切って、庭の草抜き。途中畑に自然になっている柿を5こ位収穫。そして、入浴。夕食。ノンアルコールビールを飲んだだけなのに、なんか酔っ払った感じです。まだ21時台ですが布団に入って本読みながら眠りにつきます。

 

 



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