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医療安全管理/しっかりでうっかり

・今月の末に職員さん向けに「ノンテクニカルスキルと医療安全」というテーマで講義をする予定です。医療安全については①To err is human.②スイスチーズモデル③水平展開というのをキーワード/キーフレーズにしようと思っています。また、「ジョーカーをひいた(ひかされた)」というフレーズも強調しようと思っております。で、その講義の参考にと↓の論文を読みました。


医療安全管理の全体像


長尾能雅


日本内科学会雑誌 109巻(2020)3号




短い文章なので、物足りないところはありますが、概要をみるのはよいでしょう。それに参考文献が大切。

わたしがちょっと不満なのは、図1.ループでは、院内のインシデントやアクシデントしか分析されないと言うことです。他の院所や社会での問題がここでは取り上げられないと言うことです。自分の院所で事故が起こって無くても新聞報道された医療事故を観たらそれを分析して自分の所で同じことが起こらないようにするというシステムが欠落しております。私が2000年に院長になったときは、ちょうど医療安全元年みたいな感じの時でした。私は、インターネットで朝日、読売、毎日、産経といった新聞を毎日チェックして医療事故がないか、あったら自分の院所でどうなのかを検討しておりました。たとえば、カリウム製剤。静脈注射したら心臓が止まってしまうので点滴しなければいけないのに静注で事故がおこったとよく報道されておりました。私は、カリウム製剤は詰め所の普通の薬剤の棚から離して置くようにしました。それから数年後全国的に↓のような声明がでました


緊急通告




・もう一つだけやったことを書きますと、色んな病院の薬局から薬剤が盗難されていたというニュースも時々ありました。それを見て薬局の天井に監視カメラを置くようにしました。

・最近でも報道があるのが、画像や病理の「癌」という結果を主治医がみておらず手遅れになったというもの。大きな病院がそのようなミスをやっております。私が勤める玉島協同病院および水島協同病院では、病理で悪い結果が出たら直接主治医に電話連絡入れてくれます。(実は、今日もありました)また、水島では、所見を確認したという電子カルテのボタンを押さないと医局事務さんから確認してくださいというメモを渡されます。玉島ではそれはないですが、電子カルテですがCTの所見は紙で各主治医の書類トレイに配られます。また、小さい病院なのでお互いFACE TO FACEでこんな所見があったよと連絡し合います。私は個人的に生検したり画像検査をしたら、その所見の確認を忘れないため大体1週間から2週間後に電子カルテの患者予約欄に予約を入れて所見を見るようにしています。

・長々と書きましたが他の組織の失敗を水平展開することがとても大切と思うのですが、上記論文の図1ではそれが欠落していると思います。



以下日記

・本日3/10(水)は、5時35分起床。朝勉して出勤し午前外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療でした。今日の夜間診療で定期的に診察している高齢一人暮らしの患者さんで、失敗したなとおもったこと。その患者さんしっかりされているので、全然介護保険のことを考えていませんでした。大体診療するときは病気のみでなく生活のことも考えるように心がけているのですが、患者さんがしっかりされているとついそういうことを忘れてしまいます。今日、だんだん足のチカラが弱ってきたという訴えを聞いて、そういえば通所サービスなんかりようしていたかな?ということから質問してみるとケアマネジャーもきまっておらず全然介護保険を利用していなかったとのこと。うっかりしておりました。なので、(患者さんが)しっかりしていると(こちら側が)うっかりしてしまうという本日の標題の後半でいした。

・帰宅は18時半ころで、早く帰ってこれました。お風呂入って、夕食。ちょっとだけビールをいただきました。で、ちょっとお勉強してこのブログを書いております。腰痛は右の方に限局しつつあります。ちょっと何かでチカラをいれると痛みがきますが、ましになっているような気がします。これからちょこっとだけ勉強して21時台には寝たいと思っております。


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